JR東日本・高輪ゲートウェイ駅
高輪ゲートウェイ(たかなわげーとうぇい)
京浜東北線   田町 高輪ゲートウェイ 品川
山手線 田町 品川
所在地 東京都港区港南二丁目1番220号
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
駅構造 地上駅(橋上駅)
ホーム 2面4線
乗車人員 11,110人/日(2023年)
開業年月日 2020年(令和2年)3月14日
乗入路線 2路線
所属路線 京浜東北線
駅番号 JK21
キロ程 5.9km(東京起点)
所属路線 山手線(JR東日本)
駅番号 JY26
キロ程 5.9km(東京起点)
乗換 泉岳寺駅(都営地下鉄浅草線・京急本線)
駅種別 業務委託駅
東京山手線内・東京都区内駅
高輪ゲートウェイ駅
高輪ゲートウェイ駅
高輪ゲートウェイ駅
高輪ゲートウェイ駅
高輪ゲートウェイ駅(たかなわゲートウェイえき)は、東京都港区港南二丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅である。
JR東日本は2014年(平成26年)6月3日に田町駅から約1.3 km、品川駅から約0.9 km付近の位置に新駅を建設し、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催にあわせて暫定開業させる計画を発表した。
用地に関しては、約20ヘクタールある東京総合車両センター田町センター(旧:田町車両センター)の設備や車両留置箇所の見直しによって創出される約13ヘクタールの再開発用地を利用するとした。
新駅は都営浅草線・京急本線泉岳寺駅から300メートルほど南東の場所に位置する。
新駅設置は、山手線では1971年に開業した西日暮里駅以来、京浜東北線では2000年に開業したさいたま新都心駅以来となる。
2020年(令和2年)3月14日のダイヤ改正にあわせて開業した。
なお鉄道駅としての開業後も駅や周辺の開発整備を進め、2025年(令和7年)3月27日の「本開業」を予定している。

駅名の決定

2018年6月にJR東日本が行った駅名の公募では64,052件、13,228種類の応募があり、1位が「高輪」で応募数は8,398件、2位が「芝浦」で4,265件、3位が「芝浜」で3,497件、4位が「新品川」と「泉岳寺」で同数の2,422件だった。
正式駅名に採用された「高輪ゲートウェイ」は130位、応募数は36件であった。
決定した駅名について、世間からは反対意見が噴出した。オンライン署名サイト「Change.org」では駅名撤回を求める署名運動も行われ、2019年1月までに集まった47,930人分の署名が、コラムニストの能町みね子、地図研究家の今尾恵介、国語辞典編纂者の飯間浩明によってJR東日本に提出された。
署名を受け取ったJR東日本は「現時点では駅名を変えるつもりはない」「駅名を変えるよりも浸透させる努力をする」と回答。
JR東日本は「古来より街道が通じ江戸の玄関口「高輪大木戸」(Gateway) として賑わいをみせた地であり、歴史を受け継ぎ今後も交流拠点としての機能を担うことで、過去と未来、日本と世界、そして多くの人々をつなぐ結節点として、街全体の発展につながるようにとの願いを込めて選定した」とコメントしている。
また駅周辺の再開発エリアは「グローバルゲートウェイ品川」と名付けており、公募で1位であった「高輪」と、再開発コンセプトの「ゲートウェイ」を組み合わせたことによる。

乗り入れ路線

線路名称上の所属路線は東海道本線であるが、当駅には同線の電車線である京浜東北線および山手線のみが停車し、列車線である東海道線は停車しない。JRの特定都区市内制度における「東京都区内」および「東京山手線内」に属する。
当駅には「 TGW 」のスリーレターコードが付与されている。
  • JK 京浜東北線:電車線を走行する東海道本線・東北本線の近距離電車。横浜駅から根岸線への直通運転も実施している。 - 駅番号「JK 21」
  • JY 山手線:電車線を走行する環状路線。 - 駅番号「JY 26」
E235系 ホーム]
E235系 ホーム
駅名標 改札口
駅名標 改札口

駅構造

JR東日本ステーションサービスが駅業務を受託している品川駅管理の業務委託駅。島式ホーム2面4線を有する地上駅である。
駅舎は主に鉄骨造で地上3階、地下1階の橋上駅舎を有する。高さは約25メートル、長さは約120メートルあり、1階がホーム、2階が改札・改札外デッキ・コンコース・イベントスペース「鉄道テラス」(鉄道テラスにはステーションピアノを設置)、2・3階に店舗が入る。コンコース中央部には見通しが良く利用客が分かりやすい空間を実現するために広さ約1,000 m2の吹き抜けがある。2階にある広さ約300 m2程のイベントスペース「鉄道テラス」からはホームや街の賑わいを望めるのに加え、隣接する車両基地に停車している電車などを眺めることができる。改札口や改札外デッキ、店舗は現時点で田町駅側のみ整備されており、品川駅側は本開業の2024年度以降に整備される予定。
駅舎は駅を中心とする21世紀のアーバンデザインのモデルケースにしようと「駅まち一体」というテーマをもとに設計され、デザインアーキテクトは国立競技場などで実績のある隈研吾が、照明デザインは面出薫が担当している。国際交流拠点の中核施設として「Japan Value」を発信していくため、鉄道に関わる安全性や高い技術品質を守りつつ、折り紙をモチーフとした大屋根や障子をイメージさせる膜、木といった素材(東日本大震災の被災地である宮城県南三陸町のスギ材)を使用することにより日本的な価値を体感できるものとなっている。開放的な空間を実現するため、コンコースやホームから空の色や雲の流れを確認できるように、屋根は光を透過させつつ熱は遮断する膜構造(ETFE膜を使用)を採用。また、カーテンウォールはガラスを使用し、併せて街との空間的な連続性を高めるため、風雨を遮る最低限の範囲に留めている。
駅正面看板のフォントには明朝体が使用されているが、明朝体採用の是非を巡って前述の駅名問題を再燃させた。
JR東日本は、次世代の駅へ向けての実証実験開催駅、新しい技術を導入するショールーム的存在としても位置付けている。QRコードを使った自動改札、人工知能(AI)案内ロボットの配置、無人コンビニエンスストア開設が行われている。なお、QRコードを使った自動改札の実証実験は、2020年9月15日 - 9月29日に実施された。駅ホーム照明にはパナソニックのPLCによる自動調光調色システムを採用し日中は昼白色、夕方からは電球色に調色される。

のりば

番線 路線 方向 行先
1 山手線 内回り 東京・上野・巣鴨方面
2 外回り 渋谷・新宿・池袋方面
3 京浜東北線  北行 東京・上野・浦和・大宮方面
4 南行 品川・蒲田・横浜・大船方面

歴史

  • 2014年(平成26年)6月3日:JR東日本が新駅設置の計画を発表。
  • 2016年(平成28年)9月6日:当駅の概要を発表。当駅を品川再開発プロジェクト「グローバルゲートウェイ品川」の中核施設として位置づけた。
  • 2017年(平成29年)2月10日:当駅の工事に着手。
  • 2018年(平成30年)
    • 6月5日 - 6月30日:駅名の公募が行われる。JR東日本から駅名の公募を行うのは初。
    • 6月17日:京浜東北線南行の線路切換工事を実施し、南行(横浜方面)の線路が新駅予定地を通過するようになる。
    • 12月4日:駅名を「高輪ゲートウェイ駅」に決定。
  • 2019年(令和元年)
    • 11月16日:新駅を挟んだ前後区間の山手線と京浜東北線を運休し、品川駅での駅改良工事と共に線路切換工事を実施。切換後は京浜東北線北行(東京方面)および山手線の電車も駅構内を通過するようになる。
    • 12月13日:「高輪ゲートウェイ」が東日本旅客鉄道により商標登録される(第6206454号)。
  • 2020年(令和2年)
    • 3月14日:暫定開業。開業記念イベントは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に伴う感染拡大防止のため見送り。
    • 3月23日:駅構内の商業施設が開店。駅ナカシェアオフィス「STATION WORK」のブース型「STATION BOOTH」が開設。
    • 10月1日:当駅が2020年度の「グッドデザイン賞」を受賞。
  • 2025年(令和7年)3月27日:駅に隣接するTAKANAWA GATEWAY CITY第1期(THE LINKPILLAR 1 南北両棟)の街びらきに伴い、駅も全面開業(予定)。