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電鉄富山駅ホーム |
富山地方鉄道本線は、電鉄富山駅-宇奈月温泉駅間 53.3kmを結ぶ富山地方鉄道の鉄道路線です。
全線電化されていて、電鉄富山駅-稲荷町間 1.6kmは複線化されていますが、それ以外は単線です。
富山地方鉄道の鉄道路線の中では最も長い路線で、運行速度も最高95km/hと最も高速です。
電鉄富山駅では北陸新幹線、およびあいの風とやま鉄道、滑川駅、新魚津駅ではあいの風とやま鉄道と接続します。
新黒部駅では北陸新幹線と接続します。
宇奈月温泉駅では、黒部峡谷鉄道本線宇奈月駅と接続します。また稲荷町駅では不二越線が分岐し、寺田駅では立山線が分岐します。
電鉄富山駅-宇奈月温泉間には、特急「うなづき」が運行されています。また寺田 - 宇奈月温泉間には、季節列車として立山線から「アルペン特急」が乗り入れてきます。
特急列車に乗車する際には特急券が必要となります。
宇奈月温泉駅-電鉄富山駅間には上りのみですが快速急行も運行されています。
急行列車は、電鉄富山駅-宇奈月温泉駅間で上り下りとも運行されています。
また電鉄富山駅-寺田駅間は立山線へ乗り入れる急行列車や普通列車も運行されています。
地鉄本線は、1913年(大正2年)6月25日に立山軽便鉄道が滑川-上市-五百石間を開業したのが最初です。
1917年(大正6年)6月25日には、立山軽便鉄道が立山鉄道に改称しています。
1922年(大正11年)11月5日には、黒部鉄道により三日市(現在のJR黒部駅)-下立間が開業しています。
1923年(大正12年)11月21日には、黒部鉄道が下立-桃原(現在の宇奈月温泉駅)間が開業しています。このように地鉄本線は、滑川以東の方が先に開通しています。
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越中舟橋駅ホーム |
1930年(昭和5年)4月10日には、黒部鉄道が三日市-石田港間を開業しています。
1931年(昭和6年)3月20日に、富山電気鉄道が立山鉄道を合併しています。今後は富山電気鉄道が路線を拡張していきます。
同年8月15日には、富山田地方-上市口間が開業しています。同時に軌間1,067mm、1500V電化を達成しています。同年10月3日には、電鉄富山-富山田地方間が開業し、富山駅前に乗り入れています。
同年11月6日には、上市-滑川間を1067mmに改軌、1500V電化しています。
同年11月7日には、上市口-上市間が開業。
1932年(昭和7年)12月22日には、上市口-五百石間が廃止されています。支線化していたので利用客も減少していたのでしょう。寺田-五百石間が開通していたので、必要性も薄くなっていたと見られます。
1935年(昭和10年)12月14日には、滑川-早月(現在の越中中村駅)間が開業。1936年(昭和11年)6月5日には、早月-電鉄魚津間が開業と順調に路線が開通していきます。
1936年(昭和11年)8月21日には電鉄魚津-魚津(現在の新魚津駅)間が開業しています。
1936年(昭和11年)10月1日には、魚津-西三日市(電鉄桜井駅を経て現在は電鉄黒部駅)間が開業しています。
これにより富山電気鉄道の路線と黒部鉄道とが連絡したことになります。
1940年(昭和15年)3月27日には、富山電気鉄道が富山電鉄線と並行する三日市-石田港間の黒部鉄道線を譲り受けています。
同年6月1日には、三日市-石田港間が廃止されています。
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電鉄魚津駅高架ホーム |
1943年(昭和18年)1月1日には富山県内の私鉄が大合同し、富山地方鉄道が発足しています。
電鉄富山-西三日市間を本線、三日市-宇奈月間を黒部線とします。
1943年(昭和18年)8月1日には上市口-上市間が廃止され、上市口駅は上市駅に改称しています。
同年11月11日には、黒部線の架線電圧を1500Vに昇圧しています。これによって現在の路線の姿が完成したことになります。同時に電鉄富山-宇奈月間の直通運転が開始されています。
1945年(昭和20年)5月17日には越中三郷駅付近で電車正面衝突という大事故が発生し、43人が死亡する事態になりました。実はこの頃は、各地で鉄道事故が発生しています。終戦間近で鉄道運営がずさんになっていたということでしょうか。
1966年(昭和41年)4月1日に電鉄桜井-宇奈月間をCTC化しています。
1967年(昭和42年)12月30日に電鉄富山-電鉄桜井間をCTC化しています。これにより本線全線がCTC化されたことになります。
1969年(昭和44年)4月1日には電鉄富山-宇奈月間を本線に改称しています。
同年4月15日には、電鉄富山-稲荷町間の富山田地方駅が廃止されています。
同年8月17日には、電鉄桜井-黒部間が廃止されています。
この黒部駅は、現在のJR黒部駅に相当しますので、黒部での本線と国鉄線の接続がなくなったということになります。
1971年(昭和46年)8月1日には、宇奈月駅を宇奈月温泉駅に改称しています。
1983年(昭和58年)6月1日には貨物営業を廃止しています。
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中滑川駅 |
1986年(昭和61年)11月1日に電鉄富山駅を移設しています。これにより路線が0.1km短縮されています。
1989年(平成元年)4月1日には電鉄桜井駅を電鉄黒部駅に改称しています。1995年(平成7年)4月1日には、魚津駅を新魚津駅に改称しています。もともとJR魚津駅と地鉄本線魚津駅は跨線橋で接続されていたのですが、これを撤去して地下道で結んだことから駅名も変更しています。
もっとも滑川駅でも同様に跨線橋が撤去され地下道でつながるように変更されていますが、駅名は変更されていませんね。
1997年(平成9年)4月1日には、電鉄富山-上市間でワンマン運転を開始しています。
1998年(平成10年)6月10日には、電鉄黒部-宇奈月温泉間でワンマン運転開始、同年12月1日には上市-電鉄黒部間でワンマン運転が開始され、これで本線全線でワンマン運転が開始されたことになります。
2008年(平成20年)9月30日には、中加積駅構内で下り急行が脱線する事故が発生しましたが、負傷者がなかったのが不幸中の幸いでした。枕木が腐って釘が外れていて線路の幅が広がって脱線したというのが調査結果でした。これにより地鉄の鉄道施設管理のずさんさが指摘されています。ううむ、情けない・・・。
富山地方鉄道本線は、地方私鉄としては特急列車の運行、95km/hの高速運転など、極めて優れた特徴を持っていて、さらに駅舎も地方私鉄とは思えないような立派な駅舎を持つ駅もあり、見どころは多いのですが・・・。
ところが実際に各地の駅などを見るとかなり荒廃している駅もあるわけで、一度にはいかないとしても順次、駅を改築なり修繕なりして欲しいものです。それともう一つの問題は運賃の高さでしょう。電鉄富山駅-宇奈月温泉駅間
53.3kmで1,790円はちょっと高いのでは。
2012年(平成24年)12月21日には、稲荷町--東新庄間に新庄田中駅が新たに開業しています。
富山地方鉄道の鉄道線としては、2003年(平成15年)3月25日に開業した、上滝線の小杉駅以来の新駅開業となります。
平成27年2月26日には、長屋駅-舌山駅間に北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅に併設される新黒部駅が開業しました。平成27年3月14日には北陸新幹線が開業し、新黒部駅と接続することになります。
実は当初の計画では、新黒部駅が地平線で相対式ホームとなるとのことでしたが、実際には単式ホーム1面1線でした。
ただし、新黒部駅が特急停車駅となったため、これまで特急停車駅であった、愛本駅、浦山駅、東三日市駅はいずれも特急が通過することになりました。つまり宇奈月温泉駅を出た特急は、次の停車駅が新黒部駅となるわけです。
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電鉄黒部駅ホーム |
宇奈月温泉駅駅舎 |
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新黒部駅ホームに14766電車が到着しました |
新相ノ木駅に14722電車が到着しました |
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リフォーム前の寺田駅 |
リフォーム後の寺田駅 |
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ダブルデッガーエクスプレス |
2階建て車両には時代祭行列絵図が描かれています |
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アルプスエクスプレス |
アルプスエクスプレスの客室 |
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アルプスエクスプレスには売店もあります |
アルプスエクスプレスの客室 |
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10033電車は元京阪3000系です |
クハ172電車 |
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14765電車と14771電車が入線しています |
14774電車が寺田駅を発車しました |
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富山地方鉄道本線 |
路線距離 |
電鉄富山駅-宇奈月温泉駅間 53.3km |
軌間 |
1,067mm |
駅数 |
40駅(起終点駅含む) |
複線区間 |
電鉄富山駅-稲荷町駅間 1.6km |
電化区間 |
全線(直流1,500V) |
閉塞方式 |
自動閉塞式 |
最高速度 |
95km/h |
開業年月日 |
1913年(大正2年)6月25日 |
使用車両 |
16010形(元西武5000系)
10030形(元京阪3000系)
17480形(元東急8590系)
14760形
10020形
14720形 |
種別 |
特急列車
快速急行(上りのみ)
急行列車
普通列車 |
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|
電鉄石田駅を通過する特急14760系電車 |
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No. |
駅名 |
駅間
キロ |
営業
キロ |
接続路線 |
ホーム |
特
急 |
快
急 |
急
行 |
駅
員 |
列車
交換 |
路
線 |
所在地 |
T01 |
電鉄富山駅 |
- |
0.0 |
北陸新幹線 あいの風とやま鉄道(富山駅)
高山本線(富山駅)
富山市内軌道線・富山港線(富山駅) |
2面2線 |
○ |
○ |
○ |
◎ |
∥ |
複
線 |
富山市 |
T02 |
稲荷町駅 |
1.6 |
1.6 |
富山地方鉄道不二越線 |
3面3線 |
|
○ |
○ |
◎ |
∨ |
単
線 |
T03 |
新庄田中駅 |
0.9 |
2.5 |
|
1面1線 |
|
|
○ |
|
| |
T04 |
東新庄駅 |
1.1 |
3.6 |
|
2面2線 |
|
|
○ |
○ |
◇ |
T05 |
越中荏原駅 |
0.9 |
4.7 |
|
1面2線 |
|
|
○ |
◎ |
◇ |
T06 |
越中三郷駅 |
2.3 |
7.0 |
|
2面2線 |
|
|
○ |
|
◇ |
T07 |
越中舟橋駅 |
1.5 |
8.5 |
|
2面2線 |
|
|
○ |
○ |
◇ |
舟橋村 |
T08 |
寺田駅 |
1.3 |
9.8 |
富山地方鉄道立山線 |
4面4線 |
○ |
○ |
○ |
◎ |
◇ |
立山町 |
T09 |
越中泉駅 |
0.7 |
10.5 |
|
1面1線 |
|
|
|
|
| |
T10 |
相ノ木駅 |
0.8 |
11.3 |
|
1面1線 |
|
|
|
|
| |
上市町 |
T11 |
新相ノ木駅 |
0.8 |
12.1 |
|
1面1線 |
|
|
|
|
| |
T12 |
上市駅 |
1.2 |
13.3 |
|
2面3線 |
○ |
○ |
○ |
◎ |
◇ |
T13 |
新宮川駅 |
1.8 |
15.1 |
|
1面1線 |
|
|
○ |
|
| |
T14 |
中加積駅 |
2.0 |
17.1 |
|
2面2線 |
|
○ |
○ |
|
◇ |
滑川市 |
T15 |
西加積駅 |
1.6 |
18.7 |
|
1面1線 |
|
|
|
|
| |
T16 |
西滑川駅 |
1.1 |
19.8 |
|
1面1線 |
|
|
|
● |
| |
T17 |
中滑川駅 |
0.8 |
20.6 |
|
2面2線 |
○ |
○ |
○ |
○ |
◇ |
T18 |
滑川駅 |
1.2 |
21.8 |
あいの風とやま鉄道 |
1面1線 |
|
○ |
○ |
|
| |
T19 |
浜加積駅 |
1.4 |
23.2 |
|
1面1線 |
|
|
|
|
| |
T20 |
早月加積駅 |
1.2 |
24.4 |
|
2面2線 |
|
|
|
|
◇ |
T21 |
越中中村駅 |
1.2 |
25.6 |
|
1面1線 |
|
|
|
|
| |
T22 |
西魚津駅 |
2.0 |
27.6 |
|
2面2線 |
|
○ |
○ |
|
◇ |
魚津市 |
T23 |
電鉄魚津駅 |
1.3 |
28.9 |
|
1面1線 |
○ |
○ |
○ |
○ |
| |
T24 |
新魚津駅 |
1.3 |
30.2 |
あいの風とやま鉄道(魚津駅) |
1面2線 |
○ |
○ |
○ |
○ |
◇ |
T25 |
経田駅 |
2.7 |
32.9 |
|
1面1線 |
|
○ |
○ |
○ |
| |
T26 |
電鉄石田駅 |
2.0 |
34.9 |
|
2面2線 |
|
○ |
○ |
|
◇ |
黒部市 |
T27 |
電鉄黒部駅 |
2.3 |
37.2 |
|
3面3線 |
○ |
○ |
○ |
◎ |
◇ |
T28 |
東三日市駅 |
0.6 |
37.8 |
|
1面1線 |
|
○ |
○ |
● |
| |
T29 |
荻生駅 |
0.8 |
38.6 |
|
1面1線 |
|
○ |
○ |
|
| |
T30 |
長屋駅 |
1.0 |
39.6 |
|
1面1線 |
|
○ |
○ |
|
| |
T31 |
新黒部駅 |
1.1 |
40.7 |
北陸新幹線(黒部宇奈月温泉駅) |
1面1線 |
○ |
○ |
○ |
▲ |
| |
T32 |
舌山駅 |
1.4 |
41.0 |
|
2面2線 |
|
○ |
○ |
|
◇ |
T33 |
若栗駅 |
0.7 |
41.7 |
|
1面1線 |
|
○ |
○ |
|
| |
T34 |
栃屋駅 |
1.1 |
42.8 |
|
1面1線 |
|
○ |
○ |
|
| |
T35 |
浦山駅 |
1.5 |
44.3 |
|
1面2線 |
|
○ |
○ |
|
◇ |
T36 |
下立口駅 |
1.3 |
45.6 |
|
1面1線 |
|
○ |
○ |
|
| |
T37 |
下立駅 |
0.7 |
46.3 |
|
1面1線 |
|
○ |
○ |
|
| |
T38 |
愛本駅 |
1.3 |
47.6 |
|
1面1線 |
|
○ |
○ |
|
| |
T39 |
内山駅 |
1.1 |
48.7 |
|
2面2線 |
|
○ |
○ |
|
◇ |
T40 |
音沢駅 |
0.8 |
49.5 |
|
1面1線 |
|
○ |
○ |
|
| |
T41 |
宇奈月温泉駅 |
3.8 |
53.3 |
黒部峡谷鉄道本線(宇奈月駅) |
1面2線 |
○ |
○ |
○ |
◎ |
∧ |
注 特急、快速急行、急行 ○:停車駅 無印:通過駅
注 駅員 ◎:有人駅 ○:夜間無人 ●:朝のみ配置 ▲:アテンダント常駐(9:00~18:00)
注 列車交換 ∥:複線 ∨ ∧ ◇:列車交換可能 |:列車交換不可
富山地方鉄道本線の時刻表はこちら
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電鉄富山駅ホーム |
さて、富山地方鉄道本線に実際に乗車してみましょう。
電鉄富山-宇奈月温泉間は53.3kmと中小私鉄線としてはかなり長い路線です。
しかも最高速度が95km/hとなかなかの高速運転を行っています。
この間の運賃は1790円とけっこう高かったりします。JR線で言えば例えば富山-直江津間の運賃が1890円なのですから。
電鉄富山7:07発の急行列車に乗車してみましょう。
電鉄富山駅は、JR富山駅と隣接していて乗り換えも容易になっています。
北陸新幹線が富山駅に乗り入れることであいの風とやま鉄道と富山地方鉄道本線も高架化される事になっています。
その際には連絡線も高架線で維持されることになっているとのことで、再びあいの風とやま鉄道線から地鉄線に乗り入れがあるかもしれません。
電鉄富山駅を発車した急行電車はしばらく走って稲荷町駅に到着します。
電鉄富山-稲荷町間は、複線化されています。
途中で上り電車とすれ違ったのは、岩峅寺発電鉄富山行きの不二越線普通列車です。
稲荷町駅では、不二越線に分岐しています。こちらは南富山駅で上滝線に接続し、さらに上滝線は岩峅寺駅で立山線と接続しています。
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稲荷町車両基地 |
稲荷町駅には車両基地があり、多数の車両が留置されていて、整備点検を受けています。
稲荷町駅を発車した電車は、すぐに東新庄に停車します。この駅は、相対式ホームで列車交換が可能な駅です。
駅舎もけっこう立派だったりします。
東新庄駅を出た電車は、すぐに越中荏原駅に停車します。しかしこう各駅に停車するのでは急行列車の名が泣きます。
この駅は島式ホームを持っていて列車交換が可能です。
現にこの駅で電鉄黒部発電鉄富山行きの普通列車とすれ違いました。
越中荏原駅を出た電車は、常願寺川を渡り、水橋の領域に入っていきます。
このあたりは以前は水橋町だったのですが、1966年に富山市と合併しています。
さらに言うと駅のある三郷地区は以前は三郷村でしたが、1954年に水橋町と合併しています。
と言うわけで越中三郷駅に到着します。この駅も相対式ホームで列車交換が可能ですが無人駅となっています。
越中三郷を発車した電車は、舟橋村の領域に入っていき、越中舟橋駅に停車します。
この舟橋村は、今や富山県内では唯一の村となっています。さらに日本でもっとも狭い自治体でもありますが、越中舟橋駅の駅舎はたいへん立派なものです。
なんと図書館を併設していて、駅舎内テナントとしては「はんばーがーかふぇ ほおずき」もあります。
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越中舟橋駅 |
この越中舟橋駅を出た電車は、立山町へ入ります。そして立山線との分岐駅となる寺田駅に7:23に到着します。
ここは、富山地鉄線の一大ジャンクションで、特急列車は必ずここを通りますし、立山-宇奈月温泉間を走るアルペン特急もここを経由します。
ところがこの駅の駅舎はやけに古いもので昔のままなのです。
隣の越中舟橋駅が近代的な建物になっているのでなおさらそう感じるのかもしれません。
この駅は、ちょうど線路が人型に分岐していてそれぞれの路線に相対式ホームがあるという構造になっています。
そしてちょうど股の部分にも待合室があるのですが、これがまた古風な建物なのです。しかし実はこちらの方が駅舎よりもむしろ立派な建物だったりします。
隣のホームにはちょうど上市発電鉄富山行きの普通列車が停車しています。
それが発車してからこちらも宇奈月方面に向けて寺田駅を発車しました。
いよいよ急行列車が本領を発揮して、次の越中泉駅、相ノ木駅は通過です。いずれも小さな無人駅です。
やがて列車は上市駅に停車します。ここはなかなか大きい駅ですが、たいへん珍しいスイッチバック駅になっています。
ここで列車は向きを変えて発車しますので運転士がホームを通って移動します。ここで宇奈月温泉発電鉄富山駅行きの普通列車と交換します。と言ってもスイッチバックですから普通の意味でのすれ違いとはちょっと違いますが。
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上市駅 |
この上市駅始発の列車も多数設定されていて、この駅が運行上の一つの要になっていると言えます。
7:29に発車した電車は、今度は北へ向かいます。
次の新宮川駅は通過し、その次の中加積駅に停車します。ここは相対式ホームを持っています。
ここを発車した電車は、次の西加積駅、西滑川駅を通過して、中滑川駅に到着します。ここは特急列車も停車する主要駅です。
このあたりは北陸本線と並行して線路が走っていますが、北陸本線の駅はここにはありません。
実はJR滑川駅よりもこちらの中滑川駅の方が滑川市の中心部に近いのです。それなのに駅構内のテナントはほとんどが撤退しているとのこと。どうしてなのでしょうか。
中滑川駅を出た電車は北陸本線と並行して走りやがて滑川駅に到着します。
この滑川駅はJR滑川駅と併設されています。
以前はJR線ホームと地鉄線ホームは跨線橋で結ばれていた共同駅だったのですが、地下道が完成したので、跨線橋が撤去されて分離されています。JR線に乗り換えるときはこの駅になります。
滑川駅を発車した電車は、浜加積を通過し、次の早月加積で電鉄黒部発電鉄富山行き普通列車とすれ違います。
この駅は通過駅なのですが、相対式ホームがあり列車交換が可能なのです。
次の越中中村駅も通過駅です。このあたりで線路が北陸本線とやや離れてから早月川を渡り、今度は北陸本線の下をくぐって、海岸側に出ます。
そして電車は西魚津駅に到着します。ここは相対式ホームで列車交換が可能です。
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かつて、電鉄魚津ステーションデパート・・・だった |
この駅は、次の電鉄魚津駅が列車のすれ違いができないので列車交換可能になっているようです。
この急行列車は、この駅からは各駅停車になります。
西魚津駅を発車した電車は、次第に高架線に入り、魚津市街の中を北陸本線と並行して走ると電鉄魚津駅に7:47に到着します。
ここは富山県では唯一の高架駅ですが、なんと大きな駅ビルの中にあるはずのテナントはすべて撤退しているとのこと。
JR魚津駅よりもこちらの駅の方がむしろ市街地の中心にあるはずなのですが・・・。
これは中滑川駅でも見かけたシーンですが、要するに郊外型の大型店が旧市街地から離れた場所に多数進出して、そちらに客を奪われて旧市街地の商店街が衰退してしまったあおりを食ってしまったのでしょう。
最近では国道8号線バイパス周辺に多数の大型店が進出するようになって中心街がそちらに移行しているようです。
次の新魚津駅は、JR魚津駅と併設しています。
ここも滑川駅と同様に共同駅だったものが地下道の完成で跨線橋が撤去されて分離されたという経緯があります。
新魚津駅は島式ホームを持つ駅で改札口が地下道につながっていて、JR魚津駅とも接続しています。
新魚津駅を発車した電車は、経田漁港が近くにある経田駅に到着します。
このあたりは学校が多いのでけっこう乗降客が多いようです。
この駅を発車した電車は、片貝川を渡り、次の電鉄石田駅に到着します。この駅は、かなり立派な駅舎を持っています。
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電鉄黒部駅 |
ここで宇奈月温泉発電鉄富山行きの普通列車とすれ違いました。
電鉄石田駅を出発した電車は、次の電鉄黒部駅に7:59に到着します。
この駅は、たいへん立派な駅舎を持っているだけでなく本線の運行上の要となる駅でこの駅が始発終着となる列車が多数設定されています。逆に言えばこの駅から先は列車本数が減ってしまうことにもなります。
電鉄黒部駅を発車した電車は、東三日市駅に到着します。ここもまだ黒部市の市街地の中にあり、駅舎もそれなりで乗降客もそれなりにいます。この駅を発車した電車は、国道8号線の上を渡り、次の荻生駅に到着します
ここは市街地からやや外れかけた場所にあり、駅舎もあまりおおきいものではありません。電車も次第に田園地帯に突入します。
次の長屋駅は、小さい駅ですし、ホームも片面しかありません。
この駅と次の舌山駅の間に北陸新幹線新黒部駅が新設される予定になっています。
その際に本線と接続する事になっていて、その場合この新黒部駅から宇奈月温泉や黒部峡谷鉄道に向けて観光客が押し寄せてくる・・・となれば良いのですが。
さらにしばらく走って舌山駅に到着します。ここは相対式ホームを持っていて列車交換が可能です。
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舌山駅ですれ違う列車 |
駅舎も古いものですが、それなりに風格があったりします。
この駅を出た電車は田園地帯を走り続けます。次の若栗駅、栃屋駅と停車しますがいずれも片面ホームの小駅です。
次の浦山駅は、島式ホームを持ち列車交換が可能です。駅舎もそれなりのものです。
ここで、宇奈月温泉発電鉄富山行き特急列車とすれ違います。
この駅を出た電車は、さらに下立口駅、下立駅と停車します。いずれも小駅です。
さらに電車は山際を走り、トンネルをくぐり、宇奈月町の領域に入ります。このあたりは元々は下新川郡宇奈月町だったのですが、2006年に市町村合併により黒部市になっています。
やがて電車は愛本駅に到着します。この駅のすぐそばには変電所があり、黒部市宇奈月庁舎も近くにあります。
黒部川がすぐそばを流れていて、いよいよ終点の宇奈月温泉に近づいていることがわかります。
電車は、山際を走り、内山駅に到着します。この駅は相対式ホームですので列車交換が可能です。
内山駅を出た電車は、次の音沢駅に到着します。実はこのあたりの駅は駅間距離が短くてしばらく走ったらすぐに停車するのです。音沢駅は駅舎がなく待合室がホーム上にあるだけですが、さらにホーム自体が狭くて、たいへん危ない感じです。
なぜか音沢-宇奈月温泉間は駅間が長く、3.8kmあります。
音沢駅を出た電車は、いよいよ終点の宇奈月温泉駅に8:29に到着しました。
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宇奈月温泉駅改札口 |
宇奈月温泉は、言うまでもありませんが日本でも有数の温泉地で多数の温泉旅館やホテルがあり、スキー場もあります。
また宇奈月温泉駅の隣には黒部峡谷鉄道本線の始発駅となる黒部峡谷鉄道宇奈月駅があります。
これで富山地方鉄道本線の旅は終わりですが、いくつか気づいたこともあります。
滑川市、魚津市の沿線では旧市街地の商店街が郊外型大型店に押されて衰退してしまい、そのあおりを食ったか駅構内のテナントも撤退してしまって、廃墟のようになっていたのは無惨な印象を受けました。
しかしなぜか黒部市ではそのような印象は受けませんでした。
また越中舟橋駅、上市駅は、それに比べてむしろすっきりとした印象を受けましたし、テナントも入っています。
これらは郊外型大型店の進出が大規模には行われていないからなのでしょうか。
またちょっと気になったのが一大ジャンクションである寺田駅の駅舎ですが、特急列車が必ずこの駅を通るのですから、観光客の目に付く駅なのです。ですから改築するなりしてすっきりとした印象を与えて欲しいと思います。と思っていたら、寺田駅がリフォームされて結構良い感じになっていました。ただ、構内の待合室となっていたはずの建物がそのま手つかずで、何とかしてほしいと思いました。
何しろ内部にはオウム真理教幹部の指名手配写真が貼ってありますので・・・。
最後に新幹線と接続する新黒部駅は、JR北陸本線ではなく富山地鉄本線と接続することになり、富山地方鉄道にとってはビッグなビジネスチャンスと言えます。宇奈月温泉や黒部峡谷鉄道への観光客に対して、無料乗車券を配布するとか、新幹線から宇奈月温泉や黒部峡谷鉄道のセット乗車券などの新商品を発売するとか、いろいろと作戦を考えておかなければならないでしょう。
万一、新黒部駅に送迎バスが大挙して押しかけてきて、客を全部宇奈月温泉へ運んでしまうような事態になれば、どうしようもないでしょうから。 |
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