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北鉄金沢駅 |
北陸鉄道浅野川線は、北鉄金沢駅-内灘駅間(6.8km)を結ぶ、全線単線電化の鉄道路線です。閉塞方式は、全線が自動閉塞式となっています。架線電圧は、直流1500Vです。
路盤は、コンクリート枕木、50kgレールで整備されていますが、地図で見てもわかるようになにしろ急カ-ブが多く、いたるところに35km制限があります。しかも駅間距離が短く1分から2分ごとに停車するので、富山地方鉄道に比べると運行速度はかなり遅いのです。どちらかというと路面電車的な性格が強いといえます。
当線は以前は600V直流でしたが、元京王3000系電車を導入することとなり、京王3000系に対応するために、1996年に架線電圧を600Vから1500Vに昇圧しています。
そのため現在使用している車両は、元京王3000系電車の8000系電車で8800番台と8900番台があります。
これらはいずれも冷房車なので快適です。
現在では、全線が普通列車のみの運行で優等列車の設定はありません。
以前は夜間を除いてほぼ1駅おきに停車する急行列車が運転されていたのですが、2006年12月1日のダイヤ変更以後は全列車が普通列車の設定になっています。急行列車を運行する場合、途中停車駅は上諸江駅、割出駅、三ツ屋駅、蚊爪駅で、北鉄金沢
- 内灘間の所要時間は14分だったのに対し、普通列車は所要時間が17分となり、時間短縮の効果があまりなく、通過駅が不便になるデメリットの方が大きいと判断されたのでしょう。
路線は、金沢市の市街地を北へ縦断し、内灘町に入るという絶好の位置取りであるはずなのですが、それにしては利用者がイマイチなのはどうしてでしょうか。
金沢市の道路事情は、富山市と比べると非常に悪いのが実情で、道路は狭く入り組んでいて国道8号線はたいへんな渋滞に悩まされています。国道8号線の高架化により以前よりは渋滞緩和が感じられますが、まだまだです。
ですから鉄道が市民の重要な足として活用されなければうそなのですが、利用者は実際には減少の一途をたどっています。
このままだといずれ浅野川線自体が廃線にならないとも限らないので何らかの対策を考えるべきでしょう。
浅野川線と石川線を接続してLRT化する計画が北鉄金沢駅前に掲示されていましたが、それも面白いのではないでしょうか。 |
北陸鉄道浅野川線 |
路線距離 |
北鉄金沢駅-内灘駅 6.8km |
軌間 |
1,067mm |
駅数 |
12駅(起終点駅含む) |
複線区間 |
なし |
電化区間 |
全線(直流1500V) |
閉塞方式 |
自動閉塞式 |
開業年月日 |
1925年(大正14年)5月10日 |
使用車両 |
8000系電車(8800番台) 4両
8000系電車(8900番台) 6両 |
過去車両 |
モハ3500形・モハ3550形
モハ3560形・クハ1200形
モハ3200形・クハ1000形
モハ5100形・クハ1300形
モハ3300形・モハ3010形
クハ1210形 |
種別 |
普通列車のみ |
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8000形電車(8900番台) |
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No. |
駅名 |
駅間
キロ |
営業
キロ |
接続路線 |
ホーム |
駅員
配置 |
列車
交換 |
所在地 |
A01 |
北鉄金沢駅 |
- |
0.0 |
JR北陸本線(金沢駅)・IRいしかわ鉄道
金沢市内線(1967年廃止) |
1面2線 |
◎ |
∨ |
石
川
県 |
金沢市 |
A02 |
七ツ屋駅 |
0.6 |
0.6 |
|
1面1線 |
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| |
A03 |
上諸江駅 |
0.9 |
1.5 |
|
1面1線 |
|
| |
A04 |
磯部駅 |
0.7 |
2.2 |
|
1面1線 |
|
| |
A05 |
割出駅 |
0.6 |
2.8 |
|
1面1線 |
○ |
| |
A06 |
三口駅 |
0.5 |
3.3 |
|
1面1線 |
|
| |
A07 |
三ツ屋駅 |
0.6 |
3.9 |
|
2面2線 |
|
◇ |
A08 |
大河端駅 |
0.6 |
4.5 |
|
1面1線 |
|
| |
A09 |
北間駅 |
0.6 |
5.1 |
|
1面1線 |
|
| |
A10 |
蚊爪駅 |
0.4 |
5.5 |
|
1面1線 |
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| |
A11 |
粟ヶ崎駅 |
0.8 |
6.3 |
|
1面1線 |
|
| |
内灘町 |
A12 |
内灘駅 |
0.5 |
6.8 |
|
1面1線 |
◎ |
| |
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廃止区間 (1974年(昭和49年)7月8日廃止) |
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粟ヶ崎海岸駅 |
1.3 |
8.1 |
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1面1線 |
▼ |
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金沢市 |
駅員配置 注 ◎:有人駅 ○:一部時間帯のみ駅員配置 無印:無人駅 ▼:臨時駅
列車交換 注 ∨◇:列車交換可能 |:列車交換不可
浅野川線の時刻表、運賃表はこちら
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北鉄金沢駅ホーム |
では、実際に浅野川線の電車に体験乗車してみましょう。
北鉄金沢駅は、JR金沢駅前の地下にあり、北陸地方では唯一の地下駅です。
ちなみにJR金沢駅は逆に高架駅となっています。
浅野川線は、この北鉄金沢駅から内灘駅までの6.8kmの全線単線電化の路線です。
全列車が北鉄金沢駅-内灘駅間の運転となっていて、全列車が普通列車となっています。
北鉄金沢駅-内灘駅間の運賃は、310円となっています。
北鉄金沢駅には、駅員もいますし、ホームは2線ありますが、1番ホームしか実際には使っていません。
11:00発の電車に乗ってみます。
ホームを出た電車は、しばらくすると地下を出て地上に出ます。
そして左側にカーブし、北陸本線の高架の下をくぐるとすぐに七ツ屋駅に到着します。
駅は片面ホームですが、ホームに待合室もあります。
この七ツ屋駅を11:01に出発した電車は、北へ向かいます。
電車はしばらくすると次の上諸江駅に到着します。この駅も片面ホームですが、浅野川線は駅に駅舎らしいものがなく、ホームの上に上屋と待合室があるというパターンが多いのです。その意味では没個性的ですが、駅自体はきれいですし荒れているという印象は感じられません。となりの富山県にある富山地方鉄道は、逆に駅舎が大きいものが多く、たいへん個性的ですが、中には荒れている駅と感じられる場合もあり、対照的です。
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三ツ屋駅で列車交換します |
上諸江駅を11:03に発車した電車は、すぐに磯部駅に停車します。このあたりは駅間距離がけっこう短く、どちらかというと路面電車的性格を持っていると見るべきでしょうか。磯部駅を11:04に発車した電車は、北陸自動車道と国道8号線の下をくぐるとすぐに割出駅に到着します。ここには窓口のある駅舎があり、業務委託駅となっていて駅員の配置もあるのですが、休日は無人です。
すぐに割出駅を11:05に出発した電車は、浅野川中学校のそばを通り、すぐに三口駅に到着します。
この駅も片面ホームの小駅です。電車は11:07にすぐに出発しました。
ここまでの途中駅はすべて片面ホームの駅ばかりですれ違いができないので、どうしたものかと考えますが、次の三ツ屋駅では列車交換が可能なのです。
三ツ屋駅は、相対式2面2線の構造ですが、駅舎はありません。ただし、ホーム上に待合室はあります。
反対側のホームにも内灘からの電車が到着し、列車のすれ違いができます。この駅を11:08分に発車した電車は、さらに浅野川の堤防のすぐ下を走ります。
次の大河端駅には、以前は変電所がありましたが、1500V直流になってからはここは倉庫のように使われているようです。
11:09に大河端駅を出た電車は、しばらく走って次の北間駅に停車します。ここも片面ホームしかなく、待合室があるだけの駅です。
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内灘駅前にはバス停もあります |
ここを11:11に出た電車は、右へカーブし、しばらくすると蚊爪駅に停車します。蚊爪駅のすぐそばには病院があります。
蚊爪駅を11:12に出た電車は、左にカーブし、広い道路と踏み切りで交差して、大野川鉄橋を渡ると、粟ヶ崎駅に到着します。
ここは、内灘町の領域となります。粟ヶ崎駅を11:14に出た電車は、しばらく走ると終点の内灘駅に到着します。
この駅には車両基地もあり、列車も留置しているけっこう大きい駅です。駅舎も立派ですし、駅員も常駐しています。
浅野川線の旅はこれで終わりですが、いくつか気づいたこともあります。
まず、前述したように、駅はきれいに整備されていて荒れた印象はないし、路線は金沢市の市街地を走り、電車は元京王の8000系電車を使っていて、悪くありません。ですからもっと利用者が多くないといけないはずなのに、客の入りは正直言ってイマイチのようです。モータリゼーションが乗降客の減少の最大の原因であることは否めませんが、それだけでは説明がつかないとも思われます。いったいどうしてなのか。これはひとつには駅の位置取りもさることながら駅の周囲の整備が悪いからではないかと思います。というのは駐輪場も駐車場も整備されていない駅も多いのです。また駅への案内も皆無です。
実際にたずねると、どこにあるのかわかりにくい駅ばかりで、地元の人以外はほとんど使えないような状態なのです。
まあ、通勤通学にしか使えないような路線ですから、せめて駅周辺の整備をしないと使いにくいと思います。
もうひとつ考えられるのはLRT化という手法です。これとても駅周辺の整備は不可欠でしょう。 |
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