JR九州・筑後船小屋駅
筑後船小屋(ちくごふなごや)
九州新幹線 久留米 筑後船小屋 新大牟田
鹿児島本線   羽犬塚 瀬高
所在地 福岡県筑後市大字津島字東1088-2
所属事業者 九州旅客鉄道(JR九州)
駅構造  高架駅(新幹線)
地上駅(在来線)
ホーム  2面3線(新幹線)
2面2線(在来線)
乗車人員  882人/日(2021年)
開業年月日  1928年(昭和3年)7月20日
駅種別  新幹線:直営駅
在来線:業務委託駅
みどりの窓口
所属路線 九州新幹線
キロ程 51.5 km(博多起点)
所属路線 JB鹿児島本線
駅番号  JB21 
キロ程 129.7km(門司港起点)
筑後船小屋駅
筑後船小屋駅
改札口
改札口
筑後船小屋駅(ちくごふなごやえき)は、福岡県筑後市大字津島字東にある、九州旅客鉄道(JR九州)の駅である。
筑後広域公園の中にある駅。九州新幹線と鹿児島本線の2路線が乗り入れている。鹿児島本線にはJB21の駅番号が設定されている。
新幹線は新大阪駅発着の「さくら」が下り2本・上り2本停車しているが、それ以外は「つばめ」のみが停車するダイヤとなっている。2011年(平成23年)3月12日ダイヤ改正では、当駅始発・終着の「つばめ」が1日1往復設定されていたが、2021年(令和3年)3月13日のダイヤ改正にて消滅した。
在来線は普通列車の他に快速列車も全て停車する。2021年(令和3年)3月13日のダイヤ改正により廃止された特急「有明」は通過していた。
当駅はもともと在来線(鹿児島本線)の船小屋駅(筑後市大字津島401番地)として開業したが、2011年(平成23年)3月12日の鹿児島ルート全線開業に合わせて従来の場所から約500メートルほど南に移設されたうえで新幹線併設駅(乗り換え駅)となり、同時に現在の駅名に改称された。なお、船小屋駅時代は普通列車のみが停車していた。
江戸時代頃より、矢部川の一帯に土木用の船を格納する「小屋」がたくさん堤防に設けられた事が「船小屋」の由来である。
旧藩時代の1689年(元禄2年)に矢部川の河川工事用の平田舟を格納する小屋が設置され、小屋番の役職の監督下に置かれていたことから土地の住民は「御船小屋」と呼んでいたのが「船小屋」の通称になり地名に転じたと言われている。
開業時の地名は八女郡水田村だったが、温泉の採掘などにより「船小屋」の知名度が高かったため、そのまま駅名に採用された。
新幹線開業時に、従来の「船小屋」の前に、当駅の所在する市名「筑後」を付加し、「筑後船小屋」とされた。筑後は福岡県南部に存在する令制国であり、これに由来して福岡県南部地域一帯は筑後地方と称される。

キハ200系気動車 800系新幹線
キハ200系気動車 800系新幹線


駅構造

  • 新幹線駅と在来線駅でそれぞれ駅舎を有する[1]。両線のホームは約50メートル離れており、乗り換えの際には一旦改札口を出る必要がある。
  • 在来線改札口と新幹線改札口は離れており、連絡改札は設けられず、改札外に設けられる広場を通っての乗換えとなる。また、在来線駅舎にはみどりの窓口が設けられていない。このことについて2011年3月号の時刻表の巻頭にある路線図中に、JTB時刻表(JTBパブリッシング)では在来線にはみどりの窓口がないことを示す白色の丸と新幹線にみどりの窓口があることを示す緑色の丸が隣り合わせに併記され、JR時刻表(交通新聞社)では交点に緑色の丸が1つあるのみだった。同年4月号より、両者とも点に緑色の丸が1つあるのみである。
  • 新幹線駅は高架駅の構造をとった直営駅で、みどりの窓口を有する。ホームは単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線を有しており、通過線はなく各ホームには可動式安全柵が設けられている。
  • 待避列車と折り返し列車は副本線である13番線を使用する。副本線は下り本線側に設置されているが、駅前後に存在する渡り線を介すことで上下線どちらからでも入線することができ、上下線は逆だが新水俣駅と同じ構造となっている。
  • 在来線駅は地上駅の構造をとり、JR九州サービスサポートへの業務委託駅である[2]。また、SUGOCAの利用が可能である。ホームは相対式ホーム2面2線を有し、互いのホームは跨線橋で連絡している。SUGOCA利用者向けの簡易読み取り機が改札口に設置されている。また改札内にはチャージ機の設置もある。
JR九州815系電車 駅名標
JR九州815系電車 駅名標

のりば

のりば 路線 方向 行先
1 JB鹿児島本線 上り 久留米・鳥栖・博多方面
2 下り 大牟田・玉名・熊本方面 
11 九州新幹線  上り 博多・小倉・新大阪方面
12・13 下り 熊本・鹿児島中央方面
  • 快速列車と普通列車の緩急接続は、当駅でなく1駅下った隣の荒木駅で行われている。1・3番線の八代方を切り欠いた2番のりばは非電化路線である久大本線の列車のみが使用するため、架線は張られていない。在来線のりばは東口から1、2…と番数が割り当てられているが、新幹線のりばは、反対に西口から11、12番と割り当てられている。
  • 2面3線だった当時は1番のりばは鹿児島本線下りと久大本線(主に特急列車)、2番のりばは久大本線、3番のりばは鹿児島本線上りが使用し、鹿児島本線上りと久大本線の対面乗り換えも可能だった。

歴史

  • 1928年(昭和3年)7月20日:鉄道省により、鹿児島本線の船小屋駅(ふなごやえき)として開業。
  • 1961年(昭和36年)10月1日:貨物取扱廃止。
  • 1971年(昭和46年)2月20日:荷物扱い廃止。無人駅となる。
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により九州旅客鉄道が承継。
  • 1998年(平成10年)3月12日:南船小屋信号場 - 新八代間着工(スーパー特急方式)。
  • 2004年(平成16年)6月24日:九州新幹線 船小屋駅設置認可。
  • 2009年(平成21年)3月1日 :ICカードSUGOCAの利用を開始。
  • 2011年(平成23年)3月12日:九州新幹線の博多駅 - 新八代駅間が開業し、停車駅となる。同時に筑後船小屋駅(ちくごふなごやえき)に改称。在来線の駅は九州新幹線と鹿児島本線の接続駅として従来の位置より南へ約500m移転され、同時に有人化される。
  • 2017年(平成29年)3月11日: 新幹線ホームの駅員配置を廃止。

新幹線駅設置までの経緯

九州新幹線(鹿児島ルート)八代 - 西鹿児島間は、新幹線規格の構造物を建設するものの、狭軌 (1,067 mm) の線路を敷設することで在来線との直通運転を行う新幹線鉄道規格新線(スーパー特急方式)として着工されていた。
1996年(平成8年)12月の「整備新幹線の取扱いについて 政府与党合意」では、九州新幹線(鹿児島ルート)の新規着工区間として船小屋 - 新八代間の新幹線鉄道規格新線が示された。
この合意に基づいて、1998年(平成10年)1月に「政府・与党整備新幹線検討委員会における検討結果」が公表され、同年3月に船小屋 - 新八代間約83 kmの暫定整備計画が決定された。この時点では、博多方面から在来線(鹿児島本線)を走行する列車が船小屋駅(当時)の南方約1kmに新設される南船小屋信号場からスーパー特急方式で建設された九州新幹線に乗り入れ、熊本・西鹿児島方面に至る計画であった。
その後、2001年(平成13年)に博多 - 西鹿児島(現:鹿児島中央)間の全区間がフル規格で着工されることが決定したが、この時点で九州新幹線の船小屋駅設置は盛り込まれなかった。
2004年(平成16年)6月に国土交通省は九州新幹線の建設主体である鉄道・運輸機構に船小屋駅設置を認可した。これについては、古賀誠の「政治駅」的設置だとして一部週刊誌で取り上げられている。
新幹線駅は当初、2面2線構造での計画だったが、JR九州の要望と負担により、下り線に待避線を追加した2面3線構造に変更となり着工した。また駅開業に合わせて、アクセス道路(福岡県道96号八女瀬高線)が福岡県と筑後市によって整備された。