実例2.NEC VR35L/75に対するパワーアップ
このマシンは、NEC NX−RシリーズのマイクロATXパソコンです。
このタイプは、チップセットにSiS530を採用し、マザーボードも設定の柔軟性を持っていて、メーカ製パソコンとは思えない作りです。しかも低価格パソコンとして販売されていました。
はっきり言って初級者の方にはあまりおすすめできないパソコンですが、上級者には、いろいろ楽しめるパソコンです。
このマシンは、CPUがK6−2 350MHzでそのまま使っていても特に問題はないでしょうがCPUパワーが必要なアプリケーションの動作にはやや力不足を感じます。
またハードディスクは6.4GBを搭載していますが、空きシャドウベイを1つ持っているので、ハードディスクの増設は容易です。
さらにビデオチップは、SiS530に統合されていてオンボードですが、これは力不足ですので、PCIビデオカードを搭載したいところです。
PC−VR35L/75
NEC VR35L/75

まずCPUの交換ですが、ここではK6−V 450MHzを搭載することにします。
まずSocket7環境では最強の環境です。
ただしコア電圧が2.4Vで、K6−2は2.2Vなので、そのままでは使えないでしょう。
マザーボードのジャンパースイッチの設定でコア電圧を変更できますが、2.4Vという設定は、見あたりません。
しかしちゃんと隠し設定があります。
マザーボード上のジャンパスイッチを次のように設定してください。
電圧 JP11 JP12 JP13 JP14 JP15
2.4V

OPEN

OPEN

CLOSE

OPEN

OPEN

さらにクロック倍率を4.5倍に設定します。これはマザーボード上に明記されているので問題はないはずです。
これでCPUを交換すれば問題なく動作します。
後は、WriteAllocateMonitorUをインストールすればOKです。
次にハードディスク周りの問題ですが、実は最近のNECパソコンのチップセットはUltraDMA/66に対応しています。
もちろんハードディスクも対応しているのですが、なぜかケーブルが対応していないのです。
はっきり言ってNECの意図が分からないのですがこのマシンもチップセットがSiS530でUltraDMA/66に対応していますし、ハードディスクはFireball−CR6.4なのでこれもUltraDMA/66に対応しています。
そこでケーブルをUltraDMA/66のものに交換し、ハードディスクは、IBM製DPTA−372050(7200rpm、20GB)を起動ドライブとして、増設しました。
これで全く問題なく動作しています。しかもやはりBIOS画面を見るとUDMAモード4(つまりUltraDMA/66)で動作していました。
最後にビデオカードですが、チップセット内蔵のビデオ機能を切り離さないといけないのでマザーボード上のジャンパースイッチで設定しました。
これはマニュアルにも明記されていました。
ここではVoodoo3 2000PCIを搭載しましたが、全く問題なく動作しています。
パワーアップ前後の仕様を一覧表にしました。
項目名

パワーアップ前(標準)

パワーアップ後
CPU+クロック

K6−2 350MHz

K6−V 450MHz

主メモリ

64MB SDRAM 100MHz

128MB SDRAM 100MHz

グラフィック

SiS530 8MB

Voodoo3 2000PCI 16MB

ハードディスク

6.4GB UltraDMA/33

20GB+6.4GB UltraDMA/66

CD−ROM/R/RW

標準×32

MCW6424DVD

以前、Monsterfusion(VoodooBanshee)を搭載したときは、正常に動作しなかったのですが、今回は成功しました。
現在のマシンの性能をベンチマークソフト HDBENCH3.22で測定してみました。
ALL 17113

CPU

Integer

float

21736 13883

メモリ

Read

Write

Read/write

8385 5671 10733

ビデオ

Rectangle

text

ellipse

bitblt

DirectDraw

40514 29397 2932 469 84

HDD

Read

Write

filecopy

21430 23166 16510
やはり、Socket7マシンはバス周りの転送能力に難があるのでしょうか。
Voodoo3 2000PCIも今ひとつでしょうか。
まあ安いマシンですのでこんなものでしょう。
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