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直江津駅 |
えちごトキめき鉄道株式会社は、新潟県上越市に本社を置く第三セクター方式の鉄道事業者(第三セクター鉄道)です。
2015年(平成27年)3月14日の北陸新幹線の長野駅 - 金沢駅間延伸開業に伴い、並行在来線としてJR西日本から経営分離される北陸本線の市振駅 - 直江津駅間と、JR東日本から経営分離される信越本線の妙高高原駅 - 直江津駅間の両区間において運営を担う鉄道事業者として、新潟県と妙高市、上越市、糸魚川市などの出資により2010年(平成22年)11月22日に新潟県並行在来線株式会社として設立されました。
1993年(平成5年)8月23日、県が運輸省(現:国土交通省)に対し、北陸本線の魚津駅 - 糸魚川駅間については新幹線開業時にJR西日本から経営分離を行うことに同意する旨を回答しています。
1998年(平成10年)1月14日、県が運輸省(現:国土交通省)に対し、信越本線の長野駅 - 脇野田駅(現:上越妙高駅)間については新幹線開業時にJR東日本から経営分離を行うことに同意する旨を回答しています]。
2001年(平成13年)4月18日、県が国土交通省に対し、北陸本線の富山駅 - 直江津駅間については新幹線開業時にJR西日本から経営分離を行うことに同意する旨を回答しています。
2010年(平成22年)11月22日、新潟県並行在来線株式会社を設立し、本店を新潟市中央区新光町の新潟県庁舎内に設置しています。
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えちごトキめきリゾート雪月花 |
2011年(平成23年)12月に社名と路線名称の一般公募を実施し、応募総数2,215通の中から検討委員会等での審査を経て社名を「えちごトキめき鉄道」、路線名称を信越本線区間は「妙高はねうまライン」、北陸本線区間は「日本海ひすいライン」を名称候補とする旨を決定し、2012年(平成24年)7月1日付で現在の社名に改称しています。
2012年(平成24年)7月1日、商号をえちごトキめき鉄道株式会社に変更しています。
2013年(平成25年)4月1日、本店を県庁舎内から上越市に変更、同市内の直江津駅北口付近に本社屋を開設しました。
2014年(平成26年) 2月28日、妙高高原(妙高市) - 直江津(上越市)間 37.7kmと直江津 - 市振(糸魚川市)間 59.3kmの合計97.0kmの第一種鉄道事業許可を取得しています。
開業予定日を北陸新幹線 長野 - 金沢間開業日としています(その後2015年3月14日に決定)。
10月27日、妙高はねうまライン 妙高高原 - 直江津間および日本海ひすいライン 市振 - 直江津間の上限運賃認可を、国土交通省北陸信越運輸局に申請しています。
12月19日、10月27日に国土交通省北陸信越運輸局に対して行った上限運賃認可申請について認可されています。また、開業ダイヤも公開されました。
2015年(平成27年)3月14日、北陸新幹線開業に伴う北陸本線、信越本線の経営分離によりえちごトキめき鉄道が開業しました。 妙高はねうまラインの始発電車の一部が、架線凍結等の影響で区間運休となるトラブル、開業初日及び翌日の運行で積み残しが生じるトラブルが生じています。
2016年(平成28年)4月23日、観光列車「えちごトキめきリゾート雪月花」が運転を開始しました。
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新井駅に停車しています |
北陸新幹線の延伸開業に際し、並行在来線として経営分離される区間の自治体は石川県、富山県、新潟県、長野県と4県に跨っています。
このうち長野県では1997年(平成9年)10月1日から既に並行在来線を運営しているしなの鉄道が延伸開業時の分離区間も併せて継承しますが、新規設立された他3県の第三セクター法人のうち、えちごトキめき鉄道は富山県のあいの風とやま鉄道、石川県のIRいしかわ鉄道(共に2012年設立)に2年先立つ形で設立されています。
えちごトキめき鉄道が設立を早めた理由としては、県内の経営分離区間における隣県との相互直通運転区間が長野県と富山県の計3県に跨っている点や、指令システムの管理方法の調整などに加えて、糸魚川-梶屋敷間に交流電化と直流電化の境界となるデッドセクションが設置されている点、同線の県内沿線の輸送密度が経営分離区間の中でも特に低い点など、様々な課題が存在していることが背景にありました。
またえちごトキめき鉄道は、JR東日本、JR西日本のJRグループ2社から運営を継承することとなりますが、整備新幹線制度のもとで複数の企業から運営を継承する第三セクター鉄道はえちごトキめき鉄道が初のケースとなります。
加えて同制度のもとで並行在来線を2路線運営する第三セクター鉄道は、えちごトキめき鉄道としなの鉄道の2社となります。
えちごトキめき鉄道には下記の2路線を保有、運行しています。
路線名 |
区間 |
営業キロ |
単複 |
架線電圧 |
最高速度 |
日本海ひすいライン |
市振 - 直江津間 |
59.3km |
複線 |
市振 - 糸魚川間 交流20,000V・60Hz |
110km |
糸魚川駅 - 直江津駅間 直流1500V |
妙高はねうまライン |
妙高高原-直江津間 |
37.7km |
単線 |
直流1500V |
95km |
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直江津駅に停車する普通列車 |
日本海ひすいラインは、以前は北陸本線の一部となっていた区間で、北陸新幹線の延伸開業に際しJR西日本から経営分離され、えちごトキめき鉄道へ継承されています。
鉄道資産上の経営区間は富山県境から直江津駅までの延長60.3kmに及びます。あいの風とやま鉄道との営業上の境界駅となる市振駅をはじめ、全ての駅をえちごトキめき鉄道が管理しています。
自社車両として、JR西日本のキハ122形気動車をベースにした「ET122形」気動車を一般車両6両、イベント兼用車両2両の計8両が新造のうえ導入されています。
全区間が電化されているものの、経営分離区間の中でも特に輸送密度が低いのに加え、糸魚川駅 - 梶屋敷駅間のデッドセクションを境に電化方式が異なっており、交直流電車の新造・購入費および維持費などのコストを考慮して、線内の普通列車には気動車を使用しています。なお、同車両はキハ122形と同様に新潟トランシスが製造しています。
開業後2年間、運行管理と指令業務はJR西日本金沢支社の金沢総合指令所において、あいの風とやま鉄道が自社路線と併せてえちごトキめき鉄道とIRいしかわ鉄道から業務を受託し、金沢駅
- 直江津駅間にわたってIRいしかわ鉄道線・あいの風とやま鉄道線・日本海ひすいラインの計3路線の指令業務を行うことになっています。以降は3社がそれぞれ指令システムを整備し自社で業務を行うことになりますが、えちごトキめき鉄道では日本海ひすいラインと妙高はねうまラインの両路線を1つのシステムで管理できる指令システムを直江津駅内に整備する予定です。
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谷浜駅に停車するET122気動車 |
北陸新幹線の延伸開業時、両線は直江津駅を中心としたダイヤの編成を予定していますが、このうち日本海ひすいラインでは普通列車の運行間隔を概ね1時間に1本とし、糸魚川駅で新幹線との接続を考慮したダイヤが編成されます。
ラッシュ時は2両編成で当面は乗務員2名体制とし、通常時は1両編成でワンマン運転を実施することになります。
富山県側のあいの風とやま鉄道線への乗り入れは泊駅での折り返しとし、あいの風とやま鉄道線とは同駅で乗り換える方式を基本とするが、通勤・通学時間帯に運行される1日2往復に限り同社の車両が糸魚川駅まで乗り入れることになります(富山方面発:夜2本、糸魚川発:朝2本)。なお、えちごトキめき鉄道の列車は泊駅以西への乗り入れは実施されないことになります。
また、信越本線の柏崎駅・長岡駅方面への直通列車として、糸魚川駅 - 新潟駅間に快速列車1往復が新設されます。
妙高はねうまラインは、以前は信越本線の一部となっていた区間で、北陸新幹線の延伸開業に際しJR東日本から経営分離され、えちごトキめき鉄道へ継承されています。鉄道資産上の経営区間は長野県境から直江津駅までの延長38.0kmに及びます。
しなの鉄道との営業上の境界駅となる妙高高原駅をはじめ、全ての駅をえちごトキめき鉄道が管理しています。
自社車両として、JR東日本からE127系電車2両編成10本を改修の上で譲渡を受け、一般車両として導入しています。
開業後2年間、妙高はねうまラインの運行管理と指令業務はJR東日本新潟支社の総合指令室内において自社で行い、前述の指令システム整備以降は自社のシステムで管理する。
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直江津駅に停車する越乃Shu*Kura |
北陸新幹線の延伸開業時、妙高はねうまラインでは普通列車の運行間隔を概ね1時間に1本とし、朝夕の通勤・通学時間帯には新井駅-直江津駅間を中心に20
- 40分間隔での運行を実施し、上越妙高駅で新幹線との接続を考慮したダイヤが編成されます。
ラッシュ時は4 - 6両編成(乗務員2名体制)で運行するが、通常時は2両編成によるワンマン運転を基本となります。
信越本線・柏崎方面から妙高高原駅まで直通運転する普通列車をえちごトキめき鉄道の車両を使用して、朝に上り2本を運行することになります。
長野県境では妙高高原駅での折り返しとし、長野県側のしなの鉄道北しなの線とは同駅で乗り換える方式となります。
開業時点では定期列車の相互直通運転は実施されません。このほか信越本線の柏崎・長岡方面への接続列車として、新井駅・上越妙高駅 - 新潟駅間に特急「しらゆき」5往復、新井駅
- 新潟駅間に快速列車2往復がそれぞれ新設され、前掲の糸魚川発着の快速列車と合わせ計8往復が運行されます。
ほか、2014年春から高田駅発着で運行を開始した週末の快速列車「越乃Shu*Kura・ゆざわShu*Kura・柳都Shu*Kura」は区間を延伸し、上越妙高駅発着に変更されます。
また新幹線の乗り継ぎ利便性確保のため、北越急行ほくほく線から直通する普通列車が1日1往復、新井駅 - 直江津駅間で乗り入れを実施します。このうち、ほくほく線下り列車1本は越後湯沢駅
- 直江津駅間を超快速「スノーラビット」として運行します。
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えちごトキめきリゾート雪月花 |
えちごトキめき鉄道と新潟県、沿線3市では、両路線の駅間が長い市街地区間について新駅設置の検討を進めていて、日本海ひすいラインの青海駅 - 糸魚川駅間、糸魚川駅
- 梶屋敷駅間、妙高はねうまラインの二本木駅 - 新井駅間、新井駅 - 北新井駅間、高田駅 - 春日山駅間、春日山駅 - 直江津駅間の計6箇所の候補地について整備方法などを検討しています。
運賃は移管後5年間はJRと同水準とし、6年目以降は利用者の動向を踏まえて決定することになっています。
えちごトキめき鉄道からJR東日本、JR西日本、しなの鉄道、あいの風とやま鉄道の区間に跨って乗車する場合は各社の運賃を併算するため、経営移管前よりも運賃が高くなる区間が生じますが、開業時には一部の区間で乗継割引運賃が設定されます。
この割引運賃の料率は、移管後5年間の激変緩和措置の一環として設定されたもので、6年目以降は利用者の動向を踏まえて料率や適用区間が設定されることになっています。
連絡運輸区間は、JR東日本とは信越本線の新潟駅まで(定期券は長岡駅まで)、JR西日本とは大糸線の南小谷駅まで、北越急行とはほくほく線の六日町駅までの全線および上越線の越後湯沢駅まで(ほくほく線経由のみ、定期券は六日町駅まで)、妙高はねうまラインからしなの鉄道とは北しなの線の長野駅まで、日本海ひすいラインからあいの風とやま鉄道線とは富山駅までが指定されています。
連絡乗車券の発売範囲は、出札窓口設置駅では窓口・券売機とも前述のとおりですが、無人駅設置の券売機では、自社と連絡運輸先の営業キロが合計100km以内の乗車券のみを取り扱っています。なお、長野駅
- 直江津駅 - 富山駅 - 金沢駅間を並行在来線のみを経由して連絡する乗車券は発売されませんので注意が必要です。
上越妙高方面 |
特急「しらゆき」 |
(新潟-上越妙高・新井) |
上越妙高・十日町方面 |
快速「越乃Shu*Kura」 |
(上越妙高-十日町) |
観光列車 |
リゾート列車「えちごトキめきリゾート雪月花」 |
(妙高高原 - 糸魚川) |
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JR東日本の特急「しらゆき」 |
快速「くびき野」 |
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