JR東日本・浦和駅
浦和(うらわ)
宇都宮線・高崎線    赤羽  浦和 さいたま新都心
湘南新宿ライン    赤羽     大宮
京浜東北線   北浦和 南浦和
所在地 埼玉県さいたま市浦和区高砂一丁目16-12
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
駅構造 地上駅(橋上駅)
ホーム 3面6線
乗車人員 88,213人/日(2023年)
開業年月日 1883年(明治16年)7月28日
乗入路線 3路線
所属路線 宇都宮線・高崎線(東北本線列車線)
駅番号 JU05 
キロ程 24.2km(東京起点) 
所属路線 湘南新宿ライン 
駅番号 JS23
所属路線 京浜東北線
駅番号 JK43
キロ程 24.2km(東京起点)
駅種別 直営駅(管理駅) みどりの窓口
浦和駅
浦和駅
駅名標
駅名標
浦和駅(うらわえき)は、埼玉県さいたま市浦和区高砂一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)東北本線の駅である。
埼玉県庁舎およびさいたま市役所の最寄り駅であり、合併以前に県庁所在地であった旧浦和市(浦和地区)の中心駅として、JTBパブリッシングや交通新聞社の時刻表における名目上の県・市の代表駅である。一方で駅規模や利用者数の観点では多数の新幹線や在来線が乗り入れる大宮駅が実質的な県内最大のターミナル駅である。旧大宮市に位置する大宮駅周辺が鉄道・商業の街なのに対して、当駅周辺は埼玉県庁やさいたま市役所、さいたま地方裁判所、埼玉県警察本部などの公的機関が集積しており、県政・市政の中心地となっている 。1883年に上野駅と熊谷駅を結ぶ県内初の鉄道である日本鉄道(現在の高崎線)の開通と同時に開業し、さいたま市内で最も古い駅であると同時に、県内でも上尾駅、鴻巣駅、熊谷駅と並んで最も古い駅の一つである。そのため駅の開業は県内の代表駅である大宮駅よりも古い。
浦和駅周辺の人口増加に伴って、京浜東北線には1936年に北浦和駅、1961年に南浦和駅が設置され、1985年には埼京線の開業により武蔵浦和駅・中浦和駅が開設された。当駅2キロ圏には5つの駅が存在することになり、駅周辺から東京方面へ通勤する乗降客は比較的分散している。一方で県・政令指定都市の代表駅として、ほぼ同等の人口を有する政令指定都市の代表駅である広島駅や仙台駅といったターミナル駅と同等ないしそれ以上の乗員数を記録している。
駅の所在する場所は当時の中山道の宿場町である浦和宿の東はずれにあり、台地の縁にあたる部分に建設されたため、1階分の東西の高低差が生じている。また、開業当時は現在の県庁通りはまだなく、駅に通じるメイン通りの停車場線として現在のさくら草通りが開通し、バスなどが乗り入れていた。その後の再開発により、駅に通じる西口メイン通りは県庁通りとなった。現在は駅南側に東西を結ぶ4車線道路として田島大牧線の工事が進んでいる。
大宮駅ほどではないが駅周辺は伊勢丹浦和店や浦和パルコなど商業施設も多く集積し、後述の通りアトレ浦和の増床部等となる駅ビル「JR浦和駅西口ビル」が開業した。駅から離れた国道17号沿いには埼玉りそな銀行本店やNTT東日本-関信越などの本社オフィスが建ち並び、さらにその外周地区は高級住宅地として知られる。関東大震災後に多数の文化人が当地に移住した。

乗り入れ路線

乗り入れている路線は、線路名称上は東北本線単独駅であるが、当駅には電車線を走る京浜東北線電車、列車線を走る宇都宮線・高崎線(大宮駅より分岐)、東北貨物線を走る湘南新宿ラインの列車が停車する。また、当駅には「URW」のスリーレターコードが付与されている。
  • JU 宇都宮線・高崎線:宇都宮線は東京駅 - 尾久駅 - 大宮駅を経て小山駅・宇都宮駅方面に、高崎線は大宮駅から分岐して熊谷駅・高崎駅方面を結ぶ中距離電車。上野駅発着列車と、上野駅・東京駅経由で東海道線に直通する上野東京ラインがある - 駅番号はJU 05。
  • JS 湘南新宿ライン:東北本線の東北貨物線(通称)を走る中距離電車。新宿駅を経由し、大宮駅方面(北行)の宇都宮線・高崎線と横浜駅方面(南行)の東海道線・横須賀線を相互直通運転 - 駅番号はJS 23。
  • JK 京浜東北線:東北本線の大宮駅以南で主に各駅停車運転する通勤電車。横浜駅から根岸線への直通運転も実施 - 駅番号はJK 43。

ホーム 浦和駅前
ホーム 浦和駅前
233系1000番台 ホーム
233系1000番台 ホーム

駅構造

島式ホーム3面6線を有する高架駅。ホーム有効長は1・2番線が10両編成分、3・4・5・6番線が15両編成分。5・6番線は1・2・3・4番線より一段高い位置に設けられている。以前は元々高架だった貨物線に圧迫されるように地平ホームが所狭しと並ぶ駅であったが、浦和市(現:さいたま市)による駅周辺再開発事業の一環として隣接する建築物ぎりぎりまでの土地の拡張と貨物線ホーム(5・6番線)新設を含む全面高架化工事が行われ、周囲の大小の商業・業務ビルに挟まれた手狭な土地を最大限に利用しつつ、コンパクトにホームを配置した都心部の高架駅の様相を呈している。新たに高架化された1 - 4番線は、既存高架(を延長した)5・6番線よりも半階分高さが下回る位置に作られている。5番線の縁(4番線との境)には視界を遮る柵が設けられており、日照(3・4番線ホームが薄暗くならない)と安全性、覗き見防止の3点が同時に配慮されている。このホーム高架化に合わせて乗り換えコンコースとホームとの間には階段に加え、エスカレーター、エレベーターが設置された。ホーム下に乗り換えコンコースを有し、コンコースの南側に中央改札口が、また2015年11月にはコンコースの北側にICカード専用のアトレ北口改札が設置された。
中央改札口の外に駅の東西を連絡する幅25mの自由通路が設けられており、西口と東口の高低差を埋めるため改札を出て西口側には上り階段とエスカレーター、エレベーターが設けられている。中央改札口横にみどりの窓口がある。2019年11月30日まではびゅうプラザが併設されていた。改札外に1か所、改札内に1か所コンビニエンスストアNewDaysが設けられているほか、改札内コンコースに飲食店などが出店している。直営駅で、浦和東営業統括センターの所在駅。管理駅として武蔵野線三郷駅 - 南浦和駅と京浜東北線川口駅 - さいたま新都心駅を管理する。
駅の外観としては、すでにほぼ完成している駅の東側は駅前広場に面する部分がエメラルドグリーンの全面ガラス張りとなっている。駅西口に関しては、7階建ての駅ビル「JR浦和駅西口ビル」(アトレ浦和の増床部等として2018年3月16日に開業)に隠される形となるためホームは防風壁で覆われている。駅ビル南側にはホテルメッツ浦和があり、駅直結のビジネスホテルとして機能している。
工事開始以前の当駅は島式ホーム2面4線を有する地上駅だった(貨物線は旅客線の斜め上を高架線で通過)。東北貨物線が西口駅舎と東北旅客線の間を地上2階の高さで通過している構造上乗り換えのための跨線橋を造ることが困難であり、JRの地上駅としては珍しく跨線橋ではなく東西両駅舎を結ぶ地下通路が各ホームへの連絡を行っていた。そのためもあり跨線橋に比べ乗り換え通路の拡幅工事が容易ではなく、結果として1960年代に整備された駅構造を2000年代まで保つこととなり、増える旅客需要やバリアフリーの要求に応えることが難しくなっていた。また貨物線の直下に西口駅舎から地下通路に向かう階段が位置することや狭隘な土地条件から貨物線にホームを新設することができず、2013年3月16日のダイヤ改正まで湘南新宿ラインは当駅に停車しなかった。

のりば

番線 路線 方向 行先
1 京浜東北線   南行 南浦和・上野・東京方面
2 北行 北浦和・与野・大宮方面
3 宇都宮線(東北線)  上り  赤羽・東京・横浜・大船方面
高崎線 
上野東京ライン 
4 宇都宮線(東北線)  下り  大宮・小山・宇都宮・熊谷・高崎方面
高崎線 
5 湘南新宿ライン  南行 赤羽・新宿・横浜方面 
6 北行 大宮・宇都宮・高崎方面 
  • 西口の方が旧浦和宿に近く、乗降客も多いが、東側から順にホームを増設していった歴史的経緯もあり東口側が1番線である。
  • その他、当駅の2番線の方面表記は高架化後もさいたま新都心駅開業以前からの「北浦和・与野・大宮方面」で統一され、中距離列車の停車するさいたま新都心駅は方面表記に入っていない。
  • 4番線の方面表記では地上駅時代から引き続き「小山・宇都宮・高崎・前橋方面」と表記され、宇都宮線・高崎線の東京近郊区間では珍しく大宮駅や熊谷駅の記載がない。一方で2013年に開設された湘南新宿ライン6番線ホームでは「大宮・宇都宮・高崎方面」と表記され、4番線との統一が図られていない。なお、国鉄時代以来駅高架化までホーム柱に掲げられていたホウロウ板に残っていた日光や黒磯などの方面表記はなくなっている。

歴史

  • 1883年(明治16年)7月28日:日本鉄道が上野駅 - 熊谷駅間を開業した際に開業。開業から間もない頃は2面3線の地上駅であった。
  • この際、当駅は旧浦和宿の中心ではなく、埼玉県庁に近い宿場町南東側の外れに設けられた。
  • 1890年(明治23年)12月:赤羽駅 - 大宮駅間複線化。
  • 1906年(明治39年)11月1日:鉄道国有法により国有化。
  • 1909年(明治42年)10月12日:線路名称制定により東北本線の所属となる。
  • 1916年(大正5年)7月:鳩ヶ谷方面への乗合バスが運行開始(現在は運行していない)。
  • 1921年(大正10年)8月:志木・大門方面へのバスが運行開始(現在も運行)。
  • 1930年(昭和5年)12月27日:東口が開設される。
  • 1931年(昭和6年)12月1日:東北本線蕨駅 - 与野駅間の貨物線2線が増設され複々線化。貨物線は当駅にホームを設置しなかった。
    • この頃、当駅は西口と東口にそれぞれ木造の駅舎を構え、その間を地下通路でつなぐ構造になっていた。現在西口の階段があるところが開業時の本屋側ホーム跡であったが、ここを走る貨物線には列車が停車しないため、木製の柵が設けられていた。また、戦前までは通称第一踏切が東西を結んでいたが、戦後交通量増大で廃止された。
  • 1932年(昭和7年)9月1日:東北本線電車(現在の京浜東北線)が大宮駅まで延伸開業し、当駅を含む区間で運行を開始。1968年まで東北本線列車(高崎線列車含む)のほとんどが当駅を通過するようになった。1968年の東北本線6線化まで、京浜東北線電車と東北・高崎線の中・長距離列車が同じレール上を走っていた。また、当駅南西に貨物駅が併設されており、貨物駅の配線が西口駅舎ぎりぎりまで伸びていた。この場所は現在東北貨物線が高架でまたいでおり、そのガード下に保線区が設けられている。昭和5年度の乗車人員は全国有鉄道中17位の中枢駅であったことから、埼玉県議会は鉄道大臣に停車の請願を行った。
  • 1960年(昭和35年)1月16日:貨物取り扱いを廃止する。現在も貨物駅の名残りとして当駅至近に浦和郵便局(現・浦和中郵便局)が所在する。
  • 1967年(昭和42年)10月20日:東北本線赤羽駅 - 与野駅間6線化に備え、西口駅舎を改築。2012年まで存在した2階建て西口駅舎が竣工する。
  • 1968年(昭和43年)9月25日:東北本線赤羽駅 - 与野駅間に電車線2線が増設され6線化。京浜東北線電車と東北・高崎線列車が初めて分離される。早くから市街化が進んでいた当駅周辺では新たな2線分の土地を確保できず、貨物駅のあった土地に高架の新設貨物線を通し、旧来貨物線として使われていたスペースに東北線列車(高崎線列車含む)を通したため、地上を走る電車線、旅客線と西口駅舎背後を高架で走る貨物線という状況となった(いわゆる「通勤五方面作戦」の一環)。
  • 1968年(昭和43年)10月1日:東北旅客線にホームを新設。朝夕ラッシュ時のみ中距離列車が停車を開始。
  • 1982年(昭和57年)11月15日:中距離列車の終日停車を開始。
  • 1986年(昭和61年)11月1日:荷物扱い廃止。
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅となる。
  • 2001年(平成13年)11月18日:ICカード「Suica」の利用が可能となる。
  • 2003年(平成15年)10月26日:高架化工事に伴い東北本線下り線を移設。開業以来市街地が駅によって東西に分断されていたことや、構造上停車できなかった湘南新宿ラインを停車させることを理由に高架化工事が開始。湘南新宿ラインの停車ホームを捻出するため、京浜東北線の東側に高架建設用の用地を確保し1線ずつ東側へずらす方法が採られた。まず高架化工事前に、東北旅客線ホーム南側にあった保線機械用の留置線を撤去し、列車線と京浜東北線のホームと線路を西へ移設するための線路切り替えを行い、東側用地の捻出を完了させた。
  • 2004年(平成16年)
    • 2月23日:高架化工事に伴い東北本線上り線を移設。
    • 5月30日:高架化工事に伴い京浜東北線北行き線路を移設。
    • 11月28日:高架化工事に伴い京浜東北線南行き線路を移設。
  • 2007年(平成19年)1月14日:京浜東北線の東側に高架線路とホームを建設し、京浜東北線南行(1番線)を新設の高架線に移設。
  • 2008年(平成20年)5月18日:旧南行線上に高架線路を建設し、京浜東北線北行(2番線)を新設の高架線に移設。これにより京浜東北線高架ホームが完成。県内の京浜東北線では初の全面高架駅となった。
  • 2009年(平成21年)12月20日:旧北行線上に高架線路とホームを建設し、東北旅客線(宇都宮線)上り(3番線)を新設の高架線に移設。
  • 2011年(平成23年)3月6日:旧上り線上に高架線路を建設し、東北旅客線(宇都宮線)下り(4番線)を新設の高架線に移設。これにより東北旅客線高架ホームが完成。
  • 2012年(平成24年)
    • 春:東北貨物線(湘南新宿ライン)の5・6番線ホームを施工開始。
    • 7月8日:旧下り線上に高架線路を建設し、東北貨物線南行を新設の高架線に移設。
  • 2013年(平成25年)
    • 3月16日:駅周辺高架化工事完了に伴い、東北貨物線にホームを新設。湘南新宿ラインと東武鉄道直通特急「日光」・「きぬがわ」・「スペーシアきぬがわ」、また大宮駅始発・終着で運転される臨時「スーパービュー踊り子」が停車となる。また同日にはこれを記念して浦和駅 - 熱海駅間に団体臨時列車「湘南新宿ライン浦和駅停車記念号」が253系を用いて運転された。高架下では幅員25m・長さ約50mの東西自由通路が開通し、東西にあった改札が駅中央に集約されたほか、幅員約4mの仲町地下道が平面化され10mに拡幅された。さらに東西自由通路が南北2か所に新設され、3か所の東西自由通路が開通した。駅南側で鉄道と交差する埼玉県道さいたま草加線(都市計画道路田島大牧線)も高架より東側の幅員が25mに拡幅された。
    • 7月20日:開業130周年を前に、浦和駅 - 横川駅間に団体臨時列車「浦和駅開業130周年記念号」が485系ジョイフルトレインNO.DO.KA.を使用して運転される。
    • 7月28日:開業130周年を迎え、浦和駅の記念入場券等が発行される。
  • 2014年(平成26年)12月:東口駅前交通広場の整備が完了。
  • 2015年(平成27年)11月25日:西口高架下商業施設「アトレ浦和」(South Area・North Area)が開業。
  • 2017年(平成29年)
    • 3月12日:JR東日本が進める省エネルギーや再生可能エネルギーなどの環境保全技術を駅に導入する取り組み「エコステ」を県内初めて浦和駅に導入。国内の鉄道駅で初めてエネルギーマネジメントシステムを導入する 。同時に太陽光発電パネルなども設置する予定である。
    • 10月21日:京浜東北線ホームでホームドアの使用を開始。
  • 2018年(平成30年)3月16日:西口駅ビル部分「浦和アトレ West Area」が開業。伊勢丹浦和店方面への地下通路「浦和駅中ノ島地下通路」が完成。
  • 2019年(令和元年)11月30日:この日をもってびゅうプラザが営業を終了。