Q16 Athlon VS PentiumⅢ、どちらが速いのでしょうか。

A16 これは、一世を風靡したCPU同士の対決です。
AMD Athlon(Thunderbird)とIntel PentiumⅢ(CopperMine)は、いずれも一世を風靡した2001年時点でのハイエンドを構成するCPUです。
しかしその性能は同一ではないはずです。
基本性能では、Athlonの方に分があると思えますが、実際にその性能を検証してみましょう。

テスト環境は、次の通りです。
CPU Athlon1.1GHz PentiumⅢ1.13GHz
メモリ PC133 128㎆ SDRAM×2 PC/100 128㎆ VC SDRAM×2
ビデオ GeForce2DDR (AGP)
OS Windows98SE + DirectX7.0a

グラフ1) ここではWinstone99とWinbench99によるベンチマーク結果を挙げます。
Winston99
グラフ1は、Business Winstone99とContents Creation Winstone2000のベンチマーク結果です。
Business Winstone99は、ワープロ、表計算などのビジネスアプリケーションを動作させたときのパフォーマンスを評価します。
Contents Creationは、ホームペーや動画、サウンドなどを生成する際のパフォーマンスを評価します。
結果は、ビジネスアプリケーションではPentiumⅢがやや上回るが、マルチメディア性能を測定するContents Creationでは,Athlonが圧倒的に勝っています。
Athlonは、負荷のかかるマルチメディア系アプリケーションが得意だし、PentiumⅢはさほど負荷のかからないビジネスアプリケーションに優れているといえます。しかしどうしてこんな逆転現象が起こるのでしょうか。
おそらく、ビジネスアプリケーションは、その内部コードがPentiumⅢに最適化されているのではないかと考えられます。しかし負荷のかかるマルチメディアでは、エンハンスト3D-NOW!とAthlonの優れたコアがその威力を発揮するのでしょう。
グラフ2)ここではCPUMark99によるベンチマーク結果を挙げます。
CPUMark99
グラフ2は、CPUMark99のベンチマーク結果です。
CPUMark99は、CPUの整数演算機能とメモリアクセス性能を合わせたパフォーマンスを評価するものです。
この値が高いということは、体感的には全体的に動作がきびきびすることになります。
結果を見ると、Athlonが明らかにPentiumⅢを上回りますが、これはAthlonの方が1次キャッシュの性能で上回っているのが原因でしょう。
グラフ3)ここではFPUWinmarkによるベンチマーク結果を挙げます。
FPUWinmark
グラフ3は、FPUWinmarkのベンチマーク結果です。
FPUWinmarkは、CPUの浮動小数点演算能力を測定するものです。
これもAthlonがPentiumⅢを上回っています。もともとAthlonのコアが優れていることがこの結果になっています。
整数演算、メモリアクセス、浮動小数点演算ともAthlonが上回っている結果から、CPUの基本性能ではAthlonがPentiumⅢを上回っていると結論づけることができます。
グラフ4)ここでは、3DMark2000によるベンチマーク結果を挙げます。
3DMark2000
グラフ4は、3DMark2000のベンチマーク結果です。
3DMark2000は、3D機能を測定するベンチマークソフトです。
このベンチマークソフトは、ヘリコプタが飛ぶシーンや、シックな感じの街の中を視点が移動するシーンが見られて一見の価値があります。
このソフトは、ハードウェアT&Lにも対応しているので、最新の3Dゲームをシミュレートできると考えていいでしょう。
結果を見るとやはりAthlonがPentiumⅢを上回っています。