上田電鉄別所線 下之郷駅
下之郷(しものごう)
大学前下之郷中塩田
所在地 長野県上田市大字下之郷517-3
所属事業者 上田電鉄
所属路線 別所線
キロ程 6.1km(上田駅起点)
駅構造 地上駅
ホーム 島式1面2線
乗車人員 168人/日(2016年)
開業年月日 1921年(大正10年)6月17日
駅種別 駅員配置駅(終日)
下之郷駅
下之郷駅
左側の建物は西丸子線時代のものです 「報恩殿」の朱塗りの柱と漆喰の壁を模した装飾塗装
左側の建物は西丸子線時代のものです 「報恩殿」の朱塗りの柱と漆喰の壁を模した装飾塗装
ここにトイレがあります 待合所にはいろいろ貼ってあります
ここにトイレがあります 6001型の整備中
駅の概要

行き先が何故か蒲田になっている
行き先が何故か蒲田になっている
下之郷駅は、長野県上田市下之郷にある上田電鉄別所線の駅です。駅番号はBE09。
1963年(昭和38年)まで上田丸子電鉄西丸子線が発着していました。現在でも当時のプラットホームが残っています。
当駅は島式1面2線のホームを持つ地上駅であり、駅前のロータリー状の広場より構内踏切を通って入構します。
ホーム上にはトイレは無く、西丸子線の旧駅構造物横に設置されていますが、深夜から早朝にかけては施錠されて利用できないので注意が必要です。
別所線の中間駅では唯一の駅員配置駅であり、駅員は出札窓口にて切符等の販売を行うほか、ホーム出入口にて降車客からの運賃収受を行います。
自動券売機が設置されています(1機)。
当駅構内が上田電鉄の登記上の本社所在地となっているほか、車両基地・留置線・変電所があり、当駅を発着の列車が始発・最終を中心に設定されています。
上田電鉄唯一の夜間滞泊設定駅です。ホーム上に上田丸子電鉄時代からの設備を改修した駅舎があり、駅事務室と待合室があります。元はホームから構内踏切を渡った場所に改札口を備えた駅舎があり、ホーム上には屋根と待合室しかなかったのです。
5200系電車が留置されています
5200系電車が留置されています
西丸子線廃止後、別所線についても一時当駅での列車交換がなくなり、1970年代には構内踏切を廃止しています。
線路はそのままに島式1面1線とし、現在の下り方ホームと駅舎の間に渡り板を置いて下り線路上に通路を造り使用していました。
間もなく無人駅となっていますが、1980年代に駅員が再配置され、駅舎を解体し、ホーム上の待合室を改装・増築し新しい駅事務室を設けています。
また中塩田駅での列車交換・折り返しを廃止して当駅にて列車交換・折り返しを行うことになり、ホームを島式1面2線に戻し、構内踏切を再置して上下線を使用するようになっています。
生島足島神社の最寄り駅であることから、その後ホーム上の駅舎建物外壁には同神社旧斎館「報恩殿」(2014年解体)の朱塗りの柱と漆喰の壁を模した装飾塗装が施され、現在の外観となっています。
2000年代にホームをかさ上げしています。旧駅舎があった場所は舗装され駐車スペース・駐輪場となっています。
かつて二路線の分岐駅であったため駅構内は広く取られており、資材なども置かれています。
西丸子線廃止後、一旦は無人駅となっていたが、西丸子線を引き継いだバスの起点となっていたことや当駅にて列車交換・折り返しを行うことになった事情などにより再び駅員が配置されたという珍しい経歴を持つ。その関係で現在は別会社になった上田バスの回数券などの取扱いを行っている。
島式ホームの中央に待合室がある
島式ホームの中央に待合室がある
上田原駅構内から車両基地が当駅構内に移転した後は駅員の他車両整備担当社員等も常駐している。かつては上田駅構内にも車両基地・留置線があったが、1997年の北陸新幹線長野先行開業に伴う上田駅改築・別所線高架化工事の際、当駅構内に統合され、以後別所線唯一の車両基地となっている。

なお、現在配置されている駅員は切符販売等の窓口業務と降車時の運賃収受を行い、乗車時の改札は行っていない。そもそも現在の駅舎は改札を行う前提の構造として設計されておらず、改札口はない。
駅員が配置されているにもかかわらず乗車駅証明のための整理券発行機(1機)がホーム出入口に設置されており、"駅員の居る無人駅"といった扱いであるといえる。

当駅から別所温泉方向には交換施設がないため、当駅から先は1列車のみ入れる(中野駅で交換施設が設置される予定であるが、現時点では着工されていない)。



西丸子線の下之郷駅について
西丸子線の下之郷駅は、現在の駅から少し南、留置線部分に設置されていました。
上田温泉電気軌道依田窪線として開業した西丸子線の下之郷駅は、上田駅から直接丸子町を結ぶ路線として計画されていたという事情から、現在の駅の直前付近に西丸子線ホームへつながるポイントが設けられており、上田駅から西丸子駅へ行く場合はポイントを介して西丸子線ホームへ入る構造であったと言われています。
しかし上田丸子電鉄となって以降は上田駅から西丸子線を介して丸子町を結ぶ便が運行されなくなり、もっぱら上田原駅にあった電車区への回送に使われるのみでした。西丸子線の電車は別所線同様上田原電車区所属でした。
西丸子線廃止後は物置として使用されていたものの、無人駅時代から上田交通時代の間は荒廃していました。
現在は改装され、上田電鉄直営の鉄道資料館として使用されていますが、イベントが開かれている時期のみの営業です。

利用状況
近年の一日平均乗車人員の推移は下記のとおりです。

年度 一日平均乗車人員
2010年 143
2011年 148
2012年 154
2013年 151
2014年 160
2015年 159
2016年 168

  • 1921年(大正10年)6月17日 上田温泉電軌により、川西線の駅として開業。
  • 1926年(大正15年)8月12日 開業した依田窪線の起点駅となる。
  • 1939年(昭和14年) 3月19日 川西線が別所線、依田窪線が西丸子線に路線名称を変更し、それぞれの駅となる。
  • 9月1日 社名変更により、上田電鉄の駅となる。
  • 1943年(昭和18年)10月21日 合併により、上田丸子電鉄の駅となる。
  • 1961年(昭和36年)6月29日 西丸子線が同月25日の梅雨前線豪雨被害により休止となる。
  • 1963年(昭和38年)11月1日 西丸子線が廃止となる。
  • 1969年(昭和44年)5月31日 社名変更により、上田交通の駅となる。
  • 1986年(昭和61年)10月1日 車両基地・車両工場が上田原より移転。
  • 2005年(平成17年)10月3日 鉄道部門子会社化により、上田電鉄の駅となる。上田電鉄の本社が置かれる。