JR高山本線
JR高山本線の概要
富山駅に停留する高山線普通列車
富山駅に停留する高山線普通列車
高山本線は、岐阜県岐阜市の岐阜駅から富山県富山市の富山駅に至る総延長225.8 kmの鉄道路線(地方交通線)です。
岐阜-猪谷間はJR東海、猪谷-富山間はJR西日本の管轄となっています。
1920年(大正9年)11月1日に岐阜-各務ヶ原間(13.2km)が開業したのが高山線の最初でした。この際に長森駅、那加駅、各務原駅が開業しています。その後、岐阜側から順次路線が延伸開業していき、1933年(昭和8年)8月25日に飛騨萩原-飛騨小坂間 (12.1km) が延伸開業し、上呂駅、飛騨小坂駅が開業しました。これにより岐阜-飛騨小坂間33.1kmが開通したことになります。
一方、富山側からは飛越線が順次建設されて延伸します。
1927年(昭和2年)9月1日に飛越線・富山-田苅屋信号場-越中八尾間(17.06km)が開業したのが最初です。
この際に西富山駅、速星駅、千里駅、越中八尾駅が開業しています。富山-西富山間には田苅屋信号場を開設しています。これは、北陸本線と富山-田刈屋信号場間を共用するためです。この頃は建設費をけちっていたということになります。
1929年(昭和4年)10月1日には越中八尾-笹津間(8.21km)が延伸開業し、笹津駅が開業しています。
1930年(昭和5年)11月27日には笹津-猪谷間 (11.3km) が延伸開業し、楡原駅、猪谷駅が開業しています。これによりちょうど現在のJR西日本が管轄する路線が完成しています。1932年(昭和7年)8月20日には猪谷-杉原間 (8.7km) が延伸開業し、杉原駅が開業しています。1933年(昭和8年)11月12日には杉原-坂上間 (13.9km) が延伸開業しています。打保駅、坂上駅開業。
おわら風の盆で有名な越中八尾駅
おわら風の盆で有名な越中八尾駅
1934年(昭和9年)10月25日に飛騨小坂-坂上間 (57.8km) が開業し全線が開通しています。
同時に高山線が飛越線を編入し、岐阜-富山間が高山本線となり、現在の路線と同様の姿になったわけです。
この際に渚駅、久々野駅、飛騨一ノ宮駅、高山駅、上枝駅、飛騨国府駅、飛騨古川駅、飛騨細江駅、角川駅が開業しています。
1945年(昭和20年)1月10日には飛騨金山-焼石間の橋梁で下り旅客列車の客車2両が脱線し益田川(飛騨川)に転落し、43人が死亡、負傷者56名を出すという大事故が発生しています。この事故は高山線列車脱線事故と呼ばれています。
1956年(昭和31年)6月1日には東八尾駅が開業し、同年11月19日には田刈屋信号場が廃止されています。これにより北陸本線と高山本線が分離されて輸送力が増大しています。
1968年(昭和43年)10月1日には岐阜-高山間にCTCを導入しています。同時に特急「ひだ」が運転開始しています。
1969年(昭和44年)10月1日には高山-富山間にCTCを導入し、これで全線がCTC化されています。
さらに同日、無煙化が実現してSLが廃止されています。
1987年(昭和62年)4月1日に国鉄分割民営化により東海旅客鉄道が岐阜-猪谷間を、西日本旅客鉄道が猪谷-富山間を継承しています。日本貨物鉄道が岐阜-高山間と猪谷-富山間の第二種鉄道事業者となりますが、高山-猪谷間の貨物営業は廃止されています。1990年(平成2年)3月10日には岐阜-美濃太田間でワンマン運転が開始されています。同日、急行「のりくら」が廃止されて特急「ひだ」に統合されています。
坂上駅には「遊ingギャラリー」が併設されている
坂上駅には「遊ingギャラリー」が併設されている
1992年(平成4年)3月14日には猪谷-富山間でワンマン運転が開始されます。
1996年(平成8年)6月26日に特急「ひだ15号」が下呂駅南約3km地点の三原トンネル出口にて大雨により落下した岩石に衝突する事故が発生しています。これにより5両編成中先頭の2両が脱線し、負傷者16人を出しています。この事故により約半月の間復旧作業が行われ、焼石-下呂間はバス代行輸送を行っています。1999年(平成11年)12月4日には美濃太田-高山間でワンマン運転開始。同日、急行「たかやま」を廃止し大阪発着の特急「ひだ」が新設されています。 2001年(平成13年)10月1日には名鉄から乗り入れる特急「北アルプス」が廃止されています。2003年(平成15年)10月1日には高山-猪谷間でワンマン運転開始。これにより全線がワンマン化されたことになります。
さて2004年(平成16年)10月22日、岐阜県飛騨市宮川で台風23号による大雨によって線路や鉄橋が流失し、高山-猪谷間が不通になるという大惨事が発生しています。同年11月18日には高山-飛騨古川間が復旧し、運行再開されています。
2005年(平成17年)10月1日には飛騨古川-角川間が復旧し、運行が再開されました。
2007年(平成19年)3月17日には岐阜-坂祝間の貨物列車の最終運行日となり、同年4月1日には日本貨物鉄道の第二種鉄道事業(岐阜-高山間 136.4km)が廃止となっています。これによりJR東海管轄の路線では貨物扱いが廃止されています。
同年9月8日には角川-猪谷間が復旧して、全線運行が再開されました。
特急「ワイドビューひだ」
特急「ワイドビューひだ」
2008年(平成20年)3月15日に速星-西富山間に(臨)婦中鵜坂駅が開業しています。
同年6月1日には富山鉄道部が廃止され、猪谷-富山間が北陸地域鉄道部の管轄になっています。
2010年(平成22年)には岐阜-美濃太田間にTOICAが導入されています。
この路線は、全線単線・非電化の地方交通線です。本州内で本線なのに地方交通線というのは、ここだけです。(泣)
もっともかつて電化計画もあり、1980年5月に高山駅構内にて電化工事の起工式が行われて着工しました。
しかし直流、交流の方式が決まらないうちに、財政難から中止されてしまい、実現に至っていません。
もっともJR移行後に導入された新型車両キハ85系気動車の導入により、高山以南では特急の運行速度は電車特急に比べてもさほど遜色ないレベルになっています。
またこの路線では国鉄時代の早い時期から、列車交換設備の増設やCTCの導入といった輸送近代化が行われています。
JRに移行後は、岐阜 - 高山間において、列車交換可能駅で両開き分岐器(Y字ポイント)を高速通過が可能な型に交換し、優等列車の高速運転が行えるように改良が行われています。
高山本線は、飛騨高地の山間を通って中京と北陸を結んでいますが、中京から北陸へのアクセスは北陸本線の方が速く、実際には中京もしくは北陸から飛騨地方へのアクセス路線として利用されています。
飛騨古川駅は奥飛騨地方の観光拠点です
飛騨古川駅は奥飛騨地方の観光拠点です
沿線には下呂温泉や高山市、飛騨市など観光地が多く、高山市からは白川郷合掌集落や奥飛騨温泉郷、乗鞍岳などのバス路線があり、この飛騨地方全体が言わば一大観光地となっているため、当路線も観光路線としての性格が強いのが実状です。
高山本線の優等列車としては、現在運行されているのは、特急「ワイドビューひだ」10往復です。名古屋-高山間、5往復(うち1往復は大阪-高山間を併結)、名古屋-飛騨古川間1往復、名古屋-富山間4往復が運行されています。
富山-名古屋間は、北陸線経由で「しらさぎ」も運行されていますが、距離的にはこちらの方が短いのです。(北陸本線経由で315.9km、高山本線経由で256.1km)
ただし、時間的には「しらさぎ」の方が速かったりします。
(「ワイドビューひだ」は、4時間、「しらさぎ」は、3時間35分)
しかし山岳地帯を通過する単線非電化の高山本線としては「ワイドビューひだ」は、かなり善戦しているということがわかると思います。
かつては、急行「のりくら」「たかやま」、名鉄特急「北アルプス」の乗り入れなどの優等列車の運行もあったのですが、「のりくら」「たかやま」は、「ひだ」に昇格され、「北アルプス」は営業不振で廃止されるなどで姿を消しています。
久々野-飛騨一ノ宮間を境として、ここより南は木曽川・飛騨川沿いに、北は宮川・神通川に沿って路線が走っていて、日本ラインや飛水峡、中山七里、下原ダムなど車窓からの見所も多いのが特徴です。
路線は、おおむね国道41号のルートに沿って走っていますが、飛騨細江駅-猪谷駅間では、国道41号が数河峠を通る越中東街道を通っているのに対し、高山本線は急勾配を避けるために宮川の流れに沿った越中西街道(国道471号、国道360号)を通っています。しかしこのルートは宮川とほとんど密接して通るために大規模な水害に襲われると被害が大きくなります。(泣)

千里駅を通過する特急「ワイドビューひだ」 千里駅を通過する特急「ワイドビューひだ」
千里駅を通過する特急「ワイドビューひだ」 千里駅を通過する特急「ワイドビューひだ」
千里駅を通過する特急「ワイドビューひだ」 猪谷駅に停車するキハ48気動車
猪谷駅に停車するキハ120気動車 猪谷駅に停車するキハ48気動車
キハ48気動車はJR東海美濃太田車両区の管轄です なんとキハ48とキハ120が同じホームに停車
キハ48気動車はJR東海美濃太田車両区の管轄です なんとキハ48とキハ120が同じホームに停車
キハ120気動車はJR西日本富山地域鉄道部の管轄です キハ120の2編成が猪谷駅に停車
キハ120気動車はJR西日本富山地域鉄道部の管轄です キハ120の2編成が猪谷駅に停車
婦中鵜坂駅に停車する普通列車 猪谷駅に停車する富山行きディーゼルカー
婦中鵜坂駅に停車する普通列車 猪谷駅に停車する富山行きディーゼルカー
越中八尾駅に留置するラッセル車 猪谷駅に停車する富山行きディーゼルカー
越中八尾駅に留置するラッセル車 猪谷駅に停車する富山行きディーゼルカー
高山駅は高山本線の中心駅です 猪谷駅ホーム
高山駅は高山本線の中心駅です 猪谷駅ホーム
普通列車と特急列車の待ち合わせ 特急「ワイドビューひだ」が通過します
普通列車と特急列車の待ち合わせ 特急「ワイドビューひだ」が通過します
キハ120が到着します キハ120が千里駅に停車します
キハ120が到着します キハ120が千里駅に停車します
特急「ワイドビューひだ」が高山方面へ向かいます キハ120 344
特急「ワイドビューひだ」が高山方面へ向かいます キハ120 344
普通列車が杉原駅へ到着します 坂上駅はすてきな駅舎を持っています
普通列車が杉原駅へ到着します 坂上駅はすてきな駅舎を持っています

2004年10月の台風23号による高山本線の被害状況
路盤から線路が流失しています 鉄橋の橋桁が流失しています
路盤から線路が流失しています 鉄橋の橋桁が流失しています
鉄橋の橋桁が流失しています 線路がぶら下がっています
鉄橋の橋桁が流失しています 線路がぶら下がっています
実際に2004年10月に発生した水害により、鉄橋や線路が各所で流されたため高山-猪谷間が不通となり、同時に国道360号線までが不通となったために被害が大きくなっています。2005年10月1日に、飛騨古川-角川間が復旧し、角川-猪谷間は2007年9月8日にようやく復旧しています。
写真で見てもわかるように甚大な被害を受けていて、実際の被害現場を見ると復旧の意欲を失いかけるほどの惨状だったのですがよく復旧したものだと感心します。

JR高山本線 路線データ
管轄・路線距離(営業キロ) 全長225.8km
JR東海(第一種鉄道事業者) 岐阜 - 猪谷間 189.2km
JR西日本(第一種鉄道事業者) 猪谷 - 富山間  36.6km
JR貨物(第二種鉄道事業者) 猪谷 - 富山間  36.6km
軌間 1,067mm
駅数 46駅
複線区間 なし(全線単線)
電化区間 なし(全線非電化)
閉塞方式 岐阜 - 猪谷間 単線自動閉塞式
猪谷 - 富山間 特殊自動閉塞式
保安装置 岐阜 - 猪谷間 ATS-PT 
猪谷 - 富山間 ATS-SW 
最高速度   岐阜 - 下麻生間 110km/h 
下麻生 - 高山間  100km/h 
高山 - 富山間 85km/h 
運転指令所 岐阜 - 猪谷間 東海総合指令所
猪谷 - 富山間 富山駅
特急「ワイドビューひだ」
特急「ワイドビューひだ」

JR高山本線 駅一覧
駅名 駅間
営業
キロ
営業
キロ
接続路線 ホーム みどり
の窓口
駅員
配置
交換
設備
貨物
取扱
管轄
岐阜駅 - 0.0 東海道本線 
名古屋鉄道名古屋本線・各務原線(名鉄岐阜駅)
3面6線  



長森駅 4.2 4.2   2面2線      
那加駅 3.0 7.2   2面2線      
蘇原駅 3.2 10.4   2面3線      
各務ヶ原駅 2.8 13.2    2面2線      
鵜沼駅 4.1 17.3 名古屋鉄道犬山線・各務原線(新鵜沼駅) 2面3線  
坂祝駅 5.2 22.5   2面2線      
美濃太田駅 4.8 27.3 太多線 長良川鉄道越美南線 3面5線  
古井駅 3.0 30.3   2面2線    
中川辺駅 3.8 34.1   2面2線      
下麻生駅 3.8 37.9   2面3線      
上麻生駅 5.3 43.2   2面2線      
飛水峡信号場 - 45.9        
白川口駅 9.9 53.1   2面3線  
鷲原信号場 - 56.5        
下油井駅 8.6 61.7   2面2線      
飛彈金山駅 5.0 66.7   2面3線  
福来信号場 - 69.4        
焼石駅 9.0 75.7   2面2線      
少ヶ野信号場 - 86.6        
下呂駅 12.6 88.3   2面3線  
禅昌寺駅 5.2 93.5   1面2線      
飛彈萩原駅 3.2 96.7   2面3線  
上呂駅 4.1 100.8   2面2線      
飛彈宮田駅 4.6 105.4   1面1線      
飛彈小坂駅 3.4 108.8   1面2線    
渚駅 7.1 115.9   2面2線      
久々野駅 7.3 123.2   2面3線    
飛彈一ノ宮駅 6.3 129.5   2面3線      
高山駅 6.9 136.4   2面3線  
上枝駅 4.6 141.0   2面2線      
飛彈国府駅 6.6 147.6   2面2線      
飛彈古川駅 3.7 151.3   2面3線  
杉崎駅 2.3 153.6   1面1線      
飛彈細江駅 2.4 156.0   2面2線      
角川駅 5.7 161.7   1面1線      
坂上駅 4.9 166.6   2面3線      
打保駅 9.9 176.5   2面2線      
杉原駅 4.0 180.5   2面2線      
猪谷駅 8.7 189.2 神岡鉄道神岡線(2006年12月1日廃止) 1面2線      


西




楡原駅 7.0 196.2   1面1線      
笹津駅 4.3 200.5 富山地方鉄道笹津線(1975年3月31日廃止) 1面2線      
東八尾駅 4.5 205.0   1面1線      
越中八尾駅 3.7 208.7   2面3線  
千里駅 4.9 213.6   2面2線      
速星駅 4.3 217.9   2面3線
婦中鵜坂駅 1.7 219.6    1面1線    
西富山駅 2.6 222.2   2面2線    
富山駅 3.6 225.8 北陸新幹線 あいの風とやま鉄道
富山地方鉄道本線(電鉄富山駅)
富山軌道線 富山港線
2面5線
2面4線
2面8線
 
駅員配置 注 ◎:通常駅 ●:業務委託駅 ○:簡易委託駅 無印:無人駅 ※:臨時駅 
          ◆・◇:貨物取扱駅(◇は定期貨物列車の発着なし)
線路(全線単線) ...◇∧∨:列車交換可能 、|:列車交換不可
JR高山本線の時刻表は、こちらをクリックしてください。

体験乗車レポート
富山駅
千里駅
千里駅
から猪谷駅までの料金は、650円となります。
高山本線の普通列車は、ワンマンカーで1両もしくは2両編成となっています。
富山駅3番ホームは、切欠ホームになります。
10時26分定刻に出発した列車は、富山駅を出て、北陸本線と平行して走り、すぐに鉄橋を渡ります。
そして左にカーブして北陸本線と別れ、しばらく走ると西富山駅に到着します。
西富山駅は、以前は貨物の取り扱いがあったのですが、今はないようです。というわけで今は無人駅となっています。
西富山駅にしばらく停車した列車は、猪谷方面からの列車とすれ違い、再び出発します。列車は、婦中町地域に入ります。
次の婦中鵜坂駅は臨時駅ですが、「高山本線活性化社会実験」の一環として富山市の要請で2011年春までの3年間限定として設置されました。そのため駅舎などはなく、富山ライトレールの駅を思わせるような構造です。
近くには北日本新聞社の「創造の森 越中座」があり、付近はイノベーションパークとして工業団地化しています。
婦中鵜坂駅を出発した列車は、すぐに速星駅に到着します。
この駅は、日産化学の工場に隣接していて貨物の取り扱いが多く、駅の構内も広く、側線も多い立派な駅です。
近くにはショッピングセンター「ファボーレ」があります。
このファボーレは、アニメ番組「true tears」に出てくるショッピングモールのモデルとなっています。
越中八尾駅
越中八尾駅
速星駅を出た列車は、田園地帯を走り、やがて千里駅に到着します。
千里駅は、無人駅ですがやけに立派な駅舎があります。ホームも2面2線ですし跨線橋で結ばれています。
千里駅を出た列車は、人家がまばらな田園地帯を走ります。このあたりで八尾町地域に入ります。
越中八尾駅は、「おわら風の盆」で有名な町です。9月初めのおわら風の盆の時期には臨時列車も運行されます。
駅舎もけっこう立派ですし、線路を跨ぐ連絡橋もあります。
富山行き列車も1番ホームに停車しています。
越中八尾駅を出た列車は、山際を走ります。
東八尾駅は、単式ホーム1面1線の小さな駅です。ここは開業以来のままの駅のようです。
駅を出て、短いトンネルをくぐって、神通川にかかる鉄橋を渡ります。
しばらく田園地帯を走るとやがて列車は笹津駅に到着します。
笹津駅は、無人駅ですが、駅舎はかなり立派な造りでホームは島式1面2線となっています。
以前は、富山地方鉄道笹津線の分岐駅だったのですが、これが廃止されてしまい、高山線の途中駅になっています。
この駅でも富山行き列車が反対側の2番ホームに停車しています。つまりそれだけ頻繁に列車が走っているわけですが、これが
猪谷駅
猪谷駅
「高山本線活性化社会実験」なのです。
ここを出た列車は再度神通川を渡り、山際を走ります。トンネルをくぐり、山間の小さい駅に停まります。
ここは楡原駅ですが、なんと相対式ホームの一方が荒れ果てて、分岐器も撤去されています。
つまりここでは列車のすれ違いができなくなっているのです。
駅舎はホームよりも低いところにあり、以前は反対側のホームに入るには地下道を通っていたのですが、これも既に廃止されています。
列車は、楡原駅を出て、山際を走ります。このあたりは人家も少ないのですが、しばらく走ると山間に住宅が並んでいます。
ここに富山県側では最後の駅となる猪谷駅があります。
猪谷駅は、以前は神岡線・神岡鉄道の分岐駅でしたがこれが廃止されてしまって、単なる途中駅になっていますが、実はここでJRの管轄がJR西日本からJR東海に切り替わります。ここから先はJR東海の管轄になるわけです。
猪谷駅は、現在は無人駅ですが特急列車もすべて停車します。なぜかというと、ここで特急列車の運転士が入れ替わるからです。普通列車はここで終点となり、これより南に行く場合は乗り換えとなります。
高山本線は、前述するように観光路線としての性格が強いのですが、富山県側でいうと、県の中央を南北に貫いていて、その位置取りも良く婦中町、八尾町、旧大沢野町、旧細入村の中心街を通っているので、通勤、通学の足としてもっと活性化が図られなければうそです。富山市が中心となって推進している「高山本線活性化社会実験」は、それを具体化したものとして高く評価できるでしょう。しかしこれは実験に終わるのではなくそのまま現実として発展させなければならないのです。
 スライドショー
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JR高山本線マップ
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