越前たけふ駅(えちぜんたけふえき)は、福井県越前市大屋町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)北陸新幹線の駅です。
北陸新幹線単独の駅として、北陸本線武生駅から東北東約3 kmにある北陸自動車道武生ICの南側に設置された。
2015年(平成27年)12月には、所在地の越前市において整備基本計画が作成され、武生駅・武生ICのアクセスを含めた駅周辺の整備の検討がなされており、駅前(西側)には道の駅越前たけふや福井県道269号越前たけふ駅線の新設、福井県道40号武生インター線の延伸整備が行われている。
駅舎の本体工事は、2020年(令和2年)11月9日に小松駅(石川県小松市)とともに着手している。
2018年には福井経済同友会が当駅西側の北陸新幹線と国道8号に囲まれた一帯に、統合型リゾート(IR)や福井県立大学の新学部としての専門職大学の誘致を提言している。
2022年2月16日、駅周辺整備事業で先端研究施設の誘致を目指す越前市は、福井村田製作所(越前市)と次世代リチウムイオン電池「全樹脂電池」を生産するAPB(東京都)の二社を誘致候補に挙げた。5月27日には、福井村田製作所の研究施設について、駅直近の用地での立地を念頭に協議を進めていることが明らかになった。
2022年9月、鉄道・運輸機構は、駅舎の内装工事(電気設備工事を除く)が完了したことを公表した。
2023年3月18日、駅前ロータリーやアクセス道路、駐車場、道の駅等、新幹線駅以外の施設が先行して開業。
2023年11月6日、大手電子部品メーカーの村田製作所の生産子会社である福井村田製作所は、駅前に主力製品である積層セラミックコンデンサー(MLCC)の研究開発拠点を開設すると発表した。中長期でMLCC市場の拡大が見込まれるなか、350億円を投資して研究開発に特化した最先端の設備・環境を整備する。
駅名選定
計画時の仮称は「南越駅」(なんえつえき)であった。駅名決定にあたり、2020年5月26日に南越駅(仮称)駅名候補選定委員会は、越前武生(たけふ)、新武生(たけふ)、越前市、南越たけふ(武生)、越前、武生新、南越、越前国府の8案を駅名候補に選んだ。6月15日から1カ月間、市内外から意見を募った後、7月21日に越前武生、新武生、越前市、南越たけふ(武生)、越前、越前国府の6案に絞り込み、これまで仮称としてきた南越と武生新は候補から除外した。隣接する鯖江市では、新幹線開業後に広域アクセスに用いられる予定の当駅の名称についても「鯖江」の名を反映した「越前鯖江駅」を盛り込むよう選定委員会に要望していたが、候補には盛り込まれなかった。
2021年5月13日、JR西日本より駅名を「越前たけふ駅」に決定したことが発表された。JR西日本管内の新幹線駅、また北陸新幹線では初めて駅名にひらがなを用いた駅となる。
なお、当時福井鉄道福武線に「越前たけふ」と同音の「越前武生」駅が存在しており、選定段階で候補になっていた「越前武生」について、選定委員の一人である福井鉄道社長(当時)の村田治夫が「仮に新幹線の新駅名に採用された場合、当社としては異存ない」と発言。福武線の駅名変更に必要な費用を越前市が負担することを条件に、駅名候補に加えることを認めていた。2021年5月20日に、「混乱を招かないように」として福井鉄道が越前市と協議の上で名称変更を決め、2023年(令和5年)2月25日にたけふ新駅へ改称した。
駅構造
相対式ホーム2面2線と中央に通過線2線を有する高架駅。
駅には通信機器室が設置され、両ホームに設置されるホームドア(可動式安全柵)には、越前市や周辺の地域の名所などを撮影した20種類の写真が展示されている。
駅デザインは「地元の伝統や文化」をテーマに、外観は「越前和紙の技法『流し漉き』の動き」をデザインとし、ほかにも越前指物の利用による地元の伝統工芸品を押し出している。
ホームはコウノトリをモデルとしたデザインとし、統一感のためにモノトーンとした。
駅の出入口は東西両側にある。当駅付近の北陸新幹線近隣を並走する北陸自動車道や国道8号とを結ぶ県道に面した西口側には交通広場が設けられ、バス・タクシー・一般車の乗降場と小型車の短時間利用者向けコインパーキング、路線バス・タクシーの待機場を有している。
また、隣接地には道の駅越前たけふが所在し、当駅利用客に係る貸切バスの待機・乗車は同施設の大型車駐車場を利用することになっている。
一方、山地が迫る東口側には交通広場がなく、越前市営のパーク・アンド・ライド向け駐車場・駐輪場のみの設置である。
新幹線のりば
番線 |
路線 |
方向 |
行先 |
1 |
■北陸新幹線 |
上り |
金沢・東京方面 |
2 |
下り |
敦賀方面 |
歴史
- 2015年(平成27年)12月:整備基本計画を作成。道の駅越前たけふや福井県道269号越前たけふ駅線の新設および福井県道40号武生インター線の延伸整備が行われた。
- 2020年(令和2年)11月9日:駅舎の本体工事に着手する。
- 2022年(令和4年)9月:駅舎の内装工事(電気設備の工事を除く)が完了する。
- 2023年(令和5年)3月18日:駅舎を除く各施設(駅前ロータリーやアクセス道路、駐車場、道の駅など)が先行開業する。
- 2024年(令和6年)3月16日:北陸新幹線金沢駅 - 敦賀駅間の延伸に伴い開業。同日に開業式典が行われ、映画『おしょりん』に増永五左衛門役で出演した小泉孝太郎が特別一日駅長を務めた。
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