実例25.PC−9821シリーズのWindows2000クリーンインストール
PC−9821Xa12/K12
PC−9821Xa12/k12
PC−9821Xb10/J8
PC−9821Xb10/J8
このたび、いよいよ懸案だったPC−9821シリーズのWindows2000マシン化が実現しました。
なんとPC−9821Xa12/k12とPC−9821Xb10/J8にWindows2000をクリーンインストールします。
これらのマシンをサーバにすることでセキュリティが強化されるという訳です(誰に対してのセキュリティだ?)。
まあ家庭内LANですからね、どうって事のない話ですが、PC−9821シリーズで使用できるWindowsとしては最終的なものなのです。
さてこのWindows2000が、これまでのWindows95/98と異なる点は、完全な32ビットOSであるということです。
カーネルが完全32ビットコードで構成されているので、システムリソースも事実上制限がないことから、マルチタスク環境においても安定度が高く、ダウンしにくいという利点があります。
PC−9821で使用可能なWindowsの相違点について下記に求めてみました。
これを見てわかることはWindows98で可能でWindowsNTでできなかったことが、Windows2000では実現しているという点です。
またシステムリソースの制限がないことから(本当は制限があるのだかサイズが大きい上に領域を増やすこともできるので制限が事実上ないと考えて良い。)マルチタスク機能もより効率的に行えるという利点があります。
逆に問題点は、Windows95/98で使用できたアプリケーションや周辺装置の一部が使えないことがある点です。
Windows2000により使用できなくなった拡張ボードとしては、今回はCバスサウンドボードPC−9801−86がありました。
とりあえず今は使ってはいませんが、ロジテックのCバスSCSIボードLHA−301AもWindows2000には対応していませんでした。
どうやら、CバスボードはWindows2000には対応していないケースが多いということです。
しかしLANボードは、さすがにCバスのPC−9821−107が対応しています。
もともと標準的に搭載していたデバイスはWindows2000でも全て認識できているので安心です。
PC−9821シリーズは、既に枯れているのでこのような場合は逆にドライバが用意されているので心配ないということです。

PC−9821上での使用可能なWindowsの相違点
WindowsNT4.0 Windows2000 Windows98 Windows95
カーネル 完全32ビット 完全32ビット 32ビット、16ビット混在 32ビット、16ビット混在
システムリソース 事実上制限なし 事実上制限なし 制限有り 制限有り
USB対応 なし あり あり なし
DirectX対応 なし あり あり あり
PnP対応 なし あり あり あり
ファイルシステム NTFS FAT NTFS FAT32 FAT32 FAT
PCM音源でのMIDI再生 なし あり なし なし
インターネット接続の共有 なし あり なし なし
Cバスボードの対応状況 ある程度対応している 対応していない場合が多い 基本的にすべて対応する 基本的にすべて対応する

それとWindows2000インストール時に注意すべきは、普通にインストールすると起動ドライブがCドライブに設定され、フロッピードライブがAドライブに設定されることです。
まあDOS/Vと同様のドライブレターが割り当てられるという訳で、そのままでもいいのですが。
ただし、今回のXa12のように複数のハードディスクを搭載している場合には注意しないといけません。
今回、そのままインストールすると起動ドライブがなんとEドライブになってしまいました。
ちなみにデータがあるドライブがCドライブ、CD−ROMドライブがDドライブになります。
また、Xa12ではUIDE−98M,Xb10ではIFC−USP−M2のようにストレージインタフェースが搭載されていて起動ドライブがそれに接続されている場合は、起動ディスクが立ち上がってきた際にドライバをインストールしてやらないといけません。これを見逃すとインストールできないというオチがつくので注意しないといけません。

さて今回使用したパッケージは、Windows2000Proffesional アップグレード版です。
このパッケージはWindowsNTWorkstationからのアップグレードしかできませんが、価格はお安いのでお得です。
ただし、起動フロッピーは付属してないので、CD−ROMから作成しないといけません。
CD−ROMもDOS/V用のものとPC−9821用のものが2枚入っているので間違えないように。
起動フロッピーは、フォーマット済みのものが4枚必要です。
起動ディスク1から順次投入していきますが、WindowsNTからのアップグレードでなければ途中でWindowsNTCD−ROMが必要になるので、用意しておかないといけません。また最初にストレージインターフェース用ドライバをインストールする必要があるのでそのフロッピーも用意しておく必要があります。後は、ほとんど自動的にインストールされるので特別な知識は必要ありませんが、ファイルシステムの選択には少し注意が必要です。
Windows2000では基本的にはNTFSを選択するべきですが、FAT32を選択することもできます。
ただし、Windows98からはNTFSボリュームは見えないので、注意が必要です。
FAT32でフォーマットしておいて、後でNTFSに変更することは可能ですが。
またWindows2000でフォーマットされたNTFSボリュームは、WindowsNTからも見えません。
これはNTFSのバージョンが異なることが原因です。

次にPC−9821Xa12/K12とPC−9821Xb10/J8の構成を一覧表にしてみました。
マシン型番 PC−9821Xa12/K12 PC−9821Xb10/J8
CPU K6−2 400MHz MMX Pentium 300MHz
メモリ 96MB  64MB
グラフィック GA−SV432/PCI Cirrus Logic 互換グラフィックアダプタ
ストレージインタフェース UIDE−98M IFC−USP−M2
ハードディスク IBM DTTA−351010 10GB
Maxtor 2B020H1 20GB
SAMSUNG SV2042H 4GB
IOMEGA ZIP100 SCSI 
CD−ROMドライブ 32倍速CD−ROMドライブ 4倍速CD−ROMドライブ
LANアダプタ Corega EtherU PCC−T  PC-9801−107
サウンド Mate−XPCM なし
プリンタ なし LBP−220Pro
さらにXa12/K12の性能をHDBENCH2.61で測定した結果を挙げてみましょう。

ALL Text Scroll DD Read Write Memory Drive
16284 27213 35004 32671 3039 17592 169 29 8191 6399 23340 C:10MB

ここで注意すべきはグラフィックです。Windows2000の場合、PC−9821の内蔵グラフィックアダプタとPCIビデオカードがマルチモニタ環境になってしまうので、PCIビデオカードをプライマリに設定した上で、セカンダリを固定しないといけません。
さらにファイルシステムをNTFSにしているので、ハードディスクの転送能力はあまり高くならないのです。
今回、PC−9821Xa12/K12は、WWWサーバとして、PC−9821Xb10/J8はプリントサーバとして使用し、基本的に連続稼働するのでWindows2000をインストールすることで安定度が増すことになります。
まあ、まだ稼働し始めて間もないので評価は早いでしょうが、現在のところこれといったトラブルもありません。

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