北陸鉄道金石線は、中橋駅から大野港駅間を結んでいた軌道線です。
しかしモータリゼーションの進展に伴う経営不振のため、1971年(昭和46年)9月1日、全線廃線となっています。
その原因は起点となる中橋駅が金沢駅からやや距離があって不便だったため、並行する金石街道を走るバスに勝てなかったからだろうと考えられます。その点、浅野川線は北鉄金沢駅が金沢駅前にあり地の利があったために現在でも存続しているのだと思います。
もう一つ、金石線の枝線が遊園地である涛々園に接続していて戦前はたいへんにぎわっていたのに、これが1943年に閉園となったためにこの枝線が廃止されたのも痛手だったのではと思われますが、何しろ古い話なので詳細は不明です。
金石線は、軌道法による軌道線という扱いを受けていましたが、実際には道路のそばに線路が敷設されていて併用軌道ではなかったのです。ですから軌道線といっても金沢市内線のような市内電車とはやや性格が異なるのですが、電車の前部には救助網を取り付けていました。
1898年(明治31年)2月5日に金石馬車鉄道が長田町 - 金石間 (4.85km) を開業しています。この時は、軌間762mmの馬車鉄道でした。
1914年(大正3年)8月5日には、金石馬車鉄道から金石電気鉄道に改称し、同年8月11日には長田町 - 金石間を電化、軌間1067mmに改軌しています。
1920年(大正9年)10月22日には中橋 - 長田町間 (0.6km)が開業し、1923年(大正12年)8月22日には金石 - 大野港間 (2.01km)
が開業し、全線開通しています。
1931年(昭和6年)8月7日には枝線である松原 - 涛々園前間 (0.39km) が開業しています。
1943年(昭和18年)10月13日には金石電気鉄道が北陸鉄道に合併され、北陸鉄道金石線となっています。
1947年(昭和22年)5月22日には松原 - 涛々園前間が廃止されています。ただし線路自体は三善製紙の専用線として残存しています。
1971年(昭和46年)9月1日には全線廃止されています。 |
北陸鉄道 金石線 |
路線距離 |
7.6km |
軌間 |
1,067mm |
駅数 |
11駅(起終点駅含む) |
複線区間 |
全線単線 |
電化区間 |
全線電化(直流600V) |
閉塞方式 |
不明 |
開業年月日 |
1898年(明治31年)2月5日 |
廃止年月日 |
1971年(昭和46年)9月1日 |
|
|
路線 |
駅名 |
駅間
キロ |
営業
キロ |
接続路線 |
ホーム |
交換 |
所在地 |
本線 |
中橋駅 |
- |
0.0 |
北陸本線(金沢駅) 浅野川線
金沢市内線(廃止) |
1面2線 |
V |
金沢市中橋町 |
長田町駅 |
0.7 |
0.7 |
|
1面1線 |
| |
金沢市長田町 |
北町駅 |
1.0 |
1.7 |
|
1面1線 |
| |
金沢市北町 |
藤江駅 |
0.8 |
2.5 |
|
1面1線 |
| |
金沢市藤江北2丁目 |
畝田駅 |
0.9 |
3.4 |
|
1面2線 |
◇ |
金沢市松村町 |
寺中駅 |
1.1 |
4.5 |
|
1面1線 |
| |
金沢市寺中町 |
金石駅 |
0.9 |
5.4 |
|
2面2線 |
◇ |
金沢市金石西3丁目 |
三善製紙前駅 |
0.6 |
6.0 |
金石線(枝線) |
1面1線 |
| |
金沢市金石北1丁目 |
無量寺駅 |
0.5 |
6.5 |
|
1面1線 |
| |
金沢市桂町 |
大野港駅 |
0.7 |
7.2 |
|
1面1線 |
| |
金沢市大野町2丁目 |
路線 |
駅名 |
駅間
キロ |
営業
キロ |
接続路線 |
ホーム |
列車
交換 |
所在地 |
枝線 |
三善製紙前駅 |
- |
0.0 |
金石線(本線) |
1面1線 |
| |
金沢市金石北1丁目 |
涛々園前駅 |
0.4 |
0.4 |
|
1面1線 |
| |
金沢市金石北4丁目 |
|