JR東日本・東京メトロ・都営地下鉄・飯田橋駅
飯田橋(いいだばし)
中央・総武線(各停) 水道橋 飯田橋 市ケ谷
所在地 東京都千代田区飯田橋四丁目10-2
駅番号  JB16
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線 中央・総武線(各駅停車)
キロ程 3.0km(神田起点)
駅構造  高架駅・地上駅(橋上駅)
ホーム  1面2線
乗車人員  66,019人/日(2023年)
開業年月日 1928年(昭和3年)11月15日
駅種別  業務委託駅 みどりの窓口  
東京山手線内・東京都区内駅 
飯田橋駅
飯田橋駅
飯田橋駅(いいだばしえき)は、東京都千代田区・新宿区・文京区にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・東京地下鉄(東京メトロ)・東京都交通局(都営地下鉄)の駅である。

乗り入れ路線

JR東日本、東京メトロおよび都営地下鉄の計3社局が乗り入れ、接続駅となっている。また東京メトロの東西線と有楽町線、東西線と南北線が交差する唯一の駅でもある。
JR東日本の駅に乗り入れている路線は、線路名称上は中央本線であるが、当駅には緩行線を走る中央・総武線各駅停車のみが停車する。
また、特定都区市内制度における「東京都区内」および「東京山手線内」に属しており、各路線ごとに駅番号が付与されている。
  • JR東日本
    • JB 中央・総武線(各駅停車) - 駅番号「JB 16」
    • 地下鉄路線は、東西線と有楽町線、南北線および大江戸線の4路線が乗り入れており、各路線ごとに駅番号が付与されている。
  • 東京メトロ
    • T 東西線 - 駅番号「T 06」
    • Y 有楽町線 - 駅番号「Y 13」
    • N 南北線 - 駅番号「N 10」
  • 都営地下鉄
    • E 大江戸線 - 駅番号「E 06」
駅名標 島式ホーム
駅名標 島式ホーム
駅構造

当駅は所在地を3区に有する珍しい駅である。具体的に、JR東日本と東京メトロ東西線が千代田区、東京メトロ有楽町線と東京メトロ南北線が新宿区(同区最東端でもある)、都営地下鉄が文京区に所在する。

JR東日本
  • JR東日本ステーションサービスが駅業務を受託している業務委託駅。水道橋駅の被管理駅。
  • 島式ホーム1面2線を有する高架駅。駅舎は東西に出口がある。地形が傾斜しているため、東口側は高架駅舎のようになっているが、西口側は橋上駅舎となっている。江戸城外堀跡の史跡区域に入る西口駅舎は、景観に与える影響を考え「日本建築の反りをモチーフとした佇まい」として建築されており、2階には商業施設の他に「史跡眺望デッキ」も設けられている。
  • 牛込駅と飯田町駅の統合時に設置されたホームは、曲線半径300 mの急カーブに位置しており、電車が停車した際に隙間が最大約33 cm、高低差が最大20 cm生まれ、年間で平均10件ほどの転落事故が起きていた。このため、2014年7月2日にJR東日本は抜本的な対策として、ホームを牛込橋を中心とした新宿方の直線区間へ約200 m移設してホームと車両の隙間を解消させるとともに、西口駅舎の建て替えと駅前広場の整備を実施することを発表した。
  • 新しく建設するホームにあたる位置には最大で33.3 ‰という勾配があり、建設する際に障害となったため、勾配を緩やかにする工事(上下線合わせて57回に分けて行う軌道低下工事と38回のホーム低下工事)を実施し、18.5 ‰に緩和した上で建設された。
  • また、新ホームの一部が江戸城外堀跡の史跡区域に入っているため、埋蔵文化財の有無や正確な位置をボーリング調査などで把握したうえで工事を行うなど、地中遺構へ出来る限りの配慮を行った上で建設されている。なお、新駅舎や新ホームの供用に伴い、移設前のホームは東口への連絡通路として活用されている。
  • 移設前のホームのうち水道橋寄りの閉鎖された部分はほぼ原形通りのままで、連絡通路からも見ることができる。駅名標・広告は撤去されているが、ホーム部分の照明や閉鎖区域につながる階段・下りエスカレーターは撤去されていない。
  • 改良工事により、西口の駅舎はホーム階、改札階、店舗階の3層構造になり、改札からホームへのアプローチが従前の緩い勾配の通路から、直接的に階段、エスカレーター、エレベーターで階を降りる形になった。
  • なお、この工事にあたって令和3年度の土木学会技術賞を受賞している。
のりば
番線 路線 方向 行先
1 中央・総武線(各駅停車) 東行 御茶ノ水・秋葉原・千葉方面
2 西行 四ツ谷・新宿・三鷹方面
  • 移設前は市ケ谷方の直線上に引上線があり、千葉方面への折返しに使われた。移設後のホームの大部分は引上線のあったスペースを利用している。
  • 2020年3月14日のダイヤ改正以降、早朝・深夜に設定されていた東京駅発着の各駅停車が消滅した。

発車メロディ

1番線ではサウンドフォーラム、2番線ではサウンドファクトリー制作の発車メロディを使用している。
  • 1 JB 春 New Ver.
  • 2 JB SF-3(教会の見える駅)
東京地下鉄 飯田橋(いいだばし)
東西線 神楽坂 飯田橋 九段下
有楽町線   江戸川橋     市ケ谷
南北線    市ケ谷     後楽園
所在地 東京都千代田区飯田橋四丁目10-3(東西線)
東京都新宿区神楽坂一丁目13(有楽町線・南北線)
所属事業者 東京地下鉄(東京メトロ)
駅構造 地下駅
ホーム 2面2線(東西線)
1面2線(有楽町線・南北線)
乗降人員 150,786人/日(2023年)
開業年月日  1964年(昭和39年)12月23日 
 乗入路線 3 路線
所属路線  東西線
駅番号   T06 
キロ程 8.0 km(中野起点)
所属路線  有楽町線
駅番号   Y13 
キロ程 16.4 km(和光市起点) 
所属路線  南北線
駅番号   N10
キロ程 10.0 km(目黒起点)
駅種別  駅務管区所在駅 定期券売り場 
東京メトロ飯田橋駅
東京メトロ飯田橋駅
飯田橋駅ホーム
飯田橋駅ホーム

東京メトロ

東西線は中柱のある相対式ホーム2面2線、有楽町線と南北線はともに島式ホーム1面2線を有する地下駅である。有楽町線・南北線のホームは新宿区最東端となっている。
東西線のホームは目白通り、有楽町線と南北線のホームは外堀通り、それぞれの地下に設置されており、JRの駅を挟んで徒歩5分程の距離がある。そのため、東西線と有楽町線・南北線は改札が別になっている。JRとのホームまでの距離は、東西線・有楽町線・南北線のいずれも比較的近かったが、2020年のJRのホーム移転により、東西線だけが接続する他の全路線から遠くなってしまった(これは同じ東西線の駅では、大手町駅にも該当する)。
また東西線の駅は1991年から1997年にかけて駅改良工事により、中野方約105 mにわたってホーム幅を3.8 mから7.5 mとする拡幅が行われ、拡幅部の上部にコンコースを増設し、ホーム中ほどにも階段を新設して混雑緩和を図った。南北線開業時、エレベーター専用出入口の1箇所以外の出入口新設は行わず、既存の出入口を活用することで建設費用の低減を図った
駅務管区所在駅であり、飯田橋駅務管区として飯田橋地域、九段下地域、高田馬場地域を管理する。過去には東西線と有楽町線に飯田橋検車区が設置され、廃止後も留置線として用いられている。東西線当駅の南側には飯田橋変電所(地上3階建て)があり、西船橋寄りから変電所への連絡地下通路が設けられている。
有料座席指定列車「S-TRAIN」は平日ダイヤのみ有楽町線に乗り入れ、当駅にも停車する。なお、当駅から東京メトロ線内のみの乗車はできない(乗車専用の石神井公園駅で乗車し、当駅で下車するのは可)。

のりば

番線 路線 行先
東西線ホーム(地下2階)
1 東西線 西船橋・津田沼・東葉勝田台方面
2 中野・三鷹方面
有楽町線・南北線ホーム(地下3階)
3 有楽町線 新木場方面
4 和光市・森林公園・飯能方面
5 南北線 赤羽岩淵・浦和美園方面
6 目黒・日吉方面

発車メロディ

全ホームで発車メロディ(発車サイン音)を使用している。
東西線ホームでは向谷実作曲のメロディ、有楽町線ホームと南北線ホームではスイッチ制作のメロディを使用している。
なお、南北線ホームでは当初、吉村弘作曲の同線全駅共通のメロディを使用していた。
番線 路線 曲名 作曲者
1 東西線 A Day in the METRO 向谷実
2 Beyond the Metropolis
3 有楽町線 ラブリートレイン 福嶋尚哉
4 星のゆくえ 塩塚博
5 南北線 坂のある街
6 水の戯れ 山崎泰之
東京都交通局 飯田橋(いいだばし)
牛込神楽坂→飯田橋→春日
所在地 東京都文京区後楽一丁目9-5
駅番号  E06
所属事業者 東京都交通局(都営地下鉄)
所属路線  大江戸線
キロ程 5.8 km(都庁前起点)
駅構造 地下駅
ホーム 1面2線
乗降人員 27,039人/日(2023年)
開業年月日 2000年(平成12年)12月12日
駅種別  業務委託駅 
東京メトロ飯田橋駅
東京メトロ飯田橋駅

東京都交通局

島式ホーム1面2線を有する地下駅。ホームは先に建設された東京メトロ各線を避けるため、地下32.1 mと非常に深い位置にある。当駅は都営地下鉄全体・大江戸線内では7番目に深い位置にホームがあり、当駅前後では高低差が激しくなる。
ただし駅務室は非常に浅い位置にあり、壁と天井の換気および採光が、わずかに道路上に露出している事が、利用客の入れる部分からも見える。
当駅周辺には多数の地下鉄、首都高速5号池袋線や神田川、下水道管、東京電力の洞道など重要構造物が多数あることや、地上の外堀通り、目白通りなどが交差する飯田橋交差点は交通量が非常に多く、長期間の車線規制は困難であることから、建設には特殊なシールド工法を採用した。これは、世界初の3心円泥水式駅シールド工法(MFシールド工法・Multi-circular Face method)を採用することで、幅17.1 m、延長275.0 mに渡ってホームと旅客用通路部の同時掘削を行った。
バリアフリー設備として春日寄りの後楽方面改札側にエレベーターが設けられている。また、JR・東京メトロと大江戸線との乗り換えルートにも車椅子対応エスカレーターがあるものの、距離もあり時間もかかる。
駅業務は東京都営交通協力会に委託されている。1974年(昭和49年)の大江戸線免許申請時点では当駅は経由せず、春日駅から牛込神楽坂駅方面まで東京都道434号牛込小石川線(放射25号道路・当時未完成)の地下を経由する計画であったが、小型地下鉄規格への見直し時に当駅を経由することが旅客増加に繋がると判断して変更したものである。

のりば

番線 路線 行先
1 都営大江戸線 目黒・東急線方面
2 西高島平方面

歴史

  • 1894年(明治27年)10月9日:甲武鉄道新宿 - 牛込間開通と同時に牛込駅開業。
  • 1895年(明治28年)4月3日:飯田町 - 牛込間開通。
  • 1904年(明治37年)8月21日:飯田町 - 中野間で電車の運行開始。
  • 1906年(明治39年)10月1日:甲武鉄道の国有化により、牛込駅と飯田町駅は官設鉄道の駅となる。
  • 1909年(明治42年)10月12日:線路名称制定により中央東線(1911年から中央本線)の所属となる。
  • 1928年(昭和3年)11月15日:関東大震災復興により、貨客分離を目的とした複々線化工事が新宿 - 飯田町間で完成。これにより駅間が近い牛込駅と電車線の飯田町駅を統合し、両駅ホームの中間にホームを新設し、飯田橋駅が開業。当初は旅客営業のみだった。
  • 1949年(昭和24年)6月1日:日本国有鉄道発足。
  • 1960年(昭和35年)5月1日:荷物扱い廃止。
  • 1964年(昭和39年)12月23日:帝都高速度交通営団(営団地下鉄)東西線の駅が開業。
  • 1968年(昭和43年)1月15日:佐世保エンタープライズ寄港阻止闘争に参加するため飯田橋駅に向かった中核派の学生200人らからなるデモ隊と警視庁機動隊が、駅前で衝突(飯田橋事件)。
  • この後も、学生運動は「都電廃止反対」のスローガンを掲げて都電を占拠する行動に及んだ影響もあって、この年9月29日に廃止になった都電江戸川線(15・39系統)の運転最終日には、お別れ装飾電車の運転及びセレモニーが断念された。
  • 1974年(昭和49年)10月30日:営団地下鉄有楽町線の駅が開業。
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により、中央本線の駅は東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅となる。
  • 1990年(平成2年)12月15日:JR東日本の西口に自動改札機を設置。
  • 1991年(平成3年)3月:東西線駅改良工事に着手。
  • 1992年(平成4年)12月10日:JR東日本の東口に自動改札機を設置。
  • 1996年(平成8年)3月26日:営団地下鉄南北線の駅が開業。
  • 1997年(平成9年)3月:東西線駅改良工事が終了。総工費約57億3,000万円。
  • 2000年(平成12年)12月12日:都営地下鉄大江戸線の駅が開業。
  • 2001年(平成13年)11月18日:JR東日本でICカード「Suica」の利用が可能となる。
  • 2004年(平成16年)4月1日:帝都高速度交通営団(営団地下鉄)民営化に伴い、東西線・有楽町線・南北線の駅は東京地下鉄(東京メトロ)に継承される。
  • 2007年(平成19年)3月18日:東京メトロ・東京都交通局でICカード「PASMO」の利用が可能となる。
  • 2011年(平成23年)9月17日:地下鉄有楽町線ホームにてホームドアの使用を開始。同時に発車メロディを導入。
  • 2012年(平成24年)8月11日:都営地下鉄大江戸線ホーム設置のホームドアの使用を開始。
  • 2015年(平成27年)
    • 3月13日:南北線ホームの発車メロディを変更。
    • 3月29日:南北線駅構内に東京メトロお忘れ物総合取扱所を開設(日比谷線上野駅構内からの移転)。
    • 5月27日:東西線ホームに発車メロディを導入。
  • 2016年(平成28年)8月7日:JR東日本の駅改良工事の開始に伴い、西口駅舎が仮駅舎化。
  • 2018年(平成30年)11月24日:東西線ホームのホームドア稼働開始。
  • 2020年(令和2年)
    • 7月12日:新西口駅舎が供用開始。中央・総武線(各駅停車)のホームが西側に約200 m移設。
    • 8月25日:JR東日本の新西口駅舎開業に伴い、エキナカ商業空間「エキュートエディション飯田橋」が部分開業
  • 2021年(令和3年)
    • 3月18日:JR東日本の駅に駅ナカシェアオフィス「STATION WORK」のブース型「STATION BOOTH」が開業。
    • 4月1日:JR東日本の駅が業務委託化。
    • 7月21日:JR東日本の駅で史跡眺望テラスを供用開始。エキナカ商業空間「エキュートエディション飯田橋」がグランドオープン。
  • 2022年(令和4年)6月5日:JR東日本でスマートホームドアの使用を開始。