福井鉄道 南越線(1981年4月1日廃止)
福井鉄道 南越線の概要
現在の武生駅前 ここから南越線が分岐していました
現在の武生駅前 ここから南越線が分岐していました
福井鉄道南越線は、かつて社武生駅-戸ノ口駅間14.6kmを結んでいた鉄道路線です。
1981年(昭和56年)4月1日に廃止されています。
南越線は福井鉄道の前身である武岡軽便鉄道の蒸気機関車牽引による軽便鉄道路線として、1911年(明治44年)に認可され、1914年(大正3年)1月29日に新武生(後の社武生)-五分市間が開業したのが最初です。この際は軌間762mmのナローゲージでした。同年5月22日には五分市-粟田部間が開業し、1915年(大正4年)8月26日には 粟田部-岡本新(現越前市今立地区)間が開業しています。
1918年(大正7年)3月19日には武岡鉄道に社名変更されています。1924年(大正13年)3月7日には武岡鉄道と今立鉄道(ただし未開業)が合併し、南越鉄道となっています。なお今立鉄道は解散となっています。
同年7月31日には完成区間の新武生 - 岡本新間を軌間1067mmに改軌しています。さらに同年9月1日には岡本新-戸ノ口間が開業し、これで全線開通となったわけです。
1941年(昭和16年)7月2日には南越鉄道が福武電気鉄道に合併、福武電気鉄道南越線となっています。
1945年(昭和20年)8月1日には福武電気鉄道と鯖浦電気鉄道が合併して福井鉄道となり、福井鉄道南越線となっています。
1948年(昭和23年)3月1日には全線電化されて、最終的な姿となっています。
ところが経営不振から1971年(昭和46年)9月1日に粟田部 - 戸ノ口間が廃止されてしまい、その後も運行を続けていたのですが、ついに1981年(昭和56年)4月1日に残る社武生-粟田部間が廃止となり、全線廃止の憂き目を見ました。
なぜこうなったのかですが、この沿線は元々人口があまり多くなく、経営的には望ましいとは言えない地域です。
ですからモータリゼーションの進展により経営が悪化したと言ってしまえばそれまでですが、鯖浦線と比べて長く存続したのは当線が北陸本線の東側に延びていて山間地を走っているため積雪が多い地域なので鉄道の必要性が大きかったからと言えましょう。

路線データ
福井鉄道 南越線
路線距離  社武生-戸ノ口間 14.3km  
軌間  1,067mm
駅数  14駅(起終点駅含む)
複線区間  全線単線
電化区間  全線直流600V
閉塞方式  不明
開業年月日  1914年(大正3年)1月29日
廃止年月日  1981年(昭和56年)4月1日

福井鉄道 南越線 駅一覧
駅名 駅間キロ 営業キロ 接続路線 所在地
社武生駅 - 0.0 北陸本線(武生駅) 越前市錦町
福武口駅 0.3 0.3 福井鉄道福武線(武生新駅) 越前市錦町
北府駅 0.5 0.8 越前市万代町
村国駅 1.6 2.4 越前市村国
塚町駅 1.5 3.9 越前市塚町
北村駅 0.4 4.3 越前市北町
五分市駅 2.5 6.8 越前市真柄町
粟田部駅 1.9 8.7 越前市粟田部町
岡本新駅 1.1 9.8 越前市新在家町
定友駅 0.6 10.4 越前市定友町
野岡駅 1.1 11.5 越前市野岡町
庄境駅 1.1 12.6 越前市西庄境町
越前赤坂駅 0.6 13.2 越前市赤坂町
戸ノ口駅 1.1 14.3 鯖江市戸口町
 
福井鉄道 南越線マップ
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