Q28 CeleronDが登場しています。これまでのCeleronとはどう違うのですか。

A28 これまでのCeleronよりも2次キャッシュが256KBと増加し、コアもPrescottコアになっています。
さらにLGA775パッケージ版のものも登場しています。
言ってみればPrescott版Pentium4の廉価版と考えていいのですが、ハイパースレッディングなども搭載していません。
ラインナップはプロセッサナンバーで呼ばれます。

LGA775版CPUは、次のようなラインナップです。(2004年6月時点)
ブランド プロセッサナンバー パッケージ FSB 動作クロック Execute Disable Bit コア
CeleronD 340 ㎡PGA478
(Socket478)
533MHz 2.93GHz × Prescott
335 2.8GHz
330 2.66GHz
325 2.53GHz
320 2.4GHz
340J LGA775 2.93GHz
335J 2.8GHz
330J 2.66GHz
325J 2.53GHz

Execute Disable Bit…「バッファーオーバーフロー」と呼ぶ手法を使うウイルスの実行を防止するもので、XDビット(AMDではNXビットと呼ぶ)が有効なメモリー領域からはプログラムが実行不可能

CeleronDとCeleron、さらにPentium4(NorthWood)の性能比較は次の通りです。
CeleronD Celeron Pentium4
コア Prescott NorthWood
FSB 533MHz 400MHz 533MHz
1次キャッシュ 命令12kμOps+データ16KB 命令12kμOps+データ8KB
2次キャッシュ 256KB 512KB 128KB
製造プロセス 90nm 130nm
拡張命令 SSE SSE2 SSE3 SSE,SSE2
動作周波数 2.40GHz~2.93GHz 2GHz~2.8GHz 2.26GHz~3.06GHz

これを見るとCeleronDは明らかにCeleronよりも性能は上であることは明らかです。
ではPentium4と比べてどうなのかということになりますが、2次キャッシュが半分しかないこととコアがPrescottコアであることからやや劣りそうだと考えられます。これはよりパイプラインが深くて一般的なアプリケーションが対象では効率が悪い場面が多いことから推測できます。
しかしアプリケーションによっては、CeleronDがPentium4を上回る場面があってもおかしくなさそうです。
ただハイパースレッディングがないだけにハイエンドというわけにはいかないのでやはり廉価版CPUという位置づけであると考えた方がいいでしょう。なお、プロセッサナンバーの後ろにJがついたものはLGA775版と考えてください。