3) フロッピーディスクドライブ
フロッピーディスクドライブとは、3.5インチ、および5インチのフロッピーディスクに読み書きできる装置である。数年前のパソコンでは、これが補助記憶装置の主役であった。
記憶方法は、磁気記憶であり、ハードディスクと原理は基本的に同一だがハードディスクと違う点は、ディスクの回転数が小さく、ヘッドがディスクに接触するということである。であるからディスクは絶えず摩耗するのでディスクもヘッドも寿命がある。
フロッピーディスクは、非常に薄い円盤状のディスクが入ったカートリッジであり、容量も1MB程度と大変少なく、現在では少量のデータの交換用、あるいはバックアップ用、インストールに使われるのみで従来の主役から脇役に転落してしまった。 さらに最近のパソコンではドライブすら内蔵していないケースもかなり多くなっている。
また従来は、5インチフロッピーが多かったのだが、現在ではディスクが小さくてカートリッジが丈夫で扱いやすい3.5インチフロッピーがほとんどである。記憶容量は、両面高密度(2HD)で1.44MBである。
最近では、スーパーディスクといって120MBの容量を持つディスクを読み書きできさらに従来の3.5インチフロッピーも読み書きできる装置もでている。
この装置であれば、従来のフロッピーもより高速でアクセスできるので最初からこのスーパーディスクを搭載したパソコンもある。
4) リムーバブルディスク
ハードディスクは、補助記憶装置としてアクセス速度、記憶容量とも最大であり、最近ではさらに高速化、大容量化が著しいが、欠点としては媒体が交換できないことである。
そこで媒体が交換でき、ハードディスクと同様にランダムアクセスができ、使い勝手が同じ補助記憶装置が必要となる。このような装置をリムーバブルディスクと呼ぶ。
ここでは、MOドライブ、ZIPドライブ、DVD−RAM、PDドライブを挙げる。
(1) MOドライブ
リムーバブルディスクとして、大変普及している装置であり、記憶容量、アクセス速度とも優秀で、ディスクの価格も安価であり、使いやすい装置である。
記憶方法としては、レーザーを使っての磁気記憶である。
使えるディスクの記憶容量の違いにより、いくつかのタイプがあるが、共通していえることは、その装置で使える最大容量のディスク、またはそれより容量の少ないディスクが使えるということである。現在の最大容量は、2.3GBであり、このドライブは、GIGAMO(ギガモ)と呼ばれる。
他には、1.3GB、640MB、230MB、128MBのディスクが存在し、それらのディスクを利用できるドライブが存在する。
MOディスクは、カートリッジタイプで内部にディスクが入っている。
MOドライブは、SCSI接続タイプ、USB接続タイプおよびIDE(ATAPI)接続タイプがあり、SCSIタイプには、内蔵タイプおよび外付けタイプがある。USBタイプは外付け、IDEタイプは内臓である。
内蔵タイプを増設したい場合は、ファイルベイが空いてないと不可能である。
取り扱い上の注意点としては、ほこりに弱いことである。
 
       
(2) ZIPドライブ
ZIPドライブは、MOドライブと比べて記憶容量に劣るがアクセス速度は、ほぼ同等でかなり普及しているリムーバブルディスクである。
ドライブの価格も安価で使いやすい装置であるがディスクの価格は、MOディスクより高価であり、コスト的には不利である。
記憶方法は、磁気記憶であり、ヘッドも接触型で基本的にフロッピーディスクと似ているがディスクの記録密度は高い。
ZIPディスクは、100MBであるが最近では、250MBタイプのものも登場している。もちろんMOと同様、上位互換で250MBタイプのドライブでは、100MBのディスクもアクセスできるが逆に100MBタイプのドライブで250MBのディスクをアクセスはできない。
ZIPドライブには、SCSI接続とIDE接続およびパラレルポート(プリンタ)接続のタイプがあるが、IDE接続のタイプは内蔵タイプで、その他のタイプは外付けとなる。
パラレルポート接続タイプは、他の2者と比べて低速なので注意が必要である。
取り扱い上の注意点としては、磁気に弱いことと、ヘッドが接触型なのでディスクには寿命があることである。
 
(3) DVD−RAM
DVD−RAMは、リムーバブルディスクの中では、最も記憶容量が大きく、大きな動画データなどを取り扱うのに向いている。
またCD-ROM,DVD-ROMも読みとれるので光学ドライブでもある。
アクセス速度は、MOに比べると多少劣る。だがDVD-RAMの長所としては、DVD-RAMの他にDVD-ROM、CD-ROM,CD-R、CD-RWも読み込むことができ、PDカートリッジも読み書きできる。
その点、MO、ZIPは、それぞれ専用ドライブであり他のディスクとの互換性はない。
DVD-RAMは、ATAPI接続が多いがUSB接続で外付けのものもある。
記憶容量は、片面4.7GBで両面で9.4GBである。
DVD-RAMカートリッジは高価だが、記憶容量が大きいのでコスト的にはリムーバブルディスクの中では最も有利である。
最近ではカートリッジなしのディスクも販売されている。
(4) PDドライブ
PDドライブは、光学ドライブの一種でリムーバブルディスクの中では普及度は低いが、記憶容量は650MBとMOと同等であり、CD-ROMなどのディスクの読み取りもできる点がMOよりも優れている。だが、MOに比べて書き込み速度が劣る点が不利である。
ただし読み取り速度は比較的高速で容量も大きいのでバックアップ用に向いている。
現在では、PDドライブは、新発売されるケースはない。過去にMultiCD−Rとして販売されたケースはある。
記憶方法は、レーザーを使った光ディスクであり、基本的にCD-ROMと同一である。
MultiCD-Rとは、CD-RとPDドライブの2つの機能を持ったドライブであり、CD-ROMも読み取りできるのでCD-ROMドライブと置き換えることもできる。
PDカートリッジは、CD-ROMと同じ大きさのディスクが内蔵されたカートリッジでDVD-RAMカートリッジと同じ程度の大きさである。PDカートリッジは、ZIPドライブと同程度の価格であり、容量から考えるとコスト的には有利である。
補助記憶装置の特徴についての一覧を次に挙げる。
装置名 記憶容量 アクセス 読取速度 書込速度 インタフェース
HDD 4GB〜25GB R/W 10MB/s〜 10MB/s〜 A,S,SAU,I
FD 1.44MB R/W 0.02MB/s 0.02MB/s F ,U
CD-ROM 650MB 〜7.5MB/s なし A,S
CD-R/RW   650MB   R/R、R/W 〜3MB/s   〜0.6MB/s A,S,U
MO 128MB〜2.3GB R/W 〜2MB/s 〜1MB/S A,S,U,I
ZIP 100MB〜250MB R/W 〜2MB/s 〜1MB/S A,S,U
DVD-RAM 5.2GB〜9.4GB R/W 1.3MB/S 1.3MB/s A,S,U
DVD-R/RW 4.7GB R/W 10.4MB/s 10.4MB/s A,SA
DVD+R/RW 4.7GB〜8.5GB R/W 15.6MB/s 15.6MB/s A,SA
DVD-ROM 4.7GB 6.9MB/s なし
PD   650MB   R/W   0.5MB/S   1MB/s  
 ※注  インタフェース A:ATAPI、SA:SerialATA S:SCSI、U:USB、I:IEEE1394 F:FDD
次に補助記憶装置とディスクの関係図を次に挙げる。
 R/W:読み書き可能 R:読み取りのみ ×:使用不可
 R/R:読み書き可能だが削除不能 
   装置
ディスク 
CD-ROM CD-R/RW MO ZIP DVD-RAM DVD-R/RW DVD+R/RW DVD-ROM PD
CD-ROM × ×
CD-R R/R × × R/R R/R
CD-RW R/W × × R/W R/W
MO × × R/W × × × × × ×
ZIP × × × R/W × × × × ×
DVD-RAM × × × × R/W ×(R) ×
DVD-ROM × × × × ×
DVD-R × × × × R/R ×
DVD-RW × × × × R/W ×
DVD+R × × × × R R/R ×
DVD+RW × × × × R/W ×
PD   × × × × R/W × × × R/W
 
最近では、DVD-ROMとCD-RWの両方の機能を持ったコンボドライブも登場している。
DVD-RAMは、従来はSCSI接続であったが、最近ではATAPI接続の内蔵タイプの商品も登場していて、価格も下がっている。
MOは、2.3GBのGIGAMOが登場しているものの、今ひとつ普及度が上がらず、640MBMOがお買い得となっている。