世界遺産合掌集落
世界遺産合掌集落は、岐阜県飛騨地方にある白川郷合掌集落(岐阜県大野郡白川村)と富山県五箇山地方にある相倉合掌集落および菅沼合掌集落(富山県南砺市)の3つの合掌造りの集落を指します。
この3つの合掌集落が、1995年12月9日にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されました。
白川郷合掌集落
白川郷合掌集落
合掌造りは、江戸時代から始められた養蚕のため、屋根裏に棚を設置したのが始まりと言われていています。
この地方はいずれも豪雪地帯であるために雪下ろしの作業軽減と屋根裏の床面積拡大のため、急角度の茅葺屋根を持つようになったと考えられています。
また、この家屋では養蚕のほか、火薬に用いる硝石の生産も行われています。
合掌造りを守る地域住民の連携形式の「結(ゆい)」により、補修や茅葺の葺き替えが30~40年に一度は行われています。
屋根の葺き替えには、多くの人手と時間が必要なのでお互いに協力し合うようになったと考えられます。
白川郷と五箇山地域は、日本でも有数の豪雪地帯であり、周囲との道路整備が遅れたため、現代でも合掌造りの住居構造が残りましたが、過疎化や住民の高齢化が進んでいて、「結」の互助活動による合掌造りの維持も困難になりつつあり、さらなる公的支援が必要になる時期にきていると見るべきでしょう。
この地域には2008年に東海北陸自動車道が全線開通していて、観光客が増えているのはけっこうなのですが、地域社会の生活と観光地化の両立が難しくなっている各種問題も発生しています。
この合掌集落は、あくまで住民が生活している場であってテーマパークではないのですから、そのことを念頭に行動してください。
世界遺産 合掌集落マップ
電子国土ポータルへのリンクです