Q8. キャッシュメモリとは、何ですか。主メモリとは違うのですか。

A8. キャッシュメモリとは、主メモリとCPUの速度差を緩和するためのメモリです。
その記憶素子も主メモリに使うSDRAMではなくて、SRAMというさらに高速の記憶素子を使っています。
その役割は、主メモリから読み込まれたデータを格納し、つぎに同一のデータを読み込んだとき、低速の主メモリではなくて高速のキャッシュメモリからアクセスできるので、全体のパフォーマンスが向上します。
最近のCPUでは、1次キャッシュ、2次キャッシュを搭載しているのが当然です。
当然ながら、キャッシュ容量が大きい方が有利ですが、インテル社のCPUに比べてSRAM社のCPUは1次キャッシュと2次キャッシュに対して排他制御を行っていて、より効率的にキャッシュを制御しています。

次の表は、各CPUのキャッシュ性能についてまとめたものです。 
CPU名 1次 2次 3次
容量 容量 クロック 形式 容量 形式
Pentium4 8KB 512KB フルスピード 統合 ×
PentiumV(Tualatin) 32KB 512KB フルスピード 統合 ×
PentiumV(CopperMine)

32KB

256KB

フルスピード

統合

×

PentiumV(Katmai)

32KB

512KB

1/2

内蔵

×

Celeron

32KB

128KB

フルスピード

統合

×

PentiumU

32KB

512KB

1/2

内蔵

×

Athlon(K7) 

128KB

512KB

1/2〜1/3

内蔵

×

Athlon(Thunderbird )

128KB

256KB

フルスピード

統合

×

AthlonXP
128KB 256KB フルスピード 統合

×

Athlon64 3200+ 128KB 1MB フルスピード 統合 ×
Athlon64 3000+ 128KB 512KB フルスピード 統合 ×
Opteron 128KB 1MB フルスピード 統合 ×

Duron

128KB

64KB

フルスピード

統合

×

K6-V

64KB

256KB

フルスピード

統合

可変

外部

K6-2

64KB

可変

FSBに依存

外部

×

K6-2+

64KB

128KB

フルスピード

統合

×

キャッシュメモリは、主メモリに比べて容量は小さいがもちろん容量が大きい方が有利であるのは当然です。
しかし動作クロックも重要で、実際にはハーフスピードで512KBのCPUより、フルスピードで256KBのCPUの方がパフォーマンスは上であるのが通常です。
また1次キャッシュの容量も重要で、この点ではAMD陣営のCPUがインテル社のCPUを上まわっています。
またK6-Vのように3次キャッシュまで制御できるCPUもありますが、実際にはパフォーマンス的にはさほどの効果がないようです。