えちごトキめき鉄道・JR東日本 直江津駅
直江津(なおえつ)
日本海ひすいライン 谷浜 直江津
妙高はねうまライン 春日山
信越本線 黒井
所在地 新潟県上越市東町1-1
所属事業者 えちごトキめき鉄道
東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線 妙高はねうまライン(えちごトキめき鉄道)
キロ程 37.7km(妙高高原起点)
所属路線 日本海ひすいライン(えちごトキめき鉄道)
キロ程 59.3km(市振起点) 
所属路線 信越本線(JR東日本) 
キロ程 0.0km(直江津起点) 
駅構造 地上駅
ホーム 3面6線
乗車人員 2,203人/日(2017年・JR東日本)
1,514人/日(2017年・えちごトキめき鉄道)
開業年月日 1886年(明治19年)8月15日
駅種別 共同使用駅(えちごトキめき鉄道の管轄駅)
直営駅(管理駅)JR東日本は業務委託駅
みどりの窓口
直江津駅
直江津駅
島式ホーム ホームに停車する普通列車
立ち食いそば店「直江津庵」 ホームに停車する普通列車
改札口 観光列車「越乃Shu*Kura」
改札口 観光列車「越乃Shu*Kura」
快速「くびき野」 ホーム
快速「くびき野」 ホーム
直江津駅(なおえつえき)は、新潟県上越市にある、えちごトキめき鉄道・東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅です。
当駅は上越市北部の海岸線に程近い直江津地区の市街地に位置します。
えちごトキめき鉄道の妙高はねうまラインと日本海ひすいラインの2路線が乗り入れる拠点駅で、北口側には同社の本社が所在します。JR東日本の信越本線が乗り入れていますが、駅舎や車両基地など構内施設の大部分は、えちごトキめき鉄道の管理となっています。
信越本線の新潟駅・長岡駅方面から北陸新幹線の上越妙高駅への接続列車として運転されている特急列車「しらゆき」5往復のほか、快速列車(新井駅まで上り1本)と普通列車(上り2本)が、えちごトキめき鉄道への直通運転を行っています。
また上越線の越後湯沢駅・六日町駅方面からは、ほくほく線全線を走行する快速列車と普通列車(平日18往復、土曜・休日19往復)のうち平日15往復、土曜・休日16往復が、同線終点の犀潟駅から当駅まで直通運転を行っています。
このうち1.5往復は超快速「スノーラビット」として運行され、妙高はねうまライン内へは同列車の越後湯沢駅発1本が、当駅から新井駅まで直通運転を行っています。
国鉄時代から長らく在来線の拠点駅として長年機能しており、1987年(昭和62年)のJRグループ発足後は信越本線を管理するJR東日本と、北陸本線を管理する西日本旅客鉄道(JR西日本)の境界駅となっていました。
特に当駅では全ての特急列車が停車し、後年も「はくたか」「北越」「トワイライトエクスプレス」などの特急列車は当駅で乗務員(運転士及び車掌)の交代を行っていました。
2015年(平成27年)3月14日に北陸新幹線・長野駅 - 金沢駅間が延伸開業した際に、JR東日本が管理していた信越本線の妙高高原駅 - 当駅間と、JR西日本が管理していた北陸本線の市振駅 - 当駅間は並行在来線としてえちごトキめき鉄道へ移管され、路線名を「妙高はねうまライン」と「日本海ひすいライン」にそれぞれ改称しています。
構内には多くの側線が広がり、列車が留置されている光景を見ることができますが、移管以降は構内東側の直江津運輸区は長岡運輸区へ統合される形で廃止され、駅舎および構内の施設と設備はえちごトキめき鉄道へ譲渡されています。

乗入路線

当駅には、えちごトキめき鉄道の妙高はねうまラインと日本海ひすいラインが乗り入れ、それぞれ終着駅となっています。
妙高はねうまライン、日本海ひすいラインは同じえちごトキめき鉄道線ではあるが、JR時代の運転系統を継承しているため当初相互の直通運転はしていませんでしたが、2018年3月のダイヤ改正で、日本海ひすいライン方面から妙高はねうまラインに直通する泊発新井行が一本設定されています。
所属線は妙高はねうまラインで、駅名標等のカラーリングには同線のラインカラー「フレッシュグリーン」が用いられています。
さらにJR東日本の信越本線が乗り入れていて、新潟県内の区間は当駅が起点駅となっています。
この信越本線の犀潟駅からは北越急行ほくほく線の列車の直通運転も行われています。
信越本線・ほくほく線(および同線経由で上越線)から妙高はねうまラインを経由して、上越妙高駅で北陸新幹線に乗り継ぐ場合は、前後および中間のJR線の営業キロを通算した運賃・料金に、妙高はねうまラインの運賃・料金を合計して計算され、北陸新幹線と特急「しらゆき」を乗り継ぐ場合は「しらゆき」のJR線内の特急料金が半額となる乗継割引が適用されます。ただし、妙高はねうまラインの特急料金は割引対象外となります。
当駅は現在に至るまで上越市の交通の要衝のひとつとして機能し続けていますが、北陸新幹線の上越市内の駅は、市南部の和田区に所在する上越妙高駅に設置されています。また上越市のもう一つの中心市街地である、城下町高田(旧高田市)の最寄り駅は妙高はねうまラインの高田駅、上越市役所本庁舎(木田庁舎)の最寄り駅は当駅と高田駅の中間の春日山駅となっています。特にこれまで上越新幹線と北陸地方を連絡していた特急列車が全廃された上に当駅が新幹線ルートから外れたことで拠点が分散したことになり、今後の影響が懸念される事態となっています。

駅構造

JR東日本とえちごトキめき鉄道(以下、トキてつ)の共同使用駅であるが、経営分離後は施設管理を始めとした業務をトキてつが直営駅として行っている。
このため、JR直江津駅(信越本線)としての運営もトキてつがJR側から委託されている。
改札口には経営分離前から自動改札機が設置されており、JR側の信越本線エリア内においてSuica等の交通系ICカードが利用可能である。
エリア内ではあるが、一部対応駅に留まるため、Suica定期券発売及びカード発行、払戻し、再発行は一切取扱っていない。
自由通路に面したコンコースにはみどりの窓口・自動券売機(トキてつ2台・JR1台)・JR指定席券売機・屋内待合室・売店(NewDays)・コインロッカー・化粧室が置かれている。
みどりの窓口は経営分離後も窓口が2つ(トキてつ・JRで分離)設置されていたが、現在は1つの窓口で両社のきっぷを発売している。
島式ホーム3面6線を有する地上駅。橋上駅舎を備える。駅構内には上越市が管理する南北自由通路が設置されている。
駅構内図によれば、バリアフリー対策として連絡通路と各ホームを連絡するエレベーター、改札外の自由通路と地上階の連絡用にエスカレーター・エレベーターがそれぞれ設置されているほか、男女トイレのほかに多機能トイレが併設されているが、ホームページの駅情報ではいずれのバリアフリー設備も未設置としている。
ホーム上には机やコンセント等を備えた学生専用自習室が設置されており、2020年4月から提供している。

JR管理駅時代

1987年4月 - 2015年3月13日まではJR東日本の新潟支社が管理する直営駅で、周辺駅の管理駅(地区駅)として信越本線の関山駅 - 柿崎駅間の直営駅を除く全駅を管理していた。
自由通路に面した「みどりの窓口」は窓口が2つ設置されていた。
北口には旅行センターとして「びゅうプラザ」、ジェイアール東日本レンタリース運営の「駅レンタカー直江津営業所」が置かれていたが、経営分離に伴い2015年3月13日限りで営業を終了し、両施設は新設された上越妙高駅へ移転した。
先代駅舎は1940年(昭和15年)竣工の3代目で、木骨真壁造(ハーフティンバー様式)が用いられた三角屋根のファサードが特徴的なデザインで、利用者や地域からは「三角屋根の駅」「山小屋風の駅」として親しまれていた。

のりば
のりば 路線 方向 行先 備考
1 日本海ひすいライン 上り 能生・糸魚川・富山・金沢方面 当駅始発
2 - 6  
妙高はねうまライン 上り 高田・妙高高原方面
信越本線 下り 長岡・新潟方面
5・6 ほくほく線 上り 十日町・越後湯沢方面
  • ホームの方面別の振り分けは特に決まっておらず、方面を区別せずに運用されているため、時間帯や列車によっては発着番線が異なる。
  • 1番線は東側(長岡方)が頭端式となっており、日本海ひすいラインの普通列車の発着のみに使用している。
  • このほか構内南側には側線が設けられている。側線の東側にはえちごトキめき鉄道の直江津車両基地が置かれている。

駅構内

駅出入口・自由通路

自由通路(直江津駅自由通路)は上越市が管理しており、通路は「市道直江津駅線」に指定されている。駅舎および自由通路は客船「飛鳥」をモデルとしてデザインされたもので「あすか通り」という愛称が付けられており、通路内には駅舎・通路と「飛鳥」のデザインを対比できるパネルが設置されている。
終日通行可能で、歩行者のほか自転車も通行できるが、自転車は安全のため、押して徒歩で通行する必要がある。
バリアフリー対策として、北口と南口の双方にエレベーター(北口・南口北側各1基)と誘導チャイム、エスカレーター(北口:上下各1基、南口北側・南側:上り各1基)がそれぞれ設置されている。北口側のエスカレーターは上り・下りとも途中で水平になっている箇所があり、運転時には足許の注意を促すアナウンスが放送される。車椅子対応トイレ(オストメイト対応設備なし)は北口・南口双方の駅前広場に設置されているが、このうち北口の車椅子トイレは男女別に各1箇所設置されている。

北口

元々設けられていた出入口は北口で、直江津の古くからの市街地に面している。自由通路の北口側階段下には上越警察署直江津駅前交番などがある。交番に隣接して、前掲の「びゅうプラザ」と「駅レンタカー」の窓口が設置されていたが、いずれも2015年3月13日限りで営業を終了している。
駅前広場ロータリー内の歩行者道には、直江津駅前観光案内所と、立ち食いそば店「直江津庵」が設けられている。(名物はメギスそば、もずくそば、中華そば(そばつゆに中華麺が入ったもの))
ロータリーの車道西側はバスターミナルやタクシープールとなっており、駐車場が設けられている。
北口側は古くからの市街地であり、駅前通りや安国寺通り沿いの住宅や商店には、周辺地域の市街地に古くから残る雁木造の風景が留められている。
駅前にはホテルや商店、市立図書館(直江津学びの交流館)等が軒を連ねている他、マンションや新潟県運転免許センター上越支所から成る複合施設「うみらいず」が2020年3月に完成した。西側には市内路線バスのターミナルの1つを備えるショッピングセンター「エルマール」、さらに海側には上越市立水族博物館「うみがたり」や新潟県立直江津中等教育学校が位置する。
関川河口付近の市街地では明治期から続く朝市「三・八の市」が開かれる。

南口

南口駅前広場側には、市道を挟んで階段が南北2ヶ所に設置されており、双方にロータリーがある。北側ロータリーの西側には一時利用者向け「直江津駅駐車場」が設けられている。
また、かつての蒸気機関車の車両基地を転用した「直江津D51レールパーク」があり、国鉄D51形蒸気機関車(827号車)等の見学が可能であるが、営業日が限られている点に注意が必要(基本的に土・日・祝日のみ営業、また冬季は休業)。
南口側には新潟労災病院のほか、もうひとつのバスの拠点「マルケーバスセンター」(当駅から徒歩約10分)が所在するが、多くは住宅地となっている。

歴史

  • 1886年(明治19年)8月15日、国鉄信越本線 関山駅 - 直江津駅間の開通と同時に開業しています。当時の所在地は関川左岸(西側)、現在の直江津橋西詰付近、第一至徳寺踏切北側にありました。
  • 1898年(明治31年)8月1日、現在地へ駅舎を移転しています(2代目)。
  • 1899年(明治32年)9月5日、北越鉄道 直江津駅 - 春日新田駅(関川右岸付近)間が開通し、直江津駅 - 沼垂駅間が全通しています。
  • 1906年(明治39年)8月30日、北越鉄道 春日新田駅が廃止されています。
  • 1907年(明治40年)8月1日、北越鉄道が鉄道国有法に基づき買収され国有化されました。
  • 1911年(明治44年)7月1日、北陸本線 名立駅 - 直江津駅間が開通しました。
  • 1930年(昭和5年)4月1日、信越本線貨物支線 直江津駅 - 直江津港駅間が開通しました。
  • 1940年(昭和15年)10月1日、新駅舎が竣工し運用を開始しています(3代目)。
  • 1945年(昭和20年)12月9日、直江津駅リンチ殺人事件が発生しています。これを機に鉄道公安職員制度が生まれています。
  • 1959年(昭和34年)9月1日、信越本線貨物支線 直江津駅 - 直江津港駅間が廃止されています。
  • 1983年(昭和58年)3月、駅レンタカー営業を開始しました。
  • 1985年(昭和60年)3月5日、専用線発着車扱貨物の取扱を廃止しています。 黒井駅南にある三菱化成直江津工場(現、三菱ケミカルハイテクニカ 上越テクノセンター)へ専用線が続き、貨物輸送を行っていました。専用線の分岐地点は関川右岸(東側)にありました。
  • 1987年(昭和62年)
    • 3月31日、貨物取扱を再開しています。ただし、将来施設を整備されることに備えたもので貨物列車の設定はない。
    • 4月1日、国鉄分割民営化により、東日本旅客鉄道・西日本旅客鉄道の境界駅および日本貨物鉄道の駅となっています。旅客業務はJR東日本が継承しています。
  • 1997年(平成9年)3月22日、北越急行ほくほく線 六日町駅 - 犀潟駅間の全線が開業しています。同時に犀潟駅 - 直江津駅間で同線列車の直通運転を開始しました。
  • 1998年(平成10年)9月30日、改築に伴い3代目駅舎での営業を終了、翌日より仮駅舎の運用を開始しました。
  • 2000年(平成12年)4月7日、現駅舎の運用、自由通路の供用を開始しています(4代目)。
  • 2003年(平成15年)12月1日、自動改札機の運用を開始しました。
  • 2006年(平成18年)4月1日、臨時車扱貨物の取扱が廃止されました。結局貨物列車は一度も設定されていません。
  • 2014年(平成26年)4月1日、ICカード「Suica」のサービスエリア拡大に伴い、新潟エリアとしてサービスを開始しています(信越本線下り 柏崎・長岡方面のみ)。
  • 2015年(平成27年)3月14日 北陸新幹線・長野駅 - 金沢駅間延伸開業に伴い、信越本線・妙高高原駅 - 直江津駅間および北陸本線・市振駅 - 直江津駅間がえちごトキめき鉄道に移管されています。併せて直江津駅・直江津運輸区の施設および設備も同社へ譲渡。駅レンタカーは3月13日限りで営業を終了しています。北越急行ほくほく線とえちごトキめき鉄道(越後湯沢駅 - 新井駅間)との直通運転を1往復設定しています。
  • 2018年(平成30年)3月17日、この日のダイヤ改正であいの風とやま鉄道線・日本海ひすいラインから妙高はねうまライン(泊駅 → 新井駅間)への直通列車が設定されています。