はりまや橋駅は、高知県高知市はりまや町一丁目および南はりまや町一丁目にあるとさでん交通桟橋線の駅です。
後免線、伊野線、桟橋線の3路線が乗り入れ、東西の路線(後免線・伊野線)と桟橋線がはりまや交差点上で平面交差する交通上の要衝となっています。軌道線で、このように十字に交差している駅は、全国でも唯一ここだけです。以前は富山市内軌道線の西町駅も同様の構造でしたが、現在は三叉路になっています。
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はりまや橋駅 伊野線ホーム |
このように大変珍しい十字型に交差したはりまや橋駅ですが、現在の形になるまでの経緯は結構複雑です。
はりまや橋駅が開業したのは1908年(明治41年)となります。まず開通したのは東西の路線で、とさでん交通の前身土佐電気鉄道により伊野線の堀詰から後免線の下知までの区間が開通したのに合わせて後免線と伊野線の停留場が開設されています。なお、桟橋線についてはこの時すでに開通していたものの、当時接続していたのは隣の堀詰でした。それから当地に南北の路線が通じるようになったのは1928年(昭和3年)のことです。まず2月に高知駅前からはりまや橋まで、次いで8月にはりまや橋から潮江橋までの区間が開通しました。これに伴い堀詰で分岐して潮江橋までを結んでいた旧線は廃止され、堀詰に代わってはりまや橋が各線の接続点となったわけです。
はりまや橋駅は併用軌道上に設置されていて、はりまや交差点の上に軌道が敷かれています。交差点から東に後免線、西に伊野線、南北に桟橋線の複線軌道が通じ、東西方向と南北方向の路線は平面交差しています(ダイヤモンドクロッシング)。
互いの路線は単線の連絡線で結ばれ、各方向とも平面交差の手前から左折により転線が可能となっています。このうち交差点の北、桟橋線上り(駅前線)方面からは左折して東行きの後免線に転線できるだけでなく、右折して西行きの伊野線にも転線できるよう連絡線が敷かれています(かつては全方向に右折軌道が敷かれていたが、1951年までに撤去)。転線した先には各方向とも渡り線が設けられています。
のりば |
西側ホーム(伊野線・御免線) |
1番乗り場 |
後免線 文珠通・領石通・後免町方面 |
2番乗り場 |
伊野線 鏡川橋・朝倉(高知大学前)・伊野方面 |
南側ホーム(桟橋線) |
3番乗り場 |
桟橋線 高知駅前方面 |
4番乗り場 |
桟橋線 桟橋通五丁目方面 |
ホームは交差点の西側と南側にそれぞれ2面ずつ設置され、いずれも2本の線路を挟んで向かい合わせに配される相対式ホームとなっています。交差点西側にあるのが後免線・伊野線の乗り場で、線路の北側が後免線後免町方面行きの1番乗り場、南が伊野線伊野方面行きの2番乗り場。後免線と伊野線は当停留場を起終点とするが、大半の電車が直通運転を行っています。また出入庫運用や伊野線と高知駅前方面間で桟橋線との直通運転も行います。いっぽう交差点南側にあるのが桟橋線の乗り場で、線路の西側が高知駅方面行きの3番乗り場、東が桟橋方面行きの4番乗り場となっています。どのホームにも上屋が設置され、電車が2両停車可能となります。
かつては2番乗り場が交差点の東側に置かれていましたが、2005年に上記の右折西行きの連絡線を新設する工事に合わせて西側へ移設されています。なお旧来の2番乗り場はそのまま、それまで伊野方面行きの乗り場が存在していなかったデンテツターミナルビル前駅の乗り場に転用されています。 |