労働組合の資格審査について

資格審査とは
わが国では、労働組合は自由に設立することができます。したがって、労働組合を設立してもどこへも届け出る必要はありません。
ただし、労働組合が労働組合法の定める手続きに参与したり、救済を受けるためには、一定の資格要件を備えていなければならないことになっています。
この資格の有無を審査することを労働組合の資格審査といい、次の場合には、その都度、資格審査を受ける必要があります。
これについては、労働組合法第2条および第2項、第5条に該当する事が必要である。 
 不当労働行為の救済申立てをする場合
 労働委員会の労働者委員候補者を推薦する場合
 法人登記をするために、資格証明書の交付をうける場合
 労働協約の拡張適用の申立てをする場合
 職業安定法で決められている無料の労働者供給事業の許可申請を行う場合等
 
資格審査の方法について 
労働組合が資格審査を受けるには、資格審査申請書と立証資料を上記のそれぞれの手続きについて管轄権を有する労働委員会に提出します。当該労働委員会は公益委員会議において、労働組合が自主的な組合であるか、民主的な組合としての規約を備えているかなどの要件について審査し、法に定める要件に適合していると判断される場合には、適格である旨決定し、資格決定書の写し又は資格証明書を交付します。
労働協約の拡張適用
ある地域で働く同種の労働者の大部分が一つの労働協約の適用を受けるに至ったとき、その労働協約の当事者双方又は一方の申立てに基づき、労働委員会の決議により、労働大臣又は都道府県知事は、その地域の同種の労働者と使用者もその労働協約の適用を受ける旨の決定をすることができます。これは「労働協約の地域的拡張」と呼ばれている制度で、労働組合法第18条に定められています。