ハピラインふくい線の概要 路線データ |
管轄 |
ハピラインふくい(第一種鉄道事業者)
日本貨物鉄道(第二種鉄道事業者) |
路線距離 |
敦賀 - 大聖寺間 84.3 km |
駅数 |
20駅(うち貨物駅1駅) |
軌間 |
1,067mm |
複線区間 |
全線複線 |
電化方式 |
敦賀駅構内 直流1,500V
敦賀駅-大聖寺駅間 交流20,000V・60Hz |
閉塞装置 |
複線自動閉塞式 |
保安装置 |
ATS-SW |
最高速度 |
110km/h |
運転指令所 |
金沢総合指令所 |
IC乗車カード |
全線対応(ICOCAエリア) |
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福井駅 |
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ハピラインふくい線(ハピラインふくいせん)は、福井県敦賀市の敦賀駅から石川県加賀市の大聖寺駅までを結ぶハピラインふくいの鉄道路線である。元は西日本旅客鉄道(JR西日本)北陸本線の一部で、2024年3月16日の北陸新幹線金沢駅
- 敦賀駅間延伸開業の際に並行在来線としてJR西日本から経営分離された区間のうち、ハピラインふくいが継承した福井県内の区間にあたる。なお石川県の区間は、IRいしかわ鉄道が継承した。当線とIRいしかわ鉄道線、あいの風とやま鉄道線、えちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの各路線は、北陸本線、信越本線、羽越本線、奥羽本線などとともに日本海縦貫線の一部を構成し、JR貨物の貨物列車が走破している。
なお、起点となる敦賀駅はJR西日本が、終点となる大聖寺駅はIRいしかわ鉄道が管理し、途中17駅をハピラインふくいが管理する。キロポストは移管前の北陸本線時代の米原起点のものがそのまま使用され、線内の各踏切に記載されているキロ程表示も米原からの通算表示となっている。さらに踏切番号標識も旧北陸本線時代のままとなっている。
旅客輸送
2024年3月16日の開業時のダイヤでは、1日あたり131本の列車が設定されており、利用者の多い朝夕の通勤・通学時間帯の福井駅 - 芦原温泉駅間および武生駅 - 福井駅間を中心に、JR西日本時代と比較して増発が図られている。福井駅発の最終列車は芦原温泉駅方面で25分、敦賀駅方面で7分繰り下げられた。普通列車の所要時間は、JR西日本時代に運転されていた特急列車が廃止され、待避時間がなくなることから、敦賀駅 - 福井駅間で最大19分、福井駅 - 金沢駅間で最大26分短縮された。
朝夕時間帯では、敦賀駅 - 福井駅間で、快速列車が朝方4本、夕方4本運行されるが、先行列車を追い抜くわけではなく、所要時間の短縮のみである。普通列車に比べ所要時間が約10分短くなる。また、JR西日本米原駅22:48発金沢駅行き特急「しらさぎ65号」の運行が廃止されることに伴い運行される、米原駅22:48発敦賀駅行き臨時快速(途中停車駅なし)との接続列車として、敦賀駅発福井駅行き快速列車が敦賀駅の終電として運行される。
09:00 - 15:00台の日中時間帯にはパターンダイヤが導入され、最も利用者の多い武生駅 - 福井駅間は毎時2本の列車が運行される。
JR西日本との乗り換えを考慮し、接続時間は、福井駅(北陸新幹線)で7 - 25分、敦賀駅(湖西線特急「サンダーバード」、北陸本線特急「しらさぎ」)で10 - 19分となっている、。
IRいしかわ鉄道線直通
IRいしかわ鉄道との間で敦賀駅 - 金沢駅間において相互直通運転を実施している。ただし、ハピラインふくいの車両は敦賀駅 - 金沢駅間で運行されるのに対し、IRいしかわ鉄道の車両は福井駅 - 金沢駅間での運行に限定され、福井駅より敦賀方面へは乗り入れない。
JR西日本越美北線直通
ハピラインふくい移管後も引き続き、越前花堂駅 - 福井駅間へ乗り入れ、九頭竜湖駅まで直通運転が行われる。JR西日本の片乗り入れではあるが、乗務員は越前花堂駅でハピラインふくいとJR西日本との交替が行われている。このため、ハピラインふくいにも内燃車運転免許を保持する乗務員を配置され、JR西日本の乗務員は福井地区の拠点が廃止されて敦賀列車区の所属となったことから、北陸新幹線への便乗で出勤している。
使用車両
当線に乗り入れるIRいしかわ鉄道の車両も含め交直流電車が使用される。JR西日本は、越美北線が非電化であるため、当線に乗り入れる車両は気動車が使用される。
- 521系電車(ハピラインふくい所属)
- 521系電車(IRいしかわ鉄道所属)
- キハ120形気動車(JR西日本金沢車両区敦賀支所所属)
- 九頭竜湖駅方面発で、越前花堂駅から福井駅まで乗り入れる。
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敦賀駅 |
武生駅 |
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芦原温泉駅 |
今庄駅 |
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521系電車とキハ120系気動車 |
521系2次車 |
歴史
国鉄・JR時代
- 1893年(明治26年)
- 4月8日:鉄道庁敦賀出張所及び鉄道庁第三部敦賀派出所を設置して敦賀 - 森田間の線路実測に着手し、同年8月これを終えて着工する。
- 8月12日:福井出張所派出所を設置し、今庄 - 森田間及び敦賀 - 今庄間を担当する。
- 1894年(明治27年)8月9日:森田 - 金沢間の線路実測に着手する。
- 1895年(明治28年)
- 3月:森田 - 金沢間の線路実測を終える。
- 6月:森田 - 金沢間の建設着工する。
- 1896年(明治29年)
- 5月28日:出張所を福井に移転し、福井鉄道局出張所と改称する。
- 7月15日:北陸線 敦賀駅 - 福井駅間(38M40C≒61.96 km)が開業。杉津駅・今庄駅・鯖波駅(現在の南条駅)・武生駅・鯖江駅・大土呂駅・福井駅が開業。
- 1897年(明治30年)9月20日:福井駅 - 小松駅間(30M3C≒48.34 km)延伸開業。森田駅・新庄駅(現在の丸岡駅)・金津駅(現在の芦原温泉駅)・細呂木駅・大聖寺駅が開業。
- 1902年(明治35年)
- 2月15日:新庄駅が丸岡駅に改称。
- 11月1日:全線で改マイル(米原駅 - 富山駅間 +19C≒0.38 km)。
- 11月12日:マイル・チェーン表記からマイル表記に簡略化(米原駅 - 富山駅間 153M7C→153.1M)。
- 1909年(明治42年)
- 6月1日:敦賀駅が移転し、米原方面 - 福井方面スイッチバック運転を解消。
- 10月12日:国有鉄道線路名称制定により、米原駅 - 魚津駅間、敦賀駅 - 金ヶ崎駅間を北陸本線とする。
- 1918年(大正7年)11月15日:細呂木駅 - 大聖寺駅間に熊坂信号所が開設。
- 1921年(大正10年)4月15日:熊坂信号所が牛ノ谷駅として開業。
- 1926年(大正15年)5月1日:春江駅が開業。
- 1927年(昭和2年)12月20日:王子保駅が開業。
- 1930年(昭和5年)4月1日:マイル表示からメートル表示に変更、一部営業キロ修正(米原駅 - 直江津駅間 228.3M→366.5 km)。
- 1936年(昭和11年)
- 1月13日:米原発上野行の606下り列車が、福井駅を出発後に車内から出火。4人死亡、重軽傷者多数。原因は乗客のタバコの火が荷物の揮発油に引火したもの。
- 1月22日:鯖波駅 - 今庄駅間の湯尾トンネル付近で雪崩が発生。除雪作業員51人が生き埋め、死者8人、重軽傷者11人。
- 1940年(昭和15年)12月1日:福井操車場が開業。福井操車場 - 福井駅間が複線化。
- 1943年(昭和18年)4月10日:今庄駅 - 鯖波駅間に湯ノ尾信号場が開設。
- 1948年(昭和23年)
- 6月28日:福井地震発生。福井駅 - 森田駅間の九頭竜川鉄橋が倒壊し、特に大土呂駅 - 牛ノ谷駅間は構内建物のほとんどが全壊した。福井駅 - 森田駅間で上野駅発米原行きの603旅客列車が、これとは別に同区間で貨物列車、丸岡駅 - 金津駅間で旅客列車が脱線転覆。
- 9月1日:湯ノ尾信号場が湯尾駅として開業。
- 1952年(昭和27年)12月1日:福井操車場が南福井駅として開業(貨物取り扱いのみ)。
- 1955年(昭和30年)5月1日:北鯖江駅が開業。
- 1957年(昭和32年)10月1日:牛ノ谷駅 - 大聖寺駅間に熊坂信号場が開設。
- 1961年(昭和36年)9月28日:福井駅 - 森田駅間が複線化。
- 1962年(昭和37年)
- 1962年(昭和37年)6月10日開通当時の北陸隧道
- 2月19日:丸岡駅 - 金津駅間が複線化。
- 3月19日:今庄駅 - 湯尾駅間が複線化。
- 3月21日:今庄駅 - 福井駅間が交流電化。
- 6月2日:新線切り替えに先立ち、敦賀駅 - 今庄駅間の旧線区間廃線式を挙行。
- 6月9日:早朝上り216列車と下り225列車をもって、下り線線路付け替えのため敦賀駅 - 杉津駅 - 今庄駅間 (26.4 km) が廃止。以降終日新線を暫定使用。運行は旧ダイヤに基づき、敦賀駅・余座踏切地点・南今庄地点・今庄駅で時間差調整された。
- 6月10日:北陸トンネル正式開通。敦賀駅・福井駅にて祝賀式典が執り行われる。敦賀駅 - 今庄駅間が複線交流電化新線 (19.3 km) 開業。南今庄駅が開業。
- 9月30日:熊坂信号場 - 大聖寺駅間が複線化。
- 1963年(昭和38年)
- 4月4日:福井駅 - 金沢駅間が交流電化。
- 4月15日:武生駅 - 鯖江駅間が複線化。
- 7月22日:牛ノ谷駅 - 熊坂信号場間が複線化。熊坂信号場が廃止。
- 9月16日:王子保駅 - 武生駅間が複線化。
- 9月25日:鯖波駅 - 王子保駅間が複線化。
- 1964年(昭和39年)9月26日:春江駅 - 丸岡駅間が複線化。
- 1965年(昭和40年)
- 5月27日:細呂木駅 - 牛ノ谷駅間が複線化。
- 9月27日:金津駅 - 細呂木駅間が複線化。
- 1966年(昭和41年)
- 3月11日:湯尾駅 - 鯖波駅間が複線化。
- 3月16日:森田駅 - 春江駅間が複線化。
- 9月7日:鯖江駅 - 北鯖江駅間が複線化。
- 9月13日:北鯖江駅 - 大土呂駅間が複線化。
- 9月24日:大土呂駅 - 南福井駅間が複線化。
- 1968年(昭和43年)10月1日:越美北線の越前花堂駅に北陸本線ホームが開設。
- 1969年(昭和44年)10月1日:全線の複線電化が完成。全線で営業キロ改定、計2.8km短縮。
- 営業キロ延長
- 0.1km…武生駅 - 鯖江駅間・大土呂駅 - 越前花堂駅間・森田駅 - 春江駅間
- 営業キロ短縮
- 0.1km…南今庄駅 - 今庄駅間・今庄駅 - 湯尾駅間・鯖波駅 - 王子保駅間・鯖江駅 - 北鯖江駅間・福井駅 - 森田駅間・春江駅 - 丸岡駅間
- 1972年(昭和47年)
- 3月15日:3月1日に三国線が廃止されたことにより、金津駅が芦原温泉駅に改称。
- 11月6日:北陸トンネル内で急行「きたぐに」の食堂車から出火し、30名が死亡(北陸トンネル火災事故)。
- 1973年(昭和48年)4月1日:鯖波駅が南条駅に改称。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、米原駅 - 直江津駅間 (353.9 km) を西日本旅客鉄道が承継。日本貨物鉄道が米原駅 - 直江津駅間の第二種鉄道事業者となる。
- 2006年(平成18年)9月24日:長浜駅 - 敦賀駅間が交流電化から直流電化に変更。デッドセクションが北陸トンネル敦賀口付近に変更。
- 2011年(平成23年)1月31日:北陸地方での前日からの大規模な大雪の影響で、除雪作業のため長浜駅 - 直江津駅間の全列車が終日運休。今庄駅などで特急が最大7本立ち往生した。全区間の運休は前例が無く、民営化以来の終日運休は初。
- 2017年(平成29年)3月4日:敦賀駅 - 金沢駅間を走行する日中の普通列車の一部において、ワンマン運転を開始。
- 2018年(平成30年)9月15日:牛ノ谷駅 - 新疋田駅間でICカード「ICOCA」の利用が可能になる。これにより北陸本線全線でICOCAの利用が可能となると共に関西圏と北陸本線のICOCAエリアが繋がる。
- 2022年(令和4年)8月4日:大雨の影響により、線路設備に甚大な被害が発生。敦賀駅 - 武生駅間が不通となる。
ハピラインふくい移管後
- 2024年(令和6年)3月16日:JR西日本北陸新幹線金沢駅 - 敦賀駅間延伸開業に伴い、北陸本線敦賀駅 - 大聖寺駅間がハピラインふくいに移管される。
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