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新型車両GV-E402系電車 |
越後線(えちごせん)は、新潟県柏崎市の柏崎駅と同県新潟市中央区の新潟駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(地方交通線)である。
柏崎から西山丘陵を越えて弥彦山脈東麓沿いに越後平野を通り新潟とを結ぶ路線である。普通列車のみが運行されている。
全線が旅客営業規則の定める大都市近郊区間の「新潟近郊区間」に含まれており、吉田駅 - 新潟駅間の全駅および柏崎駅がIC乗車カード「Suica」の新潟エリアに含まれている。吉田駅 - 新潟駅間は新潟都市圏近郊の通勤路線となっている。内野西が丘駅 - 新潟駅間は宅地化された丘陵地帯等を走っており、住宅地が途切れることがない。
柏崎駅 - 吉田駅間の一部区間の架線には、JRの路線としては数少ない低コストの直接吊架式が採用されており、最高速度が85km/hに制限されている。
これは電化された1984年当時の国鉄が慢性的赤字のためコストダウンを強いられたからである。なお、吉田駅で越後線と接続する弥彦線も直接吊架式による電化である。
内野駅 - 信濃川分水路橋梁間は新潟市西区坂井輪地区中部の砂丘地の南麓中腹部分を経由しており、地盤が軟弱になっている箇所が点在する。そのため、1964年の新潟地震や1998年の8.4水害などの大規模自然災害の際には路盤の一部が流出した。
歴史
越後鉄道
信越本線が柏崎から内陸部に入り、長岡、三条を経由することとなったため、柏崎から日本海沿岸を経由して新潟に至る鉄道が計画された。これが越後線の前身である越後鉄道(えちごてつどう)である。越後鉄道は1912年(大正元年)から翌年にかけて全通した。しかし、越後鉄道は資金不足のため信濃川に架橋することが出来ず、新潟側のターミナルは信越本線新潟駅とは信濃川を隔てた対岸の白山に置かれた。
越後鉄道は経営難に苦しみ、政治工作によって度々国有化を要請したが容易に実現しなかった。
1927年(昭和2年)1月、水戸鉄道(後の水郡線)・陸奥鉄道(後の五能線)・苫小牧軽便鉄道・日高拓殖鉄道(後の日高本線)の私鉄4社に加えて越後鉄道の買収案が突如浮上、相前後して白山
- 新発田間の新線案(後の白新線)も提示された。紛糾の末に国会議決を経て5社の国有化が決定、越後鉄道は同年10月に国有化された。
私鉄5社の国有化は当初から政治的意図が指摘されたが、特に越後鉄道については強い政治介入がささやかれており、のち1929年(昭和4年)に「越後鉄道疑獄」として表面化、元文部大臣小橋一太が収賄容疑で起訴される事態となった。
白山 - 新潟間開通
1943年(昭和18年)に新潟駅(旧) - 関屋駅間の貨物線(信越本線支線)が敷設され、両線が信濃川を渡って接続された。同線は1951年(昭和26年)6月に旅客営業を開始し、同年12月にはこの貨物線上に白山駅を移転して関屋駅
- 白山駅(旧)間を廃止、同貨物支線を越後線に編入して、柏崎駅 - 新潟駅間が越後線となった。
また、同年4月には、上沼垂駅から沼垂駅を経由せずに直接白山駅へ抜けるルートが形成(上沼垂駅 - 万代駅(貨物駅)間の信越本線貨物支線を一部活用)され、関屋駅
- 万代駅間に営業キロが設定されている。
1958年(昭和33年)には、新潟駅が上沼垂駅 - 関屋駅間の貨物支線上(万代駅への分岐点)に移転し、それと共に越後線も終点を新潟駅に変更した。
電化
かつては非電化のローカル路線だったが、新潟大学が新潟市西部の五十嵐地区への移転を開始し始めた1970年代以降、沿線が宅地化し始めると次第に通勤・通学路線へと変貌し、1984年(昭和59年)4月には弥彦線(弥彦駅
- 東三条駅間)と共に全線電化を果たした。同月のダイヤ改正では内野駅 - 新潟駅間が31往復(従来は20往復)に大増発され、同区間は日中30分間隔での運行となった。同区間はその後も1986年の8往復増など増発が続き、2001年には新潟駅毎時0・20・40分発のパターンダイヤが導入された。
災害による影響
- 新潟県中越沖地震(2007年〈平成19年〉7月16日)
柏崎駅0番線に停車中の列車が脱線したほか、路盤が液状化現象などにより湾曲したり、線路際にある住宅が倒壊するなど被害が生じたため柏崎駅 - 吉田駅間で運休したが、同年8月10日から臨時ダイヤで運行を再開した(8月26日までは朝夕の通勤・通学時間帯のみ列車を運行し、かつ一部区間で徐行運行を行う暫定ダイヤで、昼間は代行バスを運行。通常運行再開は8月27日から)。
- 令和6年能登半島地震(2024年〈令和6年〉1月2日)
内野駅 - 新潟大学駅間で道床が陥没した。そのため、同年1月5日まで関屋駅 - 越後赤塚駅間で運転を見合わせる。なお、代行輸送は行わないとしている。その他の区間は1月3日に運転を再開する予定である。
- 信越本線からの迂回運転
両端の柏崎駅・新潟駅で信越本線と接続しているため、信越本線が事故や災害などで不通になった際の迂回ルートとしても越後線の柏崎駅 - 新潟駅間が活用されたことがあり、特急列車などが越後線経由で迂回運行されたり、代替の臨時列車が運行されたりした。例として、信越本線が柏崎市内の脱線事故で不通になった際に寝台特急「日本海」が越後線に迂回したケースがある。2004年(平成16年)の新潟県中越地震の際には上越新幹線(越後湯沢駅以北)や上越線(水上駅以北)、信越本線(柏崎駅以北)などが運行不能となったため、長野駅
- 新潟駅間の臨時快速列車が越後線経由で運行された。
- しかし、近年は列車運行管理システムプログラムの都合上や前述した一部区間の簡易電化方式のため、信越本線と比較して高速での電車運行に支障が出るなどの理由で迂回運行は殆ど行なわれていない。
- 1912年(大正元年)
- 8月25日 【開業】越後鉄道 白山 - 吉田(31.2km) 【駅新設】白山(初代)、内野、曽根、巻、和納、吉田
- 11月11日 【開業】柏崎 - 石地(18.7km) 【駅新設】比角、荒浜、刈羽、西山、石地
- 12月28日 【延伸開業】吉田 - 地蔵堂(仮)(8.3km) 【駅新設】地蔵堂(仮)
- 12月28日 【延伸開業】石地 - 出雲崎(3.9km) 【駅新設】出雲崎
- 1913年(大正2年)
- 4月20日 【延伸開業・全通】出雲崎 - 地蔵堂(仮)(16.7km) 【駅新設】与板、寺泊、地蔵堂 【駅廃止】地蔵堂(仮) 【駅名改称】吉田→西吉田、曽根→越後曽根
- 5月27日 【駅新設】村田(臨時乗降場)
- 11月15日 【駅新設】関屋
- 12月16日 【駅新設】礼拝
- 1914年(大正3年)
- 7月20日【駅新設】粟生津(停留場)
- 10月20日 【駅新設】寺尾(停留場)
- 12月25日 【駅新設】越後赤塚
- 1915年(大正4年)
- 6月15日 【駅新設】新荒浜(停留場)
- 7月1日 【駅名改称】荒浜(初代)→西中通、新荒浜(停留場)→荒浜(2代)
- 10月1日 【駅名改称】与板→小島谷、寺泊→大河津
- 11月3日 【駅名改称】村田(臨時乗降場)→妙法寺(停留場)
- 1916年(大正5年)
- 4月15日 【駅新設】桃林(荒浜 - 刈羽間。春季の花見時期に限り毎年開設)
- 6月20日 【停留場→駅】粟生津
- 9月25日 【停留場→駅】妙法寺
- 1918年(大正7年)3月25日 【停留場→駅】寺尾
- 1919年(大正8年)12月5日 【駅新設】桐原(停留場)
- 1920年(大正9年)12月28日 【停留場→駅】桐原
- 1927年(昭和2年)10月1日 【買収・国有化】越後線 柏崎 - 白山(81.0km) 【駅廃止】桃林
- 1943年(昭和18年)11月1日 【開業】信越本線 新潟 - 関屋(貨物支線)(4.6km)
- 1951年(昭和26年)
- 4月5日 【キロ設定】関屋 - 万代(貨)(7.2km)
- 6月25日 【旅客営業開始】新潟 - 関屋
- 12月15日 【区間統合】越後線 柏崎 - 新潟(信越本線新潟 - 関屋間を越後線に統合) 【駅新設】白山(2代) 【路線廃止】関屋 - 白山(初代)(-1.8km)
【駅廃止】白山(初代)
- 1958年(昭和33年)
- 4月29日 新潟駅移転 【キロ廃止】関屋 - 万代(貨)(-7.2km)
- 6月25日 【駅新設】小木ノ城
- 1959年(昭和34年)10月1日 【駅名改称】西吉田→吉田
- 1960年(昭和35年)6月1日 【駅新設】小針
- 1965年(昭和40年)
- 6月10日 【駅新設】南吉田
- 12月25日 【駅名改称】和納→岩室
- 1969年(昭和44年)10月1日 【駅名改称】比角→東柏崎
- 1982年(昭和57年)5月31日 全線でCTC使用開始
- 1983年(昭和58年)4月1日 【駅名改称】地蔵堂→分水
- 1984年(昭和59年)4月8日 【電化】全線 【駅新設】北吉田、新潟大学前
- 1986年(昭和61年)11月1日 【駅名改称】大河津→寺泊
- 1987年(昭和62年)4月1日 【承継】東日本旅客鉄道 【貨物営業廃止】全線
- 1988年(昭和63年)3月13日 【駅新設】青山
- 2004年(平成16年)秋 新潟駅周辺の駅に自動改札導入
- 2005年(平成17年)3月1日 【駅新設】内野西が丘
- 2024年(令和6年)
- 1月2日 令和6年能登半島地震の影響で、内野 - 新潟大学間で道床が陥没したため、同年1月5日まで関屋 - 越後赤塚間で運転を見合わせる。代行輸送は行わない。その他の区間は1月3日に運転を再開。
- 1月6日 始発電車から全線で運転再開。
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JR越後線 路線データ |
管轄(事業種別) |
東日本旅客鉄道(第一種鉄道事業者) |
路線距離(営業キロ) |
柏崎駅 - 吉田駅 - 新潟駅 83.8km |
軌間 |
1,067mm |
駅数 |
32(起終点駅含む) |
複線区間 |
なし(全線単線) |
電化区間 |
全線(直流1500V) 架空電車線方式 |
閉塞方式 |
特殊自動閉塞式(軌道回路検知式) |
保安装置 |
ATS-SN(柏崎駅 - 内野駅間)
ATS-Ps(内野駅 - 新潟駅間)
ATS-P(新潟駅) |
運転指令所 |
新潟総合指令室 (CTC) |
最高速度 |
85km/h |
|
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E129系電車 |
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駅名 |
営業キロ |
接続路線・備考 |
ホーム |
駅
員 |
線
路 |
所在地 |
駅間 |
累計 |
柏崎駅 |
- |
0 |
東日本旅客鉄道:信越本線 |
2面4線 |
◎ |
∨ |
柏崎市 |
東柏崎駅 |
1.6 |
1.6 |
|
2面2線 |
|
| |
西中通駅 |
3.4 |
5 |
|
1面1線 |
|
| |
荒浜駅 |
1.6 |
6.6 |
|
1面1線 |
|
| |
刈羽郡
刈羽村 |
刈羽駅 |
3.3 |
9.9 |
|
1面1線 |
|
| |
西山駅 |
2.9 |
12.8 |
|
2面2線 |
|
◇ |
柏崎市 |
礼拝駅 |
2.2 |
15 |
|
1面1線 |
|
| |
石地駅 |
3.7 |
18.7 |
|
1面1線 |
|
| |
小木ノ城駅 |
4 |
22.7 |
|
1面1線 |
|
| |
三島郡
出雲崎町 |
出雲崎駅 |
2.1 |
24.8 |
|
2面2線 |
|
◇ |
妙法寺駅 |
4.6 |
29.4 |
|
1面1線 |
|
| |
長岡市 |
小島谷駅 |
3 |
32.4 |
|
2面2線 |
|
◇ |
桐原駅 |
3.8 |
36.2 |
|
1面1線 |
|
| |
寺泊駅 |
2.8 |
39 |
|
2面3線 |
● |
◇ |
分水駅 |
2.5 |
41.5 |
|
2面2線 |
|
◇ |
燕市 |
粟生津駅 |
4.3 |
45.8 |
|
1面1線 |
|
| |
南吉田駅 |
2 |
47.8 |
|
1面1線 |
|
| |
吉田駅 |
2 |
49.8 |
東日本旅客鉄道:弥彦線(直通運転あり) |
3面5線 |
◎ |
◇ |
北吉田駅 |
1.9 |
51.7 |
|
1面1線 |
|
| |
岩室駅 |
2.1 |
53.8 |
|
1面1線 |
|
| |
新
潟
市 |
西
蒲
区 |
巻駅 |
4 |
57.8 |
|
2面2線 |
○ |
◇ |
越後曽根駅 |
4.6 |
62.4 |
|
2面2線 |
○ |
◇ |
越後赤塚駅 |
2.5 |
64.9 |
|
1面2線 |
|
◇ |
西
区 |
内野西が丘駅 |
3.8 |
68.7 |
|
1面1線 |
|
| |
内野駅 |
1.6 |
70.3 |
|
2面2線 |
○ |
◇ |
新潟大学前駅 |
2 |
72.3 |
|
1面1線 |
○ |
| |
寺尾駅 |
2.1 |
74.4 |
|
1面2線 |
○ |
◇ |
小針駅 |
1.9 |
76.3 |
|
2面2線 |
○ |
◇ |
青山駅 |
1.4 |
77.7 |
|
1面1線 |
○ |
| |
関屋駅 |
1.5 |
79.2 |
|
1面2線 |
○ |
◇ |
中
央
区 |
白山駅 |
1.5 |
80.7 |
|
2面3線 |
○ |
◇ |
上所駅 |
|
82.3 |
2024年度末頃開業予定 |
|
|
∧ |
新潟駅 |
3.1 |
83.8 |
東日本旅客鉄道:上越新幹線
信越本線(直通運転あり)・白新線(直通運転あり) |
6面9線 |
◎ |
|| |
駅員配置 注 ◎:直営駅 ○:業務委託駅 ●:簡易委託駅 無印:無人駅
列車交換 注 ◇ ∨ ∧:列車交換可能 |:列車交換不可 |