●艦載砲 |
62口径76mm単装速射砲 |
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76o単装速射砲 |
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むらさめ級、あさぎり級、はつゆき級護衛艦に搭載されている62口径76o単装速射砲は、イタリアOTTメララ社製のベストセラー艦載砲です。日本では日本製鋼所がライセンス生産しています。
この砲は、砲塔内は無人で下部弾薬庫からの揚弾に兵員が3名必要となる半自動砲塔です。
対空、対艦両用で、射程は16,300m、発射速度は毎分85発です。 |
砲塔重量 |
約7.5トン |
発射速度 |
85発/分(最大) |
砲弾重量 |
6kg |
砲弾初速 |
約792m/秒 |
最大射程 |
約16,300m |
メーカー |
OTOメララ社 |
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73式54口径5インチ単装速射砲 |
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5インチ単装速射砲 |
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しらね級、はるな級、はたかぜ級、たちかぜ級護衛艦に搭載されている73式54口径5インチ単装速射砲は、アメリカ海軍が開発した艦載砲です。日本では日本製鋼所がライセンス生産しています。
操作要員は16名で、砲塔内に4名、換装室に2名、弾火薬供給所に10名(給弾手4名、給弾手1名が2組)が必要となります。即応弾数は40発となります。対空、対艦両用で、射程は23,000m、発射速度は毎分35発です。 |
砲塔重量 |
約67トン |
発射速度 |
35発/分(最大) |
砲弾重量 |
32kg |
砲弾初速 |
約807.7m/秒 |
最大射程 |
約23,000m |
メーカー |
アメリカ海軍 |
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54口径127o単装速射砲 |
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127o単装速射砲 |
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こんごう級及びたかなみ級護衛艦に搭載されている54口径127o単装速射砲は、イタリアOTTメララ社製の艦載砲です。
この砲は、砲塔内が無人で完全自動化がなされています。
対空、対艦両用であり、76o砲に比べて射程も24,000mと長くなっているが、逆に発射速度は半分程度に落ちています。 |
砲塔重量 |
約40トン |
発射速度 |
40発/分(最大) |
砲弾重量 |
32kg |
砲弾初速 |
約800m/秒 |
最大射程 |
約24,000m |
メーカー |
OTOメララ社 |
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Mk45. 62口径5インチ単装砲 |
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127o単装速射砲 |
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あたご級及びあきづき級護衛艦に搭載されている62口径5インチ(127o)単装砲は、アメリカ製の先進的艦載砲です。
この砲は、砲塔内が無人ですがガン・マウントへの装填は人力でおこなっていて、76mm砲と似たシステムです。
対空、対艦両用であり、OTTメララ社の127o砲に比べて射程も37,000mと長くなっているが、逆に発射速度は半分程度に落ちています。
ただし、砲弾はより重く、どちらかというと対地攻撃重視といえるでしょう。 |
砲塔重量 |
28.924トン |
発射速度 |
20発/分(最大) |
砲弾重量 |
31.75kg |
砲弾初速 |
1,051.6m/秒 |
最大射程 |
37,000m |
メーカー |
アメリカ海軍 |
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50口径3インチ連装速射砲 |
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50口径3インチ
連装速射砲 |
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この50口径3インチ連装速射砲は、「あきづき(初代)」、「やまぐも」、「みねぐも」、「あまつかぜ」、「ちくご」型の各護衛艦に搭載されていましたが、現在では退役しています。
弾薬の装填は砲尾部装填機に装填するまでを人力でおこない、以後の発射までの操作を機力で自動的に行いますが、射手や旋回手、照尺手、装填手など、総勢12名の砲員を必要とします。 |
重量 |
18t |
発射速度 |
約45発/分(1門あたり) |
最大射程 |
約11,700m |
最大高度 |
約8,190m |
俯仰角度 |
+85°〜-15° |
砲塔人員 |
有人 |
弾丸重量 |
約5.8kg |
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Mk.39 54口径5インチ単装砲 |
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54口径5インチ
単装砲 |
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この54口径5インチ単装砲は、アメリカ海軍の艦載砲システムで、新しい5インチ砲であるMk.16と、砲塔などの付随的システムによって構成される半自動砲システムである。
砲室は密閉式の角型砲塔で、防楯の外板は厚さ19ミリの鋼板である。操作要員は計16名、砲塔内に10名と給弾薬室に6名である。給弾薬室中央部には半自動式2筒型の揚弾筒が配置されており、電動・油圧によって上下します。
海上自衛隊では、「むらさめ」型(初代)および「あきづき」型(初代)護衛艦に搭載されています。 |
銃身長 |
54口径 |
発射速度 |
15〜18発/分 |
最大射程 |
23,690m |
初速 |
807.7m/s |
俯仰角度 |
+85°〜-10° |
砲塔人員 |
16名 |
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Mk.30 38口径5インチ単装砲 |
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38口径5インチ単装砲 |
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1930年代、アメリカ海軍では、副砲と高角砲を兼用できる新型の両用砲として開発されたのが本砲であり、1934年よりファラガット級駆逐艦に搭載されて装備化されたのち、駆逐艦級艦艇の主砲、あるいは大型艦の対空砲として広く搭載された。
海上自衛隊では、「あさかぜ」型、「ありあけ」型および「はるかぜ」型護衛艦に搭載されています。 |
口径 |
127mm |
銃身長 |
38口径 |
発射速度 |
12〜15発/分 |
最大射程 |
15,900m |
初速 |
762m/s |
重量 |
1,810kg |
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●艦対艦ミサイル(SSM) |
ハープーン対艦ミサイル |
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ハープーン
対艦ミサイル |
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ミサイル
寸法 |
全長 4.63m
全幅 0.914m |
重量 |
690kg |
射程距離 |
約124km |
飛翔速度 |
マッハ0.85 |
推進方式 |
A/B44G固体燃料ロケット・ブースタ
J402-CA-400ターボジェット・サステナ |
大半の護衛艦や潜水艦に搭載されているハープーン対艦ミサイルは、アメリカ製である。
このミサイルは、本来は航空機搭載用であったが、ブースターロケットを追加することで水上艦艇や潜水艦からも発射可能である。
水上艦艇では写真のような発射管から発射され、潜水艦は魚雷発射管からカプセルに入れられたものを発射、水面に到達してからロケットに点火する方式となっている。
発射されたミサイルは慣性誘導方式(加速計による飛行経路算定とジャイロによる姿勢制御)で目標まで飛行するが、目標命中直前にはアクティブレーダーホーミング式に切り替わり確実に敵艦めがけて突入するようになっている。 |
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90式艦対艦誘導弾 |
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90式艦対艦誘導弾 |
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ミサイル
寸法 |
全長 5.08m
全幅 1.19m |
重量 |
660kg |
射程距離 |
約150km |
飛翔速度 |
1,150 km/h |
推進方式 |
固体燃料ロケット・ブースタ
ターボジェット・サステナ |
1986年から開発が始まった国産対艦ミサイル。航空機搭載型の80式空対艦ミサイルがベースとなっており、これの推進方式をロケットからターボジェットに変更したものである。
海自艦艇に搭載される90式艦対艦誘導弾は、これまで使用していたハープーンミサイルとほぼ同寸であり、誘導方式や発射機なども互換性が高いためハープーンと置き換えて使用することも可能であろう。最近完成した艦艇や今後建造される艦には当ミサイルがハープーンの代わりに搭載されるようになっている。
このミサイルは、むらさめ級、たかなみ級、あたご級、あきづき級の各護衛艦やミサイル艇「はやぶさ」級に搭載されている。 |
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●艦対空ミサイル(SAM) |
スタンダードSAM |
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スタンダードSAM |
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SM-1MR |
SM-2MR |
SM-3ブロックU |
全長 |
4.48m |
4.7m |
6.55m |
重量 |
617kg |
708kg |
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射程 |
40km |
70km |
70〜500km |
米国ジェネラル・ダイナミクス(現ロッキード・マーティン)社で開発された対空ミサイルである。従来のSM−1タイプは、セミアクティブ・ホーミング方式で、艦上から発信されたレーダー波が標的から反射してくるのを受けてミサイルが誘導される。
そのため母艦からのレーダー波照射が必要なので、一度にせいぜい2発程度しか発射できなかった。
しかし、こんごう級に搭載されているSM−2は、慣性航法装置とデータリンク装置によって、母艦から最も効率の良い飛行コース指示が送られるために射程が長く、また命中直前だけ母艦からのレーダー波照射が必要なので多数の目標に対して同時攻撃が可能となっている。もちろんこれはイージスシステムが前提となる。
そのためもありイージス護衛艦「こんごう」型では垂直発射機Mk41VLSからの発射となっている。
現在の海自艦艇に搭載されているものは対空以外に対艦攻撃用としても使用できる改良型である。 |
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シースパロー短SAM |
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シースパロー短SAM |
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ミサイル寸法 |
全長 3.6m
弾体直径 0.2m |
射程距離 |
30km
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艦対空誘導弾(短SAM)8連装発射機シースパローは、個艦対空防御用の短SAMです。初期の段階では8連装ランチャーは、元々はアスロックSUMランチャーを流用したMk25が使用されていましたが、これは重量が大きいのでもっと軽い専用の8連装ランチャMk29が登場しました。
さらにむらさめ級(Mk41VLS)およびたかなみ級(Mk48VLS)ではVLS発射機を搭載していて、セルから発射するタイプになっています。
誘導方式は、セミアクティブレーダーホーミングです。 |
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ESSM |
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VLSから発射 |
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ミサイル寸法 |
全長3.8m
弾体直径0.25m |
射程距離 |
30km-50km
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ESSMは、アメリカのレイセオン社が開発した艦対空ミサイル。個艦対空防御用の短SAMです。
あきづき級およびひゅうが級ではMk41.VLS発射機を搭載していて、セルから発射するタイプになっています。誘導方式は、中間航程は 慣性航法装置および+COLOSでの自律航法も可能だが、終末誘導は
セミアクティブレーダーホーミングとなっています。 |
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SeaRam |
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SeaRam |
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ミサイル寸法 |
全長2.82m
弾体直径14.61cm |
射程距離 |
400m-16km
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RAMは、アメリカ合衆国とドイツが共同開発した近接防空ミサイルです。日本では「いずも」級護衛艦に初めて搭載されました。
RAMは、短射程で応答時間が速く、撃ちっ放し能力を備えた(すなわち艦上の誘導システムを必要としない)、対艦ミサイル防御(ASMD)用ミサイルとして開発されました。ASMDという用途から、発射直後の誘導はAN/SLQ-32電波探知装置による探知情報を元にしたパッシブ・レーダー・ホーミング(PRH)によって行い、赤外線センサーで目標を捕捉したあとは赤外線ホーミング(IRH)に切り替える方式が基本とされた。ただし天候が悪く、IRHによる目標捕捉が困難な場合は、全航程を通じてPRH誘導とすることもできる。射程は400m〜15kmとESSMと比べても短いのですが、近接防空システムとして見た場合は、むしろESSMに比べても優れていると言えます。 |
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●対潜兵器 |
アスロックランチャー |
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アスロック |
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魚雷寸法 |
全長2.2m
直径0.3m
重量約450kg
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射程距離 |
9km
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アスロック(Anti Submarine Rocket)は、対潜魚雷を標的直上に撃ちだしパラシュートにて着水させるシステムで、1960年代初頭から米海軍艦艇に搭載されるようになったものである。発射機に誘導装置等は無いが、着水後パラシュートを切り離した魚雷は通常のホーミング魚雷として動作する。
最新の護衛艦こんごう級やむらさめ級では垂直発射機(Mk41VLS)から発射されるようになったため、大型の発射機は不要となっている。 |
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71式ボフォースロケットランチャー |
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ボフォース
対潜ロケット |
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弾体寸法 |
全長3.2m
直径0.38m
重量約250kg
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射程距離 |
550m〜2,200m
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71式ボフォースロケットランチャーは、スウェーデンのボフォース社が開発した対潜ロケットである。「いしかり」、「ゆうばり」、「やまぐも」、「みねぐも」、「あまつかぜ」型の各護衛艦に搭載されていましたが、現在では退役しています。
4連装発射機(左図)から標的直上(もしくは標的の進行方向前方)に向けて爆雷を発射する装置である。誘導装置等は無いため4発のロケットを次々に発射して標的に致命傷を与える。
沈降する爆雷部分には近接信管が取り付けられており、命中せずとも標的近くであれば水中爆発をおこし、水圧による損害を与えるようになっている。 |
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ウェポン・アルファ/Mk.108発射機 |
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ウェポン・アルファ |
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ウェポン・アルファは、アメリカ合衆国が開発した対潜迫撃砲です。
「あきづき」(初代)型護衛艦に搭載されましたが既に退役しています。
ウェポン・アルファは、非誘導兵器であり、固体ロケット推進により空中を飛翔し、海中に落下後、目標潜水艦近傍にて炸裂します。ランチャーのMk.108発射機は、諸元入力の後、旋回・仰角は油圧により全自動で動作します。発射機下部にはリング状のマガジンがあり、縦向きに22発が装填されています。発射筒を垂直にし装填を行い、5秒ごとに1発を発射します。海上自衛隊は「あきづき」型護衛艦
(初代)より運用を開始しましたが、不発率が高く不評であり、艦によっては就役以来まともに発射できた記録がなかったと言われています。このことから、1979年までに71式ボフォース・ロケット・ランチャーに換装しています。 |
重量 |
10,324kg |
口径 |
324mm |
仰角 |
85度(最大) |
発射速度 |
12発/分 |
初速 |
85 m/s(飛翔) 11.5 m/s(沈降) |
弾頭速度 |
85 m/s(飛翔) 11.5 m/s(沈降) |
弾頭 |
爆雷 磁気信管 |
炸薬量 |
113kg HE |
推進剤 |
5.25インチ固体ロケット |
誘導方式 |
非誘導 |
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54式対潜弾投射機/ヘッジホッグ |
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ヘッジホッグ対潜迫撃砲 |
弾体寸法 |
口径178mm
重量約29kg
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銃砲身 |
24連装 |
射程距離 |
200m〜259m
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ヘッジホッグは、単純に海中投下するそれまでの対潜爆雷とは異なり、発射器より一度に24個の弾体を投射する、多弾散布型の前投式対潜兵器です。「対潜爆雷」の一種とされることが多いが、実際には初期の対潜迫撃砲というべきものです。起爆も爆雷とは異なり、水圧ではなく接触によって行われます。 「あまつかぜ」型ミサイル護衛艦に搭載されましたが既に退役しています。
ヘッジホッグは、スピガット・モーター式の迫撃砲を24連装に配した発射装置と、それに装填される弾体で構成されています。
これが発射されると着水時の衝撃によってまず一段目の信管が作動して爆発可能状態となり、着水後沈下する弾体が1発でも水中目標に命中すると、その爆発に寄って生じた水中衝撃波によって残りの弾体も信管が作動し、投射した弾体全てが誘爆します。このため、通常の対潜爆雷に比べて1発当たりの炸薬量は小さくとも、目標となった潜水艦は投射した弾体の炸裂に包まれることになるため、それまでの対潜爆雷に比べて総合的な命中率が高く、対潜水艦戦の飛躍的な向上をもたらしました。
最近では誘導魚雷の進歩により、ヘッジホッグの有用性が薄くなり、使用されることはなくなりました。 |
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68式3連装短魚雷発射管 |
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68式3連装
短魚雷発射管 |
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68式3連装短魚雷発射管は、対潜水艦用の短魚雷を発射する水上艦艇用発射管です。
護衛艦「きたかみ」以降に建造(改装)された護衛艦や駆潜艇などに搭載されています。
基本的に艦中央の両舷に設置されています。
米国製のMk32発射管を改良したもので、従前の長魚雷発射管のように横に並べた連装ではなく俵型(三角形)に積み上げた3連装として使用する甲板スペースの削減を図っています。
アスロックランチャーによる誘導魚雷を使用できる現在でも、発射管が軽量で安価であることから、発射可能な魚雷の改良や発射管の改良により、現在でもほとんどの護衛艦に搭載されています。 |
搭載魚雷
名称 |
速力 |
射程距離 |
最大深度 |
誘導方式 |
Mk44Mod1N魚雷 |
30ノット |
約5km |
約300m |
アクティブ・ホーミング. |
73式短魚雷 |
40ノット |
約6km |
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アクティブ・ホーミング. |
Mk46Mod5魚雷 |
45ノット |
約15km |
約750m |
アクティブ/パッシブ複合 |
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発射機重量 |
約1トン |
管直径 |
40.42cm |
発射空気圧 |
70〜140kg/cm2 |
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爆雷投射機 |
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爆雷投射機 |
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爆雷は、水中で爆発する水雷兵器の一種で、水上艦艇や航空機から海中に投下して潜航中の潜水艦を攻撃します。かつては主力対潜兵器として小型艦艇や航空機が装備していましたが、現代では対潜魚雷やそれを投下するミサイルに主役を譲り、機雷の処分や警告用など補助的に使われています。
投下されると重力に従って海中を自然沈降し、水圧や時間によって作動する信管により目的の深さで爆発し、その衝撃によって敵潜水艦に損傷を与えます。この方式は直撃しなくても潜水艦に損傷を与えて浮上や撃沈に追い込める反面、海水をかき乱して探知を難しくしてしまい、逃げられる可能性もあります。このため艦体への接触や音響・磁気に反応して信管が作動し、より確実な撃破を狙うタイプも存在します。
爆雷は、水上艦の場合、爆雷投下軌条、あるいは爆雷投射機によって水中に投下されます。海上自衛隊でも初期の護衛艦には搭載されていましたが、より効果が高く、射程の長いボフォース対潜ロケットやアスロックに取って代わられて、現在では水上艦艇では搭載されなくなりました。 |
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●魚雷 |
533mm魚雷発射管 |
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HU-606
魚雷発射管 |
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ハープーンUSM |
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89式魚雷諸元 |
魚雷寸法 |
全長 6,250mm
直径 533mm
重量 1,760kg |
射程距離 |
50km(40kt時)
39km(55kt時) |
炸薬量 |
267kg |
推進装置 |
斜盤機関 |
深度 |
900m |
誘導方式 |
アクティブ/パッシブ
音響ホーミング
+有線誘導 |
533mm魚雷発射管は、対水上艦艇、および対潜水艦用の長魚雷を発射する潜水艦用発射管です。これまでの潜水艦には必ず搭載されています。
基本的に艦首に設置されています。以前の潜水艦は艦尾にも魚雷発射管を持っていたものですが、それは潜水艦の潜航時の運動性が低いために背後の敵を攻撃する必要があったためで、最近の潜水艦は水中での運動性が高いため、前方への攻撃のみを考慮すればよくなったということです。
魚雷発射管から発射する兵器として、魚雷の他にハープーンUSMもあり、多目的に利用できる兵装です。
「そうりゅう」型潜水艦では、HU-606魚雷発射管を6門搭載しています。
最新の「そうりゅう」型、および「おやしお」型では89式魚雷及びハープーンUSMを発射します。 |
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●機関砲 |
高性能20mm機関砲/CIWS |
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20mmファランクス |
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弾倉 |
ベルト給弾方式 |
発射速度 |
3,000発/分 |
最大射程 |
4,000m |
有効射程 |
1,500m |
最大仰角 |
85° |
銃身冷却方式 |
空冷
油圧駆動回転による |
対艦攻撃装備としてミサイルが主力となった現在、艦へ接近する対艦ミサイルを迎撃する最後の手段として装備される近接兵装システム(この頭文字を取ってCIWS(シーウズ)と呼ばれる)。
海自艦艇が搭載しているのは米海軍が開発した20ミリ多銃身機関砲搭載のファランクスと呼称されるもので、捜索・追尾レーダー、射撃指揮装置、多銃身機関砲が一体となっており、上部のドーム状部分にレーダーと指揮装置が、下段箱状部に多銃身機関砲ときょう体を動作させる駆動部分が入っている。
多銃身機関砲は6つの20ミリ機関砲を束ねたもので、機械式に回転させ強制的撃発を行うことで毎分3000発というスピードで砲弾を吐き出す。射撃指揮装置は完全自動化されており、脅威が近づくとコンピュータにより標的を判断し、より脅威となる標的を優先して射撃を行うようになっている。 |
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ボフォース 40mm機関砲 |
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40mm機関砲 |
発射速度 |
330/分 |
最大射程 |
12,500m |
有効射程 |
10,000m |
最大仰角 |
80° |
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ボフォース40mm機関砲は、1930年代初頭にスウェーデンのボフォース社が開発した対空機関砲です。
第二次世界大戦時における最も有名な対空兵器のうちの1つとされ、戦間期に盛んに各国に輸出され、イギリス、アメリカ、ポーランド、ハンガリー、ソ連、大日本帝国などではライセンス生産も行われ、連合国側、枢軸国側両方で使われています。
特にアメリカ海軍の艦艇に搭載された対空兵器の中で最も多くの航空機を撃墜したと言われています。艦載に加え、地上設置型も広く使用されています。一部には航空機に搭載されたものもあります。
戦後も主に西側諸国で使用され、70口径に長砲身化され、新しい管制システムを付加した戦後型も作られています。フランス、カナダ、オーストラリア、ノルウェーでは、現在も一部で使用され続けています。また、アメリカ、イギリスにおいても最近まで防空用として使用されていました。
日本では「ちくご」型護衛艦、「みうら」型輸送艦に搭載されていましたが、既に退役しています。 |
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多銃身式20ミリ機関砲 |
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20mm機関砲 |
発射速度 |
450発/分 |
最大射程 |
4,500m |
有効射程 |
1,500m |
最大仰角 |
85° |
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多銃身式20ミリ機関砲は、アメリカ合衆国のゼネラル・エレクトリック (GE) 社が開発したM61バルカン(20mmガトリング砲)を基に開発されています。
M61は、航空機関砲や艦艇・地上部隊用の低高度防空用機関砲として世界的ベストセラーとして各国で採用されています。
日本でも既に航空機関砲型のM61A1をJM61Aとしてライセンス生産して支援戦闘機に搭載していましたが、これをもとに開発された人力操砲式の艦載版が多銃身式20ミリ機関砲JM61-RFSです。
この砲は、赤外線捜索監視装置との連接により、目標追尾型遠隔操縦機能(RFS)を備えています。
この砲は、輸送艦「ゆら」型、1号艇型ミサイル艇、掃海艦「やえやま」型、掃海艇「はつしま」型の「うきしま」以降、「うわじま」型、「すがしま」型、「ひらしま」型、「えのしま」型、輸送艇「1号」型のほかに海上保安庁の巡視船にも搭載されています。 |
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●電子戦兵器 |
チャフ・ロケット発射機 |
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チャフ・ロケット
発射機 |
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チャフ・ロケット発射機は、レーダーホーミングの対艦ミサイルから艦を防御する兵器です。
本装置は、ミサイルが接近すると、ロケットにて射出され、空中で炸裂しアルミ箔をばら撒きます。
対艦ミサイルのレーダーは、このアルミ箔の雲と目標艦が識別できずにアルミ箔の雲に突入し、結果としてミサイルを外させるのです。 |
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自走式デコイ/MOD |
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自走式デコイ
ランチャー |
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「あきづき」型で初採用となった自走式デコイランチャー(MOD)は、発射管から魚雷によく似た自走式デコイを発射します。デコイは迫り来る敵の魚雷に対して音響的欺瞞を実施しながら自走することで誘引、誤爆を誘います。
手順としてはFAJジャマーが妨害音響で敵魚雷の音響センサーを妨害し、ジャマーによって目標を見失った魚雷を、MODデコイへ誘導して誤爆させます。
最新のヘリコプター搭載護衛艦である「いずも」型にも搭載されています。
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投射型静止式ジャマー/FAJ |
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投射型静止式
ジャマーランチャー |
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「あきづき」型で初採用となった投射型静止式ジャマー(FAJ)ランチャーは、敵の魚雷が接近してくる場合にFAJ(Floating Acoustic Jammer)を海面に向かって発射します。FAJは海面を浮遊しながら妨害音を発することで敵の魚雷に対し音響的な妨害・欺瞞を行います。
最大投射距離は約1000m、妨害作動時間は約7分間となっています。
最新のヘリコプター搭載護衛艦である「いずも」型にも搭載されています。
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レーダー |
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レーダー |
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マスト中間にある大きなアンテナは、OPS-14対空レーダーで、その上のやや小さいアンテナがOPS-28対水上レーダーである。
OPS-14は、国産のECCM(Electronic Counter Counter Measures]能力の高い中小型鑑定用のオールトランジスター・レーダーで、1970年より使用を開始している。周波数アジリティ方式の採用、改良アンテナ、固定目標消去機能を持ち、捜索能力が向上されている。アンテナの形状は、典型的なコセカント2乗シータアンテナである。また、IFFは付いていない。発達型にOPS-14-BおよびOPS-14-Cがあり、あさぎり型の搭載レーダーは、発展型である。
OPS-28は、護衛艦「しらね」型に搭載するために開発された対水上レーダーで、シースキマー性に優れた対艦ミサイルを水平線付近で検出する能力を備えている。
アンテナは、パラボリックシリンダ型導波管スロットアレイである。-1型、-B型、-C型、-D型があり、-1型以外はIFFアンテナがアンテナ本体に組み込まれている。開発・製作は日本無線である。
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