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高岡駅が氷見線の始発駅です |
JR氷見線は、富山県高岡市の高岡駅と同県氷見市にある氷見駅に至る16.5kmを結ぶ鉄道線です。全線単線非電化のローカル線です。
氷見線は、もともとは中越鉄道により高岡-城端間に続いて開業した路線でした。1920年に国有化された後は中越線(伏木-城端間)と氷見軽便線(伏木-氷見間)となったのですが、のちに高岡-氷見間が氷見線となっています。
氷見から先は改正鉄道敷設法により能登半島を横断して石川県の羽咋駅までの延伸が計画されていたが残念ながら実現することはありませんでした。
1900年(明治33年)12月29日に中越鉄道(伏木-高岡間7.34km)が開業しています。同時に伏木駅、能町駅が開業しています。これが氷見線の最初でした。
1912年(明治45年)4月4日には島尾-伏木間(6..28km)が延伸開業して、島尾駅、雨晴駅が開業しています。
1912年(大正元年)9月19日には氷見-島尾間(3.06km)が延伸開業して、ついに氷見-高岡-城端間が全通しています。
これで現在の氷見線が完成したことになります。
1920年(大正9年)9月1日には中越鉄道全線が国有化され、伏木-城端間が中越線、伏木-氷見間が氷見軽便線となっています。
1922年(大正11年)9月2日には氷見軽便線が氷見線に改称され、1942年(昭和17年)8月1日には高岡-氷見間を氷見線に変更しています。同時に高岡-城端間が城端線と改称されています。これにより現在と同様の路線となったわけです。
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島尾海岸に近い島尾駅 |
1978年(昭和53年)3月1日には伏木-氷見間の貨物営業を廃止しています。
1987年(昭和62年)4月1日に国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道(JR西日本)が路線を継承しています。同時に日本貨物鉄道(JR貨物)が高岡-伏木間の第二種鉄道事業者となっています。
1992年(平成4年)3月14日に現在のようにワンマン運転を開始しています。
現在、高岡-能町間では万葉線高岡軌道線と並行しています。また万葉線新能町駅とは徒歩で乗り換えも可能です。
能町駅からはJR貨物の貨物専用線である新湊線が分岐していています。
また高岡-伏木間は貨物列車も運行されています。
氷見線といえば、なんと言っても雨晴海岸を走ることから日本海をまたいで立山連峰が見えるという絶景がおがめる事ですが、実はこの風景はよほど条件が整わないと拝めることはありませんので、ここへ行く方は気象条件をよく確かめてチャレンジしましょう。
しかし海をまたいで3,000m級の山々が眺められるというのは世界中を探してもなんとここしかありませんので、期待は大きいというものです。
ここのもう一つのウリがキハ40形気動車3両に氷見市出身の漫画家藤子不二雄Aの漫画『忍者ハットリくん』のキャラクターが描かれた「忍者ハットリくん列車」が運行されていることでしょう。
2008年4月1日からは主人公のハットリくんの声で沿線の案内放送が行われています。
また土曜・日曜・祝日の氷見線での運用が定時化されていますので決まった時刻の列車にこの車両が運用されています。
なお、2015年3月14日の北陸新幹線開業を控えて、2010年にJR西日本の佐々木隆之社長(当時)は、赤字対策として氷見線を廃止してバス転換を行うか、本数削減などを含めて地元自治体と協議したいとしていたが、2012年1月28日に北陸新幹線金沢開業後も引き続きJR西日本が運営するとともに、運転本数についても大幅な変更はないと発表した。このため、本路線は、城端線(JR西日本)ならびに新湊線(JR貨物)のほかにはJRグループの在来線路線と接続しない路線となる。
ズバリ言って、この時点での氷見線廃止というのはかなり無理のある話で、輸送密度がかなり高い路線なので、廃線ではなく第3セクター化して一体で運営して欲しいというのが本心だったとは思うのですが。
その後、2023年10月23日、富山県や沿線自治体などが今後の経営のあり方を話し合う「城端線・氷見線再構築検討会」が開かれ、城端線とともに第三セクター鉄道のあいの風とやま鉄道がJR西日本より経営を引き継ぐ方針を固めています。県は、再構築計画の素案を同年11月に示すよう準備を進め、11月29日に開かれた城端線・氷見線の再構築検討会で提示された素案では、あいの風とやま鉄道がJR西日本から城端線と氷見線の経営を引き継ぐ際の施設整備にかかる費用として約342億円を想定し、このうちJR西日本が150億円を拠出、新型鉄道車両はあわせて34両を176億円をかけて導入する、両線の運行本数を1日当たり60本程度まで増発しパターンダイヤを導入するなどとした。両線のあいの風とやま鉄道への移管は「再構築の実施計画が開始される2024年2月からおおむね5年後で新型鉄道車両の導入がすべて完了する時期」としています。
また沿線自治体は、他の自治体には負担を掛けないという方向で、赤字を補填するということも前提としていますが、本当に大丈夫なのでしょうか。これには赤字を大幅に圧縮する必要があると思いますが、完全に0にはできないと思えます。 |