JR東日本・山手線
JR山手線の概要
山手線(やまのてせん)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が運営する鉄道路線(幹線)である。
「山手線」には、次の4つの意味合いがある。
  1. 正式路線名(線路名称)としての「山手線」:東京都港区の品川駅を起点に、渋谷駅、新宿駅、池袋駅を経由して北区の田端駅を結ぶ全長20.6 kmの鉄道路線の名称。東海道本線の支線。国鉄分割民営化時運輸省(現・国土交通省)に提出された事業基本計画および国土交通省監修の『鉄道要覧』に記載された山手線の区間でもある。駒込駅 - 田端駅間の一部区間を除き、ほぼ全線複々線であるが、このうちの埼京線電車、相鉄線直通列車、湘南新宿ライン列車や特急列車、貨物列車の走る線路を通称「山手貨物線」と呼ぶ。このほか、代々木駅 - 新宿駅間において、中央線(快速)、中央・総武線(各駅停車)が別線で乗り入れている。
  2. 運転系統としての「山手線」:上記 1. に東海道本線の一部および東北本線の一部区間を合わせて東京都区部内で環状運転を行う近距離電車の運転系統。実際にはこの系統のみが使用する専用の線路があり、それが「山手線」と呼ばれる。この運転系統に対して駅ナンバリングが設定されており、使われる路線記号はJY。
  3. マルスのシステム上の経路表示における「山手線」:上記1.から、代々木駅 - 新宿駅間を除外し、田端駅 - 日暮里駅間を含む(代々木駅 - 新宿駅間は「中央東線」と表示される)。
  4. 運賃計算上の「東京山手線内」:東京駅からの営業キロ程が100 km超200 km以内の範囲に所在する駅に発着する乗車券(または1 km超200 km以内の範囲に所在する駅に発着する一部の特別企画乗車券)に表示されることがある運賃計算上の名称。上記2.の区間に加え、環状線内側にある中央本線神田駅 - 代々木駅間および総武本線秋葉原駅 - 御茶ノ水駅間を含む。また、この区間内相互の近距離運賃は区間外よりも低額に設定されている。
このサイトでは、2. の運転系統としての山手線を指すものとします。

概要

JR山手線の概要 路線データ
管轄(事業種別) 東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者)
日本貨物鉄道(第二種鉄道事業者)
路線距離(営業キロ) 品川駅 - 田端駅間 20.6km
田端駅 - 東京駅間 7.1 km(東北本線)
東京駅 - 品川駅間 6.8 km(東海道本線)
軌間 1,067mm
駅数 30駅(起終点駅含む)
複線区間 全線複線
電化区間 全線直流1,500V 架空電車線方式
閉塞方式 自動列車制御装置
保安装置  D-ATC
運転指令所  東京総合指令室
最高速度 90km/h
列車運行管理システム 東京圏輸送管理システム (ATOS) 
車両基地  東京総合車両センター
223系2000番台
品川駅

東京駅 大崎駅コンコース
東京駅 大崎駅コンコース
五反田駅 目黒駅
五反田駅 目黒駅
恵比寿駅 渋谷駅
恵比寿駅 渋谷駅
原宿駅 代々木駅
原宿駅 代々木駅
新宿駅 代々木駅
新宿駅 代々木駅

山手線は、日本の首都である東京の都心部で環状運転を行い、多くの駅において、都心から各方面へと伸びるJR東日本(在来線・新幹線)や私鉄各社の放射路線および都心部を走る地下鉄各線に接続している。上野駅・東京駅・品川駅・渋谷駅・新宿駅・池袋駅など世界トップクラスの利用者数を持つターミナル駅を多数抱え、東京における最重要の公共交通機関として機能している。またその路線の性格から、東京のみならず全国的に高い知名度を誇る。1周の長さは34.5 km、1周の所要時間は内回り、外回りとも標準で59分、朝ラッシュ時は61分、夕方ラッシュ時は60 - 61分(いずれも大崎駅での停車時間を除く)である。ラインカラーは1963年登場の103系電車の車体の色に使用されたウグイス色 (国鉄黄緑6号)であり、以降登場したステンレス車両の帯の色や旅客案内(路線図・サインシステムなど)にも使用されている。
山手線は、日本の文明開化期に私鉄の日本鉄道が当時国内有数の貿易港であった横浜港と関東地方内陸部の各地(埼玉県、群馬県、栃木県)さらに東北地方および北陸地方方面を結ぶ貨物線として建設した、赤羽駅 - 品川駅(および大井町駅)間を結ぶ鉄道路線(当初は品川線と呼称)である。当時の東京の人口密集地域であった下町を避け、街外れだった山手に建設された。その後、同じく日本鉄道が現在の常磐線方面と横浜港方面間の接続を目的として建設した池袋駅 - 田端駅間(当初は豊島線と呼称)を加え現在の山手線の線路の原型が完成、国有化ののち、太平洋戦争後の高度経済成長期に池袋駅 - 赤羽駅間を現行の赤羽線として分離した。開業以来、武蔵野線が開通するまでは、関東北部および東北方面から横浜港方面に向けの輸出品輸送、逆方向の輸入品輸送の大動脈であった。現在も少数であるが東北本線方面と東海道本線方面を結ぶ貨物列車が毎日運行されている。
旅客輸送は、開業当初は新橋駅 - 品川駅 - 渋谷駅 - 新宿駅 - 板橋駅 - 赤羽駅間を往復する列車が1日数往復のみ運行され、その後、東京山手の人口増に伴い上野駅を起点として池袋駅、新宿駅、渋谷駅、品川駅、新橋駅を経て東京駅方面に至る環状運転が開始され、その後、上野駅 - 東京駅間の開通により京浜線と東北本線電車線の相互直通運転が開始された時期と同じくして現在の運行形態へと移行、定着した。
明治後期から昭和期にかけての私鉄各社は、地下鉄道であれば東京地下鉄道や東京高速鉄道のように東京15区内に路線を敷設できたが、地上線となると東京15区内が東京市電の路線網内だったこともあり敷設が難しく、山手線の各駅に隣接して都心側のターミナル駅を設置することとなった。戦後も引き続き山手線内に新設する路線はすべて地下鉄道であることが条件となったため、私鉄の資本力では山手線内に直通することは実現不可能となった。山手線の各駅は都内交通への乗り継ぎ・中継地となり、やがて各私鉄が自力で都心延伸するよりもターミナルに自社の商業施設を集中した方が利益になると判断し始めて、西武百貨店や東急百貨店などの電鉄系百貨店を開業させた。大手私鉄のターミナル駅周辺にある渋谷、新宿、池袋などの副都心は発展を遂げていき、旧東京市の中心市街地を凌ぐ繁華街にまで成長した。
こうした新都心を相互に連結する山手線は、東京の交通網の基本路線として機能しており、太平洋戦争後、私鉄が営団地下鉄(現在の東京地下鉄〈東京メトロ〉)や都営地下鉄と相互直通運転を開始し、郊外から電車が直接都心に乗り入れるようになっても、依然として東京山手の副都心間を結ぶ路線等として機能している。朝ラッシュ時の混雑率が250%を越えていた時期もあったが、地下鉄網の発達や並行する山手貨物線の旅客化(埼京線・湘南新宿ラインの開業)、山手線自身の6扉車導入による11両化、上野東京ラインの開業など、新線開業が相次いだことにより混雑は大幅に緩和された。2015年度以降の朝ラッシュ時混雑率は外回り、内回りとも170%を下回っている。
なお、上野駅 - 東京駅間は、東北本線の列車線が敷設され、1973年3月末まで一部の中長距離列車が東海道本線と直通運転されていたが、東北新幹線・上越新幹線の将来的な東京・上野方面への乗り入れのための用地確保に伴い直通運転が一度中止され、1983年に列車線の線路が分断された後、上野東京ラインによる再接続までの約43年間は、並走する京浜東北線と山手線が同区間の接続を担っていた。
通勤などビジネスや通学、買い物といった日常生活のほかに、訪日外国人を含めた観光目的での利用も多い。JR東日本も観光での利用者開拓に力を入れており、2017年に山手線プロジェクトチームを設置。山手線を「東京感動線」と称して、2018年から沿線の文化や店舗を紹介するフリーマガジン『TOKYO MOVING ROUND』を配布するなどしている。
なお、環状運転系統としての平均駅間距離は1.15 kmである。

路線名の読み方

山手線の読み方は、対義語である山の手と下町からの「やまのてせん」であり、太平洋戦争前も「やまのてせん」と読んでいた。開業時の申請書には表記を「山ノ手線」とする旨が書かれており、開業時表記は「山手線」となったが、読みは「やまのてせん」だった。ところが終戦直後、連合国軍最高司令官総司令部 (GHQ/SCAP) の指示により、鉄道施設や道路標識などにローマ字併記が進められた際、山手線には国鉄部内での通称だった「ヤマテ」につられて「YAMATE=Loop=Line」とローマ字を振ったことがきっかけとなり、その後「やまてせん」という読み方が一般に定着してしまった。
読み方が「やまのてせん」に戻ったのには2つの理由がある。1つは1970年から始まったディスカバー・ジャパンキャンペーンで、駅名や路線名を分かりやすいようにしようとする動きが起こったためである。もう1つは、群馬県の長野原線が大前駅まで延伸開通した際に路線名を「吾妻線(あがつません)」に改称したことである。吾妻線が「あづません」と読み間違えられるのを防ぐため、[要出典]国鉄では全路線の線路名称にふりがなをつけることを決定。山手線には「やまのてせん」というふりがなを振り、吾妻線が大前駅まで開通した1971年3月7日から実施した。国鉄当局が「やまのてせん」を選択して復活させた理由は、線名の由来・発祥からして、「やまのてせん」の方が伝統的に正しいことと、田端駅 - 品川駅で並走する京浜東北線の直通先の根岸線にある山手駅(やまてえき 1964年5月開業)との混同を避ける(京浜東北・根岸線の「山手行き」と勘違いさせない)ためである。これに伴い、その趣旨を徹底させるため、電車に掲出される方向幕の行先表示は、漢字表記は「山手」を「山手線」に、ローマ字表記は「YAMATE」を「YAMANOTE LINE」と改めた。

歴史

日本鉄道国有化前

  • 1872年(明治5年)
    • 6月12日:官設鉄道 品川駅 - 横浜駅間鉄道仮営業。品川駅開業。
    • 10月14日:新橋駅 - 横浜駅間本開業。新橋駅(初代)開業。
  • 1883年(明治16年)7月28日:日本鉄道 上野駅 - 熊谷駅間開業。上野駅開業。
  • 1885年(明治18年)
    • 3月1日:日本鉄道品川線 品川駅 - 赤羽駅間(12 M75 C50 L≒20.83 km)開業。渋谷駅・新宿駅・板橋駅*開業。
    • 3月16日:日本鉄道品川線 目黒駅・目白駅開業。
  • 1890年(明治23年)
    • 1月25日:MCL表示からMC表示に簡略化(12M75C50L→12M76C)。
    • 11月1日:日本鉄道 上野駅 - 秋葉原駅間貨物線開通。秋葉原駅(貨物駅)開業。
  • 1894年(明治27年)8月:のちの大井聯絡所とのちの大崎駅を結ぶ軍用線が竣工開業(1901年貨物線となる)。
  • 1896年(明治29年)4月1日:日本鉄道 田端駅開業。
  • 1901年(明治34年)
    • 2月25日:日本鉄道山手線 大崎駅・恵比寿駅(貨物駅)開業。
    • 3月15日:官設鉄道 大井聯絡所 - 大崎駅間で貨物列車運行開始。
    • 8月1日:官設鉄道 大井聯絡所 - 大崎駅間(72 C≒1.45 km)が正式に開業。
    • 8月8日:日本鉄道が定款を変更し、品川線(品川駅 - 赤羽駅間)と豊島線(池袋駅 - 田端駅間、このとき未開業)を統合し山手線とする。
  • 1902年(明治35年)
    • 5月10日:日本鉄道山手線 目白駅 - 板橋駅間に池袋信号所を開設。
    • 11月12日:MC表示からマイル表示に簡略化(品川駅 - 赤羽駅間 12 M76 C→13.0 M、大井駅 - 大崎駅間 72 C→0.9 M)。
  • 1903年(明治36年)4月1日:日本鉄道山手線 池袋駅 - 田端駅間(3.3 M≒5.31 km)開業(複線)。池袋信号所を駅に変更し池袋駅開業。大塚駅・巣鴨駅開業。
  • 1904年(明治37年)11月:日本鉄道山手線 新宿駅 - 池袋駅間複線化。
  • 1905年(明治38年)
    • 4月1日:日本鉄道 日暮里駅開業。
    • 6月10日:日本鉄道山手線 赤羽駅 - 板橋駅間に十条駅(貨物駅)開業。
    • 10月:日本鉄道山手線 渋谷駅 - 新宿駅間複線化。
  • 1906年(明治39年)
    • 2月7日:日本鉄道山手線 十条駅(貨物駅)廃止。
    • 9月23日:甲武鉄道 代々木駅開業(山手線には駅が設置されず通過。10月1日国有化)。
    • 10月:日本鉄道山手線 大崎駅 - 渋谷駅間複線化。
    • 10月30日:日本鉄道山手線 原宿駅開業。恵比寿駅が旅客営業開始。

国有鉄道時代

  • 1906年(明治39年)
    • 11月1日:日本鉄道が国有化。
  • 1909年(明治42年)
    • 10月12日:国有鉄道線路名称制定。赤羽駅 - 品川駅間、池袋駅 - 田端駅間、貨物支線 大崎駅 - 大井聯絡所間を山手線(東北線の部)とする。
    • 11月30日:大崎駅 - 品川駅間複線化。
    • 12月16日:東海道本線 品川駅 - 烏森駅(現在の新橋駅)間開業。山手線 田端駅 - 池袋駅間、赤羽駅 - 品川駅間電化。上野駅 - 新宿駅 - 品川駅 - 烏森駅、赤羽駅 - 池袋駅間に電車運転開始。代々木駅停車開始(中央本線の駅として1906年にすでに開業)。
  • 1910年(明治43年)
    • 4月1日:田端駅 - 池袋駅間複線化。
    • 6月25日:東海道本線 烏森駅 - 有楽町駅間開業。
    • 9月15日:山手線 高田馬場駅開業。東海道本線 有楽町駅 - 呉服橋駅(のちに廃駅)間開業。
    • 11月1日:十条駅開業。
    • 11月15日:駒込駅開業。
  • 1911年(明治44年)10月15日:五反田駅開業。
  • 1912年(明治45年)7月11日:鶯谷駅開業。
  • 1914年(大正3年)
    • 5月24日:代々木練兵場(現在の代々木公園)にて昭憲皇太后の大葬が行われたのに伴い、葬場殿仮停車場を開設、引き込み線の形で原宿駅 - 葬場殿仮停車場間(0.4 M≒0.64 km)開業(同月26日廃止)。
    • 11月15日:新大久保駅開業。
    • 12月20日:東海道本線 東京駅開業。大井聯絡所を駅に変更して大井町駅開業。新橋駅を汐留駅と改称し、烏森駅を新橋駅とする。
  • 1916年(大正5年)4月16日:貨物支線 大崎駅 - 大井町駅間(0.9 M≒1.45 km)廃止。
  • 1918年(大正7年)12月20日:品川駅 - 大崎駅間複々線開通、山手線複々線化の開始。
  • 1919年(大正8年)
    • 3月1日:中央本線と接続し中野駅-東京駅-品川駅-池袋駅-上野駅間で“「の」の字運転”を開始。神田駅開業。
    • 3月10日: 五反田駅 - 目黒駅間に上大崎仮信号所を開設。
  • 1922年(大正11年)4月1日:信号所を信号場に変更。
  • 1923年(大正12年)9月1日:関東大震災で有楽町駅、新橋駅、浜松町駅、鶯谷駅、上野駅焼失。平常時の運転に復旧(東京駅への乗り入れは1924年1月13日以降)。
  • 1925年(大正14年)
    • 3月28日:品川駅 - 池袋駅 - 田端駅間の電車専用線複線化完成(客貨分離)。
    • 4月26日:山手線複々線開業式、新宿駅新駅舎落成式挙行。
    • 11月1日:東北本線 神田駅 - 上野駅間開業。秋葉原駅が旅客営業開始。御徒町駅開業。環状運転開始。
  • 1927年(昭和2年)
    • 2月25日:山手線電車区間(池袋駅 - 赤羽駅間は除く)荷物専用電車運転開始。
    • 4月20日:高田馬場駅 - 新大久保駅間に戸山ヶ原信号場開設。
  • 1929年(昭和4年)8月21日:品川駅 - 大崎駅間に目黒川信号場を開設。
  • 1930年(昭和5年)4月1日:マイル表示からメートル表示に変更(赤羽駅 - 品川駅間 13.0 M→20.9 km、池袋駅 - 田端駅間 3.3 M→5.2 km)。
  • 1935年(昭和10年)
    • 11月1日:上大崎仮信号場廃止。
    • 11月15日:戸山ヶ原信号場廃止。
  • 1945年(昭和20年)
    • 4月13日:太平洋戦争下の空襲により田端駅・鶯谷駅・駒込駅・高田馬場駅・池袋駅などの駅と池袋電車区焼失。
    • 5月24日:空襲により五反田駅・恵比寿駅など焼失。
    • 5月25日:空襲より東京駅など焼失。山手線全線不通。
    • 5月29日:運転を再開。
  • 1949年(昭和24年)6月1日:日本国有鉄道発足。
  • 1956年(昭和31年)11月19日:田端駅 - 田町駅間線増、朝夕に限って京浜東北線と分離運転開始。
  • 1961年(昭和36年)9月:101系を投入。車体色はカナリア・イエロー。
  • 1963年(昭和38年)12月:103系を投入。車体色をウグイスに変更。
  • 1965年(昭和40年)
    • 7月:目黒川信号場廃止。
    • 7月31日:品川駅構内で山手線内回り電車がポイントを通過中の回送電車に側面から衝突。15人負傷。
  • 1968年(昭和43年)10月1日:10両編成運転開始。
  • 1969年(昭和44年)4月:車体をウグイス色に統一。
  • 1970年(昭和45年)7月31日:国電山手線初の103系冷房車運行開始。
  • 1971年(昭和46年)
    • 3月7日:路線名の読みを「やまてせん」から「やまのてせん」に統一。
    • 4月20日:西日暮里駅開業。10両編成に統一。
    • 11月14日:池袋駅2番線に停車した山手線車両に、駅構内で機動隊と衝突していた過激派が火炎瓶で放火。負傷者2人。
  • 1972年(昭和47年)7月15日:山手線を東北線の部から東海道線の部に移し、区間表示を品川駅 - 新宿駅 - 田端駅間 (20.6 km) に変更。池袋駅 - 赤羽駅間 (5.5 km) は赤羽線として分離。
  • 1981年(昭和56年)12月6日:自動列車制御装置 (ATC)・列車無線使用開始。
  • 1985年(昭和60年)3月25日:国電初のステンレス通勤形車両、205系が山手線で使用開始。

JR東日本の発足後

  • 1987年(昭和62年)
    • 4月1日:国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道(JR東日本)の路線となる。
    • 8月:アートコーヒーの主催によるイベント列車「RAIL TRAIN YAMANOTE」運転。
  • 1988年(昭和63年)
    • 3月13日:京浜東北線で日中の快速運転を開始。京浜東北線と終日分離運転。
    • 6月26日: 205系増備完了に従い、103系が山手線での使用終了。さよならイベントを品川電車区で実施。
  • 1990年(平成2年)
    • 3月10日:6扉車サハ204形900番台試作車を1編成に2か所連結。6扉車は平日の朝10時まで座席を収納。
    • 4月21日:翌年導入する予定のイオカード対応の自動改札機を東京駅・駒込駅に設置し、供用開始。以後、順次山手線各駅に導入される。
    • 6月8日:6扉車で文字放送サービス開始。この年、山手線で初めて車内広告が1社で統一されるADトレイン運転開始(先頭車の正面にヘッドマークを掲出)。1995年に2編成あるうちの1編成のヘッドマークを変更(のちに再変更)。205系のADトレインの歴代ヘッドマーク4個はすべて消滅。
    • 10月20日:国際鉄道安全会議を記念して「TECH TRAIN」を11月4日までの土・日曜日に運転。1日3往復で、運転終了後は池袋駅で展示された。使用車両は103系で、先頭車に京浜東北線から、中間車に埼京線からの車両を組み込んだ編成で運転された。車内にはJR東日本の安全への取り組みや鉄道に関する資料、模型などが展示された。なお、このときは山手線はすべて205系で運転していたため、2年4か月ぶりに山手線に103系が運転されることになる。
  • 1991年(平成3年)12月1日:6扉車サハ204形0番台量産車の10号車への連結を開始し、一週間ほどで全編成が11両編成となる。11両化された編成の先頭車前面には「11CARS」のステッカーが貼り付けられたが、ステッカーは1997年までに全編成から取り外された。
  • 1992年(平成4年)
    • 5月21日:全編成への転落防止幌設置を開始(翌年2月ごろまでに設置完了)。
    • 8月1日:全駅で喫煙所以外での終日禁煙を実施。
  • 1994年(平成6年)12月3日:土曜ダイヤを廃止し、土曜・休日ダイヤへ移行。
  • 1998年(平成10年)7月4日:東京圏輸送管理システム (ATOS) 使用開始。
御徒町駅 秋葉原駅
御徒町駅 秋葉原駅
御徒町駅 有楽町駅
御徒町駅 有楽町駅
新橋駅 浜松町駅
新橋駅 浜松町駅
田町駅 高輪ゲートウェイ駅
田町駅 高輪ゲートウェイ駅

2000年代以降の動き

  • 2000年(平成12年)12月31日:20世紀から21世紀へのカウントダウンとして臨時列車「21GO」を翌年1月1日まで運転。使用車両は列車名にちなみ215系。
  • 2001年(平成13年)
    • 3月21日:「みんなの地球をみんなで考えるエコロジーキャンペーン」の一環として「エコトレイン2001」を、通常はADトレインで使用されている48番編成で4月20日まで運転。両端の車両全面にステッカー貼付。
    • 12月1日:山手線で初めて「側面車体広告車」を開始。
  • 2002年(平成14年)4月21日:E231系500番台が山手線で使用開始。
  • 2005年(平成17年)4月17日:E231系500番台増備完了に従い、205系が山手線での使用終了。
  • 2006年(平成18年)7月30日:D-ATC(デジタルATC)使用開始。
  • 2007年(平成19年)
    • 3月18日:D-ATC化後初のダイヤ改正で、1周最速59分(起終点駅での停車時間を除く)に所要時間短縮。朝ラッシュピークに外回りを1本増発。平日日中の運転本数を4分おきにするなど、全体的に運転間隔を見直し。
    • 8月26日: JRの在来線として初めてデジタル列車無線を導入。
  • 2009年(平成21年)9月7日 - 12月4日:「山手線」の命名100周年を記念して、E231系500番台トウ502編成に、昭和30年代に運転されていた旧形国電カラーリング(ぶどう色2号)を模したラッピング編成が登場した。なお、このラッピング編成は明治製菓の車体広告車も兼ねていた。
  • 2010年(平成22年)
    • 2月19日:平日朝ラッシュ時の6扉車での座席収納を終了。22日以降は終日座席が使えるようになる。
    • 6月26日:恵比寿駅でホームドアの使用を開始。ただし7・10号車部分は4扉車と6扉車が混在していたため設置されず。
    • 8月28日:目黒駅で7・10号車部分を除いてホームドア使用開始。
  • 2011年(平成23年)
    • 9月4日:全編成が全車4扉車となる。
    • 10月29日:恵比寿駅・目黒駅の7・10号車部分でホームドア使用開始。
  • 2012年(平成24年)12月22日:大崎駅でホームドア使用開始。
  • 2013年(平成25年)3月2日:池袋駅でホームドア使用開始。5・8番線は発車本数が少ないため設置対象外。
  • 2015年(平成27年)
    • 4月12日:神田駅 - 秋葉原駅間で、用途廃止となり撤去工事中であった架線柱が建築限界を超えて線路内に倒れ込む事故が起こる(重大インシデント)。当該架線柱の傾斜は、同月10日の深夜から現場では認識されていたが、情報の取り扱いとその後の判断が悪く倒壊を防げなかった。この影響で山手線と京浜東北線が長時間にわたって運転見合わせとなり、41万人に影響が及んだ。
    • 11月30日:E235系が山手線で運用開始。
  • 2016年(平成28年)8月20日:目黒駅から駅ナンバリングの使用を開始。路線記号は「JY」。その数日後からほかの複数駅でもナンバリングの使用を開始。
  • 2018年(平成30年)5月19日:車内に防犯カメラを設置したE235系の運行を開始。
  • 2019年(平成31年・令和元年)
    • 1月7日:自動列車運転装置 (ATO) による自動運転実験を未明に実施し、報道各社に公開。
    • 11月:列車の発車時刻だけでなく到着までの時間も表示するよう発車標の改良を開始。
    • 11月16日:新駅設置工事に伴う線路切換え工事のため、上野駅 - (東京駅経由) - 大崎駅間を初電から16時過ぎまで運休。
  • 2020年(令和2年)
  • 1月20日:E231系500番台の営業運転が終了。
  • 3月14日:京浜東北線とともに田町駅 - 品川駅間に高輪ゲートウェイ駅が開業。
  • 2021年(令和3年)
  • 1月20日:新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の発出および国・関係自治体からの要請に伴い、以下の列車を運休。
  • 外回り:池袋駅を0時28分以降に発車する列車を運休。終電が池袋駅 - 品川駅間で14分程度(土休日ダイヤは19分程度)、大崎駅 - 池袋駅間で19分程度繰り上げ。
  • 内回り:池袋駅を0時37分以降に発車する列車を運休。終電が池袋駅 - 大崎駅間で28分程度繰り上げ。
  • 10月23日・24日:渋谷駅山手線内回り線路切換工事実施のため、2日間に渡り特別ダイヤで運転。
  • 内回り:池袋駅 - 渋谷駅 - 大崎駅間を運休。大崎駅 - 東京駅 - 池袋駅間は本数を大幅に減らして運転(池袋駅で上野方面に折返し運転)。
  • 外回り:大崎駅 - 渋谷駅 - 池袋駅間で本数を減らして運転(一部、大崎駅で東京方面に折返し運転)。
  • 京浜東北・根岸線:快速運転を中止(終日、各駅停車で運転)。
  • 埼京線・りんかい線:新木場駅 - 大崎駅 - 赤羽駅間を増発。
  • 湘南新宿ライン:通常運転。
  • 相鉄線直通列車:新宿駅 - 池袋駅間を延長運転。
  • 山手貨物線:品川駅 - 新宿駅間で臨時列車を運転(停車駅は、品川・恵比寿・渋谷・新宿)。
  • 2023年(令和5年)
    • 1月7日・8日:渋谷駅山手線外回り線路切換工事実施のため、2日間に渡り特別ダイヤで運転。
    • 内回り:池袋駅 - 渋谷駅 - 大崎駅間で本数を減らして運転(一部、池袋駅で上野方面に折返し運転)。
    • 外回り:大崎駅 - 渋谷駅 - 池袋駅間を運休。池袋駅 - 東京駅 - 大崎駅間は本数を大幅に減らして運転(大崎駅で東京方面に折返し運転)。
    • その他の措置は2021年10月の体制を概ね踏襲。但し山手貨物線臨時列車は品川駅発着から大崎駅発着に変更。
    • 11月18日(外回り)・19日(内回り):渋谷駅山手線線路切換工事実施のため、2日間に渡り特別ダイヤで運転
    • 11月18日:2023年1月と同様、外回り・大崎駅 - 渋谷駅 - 池袋駅間を運休。池袋駅 - 東京駅 - 大崎駅間は大幅減便。内回りも一部、池袋駅で上野方面に折返し運転。
    • 11月19日:2021年10月と同様、内回り・池袋駅 - 渋谷駅 - 大崎駅間を運休。大崎駅 - 東京駅 - 池袋駅間は大幅減便。外回りも一部、大崎駅で東京方面に折返し運転。その他の措置は2023年1月の体制を概ね踏襲。
高田馬場駅 目白駅
高田馬場駅 目白駅
新宿駅 大塚駅
新宿駅 大塚駅
巣鴨駅 大塚駅
巣鴨駅 大塚駅
田端駅 西日暮里駅
田端駅 西日暮里駅
日暮里駅 鶯谷駅
日暮里駅 鶯谷駅

運行形態

山手線は、首都から放射状に伸びる鉄道網の起終点となる主要ターミナル駅を結ぶ首都内完結路線として、高頻度の運転を実施している。
複数の線区(山手線・東北本線・東海道本線)を走ることや、運行形態が環状運転であるため、運行方向は上り・下りではなく外回り・内回りという表現が旅客案内に用いられる。環状線路の複線外側を左側走行する列車が外回り(時計回り:品川駅 → 渋谷駅 → 新宿駅 → 池袋駅 → 上野駅 → 東京駅 → 品川駅)、複線内側を左側走行する列車が内回り(反時計回り)である。
運転本数は都心部の旅客需要を満たすため多く、平日朝ラッシュ時は約3 - 4分間隔、土休日日中時間帯は約4分間隔、平日日中は5分間隔、平日夕ラッシュ時間帯は約4 - 5分間隔で運行されている。ただし、始発・最終付近(早朝・深夜)は運行間隔が広がる。非常に高頻度のダイヤとなっているが、平日朝の本数は中央線快速よりも少ない。これは、新宿駅など利用者の多い駅での乗降に時間を要し、山手線の運転間隔を短縮できないためである。中央線快速でも新宿駅では乗降に時間を要しているが、一方向につき1面2線のホームを設け、先行列車と後続列車を別々の番線に振り分けて乗降を行う相互発着を行うことで運転間隔を短縮している。
当路線には列車種別設定がなく、すべての電車で停車駅パターンは一定で、平行ダイヤが組まれている。1周34.5 kmにかかる時間は日中(b速)の場合は59分(起・終点駅での停車時間を除く)である。当路線自体には列車種別設定がないが、京浜東北線が快速運転する日中の時間帯には並行区間で山手線が各駅停車の役割となる緩急分離運転が実施されている。快速停車駅間、特に田端駅 - 上野方面間、上野駅 - 東京方面間、秋葉原駅 - 浜松町方面間、東京駅 - 浜松町方面間の各区間乗車の場合、京浜東北線快速を利用した方が速いが、運転間隔が異なるため京浜東北線を利用しても必ずしも早く到着するとは限らない。同様の環状運転を行う大阪環状線や名古屋市営地下鉄名城線とは異なり、他線区から環状運転系統の線路に乗り入れたり、種別が変わったり、途中駅で折り返して反対方向に運転したり、大阪環状線のように優等列車として運転したりする電車はない。
一度運用についた電車は、基本的には終日同じ方向への環状運転を行っている。
途中駅が終点となる電車は、平日午前中の池袋行きと毎日夜間の品川・大崎行きのみである。
また、途中駅が始発となる電車は、毎日朝方の田町発と、平日午後の池袋発がある。
環状運転する電車の各駅での行き先案内は、主要6駅(東京駅、上野駅、池袋駅、新宿駅、渋谷駅、品川駅)から直近の2駅を挙げて「○○・△△方面行き」としている(たとえば、有楽町駅での外回り電車は品川・渋谷方面行きと案内する)。
列車番号は、ダイヤ上の分界駅である大崎駅を基準としている。外回りは奇数、内回りは偶数で、「大崎駅発時(24時間)」+「当該編成の当日の運用番号」として、末尾に「G」をつけている。したがって、山手線を約1時間かけて1周した電車は、大崎駅で列車番号の「大崎駅発時」部分を変えて引き続き運転される(ただし、大崎行きの電車を除く)。なお、ほかの駅が始発となる電車で大崎駅を00分以前に発車する電車は「始発駅発時(24時間)」を-1する。
山手線は平日には外回りが328本、内回りが322本、計650本が1日に運行されている。土曜・休日には外回り297本、内回り286本の計583本になる。2007年3月18日の改正で外回りでは平日の朝ラッシュ時に1本増発、夕方ラッシュ時に1本削減し全体での運行本数は変わらず、休日も変動はなかったが、内回りは平日は4本、土曜・休日は5本の削減となった。この改正以降、2分20秒間隔で1時間25本を運行している。改正前日の17日までは2分30秒間隔で24本の運行であった。これは車両が205系からE231系になり、アナログATCがデジタルATCになったことで1分 - 1分40秒短縮することができたためである。
例外的な運用として、後述のリフレッシュ工事の日で田端駅 - 田町駅間を京浜東北線と線路を共有する時間帯は、この区間の運転本数を削減するために池袋駅と大崎駅の間を往復する電車が5本に1本程度設定される。このため、大崎駅 - 田町駅間および池袋駅 - 田端駅間は運転間隔が少し長くなる。
また、1956年11月19日に山手線と京浜東北線の線路が分離され、両線とも運転本数が増やされたが、増えた車両数に対応する車庫の建設が追いつかなかったため、一部編成を京浜東北線の蒲田電車区や下十条電車区(現在の下十条運転区)に留置させる必要が生じ、特に後者は山手線車両の配置も一時的に実施された。この関係で、早朝・深夜のみ、山手線 - 京浜東北線間を直通する蒲田発着列車や東十条発着列車が運転されていた。この列車は1967年に品川電車区(現・東京総合車両センター東エリア)が完成したことにより廃止された。
毎年10月の休日(ほとんどは体育の日)に途中無停車の団体専用臨時列車が運行されている。これは大崎周辺まちづくり協議会主催によるイベント「しながわ夢さん橋」の企画として運行されるもので、大崎駅から出発し山手線を1周して大崎駅に戻るものである。2006年までは内回り方向、2007年以降は外回り方向で走っている。2016年10月の運行では、当時1本しかなかった最新鋭のE235系トウ01編成を使用。また2017年の運行で通算30回目を超え、2020年10月11日の運行が通算33回目となった。これ以外にも、8月最後の土曜日の東京総合車両センター一般公開と合わせて、びゅうが企画するツアーの申込者を限定とした団体列車が運転されることがある。これも「しながわ夢さん橋」企画と同じく、大崎駅出発で途中駅をすべて通過し、大崎駅へ戻る臨時列車である。このほかにも2005年に運行された「山手線開業120周年」記念列車も途中ノンストップであった。
大晦日から元旦にかけての終夜運転は、外回りが10分間隔、内回りが12分間隔で運転される。このとき、原宿駅では明治神宮参拝客用臨時ホームが利用されていた。その後臨時ホームを拡幅する常設化工事を実施していたが、2020年3月21日に新駅舎とともに供用開始され、原宿駅は変則相対式の2面2線のホーム体制となった。

使用車両

東京総合車両センター所属のE235系電車が使用されている。11両編成で統一されており、E235系は先頭部と側面ドア部分がウグイス色となっている。
E235系電車は、2015年11月30日から運用を開始した。2020年1月20日を最後にE231系500番台が営業運転を終了し、E235系に統一された。

E235系電車 E235系電車
E235系電車 E235系電車

VIS

E231系以降の導入車両では、車内に旅客案内装置としてVISが設置されるようになった。各ドア上部にはVIS表示用の液晶ディスプレイ (LCD) が2つずつ設置されている。右側の画面は次駅案内や所要時間(半周分のみ、目安30分以内)、近隣自社および主要他社・局路線の遅延状況・工事予告などが表示される。左側の画面は、ニュースや天気予報、CM、ナイター速報、エンターテインメント情報が流れる(トレインチャンネルを参照のこと)。液晶ディスプレイ自体は205系時代からあったが、文字と録画映像しか放送できなかった。

沿線概況

山手線一周の線路・沿線の概況を、品川駅を起点に外回り方向に記述する。なお近接する地下鉄路線は原則省略する。

品川駅 - 新宿駅間

東海道新幹線と京急本線が接続する品川駅を出ると、京急本線と国道15号(第一京浜)をくぐり、500メートルほど京浜東北線・東海道線・横須賀線・東海道新幹線と並行して掘割を南方向へ進む。やがて大きく右へカーブして東海道線・京浜東北線と分かれて横須賀線・東海道新幹線とともに目黒川を渡る。その先、横須賀線上にある旧目黒川信号場で、新宿・池袋方面発着の特急「成田エクスプレス」が走行する山手貨物線が横須賀線から分岐。横須賀線(品鶴線)・東海道新幹線が左方向へ離れ、山手貨物線は以降、田端駅手前まで電車線に並行する。車両基地である東京総合車両センターからの引込線が左手から合流すると大崎駅。山手貨物線を挟んで西側には品鶴線につながっている大崎支線があり、その線路上に湘南新宿ライン・埼京線・東京臨海高速鉄道りんかい線のホームが設けられている。
大崎駅を出ると大崎支線が山手貨物線に合流し、湘南新宿ラインや埼京線電車などは同貨物線を走行する。北西方向へ進み、目黒川を再度渡ると、西側から伸びてくる東急池上線のホームをくぐり、五反田駅へ。同駅は国道1号(桜田通り)をまたぐ形で設けられている。首都高速2号目黒線をくぐり北方向に進路を変えると、駅ビルの直下に設けられた目黒駅。地下ホームに発着する東急目黒線・東京メトロ南北線・都営地下鉄三田線との接続駅である。都道312号(目黒通り)をくぐって北進すると山手貨物線が電車線の下をくぐって左側から右側へ移る。恵比寿ガーデンプレイスの西側を抜けると恵比寿駅。同駅は1996年(平成8年)に山手貨物線ホームが設けられ、2002年(平成14年)のりんかい線開業まで埼京線の起点駅となっていた。都道416号(駒沢通り)をまたぎ、北北西に進むと都心西側のターミナル駅のひとつである渋谷駅に至る。JRの駅は山手貨物線ホームと電車線ホームが大きくずれた場所にあったが、2020年6月1日にホームが並列となった。また電車線ホームの直上に首都高速3号渋谷線と東京メトロ銀座線ホーム、直下に国道246号が交差しており、電車線ホームの西側に京王井の頭線の駅がある。このほか地下には東急田園都市線・東京メトロ半蔵門線・東急東横線・東京メトロ副都心線なども乗り入れている。駅周辺は渋谷の繁華街である。
渋谷駅を出ると都道305号(明治通り)や東京メトロ副都心線(地下)に沿って北上し、明治神宮の東側に差しかかると原宿駅に至る。明治神宮の最寄り駅であり、北側の山手貨物線上には皇室専用ホーム(原宿駅側部乗降場)がある。また駅東側の表参道は商店街となっている。明治神宮沿いを北上し、首都高速4号新宿線をくぐると山手線内側(右側)から複々線の中央本線(中央快速線、中央・総武緩行線)が現れて電車線と山手貨物線の間に入り、山手線電車と中央・総武線各駅停車が停車する代々木駅へ。同駅を出るとすぐに新宿駅構内の南端に差しかかり、左側から小田急小田原線が近づく。そしてタカシマヤタイムズスクエアの脇を抜けて中央・総武緩行線の西行線が山手電車線をまたぐと、都心西側のターミナルのひとつである新宿駅に至る。駅構内の中ほどで東西方向に伸びる国道20号(甲州街道)がまたいでいる。駅西側には京王電鉄と小田急電鉄の駅があり、それぞれ京王百貨店・小田急百貨店を併設。またJRの駅舎もデパートのルミネ・ルミネエストを併設している。駅西側は高層ビルが立ち並ぶ西新宿のビジネス街、東側は新宿三丁目や歌舞伎町の繁華街が広がっている。

新宿駅 - 田端駅間

新宿駅を出ると「新宿大ガード」で都道4号(靖国通り)をまたぐ。西武新宿駅の西側で山手電車線が中央快速線をまたぎ、中央本線が北西方向へ分かれていく。ここから高田馬場駅まで西武新宿線と並行する。都道433号(大久保通り)をまたぐ手前に新大久保駅がある。周辺にはコリア・タウンが広がり、中央・総武緩行線の大久保駅とは300メートルほどの距離である。病院や学校が立ち並ぶ中を北上すると学生の街・高田馬場にある高田馬場駅。山手貨物線にはホームがないが、西武新宿線との接続駅となっている。都道25号(早稲田通り)と、西へ向かう西武新宿線を跨ぐと北北東に進み、学習院大学の西側に位置する目白駅。駅のすぐ北で都道8号(目白通り)をくぐる。西側から現れた西武池袋線をくぐり、同線と並行すると都心北西部のターミナルで渋谷・新宿と並ぶ池袋の繁華街に囲まれた池袋駅に至る。JRの駅の西側に東武東上線、東側に西武池袋線の駅があり、東武百貨店・西武百貨店を併設。また山手線の運行上の拠点のひとつであり、車両基地(池袋運輸区)への引込線が分岐している。
池袋駅を出ると、山手貨物線から埼京線(赤羽線)が分岐し、山手線(電車線と山手貨物線)は東へと方向を変える。首都高速5号池袋線をくぐり、住宅街の中を東南東へ進むとまず大塚駅がある。同駅では東京都心で唯一となった路面電車・都電荒川線と接続する。続いて掘割を東北東へ進み、国道17号(白山通り)をくぐると巣鴨駅。「とげぬき地蔵」こと高岩寺の最寄駅で、周辺には高齢者でにぎわう地蔵通り商店街がある。さらに掘割を進むと都道455号(本郷通り)をくぐると駒込駅。同駅は都立六義園の最寄り駅となっている。山手線電車線で唯一の踏切を通過すると、湘南新宿ラインが走行する山手貨物線が電車線の下から中里トンネルを潜り左側にカーブして離れ、電車線は反対に右側にカーブし上野方面を目指す。左側から現れた高架の東北・上越・北陸新幹線(以降まとめて「東北新幹線」)と並行し、京浜東北線の北行・南行線路の間に挟まれる形で25 ‰の勾配を下ると田端駅。周辺には新幹線の車両基地や貨物列車用の田端信号場駅が広がっている。

田端駅 - 東京駅間

田端駅から東京駅までは、正式には東北本線の電車線を走行する区間となり、山手線電車は京浜東北線の北行・南行線路に挟まれて南へ進む。田端駅を出ると800メートルほどで東京メトロ千代田線と接続する西日暮里駅。同駅手前から左側の東北新幹線の向こう側に複々線の東北列車線(宇都宮線・高崎線)の線路が現れて並行し、西日暮里駅を出てさらに進むと京成本線と常磐線が東側から現れて日暮里駅に至る。同駅では、ほかに日暮里・舎人ライナーも接続するが、宇都宮線・高崎線に駅はない。また東北新幹線は同駅付近から地下に潜る。日暮里駅から上野駅までは山手線、京浜東北線、宇都宮線・高崎線、常磐線を合わせて10本5複線の線路が並行しており、これらの線路を京成本線がまたぐ。都道319号(言問通り)を潜ると東側にある上野恩賜公園の脇に差しかかり、山手・京浜東北線の鶯谷駅へ。公園沿いに右へカーブし、宇都宮・高崎、常磐の各線の線路が高架線と地上線に分かれると、東北・信越各方面へのターミナル駅である上野駅に至る。宇都宮線・高崎線と常磐線はかつて同駅を運行上の起点としていたが、2015年(平成27年)3月14日にはこれらの線路が東京駅までつながった(上野東京ライン)。また地下には東北新幹線のホームもあり、かつては新幹線も上野駅を始発駅としていた。駅西側には上野恩賜公園が広がり、京成本線は同公園の地下を通ってJR上野駅南西にある京成上野駅に発着している。
上野駅を出ると山手線は京浜東北線・東北新幹線と並行して高架上を南下し、東京駅を目指す。左側には上野東京ラインの線路がある。また100メートルほど東側に首都高速1号上野線が並行している。右側のアメ横通りに沿い、都道453号(春日通り)をまたぐと御徒町駅。そのまま市街地の中を南下すると、総武緩行線との交差地点にある秋葉原駅へ。駅周辺の秋葉原は電気街となっているほか、サブカルチャー関連の店も並んでいる。また常磐新線として建設されたつくばエクスプレスが同駅の地下に発着している。秋葉原駅からは東北新幹線が地下から地上に現れ、駅を出るとすぐに神田川を渡る。都道302号(靖国通り)をまたぐと山手線内側から中央線が近づき、国道17号(中央通り)を跨いで神田駅。上野東京ラインは同駅付近では新幹線のさらに上の高架を通る。上野東京ラインが山手線と同じ高さまで下りると、首都高速都心環状線をくぐり、今度は右側の中央線が高々架に上がる。また北東側からは地下を走る総武快速線が近づく。そして国道1号(永代通り)をまたぐと東京駅に至る。同駅は東北新幹線・東海道新幹線と東海道線・中央線、地下ホームに発着する京葉線の始発駅となっているターミナル駅で、さらに正式な路線名としては東北本線・総武本線の起点でもある。皇居側(丸の内口)には赤レンガ駅舎を備え、反対側の八重洲口では高層ツインタワーのグラントウキョウが建設されるなどのリニューアルが進められている。

東京駅 - 品川駅間

東京駅から品川駅までは正式には東海道本線の区間となり、引き続き京浜東北線に挟まれて高層ビルが林立する中を南南西方向へ進み、左側には東海道線(列車線)と東海道新幹線が並行、また地下には総武快速線と直通運転を行う横須賀線の線路が通っている。東京国際フォーラムの東を通り過ぎると有楽町駅。駅の東側には銀座の繁華街が広がっている。有楽町センタービル(マリオン)の横を過ぎると、新幹線のさらに左側に東京高速道路(KK線)が並行し、同道路が左にカーブして離れると新橋駅に至る。同駅の南東はかつての初代新橋駅、のちの汐留貨物駅の跡地であり、現在は汐留シオサイトとして再開発が行われている。新交通ゆりかもめの起点駅もその中に位置している。また新橋駅は東京駅 - 品川駅間の中間駅で唯一、東海道線・横須賀線にホームがある。
新橋駅の北東で山手線を含む各線路を支える「新永間(しんえいかん)市街線高架橋」は明治43年(1910年)に建てられた煉瓦アーチ橋で、土木学会選奨土木遺産に選定されている。
新橋駅を出ると国道15号(第一京浜)をまたぎ、高架から地平へと降りる。左側にゆりかもめが並行し、それがお台場方面へ離れていくと、空港連絡鉄道である東京モノレール羽田空港線との接続駅である浜松町駅。駅のすぐ東には旧芝離宮恩賜庭園、1 kmほど西側には東京タワーが位置する。また500メートルほど東側は海(東京港)であり、山手線でもっとも海に近い駅である。浜松町駅を出るとすぐに東京モノレールが右側から左側に移り、首都高速都心環状線をくぐる。モノレールは次の田町駅手前まで並行し、またモノレールの下には休止路線となっている東海道貨物線の用地が続く。緩やかにカーブして南西方向を向くと、モノレールが分かれていき田町駅に至る。田町駅を出て再びカーブして南へ向くと東海道線の上下線の間が離れ、間に同線の留置線が広がる。また同留置線の横で京浜東北線北行線路が山手線の外側へ移り、方向別複々線から線路別複々線に変わる。その直後に高輪ゲートウェイ駅に入る。山手線内側にはビル群を挟んで国道15号が並行。右側で都営地下鉄浅草線に直通する京急本線が地下から高架に、左側で横須賀線線路が地上に上がると、東海道線の上下線が近づいて品川駅に至る。


JR山手線 駅一覧


駅番号 駅名 駅間
営業
キロ
累計
営業
キロ
接続路線・備考




JY 01 東京駅 - 0.0 東日本旅客鉄道:東北・山形・秋田・上越北陸新幹線
京浜東北線(JK 26)・中央線(JC 01)・上野東京ライン(JU 01) ・東海道線(JT 01)・横須賀線・総武線(快速)(JO 19)・京葉線(JE 01)
東海旅客鉄道:東海道新幹線
東京地下鉄:丸ノ内線(M-17)
東京地下鉄:東西線⇒大手町駅(T-09)



JY 02 神田駅
(アース製薬本社前)
1.3 1.3 東日本旅客鉄道:京浜東北線 (JK 27)・中央線 (JC 02)
東京地下鉄:銀座線(G-13)
JY 03 秋葉原駅 0.7 2.0 東日本旅客鉄道:京浜東北線 (JK 28)・総武線(各駅停車)(JB 19)
首都圏新都市鉄道:つくばエクスプレス(TX01)
東京地下鉄:日比谷線(H-16)
都営地下鉄:新宿線⇒岩本町駅(S-08)
JY 04 御徒町駅 1.0 3.0 東日本旅客鉄道:京浜東北線 (JK 29)
都営地下鉄:大江戸線⇒上野御徒町駅(E-09)


JY 05 上野駅 0.6 3.6 東日本旅客鉄道:東北・山形・秋田・上越・北陸新幹線・京浜東北線 (JK 30)・宇都宮線(東北線)・高崎線(JU 02)・常磐線(JJ 01)
東京地下鉄:銀座線 (G-16)・日比谷線 (H-18)
京成電鉄:本線⇒京成上野駅(KS01)
JY 06 鶯谷駅 1.1 4.7 東日本旅客鉄道:京浜東北線 (JK 31)
JY 07 日暮里駅 1.1 5.8 東日本旅客鉄道:京浜東北線 (JK 32)・常磐線 (JJ 02)
京成電鉄:本線 (KS02)
東京都交通局:日暮里・舎人ライナー(NT 01)


JY 08 西日暮里駅 0.5 6.3 東日本旅客鉄道:京浜東北線 (JK 33)
東京地下鉄:千代田線 (C-16)
東京都交通局:日暮里・舎人ライナー (NT 02)
JY 09 田端駅 0.8 7.1 東日本旅客鉄道:京浜東北線 (JK 34) 北区


JY 10 駒込駅 1.6 8.7 東京地下鉄:南北線(N-14) 豊島区
JY 11 巣鴨駅 0.7 9.4 都営地下鉄:三田線 (I-15)
JY 12 大塚駅 1.1 10.5 東京都交通局:都電荒川線(東京さくらトラム)⇒大塚駅前停留場(SA 23)
JY 13 池袋駅 1.8 12.3 東日本旅客鉄道:埼京線(JA 12)・湘南新宿ライン(JS 21)
東武鉄道:東上線(TJ-01)
西武鉄道:池袋線(SI01)
東京地下鉄:丸ノ内線 (M-25)・有楽町線(Y-09)・副都心線(F-09)
JY 14 目白駅 1.2 13.5
JY 15 高田馬場駅 0.9 14.4 西武鉄道:新宿線(SS02)東京地下鉄:東西線 (T-03) 新宿区
JY 16 新大久保駅 1.4 15.8
JY 17 新宿駅 1.3 17.1 東日本旅客鉄道:埼京線 (JA 11)・湘南新宿ライン (JS 20)・中央線(快速)(JC 05)・中央・総武線(各駅停車)(JB 10)
京王電鉄:京王線・京王新線(KO01)
小田急電鉄:小田原線(OH01)
東京地下鉄:丸ノ内線 (M-08)
都営地下鉄:新宿線 (S-01)
都営地下鉄:大江戸線 ⇒新宿駅 (E-27)・新宿西口駅(E-01)
西武鉄道:新宿線 ⇒西武新宿駅(SS01)
JY 18 代々木駅 0.7 17.8 東日本旅客鉄道:中央・総武線(各駅停車)(JB 11)
都営地下鉄:大江戸線 (E-26)


JY 19 原宿駅 1.5 19.3 東京地下鉄:千代田線・副都心線 ⇒明治神宮前駅(C-03・F-15)
JY 20 渋谷駅 1.2 20.5 東日本旅客鉄道:埼京線 (JA 10)・湘南新宿ライン (JS 19)
東急電鉄:東横線(TY01)・田園都市線(DT01)
京王電鉄:井の頭線(IN01)
東京地下鉄:銀座線 (G-01)・半蔵門線(Z-01)・副都心線 (F-16)
JY 21 恵比寿駅 1.6 22.1 東日本旅客鉄道:埼京線 (JA 09)・湘南新宿ライン (JS 18)
東京地下鉄:日比谷線 (H-02)
JY 22 目黒駅 1.5 23.6 東急電鉄:目黒線(MG01)
東京地下鉄:南北線 (N-01)
都営地下鉄:三田線 (I-01)


JY 23 五反田駅 1.2 24.8 東急電鉄:池上線(IK01)
都営地下鉄:浅草線(A-05)
JY 24 大崎駅 0.9 25.7 東日本旅客鉄道:埼京線 (JA 08)・湘南新宿ライン (JS 17)・相鉄線直通列車(JA 08 / JS 17)
東京臨海高速鉄道:りんかい線(R 08)
JY 25  品川駅  2.0 27.7  東日本旅客鉄道:京浜東北線 (JK 20)・東海道線 (JT 03)・横須賀線 (JO 17)
東海旅客鉄道:東海道新幹線
京浜急行電鉄:本線(KK01) 





JY 26 高輪ゲートウェイ駅 0.9 28.6 東日本旅客鉄道:京浜東北線 (JK 21)
都営地下鉄:浅草線 ⇒泉岳寺駅(A-07)
京浜急行電鉄:本線 ⇒泉岳寺駅 (A-07)
JY 27 田町駅 1.3 29.9 東日本旅客鉄道:京浜東北線 (JK 22)
都営地下鉄:浅草線・三田線 ⇒三田駅(A-08・I-04)
JY 28 浜松町駅 1.5 31.4 東日本旅客鉄道:京浜東北線 (JK 23)
東京モノレール:東京モノレール羽田空港線⇒モノレール浜松町駅(MO 01)
都営地下鉄:浅草線・大江戸線 ⇒大門駅(A-09・E-20)
JY 29 新橋駅 1.2 32.6 東日本旅客鉄道:京浜東北線 (JK 24)・東海道線 (JT 02)・横須賀線 (JO 18)
ゆりかもめ:東京臨海新交通臨海線(U-01)
東京地下鉄:銀座線 (G-08)
都営地下鉄:浅草線 (A-10)
JY 30 有楽町駅 1.1 33.7 東日本旅客鉄道:京浜東北線 (JK 25)・京葉線 ⇒東京駅 (JE 01)
東京地下鉄:有楽町線 (Y-18)
東京地下鉄:日比谷線・千代田線 ⇒日比谷駅(H-08・C-09)
都営地下鉄:三田線 ⇒日比谷駅 (I-08)(地下通路で銀座駅・東銀座駅に連絡)



JY 01 東京駅 0.8 34.5 (本表の最上欄を参照)

JR山手線 路線マップ
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