勝沼ぶどう郷駅(かつぬまぶどうきょうえき)は、山梨県甲州市勝沼町菱山にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)中央本線の駅である。駅番号はCO 36。
当駅は既にこの地域に開通していた中央本線上に新しく設置された駅である。
まず1913年(大正2年)に大日影信号場が新設され、それが駅に昇格する形で同年4月8日に「勝沼駅」として開業した。
当時は勾配上にホームを設けるのを避け、通過可能なスイッチバック駅であったが、1968年(昭和43年)にスイッチバックは廃止された。
1993年(平成5年)に現在の「勝沼ぶどう郷駅」へ改称された。
その後JR東日本には、さくらんぼ東根駅、井川さくら駅など地名と名物を組合わせた駅名が多く登場するが、当駅はその先駆けとなった。
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駅名標 |
改札口 |
駅構造
島式ホーム1面2線を有する地上駅。のりばは駅舎側から1番線、2番線の順。この地域に中央本線が開通した後に開設された駅であり、開業当初はホーム等を急勾配にしないためスイッチバック駅であった。
スイッチバック駅とはいっても通過可能な構造で、当駅に停車する列車のみ駅の甲府寄りで本線から分岐した線路を進み当駅に入っていた。
スイッチバックが廃止されたのは1968年8月30日のこと。この時からホームは25‰の勾配がある本線上に設けられているが、スイッチバック時代の遺構が残っており、公園として整備されている。日本国有鉄道(国鉄)形式の駅名標「勝沼」を復刻した旧ホームなどの整備が行われており、復刻のため駅名標の隣駅は「甲斐大和」ではなく「初鹿野」になっている。
ホームは駅舎より高い位置にあり、駅舎の2階から階段と小さな橋でホーム脇に業務用通路が延びている。
駅前には約600本のサクラが植えられている甚六桜公園があり、毎年4月頃に見頃を迎えるが、線路が駅舎や駅前広場より高い位置を通っているため通過する列車の内部からもこの様子を見ることができる。
駅舎は1980年に供用を開始したもので、2階建てである。駅舎内部にはコンコースのほか駅事務室や独立した待合所があるほか市の観光案内所をかねたコーヒー店と市営のワインショップが併設されており、特産の甲州ワインの販売がある。
塩山駅が管理する業務委託駅(JR東日本ステーションサービス委託)で、みどりの窓口は設置されていないが、日中は改札口に係員がいる。かつては窓口が設置されていたが、2015年3月24日限りで撤去され指定席券売機に置換えられた。これにより、当駅での指定席や割引きっぷ購入、えきねっと受取が可能になった。簡易Suica改札機設置駅。
特急列車の停車について
特急列車は原則当駅には停車しないが、主に3 - 11月の観光シーズンにおいて、特急「あずさ」「かいじ」の一部列車が停車する。
のりば
番線 |
路線 |
方向 |
行先 |
1 |
■中央本線 |
下り |
甲府・上諏訪・松本方面 |
2 |
上り |
大月・八王子・新宿方面 |
歴史
- 1913年(大正2年)
- 4月1日:鉄道院の大日影信号場として開設。
- 4月8日:勝沼駅(かつぬまえき)に昇格。旅客・貨物取扱開始。
- 1960年(昭和35年)6月11日:貨物取扱廃止。
- 1968年(昭和43年)8月30日:複線化に伴いスイッチバック運転解消。
- 1970年(昭和45年)10月1日:荷物扱い廃止。業務委託駅となる。
- 1980年(昭和55年)10月:現駅舎の使用開始。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅となる。
- 1993年(平成5年)4月1日:勝沼ぶどう郷駅(かつぬまぶどうきょうえき)に改称。
- 1998年(平成10年)10月14日:「関東の駅百選」に選定される。選定理由は「四季折々の季節の中で勝沼の町のシンボルとなるぶどうの丘を望む駅」。
- 2004年(平成16年)10月16日:ICカード「Suica」の利用が可能となる。東京近郊区間に編入される。
- 2015年(平成27年)3月24日:指定席券売機を設置。
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