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孫次山砦への入口 |
孫次山砦は、富山県砺波市増山にある山城です。この孫次山砦は増山城の北にある亀山城と谷を挟んで東に位置する標高127.8mの丁字状の尾根上にあります。
増山城の支城群の一つであり、増山城の弱点である北側を守るために築城されたものだと思われますが、詳細は不明です。
いつ頃築城されたのかもよくわかりませんが、行動としては中世山城の構造で特段の仕掛けも見あたらず、増山城と同時期以降に築城されたのではないかと思われます。築城したのは誰なのかも不明ですが、おそらくは神保氏ではないかと。
西側にある亀山城とは尾根伝いに連絡していたものと思われますが、現在ではここを通るのはちょっと勇気が必要です。
無理やり通れば通れそうな気もしますが・・・。
孫次山砦は、東側と西側に郭群が分かれていてその間には、堀切があり、一城別郭の城だと考えることもできるでしょう。
今回探索したのは、東側の郭群だけです。
林道から、狭いけもの道のような通路を北に進むとしばらくして左側に竪堀とその手前に階段状の通路があるのでそこを登っていきます。すぐに左側に帯曲輪がありますが、この帯曲輪は規模が小さく当時もたいした建造物があったとは思えず、せいぜい監視所程度でしょうか。さらに階段を登ると左側に再び帯曲輪がありますが、ここは最初のものに比べて広い曲輪で建造物もたぶんあったのだろうと思われます。階段の右側には竪堀が切られていて、横への移動を妨げる役目をしていたのだろうと考えられます。
さらに上に登ろうとしますが、実は階段が途中でとぎれていて、しかもかなりの急勾配だったので、とりあえずそれ以上の探索は断念して引き返しました。ただし、上部にある程度の削平地があることは推定できましたので、次の探索では上部まで登城することとします。それにしても階段が途中でとぎれているのはどうしたものか。
この孫次山砦は、増山城の支城群としてその北側を守備していますが、これ自体もかなりの急勾配の山上にあり、攻めるのはかなりの困難が予想されますし、ここを攻めるのに固執すると背後の亀山城から反撃を受けるとか、援軍が来るとかで、なかなか思うに任せないようです。この増山城支城群の存在のおかげで、増山城本城は攻めるに難しい城だと言えるでしょう。
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東側の竪堀 |
通路はかなり細いので注意してください |
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東側の谷 |
こんなところに水源が |
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この谷の部分は当時は何かに使っていたのか |
この水源のダムは、いつ築かれたのか |
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ここから砦に登城します |
この階段はかなり急です |
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階段の途中に狭いが帯曲輪がありました |
階段の右側には竪堀が走っています |
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竪堀は明瞭に残っています |
竪堀は明瞭に残っています |
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また帯曲輪がありますが、こちらは広いですね |
ここが登城道とすればかなり急ですね |
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下部の帯曲輪です |
なぜか階段が途中でとぎれているのです |
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階段が・・・ |
この帯曲輪はかなり広いですね |
さて今回の探索は、前回断念した主郭部分へのアプローチを敢行しました。前回の階段の消失部分から一気に駆け上って主郭に突入しました。この地点は山頂に当たり、標高127.8mとなります。
さて主郭部分を探索しましたが、どうも大規模な建物を建てるにはスペースが狭くて、少なくとも兵が常時駐屯するような砦ではないように思われました。詳しい発掘調査などが行われたとは聞いていませんが、これだとせいぜい小規模な掘立柱建物があっただけで、大兵力が駐屯することはできないでしょう。たぶん監視所程度ではないかと思われます。
ですからこの砦は非常時に亀山城から尾根伝いに兵が移動してきて詰めるという城でなかったかなと想像されます。
ただ、東側の斜面は極めて急勾配で駆け上るのは難しく、竪堀が切られていて横方向への移動も難しいので、少なくとも東側から攻めるのは無理でしょう。比較的傾斜が緩やかなのは亀山城との中間にある西側斜面ですが、ここへ入ると亀山城側からも標的になり袋のネズミになってしまいそうで、これも厄介です。実に上手く縄張りされていて相互に弱点をカバーするように設計されているわけです。しかもこの支城群に気を取られすぎていると増山城本城から背後を襲われる危険もあります。
まあ、実際に攻撃するときは北側から東側から攻めることになるでしょうが、被害が大きくなりそうです。
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主郭部分に到達しました |
この主郭は狭いのでたいした建物はなかったでしょう |
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この砦は非常時に使用される詰めの城でしょうね |
何とニホンカモシカがいました |
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さらに主郭を西側に進みます |
主郭部分はバナナのように屈曲しています |
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主郭から伸びている尾根伝いの通路かな |
しかしここに大規模な建物は建てられそうもないです |
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櫓台跡がありその間に堀切がありました |
堀切の底です |
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住所 |
富山県砺波市増山字孫次山 |
形式 |
連郭式山城 (標高127.8m/) |
遺構 |
曲輪、土塁、竪堀 |
築城者 |
不明 |
施設 |
特にない |
城主 |
神保氏 |
駐車場 |
無料 |
築城年 |
不明 |
文化財 |
国史跡(増山城跡) |
廃城年 |
元和元年(1615)以前 |
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