黒部峡谷鉄道
黒部峡谷鉄道とは
黒部峡谷鉄道 路線データ 路線名 本線 種別 軽便鉄道 軌間 762mm 区間 宇奈月-欅平 総延長 20.1km 単複 単線 電化 直流600V 閉塞方式 自動閉塞式 現用車両 ED形電気機関車
EDS形電気機関車
EDM形電気機関車
EDR形電気機関車
EHR形電気機関車
BB形蓄電池機関車
DD形ディーゼル機関車
黒部峡谷鉄道 駅一覧 駅名 駅間
キロ営業
キロ旅客
扱い駅員
配置列車
交換接続路線 宇奈月駅 - 0.0 ◎ ○ ∨ 富山地方鉄道本線(宇奈月温泉駅) 柳橋駅 2.1 2.1 × ◇ 森石駅 3.0 5.1 × ◇ 黒薙駅 1.4 6.5 ○ ○ | 黒部峡谷鉄道黒薙支線 笹平駅 0.5 7.0 × ◇ 出平駅 2.1 9.1 × ◇ 猫又駅 2.7 11.8 × ◇ 鐘釣駅 2.5 14.3 ◎ ○ ◇ 小屋平駅 2.8 17.5 × ◇ 欅平駅 2.6 20.1 ◎ ○ | 関西電力黒部専用鉄道上部軌道 旅客扱い 注 ◎:全列車停車 ○:一部列車停車 ×:旅客列車通過
列車交換 注 ∨◇:列車交換可能 |:列車交換不可
体験乗車レポート
今回の体験乗車レポートは、黒部峡谷鉄道本線のトロッコ電車に乗ってみます。
宇奈月駅
この黒部峡谷鉄道は、宇奈月-欅平間、20.1kmの軌間762mmのナローゲージな軽便鉄道です。一般にはトロッコ電車と呼ばれています。このような軽便鉄道が一般乗客を乗せて運行している路線は、他には近鉄内部・八王子線と三岐鉄道北勢線しかなく、たいへん珍しいのです。
今回は宇奈月11.27発のオープン型車両に乗ってみましょう。
写真をたくさん撮りたい場合はオープン型の車両が良いでしょう。
黒部峡谷鉄道宇奈月駅は、富山地方鉄道宇奈月温泉駅に隣接していて、乗り換え駅となっています。
宇奈月駅から欅平駅の間には8駅ありますが、停車するのは鐘釣駅だけです。
さて実際にトロッコ列車が出発しました。駅を出てすぐに新山彦鉄橋を渡りトンネルに入ります。
そして宇奈月ダムのそばを通り抜けます。宇奈月ダムは、国土交通省の直轄ダムです。
再びトンネルに入り、新柳原発電所があるところに、最初の通過駅、柳橋駅があります。
この駅は、宇奈月駅から2.1kmの地点にあります。
ここには、関西電力の専用列車のみが停車し、一般客が乗る電車は停車しません。
列車はさらに黒部峡谷の間を走ります。黒部川のすぐそばを走る線路はいくつも小さいトンネルをくぐります。
森石駅
そしてトンネルとトンネルの間に森石駅がありました。しかしここも通過駅です。宇奈月駅からは5.1kmの地点にあります。
まあ、ここに停まっても観光客が楽しめそうなものはないのですが・・・。
森石駅を通過したトロッコ電車は、さらに黒部川の上流へ向かって走り続けます。
そして黒薙駅に入ります。ここは一部の電車は停車しますが、この電車は通過します。
実は、この駅から黒薙支線が分岐します。この路線は、関西電力黒部専用鉄道ですので、一般客が乗車することはできません。黒薙駅は、宇奈月駅からは6.5kmの地点にあります。
黒薙駅の周辺には黒薙温泉があります。まさに秘境というにふさわしいロケーションですね。
黒薙駅を出るとすぐに後曳橋を渡ります。
そしてすぐにトンネルに入り、それを出たら笹平駅があります。ただし、この駅も通過駅です。
この駅は、宇奈月駅から7.0kmの地点にあります。
黒部川のすぐそばを走りながらやがて、出し平ダムがあり、出平駅があります。残念ながらここも通過駅ですが、この出し平ダムは、けっこう大きいダムで、宇奈月ダムとの連携排砂でダムにたまった堆砂を押し出す排砂ゲートを持っているのが特徴です。このダムを撮影する場合は、電車が通過する際に一瞬のシャッターチャンスを逃がさず撮影するしか方法がありません。
黒薙駅ホームと後曳橋
ここは、宇奈月駅から9.1kmの地点にあります。
出平駅を通過した電車は、黒部川のそばを走りながらいくつもの短いトンネルをくぐります。
そして黒部第2発電所が川の向こうに見えると、猫又駅に入ります。この駅は、宇奈月駅から11.8kmの地点にあります。
この駅も通過駅です。この駅を通過した電車は、東鐘釣山の中をトンネルでくぐります。
そして端を渡り西鐘釣山のトンネルに入り、それを出ると、鐘釣駅に12:25に到着します。
鐘釣駅は、宇奈月駅からは14.3kmの地点にあります。
この周辺には、鐘釣温泉旅館、鐘釣美山荘、万年雪展望台があり、見所が多いので、ここで下車するのもよろしいのですが、今回はこのまま乗車します。
鐘釣駅を出発した電車は、再びトンネルをいくつもくぐりながら南に向かいます。
そして小屋平ダムがある小屋平駅を通過します。小屋平駅は、宇奈月駅から17.5kmの地点にあります。
小屋平ダムは、関西電力の黒部第2発電所に送水しています。このダムはかなり堆砂が進んでいることが伺えます。
出し平ダムと違って排砂ゲートのような気の利いた装備は持っていないようです。
出し平ダム
しかも出し平ダムよりも撮影が困難で、ほとんど一瞬しかシャッターチャンスはありませんし、全景を撮れるわけではないのです。しかし小屋平駅に停車しない限りこのダムを撮影する機会はこのときしかありません。
小屋平駅を通過した電車は、トンネルに入り、それを出ると終点の欅平駅に12:45に到着します。
この駅は、宇奈月駅からは、20.1kmの地点にあります。
駅のそばには黒部川第三発電所、新黒部川第三発電所があります。
また、周辺には、欅平温泉猿飛山荘、祖母谷温泉、名剣温泉があります。
また猿飛峡への猿飛峡遊歩道を歩いても良し、登山道も多数あります。
また、この欅平駅からさらに黒部第四発電所へ向かう関西電力黒部専用鉄道上部軌道があります。
ほとんど全線トンネルのこの路線は、冬季でも走れるのが強みです。
いわゆる黒部ルートですが、この路線は関西電力の専用線で一般客は入れません。
と言いたいところですが、実は黒部ルート見学会が企画されていて、これに応募すればこの上部軌道にも入れます。
ただ、前述したようにこの見学会は来た道を引き返せないのがややネックと言えるでしょう。
欅平駅
2つのルートが設定されているのですが、黒部峡谷鉄道から入れば欅平駅→黒部ダムのレートで立山黒部アルペンルートに入ることになり、逆に黒部ダム-欅平駅のルートは黒部峡谷鉄道で宇奈月方面に戻ることになります。ですから車で宇奈月駅から黒部峡谷鉄道に入ると、黒部ダムから立山黒部アルペンルートを通って立山駅から富山地方鉄道立山線と本線を経由して宇奈月温泉駅まで戻らないといけないのです。
黒部峡谷鉄道乗車券 以前は、切符に生命の保障はしない旨の注意書きがあったと言われていますが、現在ではそのようなことは書かれていませんね。
これは時間的にも費用面でもかなりの負担です。
黒部峡谷鉄道は、今では観光路線としての性格が強い、というより観光路線そのものといえます。
しかし行き止まり路線なのがネックとも言えます。黒部ルートが完全な観光路線として利用されるようになれば、黒部ダムへ抜けることができるので立山黒部アルペンルートへのアクセスが3通りできることになります。
これなら観光客もさらに増えるのではないかと思いますが、何しろ高熱隧道を通らなければならないので、危険があるのが辛いところでしょう。現時点では、まだこの路線を完全開放するのは技術的にもなかなか難しいでしょう。
技術の進歩は著しいものの、大自然の力にはまだまだ及ばないということでしょうか。
それにしても、この富山県には、あらゆるタイプの鉄道が揃っていて、ずいぶん楽しめますね。
JR線の他に私鉄として富山地方鉄道、それに富山市内軌道線、富山ライトレール、万葉線と3つの軌道線に立山黒部アルペンルートでは立山ケーブルカー、黒部ケーブルカーと2本のケーブルカー路線に立山トンネルトロリーバスと関電トンネルトロリーバスと2本のトロリーバス路線があります。そしてこの黒部峡谷鉄道は今ではたいへん珍しいナローゲージのトロッコ電車ときました。う~む、他では見られないラインナップですね。
スライドショー
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黒部峡谷鉄道マップ