宇都宮ライトレール宇都宮芳賀ライトレール線 |
宇都宮ライトレール宇都宮芳賀ライトレール線の概要
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HU300形ライトライン |
宇都宮芳賀ライトレール線は、栃木県宇都宮市の宇都宮駅東口停留場と同県芳賀郡芳賀町の芳賀・高根沢工業団地停留場を結ぶライトレール路線です。
旅客案内上は会社名と同じ「宇都宮ライトレール」のほか、「芳賀・宇都宮LRT」の名称も用いられています。またLRT車両の愛称である「ライトライン」も一部で路線愛称として使用されています。
宇都宮ライトレールは、通常の鉄道路線より輸送力や設備を抑えた軌道路線の形態であるライトレール路線です。
国土交通省が定義する次世代型路面電車システムを採用しており、宇都宮市が進める「ネットワーク型コンパクトシティ(NCC)」の街づくりにおいて、市域の東西を縦貫する鉄・軌道路線として「東西基幹公共交通」として位置付けられています。
既存路線の延伸や改良を伴わない全くの新規路線としてライトレールが建設されるのは日本初であり、それまで路面電車路線が存在しなかった都市へ軌道法に基づく路面電車路線が新規開業するのは1948年(昭和23年)の富山地方鉄道伏木線(現:万葉線高岡軌道線)以来となります。
全体整備区間として、宇都宮市区間の宇都宮市街地中心部西側の桜通り十文字交差点(宇都宮市桜2丁目)からJR宇都宮駅を経由して宇都宮テクノポリス(ゆいの杜地区)までの延長約15
kmと、芳賀郡芳賀町区間の芳賀・高根沢工業団地までの約3kmが計画されています。
宇都宮駅の東側区間と西側区間の接続については、宇都宮駅の北側に東北本線を跨ぎ東北新幹線の下をくぐる高さの高架橋を建設する計画があります。うち、宇都宮駅東側にあたる宇都宮駅東口(宇都宮市宮みらい)から芳賀・高根沢工業団地(芳賀町下高根沢)までの14.6
kmは優先整備区間として先行して整備され、2023年(令和5年)8月26日に開業しています。
地域公共交通の活性化及び再生に関する法律に基づく上下分離方式を採用していて、宇都宮市と芳賀町が軌道整備事業者として設備を保有し、宇都宮ライトレールが軌道運送事業者として運行を行います。
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平石車両基地 |
本路線の「専用軌道」は軌道建設規定および軌道運転規則における「新設軌道」ではなく、LRTのみが走行する道路(都市計画道路宇都宮芳賀ライトレール線)扱いとなります。これにより、特認を受けない限り最高速度が40km/hに制限される一方で、地方交付税交付金の算定基礎となる道路の面積および延長に含まれることとなります。
軌間は宇都宮近郊に乗り入れる他路線との直通運転の可能性を考慮して、狭軌(1,067 mm)が採用されています。
開業時点では全線の最高速度は40km/hですが、将来的には軌道法上の特認を得て併用軌道区間では50km/h、鬼怒川を渡る専用軌道区間では70km/hの高速運転を行う計画であり、開業時点で70km/hでの運行に対応する車両が導入されています。
車両基地は、車両運用の効率性、延伸時の拡張性、本線からの出入庫の利便性、施設稼働時の周辺環境への影響などを考慮した結果、平石停留場から分岐し、新4号国道付近へ設置されています。25編成程度を収容可能な留置線、全般検査に対応する車両検修・整備施設、保線部門、運行部門などの本社機能を収容する管理棟などが設置され、約4haの規模となっています。
変電所は国道4号付近(今泉変電所)、新4号国道付近(平出変電所、車両基地に併設)、清原管理センター付近(清原変電所)芳賀工業団地管理センター付近(芳賀変電所)の合計4箇所に設置されています。
電力には宇都宮市内で発電された再生可能エネルギーを活用し、宇都宮市と民間が出資した第三セクターの小売電気事業者、「宇都宮ライトパワー株式会社」より供給を受けます。 |
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宇都宮ライトレール宇都宮芳賀ライトレール線の歴史
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宇都宮駅東口停留場 |
2016年(平成28年)
1月22日 - 宇都宮市、芳賀町、宇都宮ライトレールが軌道運送高度化実施計画を国土交通省関東運輸局へ申請(軌道法の特許申請)。
9月8日 - 国土交通省運輸審議会が国土交通大臣へ、宇都宮ライトレールの軌道運送高度化実施計画について認定することが適当であると答申書を提出。
9月26日 - 国土交通大臣が宇都宮ライトレールの軌道運送高度化実施計画を認定。
2017年(平成29年)
7月11日 - 宇都宮市議会議員協議会で、2017年度着工、2022年3月開業の整備スケジュールを発表。
8月9日 - 宇都宮市、芳賀町、宇都宮ライトレールが工事施行認可を国(国土交通大臣)に申請。
9月29日 - 宇都宮市議会9月定例会で工事施行認可申請に伴う市道へのLRT軌道敷設に同意する議案が可決。
10月10日 - 栃木県議会9月通常会議の最終本会議で軌道敷設工事施行認可申請に同意する議案等が可決。
2018年(平成30年)
3月20日 - 国土交通省が優先整備区間の工事施行を認可。
3月22日 -栃木県が都市計画事業を認可。
5月28日 - 優先整備区間の起工式を挙行。
2021年(令和3年)
1月25日 - 宇都宮市建設部が、開業時期の1年延期や総工費の増加を発表。
4月15日 - 停留場名の候補を決定し、4月19日に提案書を芳賀町と宇都宮市に提出。当初は2020年8月に決定する予定であった。
4月23日 - 停留場名称が決定。LRT車両の愛称が「ライトライン」に決定。
2022年(令和4年)
8月23日 - 開業時期を2023年8月と発表。
11月17日 - 平石 - 宇都宮駅東口間で試運転を開始。
11月19日 - 試運転中に脱線事故が発生。
2023年(令和5年)
2月21日 - 停留場の副停留場名を発表。
3月6日 - 西側延伸区間の軌道基本設計を担う事業者を選定する公募型プロポーザルの公募を開始(同年4月26日まで申請期間)。
6月2日 - 開業日を同年8月26日とすることを発表。
8月8日 - 関東運輸局が優先整備区間の運賃を認可。
8月17日 - 栃木県知事が国土交通大臣の承認を得て本路線の運輸開始を認可。
8月19日 - 優先整備区間で関係者など向けの試乗会を開始。
8月26日 - 優先整備区間(宇都宮駅東口 - 芳賀・高根沢工業団地間 14.6 km)開業。
9月14日 - 宇都宮市LRT整備課が、路線の愛称を「ライトライン」に統一すべく芳賀町や宇都宮ライトレールと協議を開始する意向を発表。 |
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東急宇都宮芳賀ライトレール線 路線データ |
路線距離 |
14.6km |
軌間 |
1,067mm |
駅数 |
19 |
複線区間 |
全線 |
電化区間 |
全線(直流750V) |
最急勾配 |
60‰(清陵高校前停留場付近) |
最急曲線半径 |
25m(宇都宮駅東口停留場付近) |
最高速度 |
40km/h |
待避設備 |
2駅(平石・グリーンスタジアム前) |
全線所要時分 |
約48分 |
車両基地 |
1箇所(新4号国道付近) |
変電所 |
4箇所 |
現用車両 |
HU300形 |
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305電車 |
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宇都宮ライトレール 宇都宮芳賀ライトレール線マップ |
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