雇用保険法
 
第1章 総則
第1条(目的)
雇用保険は、労働者が失業した場合及び労働者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合に必要な給付を行うほか、労働者が自ら職業に関する教育訓練を受けた場合に必要な給付を行うことにより、労働者の生活及び雇用の安定を図るとともに、求職活動を容易にする等その就職を促進し、あわせて、労働者の職業の安定に資するため、失業の予防、雇用状態の是正及び雇用機会の大、労働者の能力の開発及び向上その他労働者の福祉の増進を図ることを目的とする。
 
第2条(管掌)
雇用保険は、政府が管掌する。
2 雇用保険の事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。
 
第3条(雇用保険事業)
雇用保険は、第一条の目的を達成するため、失業等給付を行うほか、雇用安定事業、能力開発事業及び雇用福祉事業を行うことができる。
 
第4条(定義)
この法律において「被保険者」とは、適用事業に雇用される労働者であつて、第六条各号に掲げる者以外のものをいう。
2 この法律において「離職」とは、被保険者について、事業主との雇用関係が終了することをいう。
3 この法律において「失業」とは、被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいう。
4 この法律において「賃金」とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称のいかんを問わず、労働の対償として事業主が労働者に支払うもの(通貨以外のもので支払われるものであつて、労働省令で定める範囲外のものを除く。)をいう。
5 賃金のうち通貨以外のもので支払われるものの評価に関して必要な事項は、労働省令で定める。
  
第2章 適用事業等
第5条(適用事業)
この法律においては、労働者が雇用される事業を適用事業とする。
2 適用事業についての保険関係の成立及び消滅については、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号。以下「徴収法」という。)の定めるところによる。
 
第6条(適用除外)
次の各号に掲げる者については、この法律は、適用しない。
一 六十五歳に達した日以後に雇用される者(同一の事業主の適用事業に同日の前日から引き続い
て六十五歳に達した日以後の日において雇用されている者及びこの法律を適用することとした場合
において第三十八条第一項に規定する短期雇用特例被保険者又は第四十三条第一項に規定する日雇
労働被保険者に該当することとなる者を除く。)
一の二 短時間労働者(一週間の所定労働時間が、同一の適用事業に雇用される通常の労働者の一
週間の所定労働時間に比し短く、かつ、労働大臣の定める時間数未満である者をいう。第十三条第
一項第一号において同じ。)であつて、第三十八条第一項各号に掲げる者に該当するもの(この法
律を適用することとした場合において第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者に該当するこ
ととなる者を除く。)
一の三 第四十二条に規定する日雇労働者であつて、第四十三条第一項各号のいずれにも該当しな
いもの(労働省令で定めるところにより公共職業安定所長の認可を受けた者を除く。)
二 四箇月以内の期間を予定して行われる季節的事業に雇用される者
三 船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第十七条の規定による船員保険の被保険者
四 国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業に雇用される者のうち、離職した場合に、他の法令、条例、規則等に基づいて支給を受けるべき諸給与の内容が、求職者給付及び就職促進給付の内容を超えると認められる者であつて、労働省令で定めるもの
 
第7条(被保険者に関する届出)
事業主(徴収法第八条第一項又は第二項の規定により元請負人が事業主とされる場合にあつては、当該事業に係る労働者のうち元請負人が雇用する労働者以外の労働者については、当該労働者を雇用する下請負人。以下同じ。)は、労働省令で定めるところにより、その雇用する労働者に関し、当該事業主の行う適用事業(同条第一項又は第二項の規定により数次の請負によつて行われる事業が一の事業とみなされる場合にあつては、当該事業に係る労働者のうち元請負人が雇用する労働者以外の労働者については、当該請負に係るそれぞれの事業。以下同じ。)に係る被保険者となつたこと、当該事業主の行う適用事業に係る被保険者でなくなつたことその他労働省令で定める事項を労働大臣に届け出なければならない。当該事業主から徴収法第三十三条第一項の委託を受けて同項に規定する労働保険事務の一部として前段の届出に関する事務を処理する同条第三項に規定する労働保険事務組合(以下「労働保険事務組合」という。)についても、同様とする。
 
第8条(確認の請求)
被保険者又は被保険者であつた者は、いつでも、次条の規定による確認を請求することができる。
 
第9条(確認)
労働大臣は、第七条の規定による届出若しくは前条の規定による請求により、又は職権で、労働者が被保険者となつたこと又は被保険者でなくなつたことの確認を行うものとする。
2 前項の確認については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章(第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。
 
第3章 失業等給付
第1節 通則
第10条(失業等給付)
失業等給付は、求職者給付、就職促進給付、教育訓練給付及び雇用継続給付とする。
2 求職者給付は、次のとおりとする。
一 基本手当
二 技能習得手当
三 寄宿手当
四 傷病手当
3 前項の規定にかかわらず、第三十七条の二第一項に規定する高年齢継続被保険者に係る求職者給付は、高年齢求職者給付金とし、第三十八条第一項に規定する短期雇用特例被保険者に係る求職者給付は、特例一時金とし、第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者に係る求職者給付は、日雇労働求職者給付金とする。
4 就職促進給付は、次のとおりとする。
一 再就職手当
二 常用就職支度金
三 移転費
四 広域求職活動費
5 教育訓練給付は、教育訓練給付金とする。
6 雇用継続給付は、次のとおりとする。
一 高年齢雇用継続基本給付金及び高年齢再就職給付金(第六節第一款において「高年齢雇用継続給付」という。)
二 育児休業基本給付金及び育児休業者職場復帰給付金(第六節第二款において「育児休業給付」という。)
三 介護休業給付金
 
第10条の2(未支給の失業等給付)
失業等給付の支給を受けることができる者が死亡した場合において、その者に支給されるべき失業等給付でまだ支給されていないものがあるときは、その者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。)、子、父母、孫、祖父母又は兄弟姉妹であつて、その者の死亡の当時その者と生計を同じくしていたものは、自己の名で、その未支給の失業等給付の支給を請求することができる。
2 前項の規定による未支給の失業等給付の支給を受けるべき者の順位は、同項に規定する順序による。
3 第一項の規定による未支給の失業等給付の支給を受けるべき同順位者が二人以上あるときは、その一人のした請求は、全員のためその金額につきしたものとみなし、その一人に対してした支給は、全員に対してしたものとみなす。
 
第10条の3(返還命令等)
偽りその他不正の行為により失業等給付の支給を受けた者がある場合には、政府は、その者に対して、支給した失業等給付の全部又は一部を返還することを命ずることができ、また、労働大臣の定める基準により、当該偽りその他不正の行為により支給を受けた失業等給付の額に相当する額以下の金額を納付することを命ずることができる。
2 前項の場合において、事業主が偽りの届出、報告又は証明をしたためその失業等給付が支給されたものであるときは、政府は、その事業主に対し、その失業等給付の支給を受けた者と連帯して、同項の規定による失業等給付の返還又は納付を命ぜられた金額の納付をすることを命ずることができる。
3 徴収法第二十六条及び第四十一条第二項の規定は、前二項の規定により返還又は納付を命ぜられた金額の納付を怠つた場合に準用する。
 
第11条(受給権の保護)
失業等給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。
 
第12条(公課の禁止)
租税その他の公課は、失業等給付として支給を受けた金銭を標準として課することができない。
第2節 一般被保険者の求職者給付
第1款 基本手当
第13条(基本手当の受給資格)
基本手当は、被保険者が失業した場合において、離職の日以前一年間(次の各号に掲げる被保険者については、当該各号に定める日数を一年に加算した期間(その期間が四年を超えるときは、四年間)。第十七条第一項において「算定対象期間」という。)に、次条の規定による被保険者期間が通算して六箇月以上であつたときに、この款の定めるところにより、支給する。
一 離職の日以前一年間に短時間労働者である被保険者(以下「短時間労働被保険者」という。)であつた期間がある被保険者 当該短時間労働被保険者となつた日(その日が当該離職の日以前一年間にないときは、当該離職の日の一年前の日の翌日)から当該短時間労働被保険者でなくなつた日の前日までの日数
二 離職の日以前一年間(前号に掲げる被保険者にあつては、同号に定める日数を一年に加算した期間)に疾病、負傷その他労働省令で定める理由により引き続き三十日以上賃金の支払を受けることができなかつた被保険者 当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数(同号に掲げる被保険者にあつては、その日数に同号に定める日数を加えた日数)
2 被保険者が短時間労働被保険者に該当するかどうかの確認は、労働大臣が行う。
 
第14条(被保険者期間)
被保険者期間は、被保険者であつた期間のうち、当該被保険者でなくなつた日又は各月においてその日に応当し、かつ、当該被保険者であつた期間内にある日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日。以下この項において「喪失応当日」という。)の各前日から各前月の喪失応当日までさかのぼつた各期間(賃金の支払の基礎となつた日数が十四日以上であるものに限る。)を一箇月として計算し、その他の期間は、被保険者期間に算入しない。ただし、当該被保険者となつた日からその日後における最初の喪失応当日の前日までの期間の日数が十五日以上であり、かつ、当該期間内における賃金の支払の基礎となつた日数が十四日以上であるときは、当該期間を二分の一箇月の被保険者期間として計算する。
2 被保険者であつた期間が短時間労働被保険者であつた期間である場合における前項の規定の適用については、同項中「十四日」とあるのは「十一日」と、「一箇月として」とあるのは「二分の一箇月として」と、「二分の一箇月」とあるのは「四分の一箇月」とする。
3 前二項の規定により被保険者期間を計算する場合において、次の各号に掲げる期間は、前二項に規定する被保険者であつた期間に含めない。
一 最後に被保険者となつた日前に、当該被保険者が受給資格(前条第一項の規定により基本手当の支給を受けることができる資格をいう。次節から第四節までを除き、以下同じ。)、第三十七条の三第二項に規定する高年齢受給資格又は第三十九条第二項に規定する特例受給資格を取得したことがある場合には、当該受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格に係る離職の日以前における被保険者であつた期間
二 第九条の規定による被保険者となつたことの確認があつた日の二年前の日前における被保険者であつた期間
 
第15条(失業の認定)
基本手当は、受給資格を有する者(次節から第四節までを除き、以下「受給資格者」という。)が失業している日(失業していることについての認定を受けた日に限る。以下この款において同じ。)について支給する。
2 前項の失業していることについての認定(以下この款において「失業の認定」という。)を受けようとする受給資格者は、離職後、労働省令で定めるところにより、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをしなければならない。
3 失業の認定は、求職の申込みを受けた公共職業安定所において、受給資格者が離職後最初に出頭した日から起算して四週間に一回ずつ直前の二十八日の各日について行うものとする。ただし、労働大臣は、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等(国、都道府県及び市町村並びに雇用・能力開発機構が設置する公共職業能力開発施設の行う職業訓練(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。)その他法令の規定に基づき失業者に対して作業環境に適応することを容易にさせ、又は就職に必要な知識及び技能を習得させるために行われる訓練又は講習であつて、政令で定めるものをいう。以下同じ。)を受ける受給資格者その他労働省令で定める受給資格者に係る失業の認定について別段の定めをすることができる。
4 受給資格者は、次の各号のいずれかに該当するときは、前二項の規定にかかわらず、労働省令で定めるところにより、公共職業安定所に出頭することができなかつた理由を記載した証明書を提出することによつて、失業の認定を受けることができる。
一 疾病又は負傷のために公共職業安定所に出頭することができなかつた場合において、その期間が継続して十五日未満であるとき。
二 公共職業安定所の紹介に応じて求人者に面接するために公共職業安定所に出頭することができなかつたとき。
三 公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるために公共職業安定所に出頭することができなかつたとき。
四 天災その他やむを得ない理由のために公共職業安定所に出頭することができなかつたとき。
 
第16条(基本手当の日額)
基本手当の日額は、賃金日額に百分の六十(二千九百七十円以上三千九百六十円未満の賃金日額(その額が第十八条の規定により変更されたときは、その変更された額)については百分の八十、三千九百六十円以上九千五百六十円以下の賃金日額(その額が同条の規定により変更されたときは、その変更された額)については百分の八十から百分の六十までの範囲で、賃金日額の逓増に応じ、一定の割合で逓減するように労働省令で定める率)を乗じて得た金額とする。
2 受給資格に係る離職の日において六十歳以上六十五歳未満である受給資格者に対する前項の規定の適用については、同項中「百分の六十」とあるのは「百分の五十」と、「三千九百六十円以上九千五百六十円以下」とあるのは「三千九百六十円以上一万二千三百六十円以下」とする。
 
第16条の2(基本手当の日額の端数処理)
基本手当の日額に五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。
 
第17条(賃金日額)
賃金日額は、算定対象期間において第十四条(第一項ただし書(同条第二項において読み替えて適用する場合を含む。)を除く。)の規定により被保険者期間として計算された最後の六箇月間(当該最後の六箇月間に同条第二項において読み替えて適用する同条第一項の規定により二分の一箇月として計算された被保険者期間が含まれるときは、当該二分の一箇月として計算された被保険者期間を一箇月として計算された被保険者期間とした場合における最後の六箇月間)に支払われた賃金(臨時に支払われる賃金及び三箇月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。次項及び第六節において同じ。)の総額を百八十で除して得た額とする。
2 前項の規定による額が次の各号に掲げる額に満たないときは、賃金日額(受給資格に係る離職の日において短時間労働被保険者であつた受給資格者に係るものを除く。)は、同項の規定にかかわらず、当該各号に掲げる額とする。
一 賃金が、労働した日若しくは時間によつて算定され、又は出来高払制その他の請負制によつて定められている場合には、前項に規定する最後の六箇月間に支払われた賃金の総額を当該最後の六箇月間に労働した日数で除して得た額の百分の七十に相当する額
二 賃金の一部が、月、週その他一定の期間によつて定められている場合には、その部分の総額をその期間の総日数(賃金の一部が月によつて定められている場合には、一箇月を三十日として計算する。)で除して得た額と前号に掲げる額との合算額
3 前二項の規定により賃金日額を算定することが困難であるとき、又はこれらの規定により算定した額を賃金日額とすることが適当でないと認められるときは、労働大臣が定めるところにより算定した額を賃金日額とする。
4 前三項の規定にかかわらず、これらの規定により算定した賃金日額が、第一号に掲げる額を下るときはその額を、第二号に掲げる額を超えるときはその額を、それぞれ賃金日額とする。
一 次のイ又はロに掲げる受給資格者の区分に応じ、当該イ又はロに定める額(これらの額が次条の規定により変更されたときは、それぞれその変更された額)
イ 受給資格に係る離職の日(次号において「基準日」という。)において短時間労働被保険者であつた受給資格者 二千九百七十円
ロ イに該当しない受給資格者 三千九百六十円
二 次のイからニまでに掲げる受給資格者の区分に応じ、当該イからニまでに定める額(これらの額が次条の規定により変更されたときは、それぞれその変更された額)
イ 基準日において六十歳以上六十五歳未満である受給資格者 一万八千八十円
ロ 基準日において四十五歳以上六十歳未満である受給資格者 一万六千五百七十円
ハ 基準日において三十歳以上四十五歳未満である受給資格者 一万五千七十円
ニ 基準日において三十歳未満である受給資格者 一万三千五百六十円
 
第18条(基本手当の日額の算定に用いる賃金日額の範囲等の自動的変更)
労働大臣は、年度(四月一日から翌年の三月三十一日までをいう。以下同じ。)の平均給与額(労働省において作成する毎月勤労統計における労働者の平均定期給与額を基礎として労働省令で定めるところにより算定した労働者一人当たりの給与の平均額をいう。以下同じ。)が平成六年四月一日から始まる年度(この条の規定により自動変更対象額が変更されたときは、直近の当該変更がされた年度の前年度)の平均給与額を超え、又は下るに至つた場合においては、その上昇し、又は低下した比率に応じて、その翌年度の八月一日以後の自動変更対象額を変更しなければならない。
2 第十六条の二の規定は、自動変更対象額について準用する。
3 前二項の「自動変更対象額」とは、第十六条第一項(同条第二項において読み替えて適用する場合を含む。)の規定による基本手当の日額の算定に当たつて、百分の八十を乗ずる賃金日額の範囲となる同項に規定する二千九百七十円以上三千九百六十円未満の額及び百分の八十から百分の六十までの範囲の率を乗ずる賃金日額の範囲となる同項に規定する三千九百六十円以上九千五百六十円以下の額並びに前条第四項各号に掲げる額をいう。
 
第19条(基本手当の減額)
受給資格者が、失業の認定に係る期間中に自己の労働によつて収入を得た場合には、その収入の基礎となつた日数(以下この項において「基礎日数」という。)分の基本手当の支給については、次の各号に定めるところによる。
一 その収入の一日分に相当する額(収入の総額を基礎日数で除して得た額をいう。)から千三百円(その額が次項の規定により変更されたときは、その変更された額。次項において「控除額」という。)を控除した額と基本手当の日額との合計額(次号において「合計額」という。)が賃金日額の百分の八十に相当する額を超えないとき。 基本手当の日額に基礎日数を乗じて得た額を支給する。
二 合計額が賃金日額の百分の八十に相当する額を超えるとき(次号に該当する場合を除く。)。当該超える額(次号において「超過額」という。)を基本手当の日額から控除した残りの額に基礎日数を乗じて得た額を支給する。
三 超過額が基本手当の日額以上であるとき。 基礎日数分の基本手当を支給しない。
2 労働大臣は、年度の平均給与額が平成六年四月一日から始まる年度(この項の規定により控除額が変更されたときは、直近の当該変更がされた年度の前年度)の平均給与額を超え、又は下るに至つた場合においては、その上昇し、又は低下した比率を基準として、その翌年度の八月一日以後の控除額を変更しなければならない。
3 受給資格者は、失業の認定を受けた期間中に自己の労働によつて収入を得たときは、労働省令で定めるところにより、その収入の額その他の事項を公共職業安定所長に届け出なければならない。
 
第20条(支給の期間及び日数)
基本手当は、この法律に別段の定めがある場合を除き、当該基本手当の受給資格に係る離職の日の翌日から起算して一年(当該一年の期間内に妊娠、出産、育児その他労働省令で定める理由により引き続き三十日以上職業に就くことができない者が、労働省令で定めるところにより公共職業安定所長にその旨を申し出た場合には、当該理由により職業に就くことができない日数を加算するものとし、その加算された期間が四年を超えるときは、四年とする。)の期間内の失業している日について、第二十二条第一項に規定する所定給付日数に相当する日数分を限度として支給する。
2 受給資格者であつて、当該受給資格に係る離職が定年(労働省令で定める年齢以上の定年に限る。)に達したことその他労働省令で定める理由によるものであるものが、当該離職後一定の期間第十五条第二項の規定による求職の申込みをしないことを希望する場合において、労働省令で定めるところにより公共職業安定所長にその旨を申し出たときは、前項中「当該基本手当の受給資格に係る離職の日の翌日から起算して一年」とあるのは「当該基本手当の受給資格に係る離職の日の翌日から起算して一年と、次項に規定する求職の申込みをしないことを希望する一定の期間(一年を限度とする。)に相当する期間を合算した期間(当該求職の申込みをしないことを希望する一定の期間内に第十五条第二項の規定による求職の申込みをしたときは、一年に当該離職の日の翌日から当該求職の申込みをした日の前日までの期間に相当する期間を加算した期間)」と、「当該一年の期間内」とあるのは「当該合算した期間内」と、「の期間内の失業している日」とあるのは「内の失業している日」とする。
3 前二項の場合において、第一項の受給資格(以下この項において「前の受給資格」という。)を有する者が、前二項の規定による期間内に新たに受給資格、第三十七条の三第二項に規定する高年齢受給資格又は第三十九条第二項に規定する特例受給資格を取得したときは、その取得した日以後においては、前の受給資格に基づく基本手当は、支給しない。
 
第21条(待期)
基本手当は、受給資格者が当該基本手当の受給資格に係る離職後最初に公共職業安定所に求職の申込みをした日以後において、失業している日(疾病又は負傷のため職業に就くことができない日を含む。)が通算して七日に満たない間は、支給しない。
 
第22条(所定給付日数)
一の受給資格に基づき基本手当を支給する日数(以下「所定給付日数」という。)は、次の各号に掲げる受給資格者の区分に応じ、当該各号に定める日数とする。
一 当該基本手当の受給資格に係る離職の日(以下この条において「基準日」という。)において六十歳以上六十五歳未満である受給資格者 次のイ又はロに掲げる算定基礎期間の区分に応じ、当該イ又はロに定める日数
イ 五年以上 三百日
ロ 五年未満 二百四十日
二 基準日において四十五歳以上六十歳未満である受給資格者 次のイからニまでに掲げる算定基礎期間の区分に応じ、当該イからニまでに定める日数
イ 二十年以上 三百日
ロ 十年以上二十年未満 二百四十日
ハ 五年以上十年未満 二百十日
ニ 五年未満 百八十日
三 基準日において三十歳以上四十五歳未満である受給資格者 次のイからハまでに掲げる算定基礎期間の区分に応じ、当該イからハまでに定める日数
イ 十年以上 二百十日
ロ 五年以上十年未満 百八十日
ハ 五年未満 九十日
四 基準日において三十歳未満である受給資格者 次のイ又はロに掲げる算定基礎期間の区分に応じ、当該イ又はロに定める日数
イ 十年以上 百八十日
ロ 十年未満 九十日
2 前項の受給資格者で労働省令で定める理由により就職が困難なもの(基準日において六十歳以上であり、かつ、算定基礎期間が五年以上である者及び基準日において四十五歳以上六十歳未満であり、かつ、算定基礎期間が二十年以上である者を除く。)に係る所定給付日数は、同項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる受給資格者の区分に応じ、当該各号に定める日数とする。
一 基準日において四十五歳以上六十五歳未満である受給資格者 三百日
二 基準日において四十五歳未満である受給資格者 二百四十日
3 基準日において短時間労働被保険者であつた受給資格者に係る所定給付日数は、前二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる受給資格者の区分に応じ、当該各号に定める日数とする。
一 基準日において六十歳以上六十五歳未満である受給資格者 二百十日
二 基準日において三十歳以上六十歳未満である受給資格者 次のイからハまでに掲げる算定基礎期間の区分に応じ、当該イからハまでに定める日数
イ 二十年以上 二百十日
ロ 五年以上二十年未満 百八十日
ハ 五年未満 九十日
三 基準日において三十歳未満である受給資格者 次のイ又はロに掲げる算定基礎期間の区分に応じ、当該イ又はロに定める日数
イ 十年以上 百八十日
ロ 十年未満 九十日
4 前項の受給資格者で第二項の労働省令で定める理由により就職が困難なもの(基準日において六十歳以上である者、基準日において三十歳以上六十歳未満であり、かつ、算定基礎期間が二十年以上である者及び基準日において三十歳未満であり、かつ、算定基礎期間が十年以上である者を除く。)に係る所定給付日数は、前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる受給資格者の区分に応じ、当該各号に定める日数とする。
一 基準日において三十歳以上六十五歳未満である受給資格者 二百十日
二 基準日において三十歳未満である受給資格者 百八十日
5 前四項の受給資格者で算定基礎期間が一年未満のもの(第一項第三号ハ若しくは第四号ロ又は第三項第二号ハ若しくは第三号ロに係る者を除く。)に係る所定給付日数は、前二項の規定にかかわらず、九十日とする。
6 前五項の算定基礎期間は、これらの規定の受給資格者が基準日まで引き続いて同一の事業主の適用事業に被保険者として雇用された期間(当該雇用された期間に係る被保険者となつた日前に被保険者であつたことがある者については、当該雇用された期間と当該被保険者であつた期間を通算した期間)とする。ただし、当該期間に次の各号に掲げる期間が含まれているときは、当該各号に掲げる期間に該当するすべての期間を除いて算定した期間とする。
一 当該雇用された期間又は当該被保険者であつた期間に係る被保険者となつた日の直前の被保険者でなくなつた日が当該被保険者となつた日前一年の期間内にないときは、当該直前の被保険者でなくなつた日前の被保険者であつた期間
二 当該雇用された期間に係る被保険者となつた日前に基本手当又は特例一時金の支給を受けたことがある者については、これらの給付の受給資格又は第三十九条第二項に規定する特例受給資格に係る離職の日以前の被保険者であつた期間
7 一の被保険者であつた期間に関し、被保険者となつた日が第九条の規定による被保険者となつたことの確認があつた日の二年前の日より前であるときは、当該確認のあつた日の二年前の日に当該被保険者となつたものとみなして、前項の規定による算定を行うものとする。
 
第22条の2(個別延長給付)
次の各号のいずれにも該当する受給資格者であつて、公共職業安定所長が労働省令で定める基準に照らして就職が困難な者であると認めたものについては、第二十条第一項及び第二項の規定による期間内の失業している日について、所定給付日数を超えて、基本手当を支給することができる。
一 次のいずれかに該当する受給資格者
イ 特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法(昭和五十八年法律第三十九号)第二条第一項第五号に規定する特定不況業種離職者
ロ 地域雇用開発等促進法(昭和六十二年法律第二十三号)第二条第一項第八号に規定する特定雇用機会増大促進地域離職者
ハ 倒産(破産、和議開始、更生手続開始その他労働省令で定める事由に該当する事態をいう。)に伴い離職を余儀なくされた者として労働省令で定める者
ニ 事業主の都合により離職した者であつて、当該事業主の適用事業において最後に被保険者となつた日前に第六条第三号に掲げる船員保険の被保険者であつた期間のあるもの(最後の船員保険の被保険者であつた期間が労働省令で定める期間に満たない者及び最後に船員保険の被保険者でなくなつた日後の日において基本手当又は特例一時金の支給を受けたことがある者を除く。)
ホ イからニまでに掲げる者に準ずるものとして労働省令で定める者
二 次のいずれかに該当する受給資格者(前条第二項から第五項までのいずれかの規定に該当する者を除く。)
イ 前条第一項第一号に該当し、かつ、その算定基礎期間が五年未満である者
ロ 前条第一項第二号に該当し、かつ、その算定基礎期間が十年未満である者
ハ 前条第一項第三号に該当し、かつ、その算定基礎期間が五年未満である者
2 前項の場合において、所定給付日数を超えて基本手当を支給する日数は、次の各号に定める受給資格者の区分に応じ、当該各号に定める日数を限度とするものとする。
一 前項第二号イに該当する受給資格者 六十日
二 前項第二号ロに該当する受給資格者 次のイ又はロに掲げる算定基礎期間の区分に応じ、当該イ又はロに定める日数
イ 五年以上十年未満 三十日
ロ 五年未満 六十日
三 前項第二号ハに該当する受給資格者 九十日
3 第一項の規定に該当する受給資格者については、第二十三条第一項、第二十四条第一項及び第二項、第二十五条第一項並びに第二十七条第一項中「所定給付日数」とあるのは、「所定給付日数に第二十二条の二第二項に規定する日数を加えた日数」とする。
 
第23条
公共職業安定所長が政令で定める基準に照らして就職が困難な者であると認めた受給資格者については、次項の規定による期間内の失業している日について、所定給付日数(当該受給資格者が第二十条第一項及び第二項の規定による期間内に基本手当の支給を受けた日数が所定給付日数に満たない場合には、その支給を受けた日数。第三十三条第三項を除き、以下この節において同じ。)を超えて、基本手当を支給することができる。この場合において、所定給付日数を超えて基本手当を支給する日数は、政令で定める日数を限度とするものとする。
2 前項の規定による基本手当の支給(以下「個別延長給付」という。)を受ける受給資格者の受給期間(当該期間内の失業している日について基本手当の支給を受けることができる期間をいう。以下同じ。)は、第二十条第一項及び第二項の規定にかかわらず、これらの規定による期間に前項後段に規定する政令で定める日数を加えた期間とする。
 
第24条(訓練延長給付)
受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等(その期間が政令で定める期間を超えるものを除く。以下この条、第三十六条第一項及び第二項並びに第四十一条第一項において同じ。)を受ける場合には、当該公共職業訓練等を受ける期間(その者が当該公共職業訓練等を受けるため待期している期間(政令で定める期間に限る。)を含む。)内の失業している日について、所定給付日数を超えてその者に基本手当を支給することができる。
2 公共職業安定所長が、その指示した公共職業訓練等を受ける受給資格者(その者が当該公共職業訓練等を受け終わる日における基本手当の支給残日数(当該公共職業訓練等を受け終わる日の翌日から受給期間の最後の日までの間に基本手当の支給を受けることができる日数をいう。以下この項及び第四項において同じ。)が政令で定める日数に満たないものに限る。)で、政令で定める基準に照らして当該公共職業訓練等を受け終わつてもなお就職が困難な者であると認めたものについては、同項の規定による期間内の失業している日について、所定給付日数を超えてその者に基本手当を支給することができる。この場合において、所定給付日数を超えて基本手当を支給する日数は、前段に規定する政令で定める日数から支給残日数を差し引いた日数を限度とするものとする。
3 第一項の規定による基本手当の支給を受ける受給資格者が第二十条第一項及び第二項の規定による期間を超えて公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるときは、その者の受給期間は、これらの規定にかかわらず、当該公共職業訓練等を受け終わる日までの間とする。
4 第二項の規定による基本手当の支給を受ける受給資格者の受給期間は、第二十条第一項及び第二項の規定にかかわらず、これらの規定による期間に第二項前段に規定する政令で定める日数から支給残日数を差し引いた日数を加えた期間(同条第一項及び第二項の規定による期間を超えて公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける者で、当該公共職業訓練等を受け終わる日について第一項の規定による基本手当の支給を受けることができるものにあつては、同日から起算して第二項前段に規定する政令で定める日数を経過した日までの間)とする。
 
第25条(広域延長給付)
労働大臣は、地域雇用開発等促進法第二十一条に規定する職業紹介活動(以下この条において「広域職業紹介活動」という。)をすることを命じた場合において、当該広域職業紹介活動の命令に係る地域について、政令で定める基準に照らして必要があると認めるときは、その指定する期間内に限り、公共職業安定所長が当該地域に係る当該広域職業紹介活動により職業のあつせんを受けることが適当であると認定する受給資格者について、第四項の規定による期間内の失業している日について、所定給付日数を超えて基本手当を支給する措置を決定することができる。この場合において、所定給付日数を超えて基本手当を支給する日数は、政令で定める日数を限度とするものとする。
2 前項の措置に基づく基本手当の支給(以下「広域延長給付」という。)を受けることができる者が労働大臣の指定する地域に住所又は居所を変更した場合には、引き続き当該措置に基づき基本手当を支給することができる。
3 公共職業安定所長は、受給資格者が広域職業紹介活動により職業のあつせんを受けることが適当であるかどうかを認定するときは、労働大臣の定める基準によらなければならない。
4 広域延長給付を受ける受給資格者の受給期間は、第二十条第一項及び第二項の規定にかかわらず、これらの規定による期間に第一項後段に規定する政令で定める日数を加えた期間とする。
 
第26条
前条第一項の措置が決定された日以後に他の地域から当該措置に係る地域に移転した受給資格者であつて、その移転について特別の理由がないと認められるものには、当該措置に基づく基本手当は、支給しない。
2 前項に規定する特別の理由があるかどうかの認定は、公共職業安定所長が労働大臣の定める基準に従つてするものとする。
 
第27条(全国延長給付)
労働大臣は、失業の状況が全国的に著しく悪化し、政令で定める基準に該当するに至つた場合において、受給資格者の就職状況からみて必要があると認めるときは、その指定する期間内に限り、第三項の規定による期間内の失業している日について、所定給付日数を超えて受給資格者に基本手当を支給する措置を決定することができる。この場合において、所定給付日数を超えて基本手当を支給する日数は、政令で定める日数を限度とするものとする。
2 労働大臣は、前項の措置を決定した後において、政令で定める基準に照らして必要があると認めるときは、同項の規定により指定した期間(その期間がこの項の規定により延長されたときは、その延長された期間)を延長することができる。
3 第一項の措置に基づく基本手当の支給(以下「全国延長給付」という。)を受ける受給資格者の受給期間は、第二十条第一項及び第二項の規定にかかわらず、これらの規定による期間に第一項後段に規定する政令で定める日数を加えた期間とする。
 
第28条(延長給付に関する調整)
広域延長給付を受けている受給資格者については、当該広域延長給付が終わつた後でなければ全国延長給付、個別延長給付及び訓練延長給付(第二十四条第一項又は第二項の規定による基本手当の支給をいう。以下同じ。)は行わず、全国延長給付を受けている受給資格者については、当該全国延長給付が終わつた後でなければ個別延長給付及び訓練延長給付は行わず、個別延長給付を受けている受給資格者については、当該個別延長給付が終わつた後でなければ訓練延長給付は行わない。
2 個別延長給付又は訓練延長給付を受けている受給資格者について広域延長給付又は全国延長給付が行われることとなつたときは、これらの延長給付が行われる間は、その者について個別延長給付又は訓練延長給付は行わず、全国延長給付を受けている受給資格者について広域延長給付が行われることとなつたときは、広域延長給付が行われる間は、その者について全国延長給付は行わない。
3 前二項に規定するもののほか、第一項に規定する各延長給付を順次受ける受給資格者に係る基本手当を支給する日数、受給期間その他これらの延長給付についての調整に関して必要な事項は、政令で定める。
 
第29条(給付日数を延長した場合の給付制限)
個別延長給付、訓練延長給付(第二十四条第二項の規定による基本手当の支給に限る。第三十二条第一項において同じ。)、広域延長給付又は全国延長給付を受けている受給資格者が、正当な理由がなく、公共職業安定所の紹介する職業に就くこと、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けること又は労働大臣の定める基準に従つて公共職業安定所が行うその者の再就職を促進するために必要な職業指導を受けることを拒んだときは、その拒んだ日以後基本手当を支給しない。ただし、その者が新たに受給資格を取得したときは、この限りでない。
2 前項に規定する正当な理由があるかどうかの認定は、公共職業安定所長が労働大臣の定める基準に従つてするものとする。
 
第30条(支給方法及び支給期日)
基本手当は、労働省令で定めるところにより、四週間に一回、失業の認定を受けた日分を支給するものとする。ただし、労働大臣は、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける受給資格者その他労働省令で定める受給資格者に係る基本手当の支給について別段の定めをすることができる。
2 公共職業安定所長は、各受給資格者について基本手当を支給すべき日を定め、その者に通知するものとする。
 
第31条(未支給の基本手当の請求手続)
第十条の二第一項の規定により、受給資格者が死亡したため失業の認定を受けることができなかつた期間に係る基本手当の支給を請求する者は、労働省令で定めるところにより、当該受給資格者について失業の認定を受けなければならない。
2 前項の受給資格者が第十九条第一項の規定に該当する場合には、第十条の二第一項の規定による未支給の基本手当の支給を受けるべき者は、労働省令で定めるところにより、第十九条第一項の収入の額その他の事項を公共職業安定所長に届け出なければならない。
 
第32条(給付制限)
受給資格者(個別延長給付、訓練延長給付、広域延長給付又は全国延長給付を受けている者を除く。以下この条において同じ。)が、公共職業安定所の紹介する職業に就くこと又は公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けることを拒んだときは、その拒んだ日から起算して一箇月間は、基本手当を支給しない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 紹介された職業又は公共職業訓練等を受けることを指示された職種が、受給資格者の能力からみて不適当であると認められるとき。
二 就職するため、又は公共職業訓練等を受けるため、現在の住所又は居所を変更することを要する場合において、その変更が困難であると認められるとき。
三 就職先の賃金が、同一地域における同種の業務及び同程度の技能に係る一般の賃金水準に比べて、不当に低いとき。
四 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第二十条(第二項ただし書を除く。)の規定に該当する事業所に紹介されたとき。
五 その他正当な理由があるとき。
2 受給資格者が、正当な理由がなく、労働大臣の定める基準に従つて公共職業安定所が行うその者の再就職を促進するために必要な職業指導を受けることを拒んだときは、その拒んだ日から起算して一箇月を超えない範囲内において公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。
3 受給資格者についての第一項各号のいずれかに該当するかどうかの認定及び前項に規定する正当な理由があるかどうかの認定は、公共職業安定所長が労働大臣の定める基準に従つてするものとする。
 
第33条
被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によつて解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によつて退職した場合には、第二十一条の規定による期間の満了後一箇月以上三箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。ただし、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける期間及び当該公共職業訓練等を受け終わつた日後の期間については、この限りでない。
2 受給資格者が前項の場合に該当するかどうかの認定は、公共職業安定所長が労働大臣の定める基準に従つてするものとする。
3 基本手当の受給資格に係る離職について第一項の規定により基本手当を支給しないこととされる場合において、当該基本手当を支給しないこととされる期間に七日を超え三十日以下の範囲内で労働省令で定める日数及び当該受給資格に係る所定給付日数に相当する日数を加えた期間が一年を超えるときは、当該受給資格者の受給期間は、第二十条第一項及び第二項の規定にかかわらず、これらの規定による期間に当該超える期間を加えた期間とする。
4 前項の規定に該当する受給資格者については、第二十三条第一項中「第二十条第一項及び第二項」とあるのは、「第三十三条第三項」とする。
5 第三項の規定に該当する受給資格者が広域延長給付、全国延長給付、個別延長給付又は訓練延長給付を受ける場合におけるその者の受給期間についての調整に関して必要な事項は、労働省令で定める。
 
第34条
偽りその他不正の行為により求職者給付又は就職促進給付の支給を受け、又は受けようとした者には、これらの給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、基本手当を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、基本手当の全部又は一部を支給することができる。
2 前項に規定する者が同項に規定する日以後新たに受給資格を取得した場合には、同項の規定にかかわらず、その新たに取得した受給資格に基づく基本手当を支給する。
3 受給資格者が第一項の規定により基本手当を支給されないこととされたため、これらの受給資格に基づき基本手当の支給を受けることができる日数の全部について基本手当の支給を受けることができなくなつた場合においても、第二十二条第六項の規定の適用については、これらの受給資格に基づく基本手当の支給があつたものとみなす。
4 受給資格者が第一項の規定により基本手当を支給されないこととされたため、同項に規定する日以後これらの受給資格に基づき基本手当の支給を受けることができる日数の全部又は一部について基本手当の支給を受けることができなくなつたときは、第三十七条第四項の規定の適用については、その支給を受けることができないこととされた日数分の基本手当の支給があつたものとみなす。
 
第35条
削除
 
第35条の2(短時間労働被保険者以外の被保険者が引き続き短時間労働被保険者となつた場合等の特例)
被保険者が同一の事業主の適用事業に引き続き雇用された期間に次に掲げる事由が生じた場合におけるこの款の規定(第十五条第二項及び第三項、第二十条第二項、第二十一条、第二十二条の二並びに第三十三条を除く。)の適用については、当該被保険者は、当該事由の生じた日の前日に離職したものとみなす。
一 短時間労働被保険者以外の被保険者が、短時間労働被保険者となつたこと。
二 短時間労働被保険者が、短時間労働被保険者以外の被保険者となつたこと。
2 前項に規定する場合における第十四条の規定の適用については、当該被保険者は、同項各号に掲げる事由の生じた日に被保険者でなくなり、かつ、同日に新たに被保険者となつたものとみなす。
3 第一項に規定する場合における第二十条第一項の規定の適用については、同項中「一年(当該一年の期間内」とあるのは「一年と当該離職の日の翌日から引き続いて当該同一の事業主の適用事業に被保険者として雇用された最後の日までの期間に相当する期間(その期間が三年を超えるときは、三年とする。)とを合算した期間(当該合算した期間内」と、「の期間内の失業している日」とあるのは「内の失業している日」とする。
4 第一項に規定する場合における第二十三条、第二十四条第三項及び第四項、第二十五条第四項、第二十七条第三項並びに第三十三条第三項及び第四項の規定の適用については、これらの規定中「第二十条第一項」とあるのは「第二十条第一項(第三十五条の二第三項において読み替えて適用する場合を含む。)」と、第二十四条第四項中「同条第一項」とあるのは「第二十条第一項(第三十五条の二第三項において読み替えて適用する場合を含む。)」と、第三十三条第四項中「第二十三条第一項」とあるのは「第三十五条の二第四項において読み替えて適用する第二十三条第一項」と、「第三十三条第三項」とあるのは「第三十三条第三項(第三十五条の二第四項において読み替えて適用する場合を含む。)」とする。
 
第2款 技能習得手当及び寄宿手当
第36条(技能習得手当及び寄宿手当)
技能習得手当は、受給資格者が公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける場合に、その公共職業訓練等を受ける期間について支給する。
2 寄宿手当は、受給資格者が、公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるため、その者により生計を維持されている同居の親族(婚姻の届出をしていないが、事実上その者と婚姻関係と同様の事情にある者を含む。第五十八条第二項において同じ。)と別居して寄宿する場合に、その寄宿する期間について支給する。
3 第三十二条第一項若しくは第二項又は第三十三条第一項の規定により基本手当を支給しないこととされる期間については、技能習得手当及び寄宿手当を支給しない。
4 技能習得手当及び寄宿手当の支給要件及び額は、労働省令で定める。
5 第三十四条第一項及び第二項の規定は、技能習得手当及び寄宿手当について準用する。
 
第3款 傷病手当
第37条(傷病手当)
傷病手当は、受給資格者が、離職後公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした後において、疾病又は負傷のために職業に就くことができない場合に、第二十条第一項(第三十五条の二第三項において読み替えて適用する場合を含む。第五十六条の二第一項及び第七十八条において同じ。)及び第二項の規定による期間(第三十三条第三項(第三十五条の二第四項において読み替えて適用する場合を含む。以下この項及び第五十六条の二第一項において同じ。)の規定に該当する者については、第三十三条第三項の規定による期間)内の当該疾病又は負傷のために基本手当の支給を受けることができない日(疾病又は負傷のために基本手当の支給を受けることができないことについての認定を受けた日に限る。)について、第四項の規定による日数に相当する日数分を限度として支給する。
2 前項の認定は、労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長が行う。
3 傷病手当の日額は、第十六条の規定による基本手当の日額に相当する額とする。
4 傷病手当を支給する日数は、第一項の認定を受けた受給資格者の所定給付日数から当該受給資格に基づき既に基本手当を支給した日数を差し引いた日数とする。
5 第三十二条第一項若しくは第二項又は第三十三条第一項の規定により基本手当を支給しないこととされる期間については、傷病手当を支給しない。
6 傷病手当を支給したときは、この法律の規定(第十条の三及び第三十四条の規定を除く。)の適用については、当該傷病手当を支給した日数に相当する日数分の基本手当を支給したものとみなす。
7 傷病手当は、労働省令で定めるところにより、第一項の認定を受けた日分を、当該職業に就くことができない理由がやんだ後最初に基本手当を支給すべき日(当該職業に就くことができない理由がやんだ後において基本手当を支給すべき日がない場合には、公共職業安定所長の定める日)に支給する。ただし、労働大臣は、必要があると認めるときは、傷病手当の支給について別段の定めをすることができる。
8 第一項の認定を受けた受給資格者が、当該認定を受けた日について、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第四十五条の規定による傷病手当金、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第七十六条の規定による休業補償、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)の規定による休業補償給付又は休業給付その他これらに相当する給付であつて法令(法令の規定に基づく条例又は規約を含む。)により行われるもののうち政令で定めるものの支給を受けることができる場合には、傷病手当は、支給しない。
9 第十九条、第二十一条、第三十一条並びに第三十四条第一項及び第二項の規定は、傷病手当について準用する。この場合において、第十九条第一項及び第三項並びに第三十一条第一項中「失業の認定」とあるのは、「第三十七条第一項の認定」と読み替えるものとする。
第2節の2 高年齢継続被保険者の求職者給付
第37条の2(高年齢継続被保険者)
被保険者であつて、同一の事業主の適用事業に六十五歳に達した日の前日から引き続いて六十五歳に達した日以後の日において雇用されているもの(第三十八条第一項に規定する短期雇用特例被保険者及び第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者を除く。以下「高年齢継続被保険者」という。)が失業した場合には、この節の定めるところにより、高年齢求職者給付金を支給する。
2 高年齢継続被保険者に関しては、前節(第十三条第二項及び第十四条を除く。)、次節及び第四節の規定は、適用しない。
 
第37条の3(高年齢受給資格)
高年齢求職者給付金は、高年齢継続被保険者が失業した場合において、離職の日以前一年間(次の各号に掲げる高年齢継続被保険者である被保険者については、当該各号に定める日数を一年に加算した期間(その期間が四年を超えるときは、四年間))に、第十四条の規定による被保険者期間が通算して六箇月以上であつたときに、次条に定めるところにより、支給する。
一 離職の日以前一年間に短時間労働被保険者であつた期間がある高年齢継続被保険者 当該短時間労働被保険者となつた日(その日が当該離職の日以前一年間にないときは、当該離職の日の一年前の日の翌日)から当該短時間労働被保険者でなくなつた日の前日までの日数
二 離職の日以前一年間(前号に掲げる高年齢継続被保険者である被保険者にあつては、同号に定める日数を一年に加算した期間)に疾病、負傷その他労働省令で定める理由により引き続き三十日以上賃金の支払を受けることができなかつた高年齢継続被保険者 当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数(同号に掲げる高年齢継続被保険者である被保険者にあつては、その日数に同号に定める日数を加えた日数)
2 前項の規定により高年齢求職者給付金の支給を受けることができる資格(以下「高年齢受給資格」という。)を有する者(以下「高年齢受給資格者」という。)が次条第四項の規定による期間内に高年齢求職者給付金の支給を受けることなく就職した後再び失業した場合(新たに第三十九条第二項に規定する特例受給資格を取得した場合を除く。)において、当該期間内に公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした上、次条第四項の認定を受けたときは、その者は、当該高年齢受給資格に基づく高年齢求職者給付金の支給を受けることができる。
 
第37条の4(高年齢求職者給付金)
高年齢求職者給付金の額は、高年齢受給資格者を第十五条第一項に規定する受給資格者とみなして第十六条から第十八条まで(第十七条第四項第二号を除く。)の規定を適用した場合にその者に支給されることとなる基本手当の日額に、次の各号に掲げる算定基礎期間の区分に応じ、当該各号に定める日数(第四項の認定があつた日から同項の規定による期間の最後の日までの日数が当該各号に定める日数に満たない場合には、当該認定のあつた日から当該最後の日までの日数に相当する日数)を乗じて得た額とする。
一 五年以上 七十五日(高年齢受給資格に係る離職の日において短時間労働被保険者であつた高年齢受給資格者(次号において「高年齢短時間受給資格者」という。)にあつては、五十日)
二 一年以上五年未満 六十日(高年齢短時間受給資格者にあつては、五十日)
三 一年未満 三十日
2 前項の規定にかかわらず、同項の規定により算定した高年齢受給資格者の賃金日額が第十七条第四項第二号ニに掲げる額(その額が第十八条の規定により変更されたときは、その変更された額。)を超えるときは、その額を賃金日額とする。
3 第一項の算定基礎期間は、当該高年齢受給資格者を第十五条第一項に規定する受給資格者と、当該高年齢受給資格に係る離職の日を第二十二条第一項第一号に規定する基準日とみなして同条第六項及び第七項の規定を適用した場合に算定されることとなる期間に相当する期間とする。この場合において、同条第六項に規定する基準日まで引き続いて同一の事業主の適用事業に雇用された期間のうち六十五歳に達した日以後の期間については、当該期間に十分の十を限度として労働省令で定める率を乗じて得た期間をもつて当該期間とする。
4 高年齢求職者給付金の支給を受けようとする高年齢受給資格者は、離職の日の翌日から起算して一年を経過する日までに、労働省令で定めるところにより、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした上、失業していることについての認定を受けなければならない。
5 第二十一条、第三十一条第一項、第三十二条、第三十三条第一項及び第二項並びに第三十四条第一項の規定は、高年齢求職者給付金について準用する。この場合において、これらの規定中「受給資格者」とあるのは「高年齢受給資格者」と、「受給資格」とあるのは「高年齢受給資格」と、第三十一条第一項中「失業の認定を受けることができなかつた期間」とあるのは「第三十七条の四第四項の認定を受けることができなかつた場合における当該高年齢受給資格者」と、「失業の認定を受けなければならない」とあるのは「同項の認定を受けなければならない」と、第三十三条第一項中「第二十一条の規定による期間」とあるのは「第三十七条の四第五項において準用する第二十一条の規定による期間」と読み替えるものとする。
 
第37条の5(短時間労働被保険者以外の高年齢継続被保険者が引き続き短時間労働被保険者である高年齢継続被保険者となつた場合等の特例)
高年齢継続被保険者が同一の事業主の適用事業に引き続き雇用された期間(六十五歳に達した日後の期間に限る。)に次に掲げる事由が生じた場合における第十四条、第三十七条の三第一項及び前条(第四項を除く。)の規定の適用については、当該高年齢継続被保険者は、当該事由の生じた日の前日に離職したものとみなす。
一 短時間労働被保険者以外の高年齢継続被保険者が、短時間労働被保険者である高年齢継続被保険者となつたこと。
二 短時間労働被保険者である高年齢継続被保険者が、短時間労働被保険者以外の高年齢継続被保険者となつたこと。
2 前項に規定する場合における第十四条の規定の適用については、当該高年齢継続被保険者は、同項各号に掲げる事由の生じた日に被保険者でなくなり、かつ、同日に新たに被保険者となつたものとみなす。
3 第一項に規定する場合における前条第五項の規定の適用については、同項中「第三十一条第一項中」とあるのは、「第二十一条中「離職」とあるのは「離職(第三十七条の五第一項の規定により離職したものとみなされる場合を除く。)」と、第三十一条第一項中」とする。
4 高年齢継続被保険者が六十五歳に達した日以前の期間に第三十五条の二第一項各号に掲げる事由が生じていた場合における第十四条及び前条の規定の適用に関し必要な事項は、労働省令で定める。
第3節 短期雇用特例被保険者の求職者給付
第38条(短期雇用特例被保険者)
被保険者であつて、次の各号のいずれかに該当するもの(第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者を除く。以下「短期雇用特例被保険者」という。)が失業した場合には、この節の定めるところにより、特例一時金を支給する。
一 季節的に雇用される者(次号に掲げる者を除く。)
二 短期の雇用(同一の事業主に引き続き被保険者として雇用される期間が一年未満である雇用をいう。)に就くことを常態とする者
2 被保険者が前項各号に掲げる者に該当するかどうかの確認は、労働大臣が行う。
3 短期雇用特例被保険者に関しては、第二節(第十三条第二項及び第十四条(第三十五条の二第二項の規定により適用する場合を含む。)を除く。)、前節及び次節の規定は、適用しない。
 
第39条(特例受給資格)
特例一時金は、短期雇用特例被保険者が失業した場合において、離職の日以前一年間(次の各号に掲げる短期雇用特例被保険者である被保険者については、当該各号に定める日数を一年に加算した期間(その期間が四年を超えるときは、四年間))に、第十四条の規定による被保険者期間が通算して六箇月以上であつたときに、次条に定めるところにより、支給する。
一 離職の日以前一年間(最後に被保険者となつた日から当該離職の日までの期間を除く。)に短時間労働被保険者であつた期間がある短期雇用特例被保険者 当該短時間労働被保険者となつた日(その日が当該離職の日以前一年間にないときは、当該離職の日の一年前の日の翌日)から当該短時間労働被保険者でなくなつた日の前日までの日数
二 離職の日以前一年間(前号に掲げる短期雇用特例被保険者である被保険者にあつては、同号に定める日数を一年に加算した期間)に疾病、負傷その他労働省令で定める理由により引き続き三十日以上賃金の支払を受けることができなかつた短期雇用特例被保険者 当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数(同号に掲げる短期雇用特例被保険者である被保険者にあつては、その日数に同号に定める日数を加えた日数)
2 前項の規定により特例一時金の支給を受けることができる資格(以下「特例受給資格」という。)を有する者(以下「特例受給資格者」という。)が次条第三項の規定による期間内に特例一時金の支給を受けることなく就職した後再び失業した場合(新たに第十四条第三項第一号に規定する受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格を取得した場合を除く。)において、当該期間内に公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした上、次条第三項の認定を受けたときは、その者は、当該特例受給資格に基づく特例一時金の支給を受けることができる。
 
第40条(特例一時金)
特例一時金の額は、特例受給資格者を第十五条第一項に規定する受給資格者とみなして第十六条から第十八条までの規定を適用した場合にその者に支給されることとなる基本手当の日額の五十日分(第三項の認定があつた日から同項の規定による期間の最後の日までの日数が五十日に満たない場合には、その日数に相当する日数分)とする。
2 前項に規定する場合における第十七条第四項の規定の適用については、同項第二号ニ中「三十歳未満」とあるのは「三十歳未満又は六十五歳以上」とする。
3 特例一時金の支給を受けようとする特例受給資格者は、離職の日の翌日から起算して六箇月を経過する日までに、労働省令で定めるところにより、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをした上、失業していることについての認定を受けなければならない。
4 第二十一条、第三十一条第一項、第三十二条、第三十三条第一項及び第二項並びに第三十四条第一項から第三項までの規定は、特例一時金について準用する。この場合において、第二十一条中「受給資格者」とあるのは「特例受給資格者」と、「受給資格」とあるのは「特例受給資格」と、第三十一条第一項中「受給資格者」とあるのは「特例受給資格者」と、「失業の認定を受けることができなかつた期間」とあるのは「第四十条第三項の認定を受けることができなかつた場合における当該特例受給資格者」と、「失業の認定を受けなければならない」とあるのは「同項の認定を受けなければならない」と、第三十二条中「受給資格者」とあるのは「特例受給資格者」と、第三十三条第一項中「支給しない。ただし公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受ける期間及び当該公共職業訓練等を受け終わつた日後の期間については、この限りでない」とあるのは「支給しない」と、同条第二項中「受給資格者」とあるのは「特例受給資格者」と、第三十四条第二項中「受給資格」とあるのは「特例受給資格」と、同条第三項中「受給資格者」とあるのは「特例受給資格者」と、「受給資格」とあるのは「特例受給資格」とそれぞれ読み替えるものとする。
 
第41条(公共職業訓練等を受ける場合)
特例受給資格者が、当該特例受給資格に基づく特例一時金の支給を受ける前に公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等(その期間が政令で定める期間に達しないものを除く。)を受ける場合には、第十条第三項及び前三条の規定にかかわらず、特例一時金を支給しないものとし、その者を第十五条第一項に規定する受給資格者とみなして、当該公共職業訓練等を受け終わる日までの間に限り、第二節(第三十三条第一項ただし書の規定を除く。)に定めるところにより、求職者給付を支給する。
2 前項の特例受給資格者は、当該特例受給資格に係る被保険者となつた日前に第二十九条第一項又は第三十四条第一項の規定により基本手当の支給を受けることができないこととされている場合においても、前項の規定により求職者給付の支給を受けることができる。
第4節 日雇労働被保険者の求職者給付
第42条(日雇労働者)
この節において日雇労働者とは、次の各号のいずれかに該当する労働者(前二月の各月において十八日以上同一の事業主の適用事業に雇用された者(次条第二項の認可を受けた者を除く。)を除く。)をいう。
一 日々雇用される者
二 三十日以内の期間を定めて雇用される者
 
第43条(日雇労働被保険者)
被保険者である日雇労働者であつて、次の各号のいずれかに該当するもの及び第六条第一号の三の認可を受けたもの(以下「日雇労働被保険者」という。)が失業した場合には、この節の定めるところにより、日雇労働求職者給付金を支給する。
一 特別区若しくは公共職業安定所の所在する市町村の区域(労働大臣が指定する区域を除く。)又はこれらに隣接する市町村の全部又は一部の区域であつて、労働大臣が指定するもの(以下この項において「適用区域」という。)に居住し、適用事業に雇用される者
二 適用区域外の地域に居住し、適用区域内にある適用事業に雇用される者
三 適用区域外の地域に居住し、適用区域外の地域にある適用事業であつて、日雇労働の労働市場の状況その他の事情に基づいて労働大臣が指定したものに雇用される者
2 日雇労働被保険者が前二月の各月において十八日以上同一の事業主の適用事業に雇用された場合において、労働省令で定めるところにより公共職業安定所長の認可を受けたときは、その者は、引き続き、日雇労働被保険者となることができる。
3 前二月の各月において十八日以上同一の事業主の適用事業に雇用された日雇労働被保険者が前項の認可を受けなかつたため、日雇労働被保険者とされなくなつた最初の月に離職し、失業した場合には、その失業した月の間における日雇労働求職者給付金の支給については、その者を日雇労働被保険者とみなす。
4 日雇労働被保険者に関しては、第六条(第二号に限る。)及び第七条から第九条まで並びに前三節の規定は、適用しない。
 
第44条(日雇労働被保険者手帳)
日雇労働被保険者は、労働省令で定めるところにより、公共職業安定所において、日雇労働被保険者手帳の交付を受けなければならない。
 
第45条(日雇労働求職者給付金の受給資格)
日雇労働求職者給付金は、日雇労働被保険者が失業した場合において、その失業の日の属する月の前二月間に、その者について、徴収法第十条第二項第四号の印紙保険料(以下「印紙保険料」という。)が通算して二十六日分以上納付されているときに、第四十七条から第五十二条までに定めるところにより支給する。
 
第46条
前条の規定により日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者が第十五条第一項に規定する受給資格者である場合において、その者が、基本手当の支給を受けたときはその支給の対象となつた日については日雇労働求職者給付金を支給せず、日雇労働求職者給付金の支給を受けたときはその支給の対象となつた日については基本手当を支給しない。
 
第47条(日雇労働被保険者に係る失業の認定)
日雇労働求職者給付金は、日雇労働被保険者が失業している日(失業していることについての認定を受けた日に限る。第五十四条第一号において同じ。)について支給する。
2 前項の失業していることについての認定(以下この節において「失業の認定」という。)を受けようとする者は、労働省令で定めるところにより、公共職業安定所に出頭し、求職の申込みをしなければならない。
3 労働大臣は、必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、日雇労働被保険者に係る失業の認定について別段の定めをすることができる。
 
第48条(日雇労働求職者給付金の日額)
日雇労働求職者給付金の日額は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定める額とする。
一 前二月間に納付された印紙保険料のうち、徴収法第二十二条第一項第一号に掲げる額(その額が同条第二項又は第四項の規定により変更されたときは、その変更された額)の印紙保険料(以下「第一級印紙保険料」という。)が二十四日分以上であるとき。 七千五百円(その額が次条第一項の規定により変更されたときは、その変更された額)
二 次のいずれかに該当するとき。 六千二百円(その額が次条第一項の規定により変更されたときは、その変更された額)
イ 前二月間に納付された印紙保険料のうち、第一級印紙保険料及び徴収法第二十二条第一項第二号に掲げる額(その額が同条第二項又は第四項の規定により変更されたときは、その変更された額)の印紙保険料(以下「第二級印紙保険料」という。)が二十四日分以上であるとき(前号に該当するときを除く。)。
ロ 前二月間に納付された印紙保険料のうち、第一級印紙保険料及び第二級印紙保険料が二十四日分未満である場合において、第一級印紙保険料の納付額と第二級印紙保険料の納付額との合計額に、徴収法第二十二条第一項第三号に掲げる額(その額が同条第二項又は第四項の規定により変更されたときは、その変更された額)の印紙保険料(以下「第三級印紙保険料」という。)の納付額のうち二十四日から第一級印紙保険料及び第二級印紙保険料の納付日数を差し引いた日数に相当する日数分の額を加算した額を二十四で除して得た額が第二級印紙保険料の日額以上であるとき。
三 前二号のいずれにも該当しないとき。 四千百円(その額が次条第一項の規定により変更されたときは、その変更された額)
四 前三号のいずれにも該当しないとき。 千七百七十円(その額が次条第一項の規定により変更されたときは、その変更された額)
 
第49条(日雇労働求職者給付金の日額等の自動的変更)
労働大臣は、平均定期給与額(第十八条第一項の平均定期給与額をいう。以下この項において同じ。)が、平成六年九月の平均定期給与額(この項の規定により日雇労働求職者給付金の日額等が変更されたときは直近の当該変更の基礎となつた平均定期給与額)の百分の百二十を超え、又は百分の八十三を下るに至つた場合において、その状態が継続すると認めるときは、その平均定期給与額の上昇し、又は低下した比率を基準として、日雇労働求職者給付金の日額等を変更しなければならない。
2 前項の「日雇労働求職者給付金の日額等」とは、前条第一号に定める額の日雇労働求職者給付金(次項及び第五十四条において「第一級給付金」という。)の日額、前条第二号に定める額の日雇労働求職者給付金(次項及び第五十四条において「第二級給付金」という。)の日額及び前条第三号に定める額の日雇労働求職者給付金(次項及び第五十四条において「第三級給付金」という。)の日額並びに徴収法第二十二条第一項に規定する印紙保険料の額の区分に係る賃金の日額のうち第一級印紙保険料と第二級印紙保険料との区分に係る賃金の日額(その額が前項の規定により変更されたときは、その変更された額。次項において「一級・二級印紙保険料区分日額」という。)及び第二級印紙保険料と第三級印紙保険料との区分に係る賃金の日額(その額が前項の規定により変更されたときは、その変更された額。次項において「二級・三級印紙保険料区分日額」という。)をいう。
3 徴収法第二十二条第五項の規定により同条第二項に規定する第一級保険料日額、第二級保険料日額及び第三級保険料日額の変更があつた場合には、労働大臣は、その変更のあつた日から一年を経過した日の前日(その日前に当該変更に関して国会の議決があつた場合には、その議決のあつた日の前日)までの間は、第一項の規定による第一級給付金の日額、第二級給付金の日額及び第三級給付金の日額並びに一級・二級印紙保険料区分日額及び二級・三級印紙保険料区分日額の変更を行うことができない。
 
第50条(日雇労働求職者給付金の支給日数等)
日雇労働求職者給付金は、日雇労働被保険者が失業した日の属する月における失業の認定を受けた日について、その月の前二月間に、その者について納付されている印紙保険料が通算して二十八日分以下であるときは、通算して十三日分を限度として支給し、その者について納付されている印紙保険料が通算して二十八日分を超えているときは、通算して、二十八日分を超える四日分ごとに一日を十三日に加えて得た日数分を限度として支給する。ただし、その月において通算して十七日分を超えては支給しない。
2 日雇労働求職者給付金は、各週(日曜日から土曜日までの七日をいう。)につき日雇労働被保険者が職業に就かなかつた最初の日については、支給しない。
 
第51条(日雇労働求職者給付金の支給方法等)
日雇労働求職者給付金は、公共職業安定所において、失業の認定を行つた日に支給するものとする。
2 労働大臣は、必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、日雇労働求職者給付金の支給について別段の定めをすることができる。
3 第三十一条第一項の規定は、日雇労働求職者給付金について準用する。この場合において、同項中「受給資格者」とあるのは「日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者」と、「失業の認定」とあるのは「第四十七条第二項の失業の認定」と読み替えるものとする。
 
第52条(給付制限)
日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者が公共職業安定所の紹介する業務に就くことを拒んだときは、その拒んだ日から起算して七日間は、日雇労働求職者給付金を支給しない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 紹介された業務が、その者の能力からみて不適当であると認められるとき。
二 紹介された業務に対する賃金が、同一地域における同種の業務及び同程度の技能に係る一般の賃金水準に比べて、不当に低いとき。
三 職業安定法第二十条(第二項ただし書を除く。)の規定に該当する事業所に紹介されたとき。
四 その他正当な理由があるとき。
2 日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者についての前項各号のいずれかに該当するかどうかの認定は、公共職業安定所長が労働大臣の定める基準に従つてするものとする。
3 日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者が、偽りその他不正の行為により求職者給付又は就職促進給付の支給を受け、又は受けようとしたときは、その支給を受け、又は受けようとした月及びその月の翌月から三箇月間は、日雇労働求職者給付金を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、日雇労働求職者給付金の全部又は一部を支給することができる。
 
第53条(日雇労働求職者給付金の特例)
日雇労働被保険者が失業した場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、その者は、公共職業安定所長に申し出て、次条に定める日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる。
一 継続する六月間に当該日雇労働被保険者について印紙保険料が各月十一日分以上、かつ、通算して七十八日分以上納付されていること。
二 前号に規定する継続する六月間(以下「基礎期間」という。)のうち後の五月間に第四十五条の規定による日雇労働求職者給付金の支給を受けていないこと。
三 基礎期間の最後の月の翌月以後二月間(申出をした日が当該二月の期間内にあるときは、同日までの間)に第四十五条の規定による日雇労働求職者給付金の支給を受けていないこと。
2 前項の申出は、基礎期間の最後の月の翌月以後四月の期間内に行わなければならない。
 
第54条
前条第一項の申出をした者に係る日雇労働求職者給付金の支給については、第四十八条及び第五十条第一項の規定にかかわらず、次の各号に定めるところによる。
一 日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる期間及び日数は、基礎期間の最後の月の翌月以後四月の期間内の失業している日について、通算して六十日分を限度とする。
二 日雇労働求職者給付金の日額は、次のイからハまでに掲げる区分に応じ、当該イからハまでに定める額とする。
イ 基礎期間に納付された印紙保険料のうち、第一級印紙保険料が七十二日分以上であるとき。第一級給付金の日額
ロ 次のいずれかに該当するとき。 第二級給付金の日額
(1) 基礎期間に納付された印紙保険料のうち、第一級印紙保険料及び第二級印紙保険料が七十二日分以上であるとき(イに該当するときを除く。)。
(2) 基礎期間に納付された印紙保険料のうち、第一級印紙保険料及び第二級印紙保険料が七十二日分未満である場合において、第一級印紙保険料の納付額と第二級印紙保険料の納付額との合計額に、第三級印紙保険料の納付額のうち七十二日から第一級印紙保険料及び第二級印紙保険料の納付日数を差し引いた日数に相当する日数分の額を加算した額を七十二で除して得た額が第二級印紙保険料の日額以上であるとき。
ハ イ又はロに該当しないとき。 第三級給付金の日額
 
第55条
基礎期間の最後の月の翌月以後二月の期間内に第五十三条第一項の申出をした者については、当該二月を経過する日までは、第四十五条の規定による日雇労働求職者給付金は、支給しない。
2 第五十三条第一項の申出をした者が、基礎期間の最後の月の翌月から起算して第三月目又は第四月目に当たる月において、第四十五条の規定による日雇労働求職者給付金の支給を受けたときは当該日雇労働求職者給付金の支給の対象となつた日については前条の規定による日雇労働求職者給付金を支給せず、同条の規定による日雇労働求職者給付金の支給を受けたときは当該日雇労働求職者給付金の支給の対象となつた日については第四十五条の規定による日雇労働求職者給付金を支給しない。
3 前条の規定による日雇労働求職者給付金の支給を受けた者がその支給を受けた後に第五十三条第一項の申出をする場合における同項第二号の規定の適用については、その者は、第四十五条の規定による日雇労働求職者給付金の支給を受けたものとみなす。
4 第四十六条、第四十七条、第五十条第二項、第五十一条及び第五十二条の規定は、前条の規定による日雇労働求職者給付金について準用する。
 
第56条(日雇労働被保険者であつた者に係る被保険者期間等の特例)
日雇労働被保険者が二月の各月において十八日以上同一の事業主の適用事業に雇用され、その翌月以後において離職した場合には、その二月を第十四条の規定による被保険者期間の二箇月として計算することができる。ただし、その者が第四十三条第二項又は第三項の規定の適用を受けた者である場合には、この限りでない。
2 前項の規定により同項に規定する二月を被保険者期間として計算することによつて第十四条第三項第一号に規定する受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格を取得した者について、第十七条に規定する賃金日額を算定する場合には、その二月の各月において納付された印紙保険料の額を労働省令で定める率で除して得た額をそれぞれその各月に支払われた賃金額とみなす。
3 第一項の規定は、第二十二条第六項の規定による算定基礎期間の算定について準用する。この場合において、「その二月を第十四条の規定による被保険者期間の二箇月として」とあるのは、「当該雇用された期間を第二十二条第六項に規定する基準日まで引き続いて同一の事業主の適用事業に被保険者として雇用された期間に該当するものとして」と読み替えるものとする。
 
第5節 就職促進給付
第56条の2(再就職手当)
再就職手当は、受給資格者が安定した職業に就いた場合において、公共職業安定所長が労働省令で定める基準に従つて必要があると認めたときに、支給する。ただし、当該職業に就いた日の前日における基本手当の支給残日数(当該職業に就かなかつたこととした場合における同日の翌日から当該受給資格に係る第二十条第一項及び第二項の規定による期間(第三十三条第三項の規定に該当する受給資格者については、同項の規定による期間)の最後の日までの間に基本手当の支給を受けることができることとなる日数をいう。以下同じ。)が、当該受給資格に基づく所定給付日数の三分の一未満である受給資格者及び所定給付日数の三分の一以上であつて四十五日未満である受給資格者については、この限りでない。
2 受給資格者が、安定した職業に就いた日前労働省令で定める期間内の就職について再就職手当又は常用就職支度金の支給を受けたことがあるときは、前項の規定にかかわらず、再就職手当は、支給しない。
3 再就職手当の額は、労働省令で定める所定給付日数の区分及び支給残日数の区分に応じ、第十六条の規定による基本手当の日額に三十を乗じて得た額以上当該日額に百二十を乗じて得た額以下の範囲内において労働省令で定める額とする。
4 再就職手当を支給したときは、この法律の規定(第十条の三及び第三十四条の規定を除く。)の適用については、当該再就職手当の額を第十六条の規定による基本手当の日額で除して得た日数に相当する日数分の基本手当を支給したものとみなす。
 
第57条(常用就職支度金)
常用就職支度金は、受給資格者、特例受給資格者(特例一時金の支給を受けた者であつて、当該特例受給資格に係る離職の日の翌日から起算して六箇月を経過していないものを含む。以下同じ。)又は日雇受給資格者(第四十五条又は第五十四条の規定による日雇労働求職者給付金の支給を受けることができる者をいう。以下同じ。)であつて、身体障害者その他の就職が困難な者として政令で定めるものが安定した職業に就いた場合において、公共職業安定所長が政令で定める基準に従つて必要があると認めたときに、支給する。ただし、前条の規定により再就職手当の支給を受けることができる者については、この限りでない。
2 受給資格者、特例受給資格者又は日雇受給資格者(次条及び第五十九条第一項において「受給資格者等」という。)が、安定した職業に就いた日前三年以内の就職について再就職手当又は常用就職支度金の支給を受けたことがあるときは、前項の規定にかかわらず、常用就職支度金は、支給しない。
3 常用就職支度金の額は、第十六条の規定による基本手当の日額(特例受給資格者については、その者を基本手当の受給資格者とみなして第十六条から第十八条までの規定を適用した場合にその者に支給されることとなる基本手当の日額とし、日雇受給資格者については、第四十八条又は第五十四条第二号の規定による日雇労働求職者給付金の日額とする。)に三十を乗じて得た額を限度として労働省令で定める額とする。
 
第58条(移転費)
移転費は、受給資格者等が公共職業安定所の紹介した職業に就くため、又は公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けるため、その住所又は居所を変更する場合において、公共職業安定所長が労働大臣の定める基準に従つて必要があると認めたときに、支給する。
2 移転費の額は、受給資格者等及びその者により生計を維持されている同居の親族の移転に通常要する費用を考慮して、労働省令で定める。
 
第59条(広域求職活動費)
広域求職活動費は、受給資格者等が公共職業安定所の紹介により広範囲の地域にわたる求職活動をする場合において、公共職業安定所長が労働大臣の定める基準に従つて必要があると認めたときに、支給する。
2 広域求職活動費の額は、前項の求職活動に通常要する費用を考慮して、労働省令で定める。
 
第60条(給付制限)
偽りその他不正の行為により求職者給付又は就職促進給付の支給を受け、又は受けようとした者には、これらの給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、就職促進給付を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、就職促進給付の全部又は一部を支給することができる。
2 前項に規定する者が同項に規定する日以後新たに受給資格又は特例受給資格を取得した場合には、同項の規定にかかわらず、その受給資格又は特例受給資格に基づく就職促進給付を支給する。
3 第一項に規定する者であつて、第五十二条第三項(第五十五条第四項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定により日雇労働求職者給付金の支給を受けることができない者とされたものが、その支給を受けることができない期間を経過した後において、日雇受給資格者である場合又は日雇受給資格者となつた場合には、第一項の規定にかかわらず、その日雇受給資格者たる資格に基づく就職促進給付を支給する。
4 第一項に規定する者(第五十二条第三項の規定により日雇労働求職者給付金の支給を受けることができない者とされている者を除く。)が新たに日雇受給資格者となつた場合には、第一項の規定にかかわらず、その日雇受給資格者たる資格に基づく就職促進給付を支給する。
5 受給資格者が第一項の規定により就職促進給付を支給されないこととされたため、当該受給資格に基づく再就職手当の全部又は一部の支給を受けることができなくなつたときは、第五十六条の二第四項の規定の適用については、その全部又は一部の支給を受けることができないこととされた再就職手当の支給があつたものとみなす。
 
第5節の2 教育訓練給付
第60条の2(教育訓練給付金)
教育訓練給付金は、次の各号のいずれかに該当する者が、労働省令で定めるところにより、雇用の安定及び就職の促進を図るために必要な職業に関する教育訓練として労働大臣が指定する教育訓練を受け、当該教育訓練を修了した場合において、支給要件期間が五年以上であるときに、支給する。
一 当該教育訓練を開始した日(以下この条において「基準日」という。)に被保険者(高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。次号において「一般被保険者」という。)である者
二 前号に掲げる者以外の者であつて、基準日が当該基準日の直前の一般被保険者でなくなつた日から労働省令で定める期間内にあるもの
2 前項の支給要件期間は、同項各号に掲げる者が基準日までの間に同一の事業主の適用事業に引き続いて被保険者(高年齢継続被保険者を除く。以下この項において同じ。)として雇用された期間(当該雇用された期間に係る被保険者となつた日前に被保険者であつたことがある者については、当該雇用された期間と当該被保険者であつた期間を通算した期間)とする。ただし、当該期間に次の各号に掲げる期間が含まれているときは、当該各号に掲げる期間に該当するすべての期間を除いて算定した期間とする。
一 当該雇用された期間又は当該被保険者であつた期間に係る被保険者となつた日の直前の被保険者でなくなつた日が当該被保険者となつた日前一年の期間内にないときは、当該直前の被保険者でなくなつた日前の被保険者であつた期間
二 当該基準日前に教育訓練給付金の支給を受けたことがあるときは、当該給付金に係る基準日前の被保険者であつた期間
3 第二十二条第七項の規定は、前項の支給要件期間の算定について準用する。
4 教育訓練給付金の額は、第一項各号に掲げる者が同項に規定する教育訓練の受講のために支払つた費用(労働省令で定める範囲内のものに限る。)の額に百分の八十を乗じて得た額(その額が労働省令で定める額を超えるときは、その定める額)とする。
5 第一項及び前項の規定にかかわらず、同項の規定により教育訓練給付金の額として算定された額が労働省令で定める額を超えないときは、教育訓練給付金は、支給しない。
 
第60条の3(給付制限)
偽りその他不正の行為により教育訓練給付金の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付金の支給を受け、又は受けようとした日以後、教育訓練給付金を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、教育訓練給付金の全部又は一部を支給することができる。
2 前項の規定により教育訓練給付金の支給を受けることができない者とされたものが、同項に規定する日以後、新たに教育訓練給付金の支給を受けることができる者となつた場合には、同項の規定にかかわらず、教育訓練給付金を支給する。
3 第一項の規定により教育訓練給付金の支給を受けることができなくなつた場合においても、前条第二項の規定の適用については、当該給付金の支給があつたものとみなす。
第6節 雇用継続給付
第1款 高年齢雇用継続給付
第61条(高年齢雇用継続基本給付金)
高年齢雇用継続基本給付金は、被保険者(短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。以下この款において同じ。)に対して支給対象月(当該被保険者が第一号に該当しなくなつたときは、同号に該当しなくなつた日の属する支給対象月以後の支給対象月)に支払われた賃金の額(支給対象月において非行、疾病その他の労働省令で定める理由により支払を受けることができなかつた賃金がある場合には、その支払を受けたものとみなして算定した賃金の額。以下この項、第四項及び第五項各号(次条第三項において準用する場合を含む。)並びに次条第一項において同じ。)が、当該被保険者を受給資格者と、当該被保険者が六十歳に達した日(当該被保険者が第一号に該当しなくなつたときは、同号に該当しなくなつた日)を受給資格に係る離職の日とみなして第十七条(第三項を除く。)の規定を適用した場合に算定されることとなる賃金日額に相当する額(以下この条において「みなし賃金日額」という。)に三十を乗じて得た額の百分の八十五に相当する額を下るに至つた場合に、当該支給対象月について支給する。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 当該被保険者を受給資格者と、当該被保険者が六十歳に達した日又は当該支給対象月においてその日に応当する日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日。)を第二十二条第一項第一号に規定する基準日とみなして同条第六項及び第七項の規定を適用した場合に算定されることとなる期間に相当する期間が、五年に満たないとき。
二 当該支給対象月に支払われた賃金の額が、三十六万千六百八十円(その額が第七項の規定により変更されたときは、その変更された額。以下この款において「支給限度額」という。)以上であるとき。
2 この条において「支給対象月」とは、被保険者が六十歳に達した日の属する月から六十五歳に達する日の属する月までの期間内にある月(その月の初日から末日まで引き続いて、被保険者であり、かつ、育児休業基本給付金又は介護休業給付金の支給を受けることができる休業をしなかつた月に限る。)をいう。
3 第一項の規定によりみなし賃金日額を算定する場合における第十七条第四項の規定の適用については、同項中「前三項の規定」とあるのは、「第一項及び第二項の規定」とする。
4 第一項の規定によりみなし賃金日額を算定することができないとき若しくは困難であるとき、又は同項の規定により算定したみなし賃金日額を用いて同項の規定を適用することが適当でないと認められるときは、労働大臣が定めるところにより算定した額をみなし賃金日額とする。この場合において、第十七条第四項の規定は、この項の規定により算定したみなし賃金日額について準用する。
5 高年齢雇用継続基本給付金の額は、一支給対象月について、次の各号に掲げる区分に応じ、当該支給対象月に支払われた賃金の額に当該各号に定める率を乗じて得た額とする。ただし、その額に当該賃金の額を加えて得た額が支給限度額を超えるときは、支給限度額から当該賃金の額を減じて得た額とする。
一 当該賃金の額が、みなし賃金日額に三十を乗じて得た額の百分の六十四に相当する額未満であるとき。 百分の二十五
二 前号に該当しないとき。 みなし賃金日額に三十を乗じて得た額に対する当該賃金の額の割合が逓増する程度に応じ、百分の二十五から一定の割合で逓減するように労働省令で定める率
6 第一項及び前項の規定にかかわらず、同項の規定により支給対象月における高年齢雇用継続基本給付金の額として算定された額が第十七条第四項第一号イに掲げる額(その額が第十八条の規定により変更されたときは、その変更された額)の百分の八十に相当する額を超えないときは、当該支給対象月については、高年齢雇用継続基本給付金は、支給しない。
7 労働大臣は、年度の平均給与額が平成六年四月一日から始まる年度(この項の規定により支給限度額が変更されたときは、直近の当該変更がされた年度の前年度)の平均給与額を超え、又は下るに至つた場合においては、その上昇し、又は低下した比率を基準として、その翌年度の八月一日以後の支給限度額を変更しなければならない。
 
第61条の2(高年齢再就職給付金)
高年齢再就職給付金は、受給資格者(その受給資格に係る離職の日における第二十二条第六項の規定による算定基礎期間が五年以上あり、かつ、当該受給資格に基づく基本手当の支給を受けたことがある者に限る。)が六十歳に達した日以後安定した職業に就くことにより被保険者となつた場合において、当該被保険者に対し再就職後の支給対象月に支払われた賃金の額が、当該基本手当の日額の算定の基礎となつた賃金日額に三十を乗じて得た額の百分の八十五に相当する額を下るに至つたときに、当該再就職後の支給対象月について支給する。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
一 当該職業に就いた日(次項において「就職日」という。)の前日における支給残日数が、百日未満であるとき。
二 当該再就職後の支給対象月に支払われた賃金の額が、支給限度額以上であるとき。
2 前項の「再就職後の支給対象月」とは、就職日の属する月から当該就職日の翌日から起算して二年(当該就職日の前日における支給残日数が二百日未満である同項の被保険者については、一年)を経過する日の属する月(その月が同項の被保険者が六十五歳に達する日の属する月後であるときは、六十五歳に達する日の属する月)までの期間内にある月(その月の初日から末日まで引き続いて、被保険者であり、かつ、育児休業基本給付金又は介護休業給付金の支給を受けることができる休業をしなかつた月に限る。)をいう。
3 前条第五項及び第六項の規定は、高年齢再就職給付金の額について準用する。この場合において、同条第五項中「支給対象月について」とあるのは「再就職後の支給対象月(次条第二項に規定する再就職後の支給対象月をいう。次条第三項において準用する第六項において同じ。)について」と、「当該支給対象月」とあるのは「当該再就職後の支給対象月」と、「みなし賃金日額」とあるのは「次条第一項の賃金日額」と、同条第六項中「第一項」とあるのは「次条第一項」と、「支給対象月」とあるのは「再就職後の支給対象月」と読み替えるものとする。
 
第61条の3(給付制限)
偽りその他不正の行為により次の各号に掲げる失業等給付の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付の支給を受け、又は受けようとした日以後、当該各号に定める高年齢雇用継続給付を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、当該高年齢雇用継続給付の全部又は一部を支給することができる。
一 高年齢雇用継続基本給付金 高年齢雇用継続基本給付金
二 高年齢再就職給付金又は当該給付金に係る受給資格に基づく求職者給付若しくは就職促進給付高年齢再就職給付金
 
第2款 育児休業給付
第61条の4(育児休業基本給付金)
育児休業基本給付金は、被保険者(高年齢継続被保険者、短期雇用特例被保険者及び日雇労働被保険者を除く。以下この款及び次款において同じ。)が、労働省令で定めるところにより、その一歳に満たない子を養育するための休業をした場合において、当該休業を開始した日前二年間(当該休業を開始した日前二年間に疾病、負傷その他労働省令で定める理由により引き続き三十日以上賃金の支払を受けることができなかつた被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数を二年に加算した期間(その期間が四年を超えるときは、四年間))に、みなし被保険者期間が通算して十二箇月以上であつたときに、支給単位期間について支給する。
2 前項の「みなし被保険者期間」は、同項に規定する休業を開始した日を被保険者でなくなつた日とみなして第十四条(第二項を除く。)の規定を適用した場合に計算されることとなる被保険者期間に相当する期間とする。この場合における同条第一項及び第三項の規定の適用については、同条第一項中「十四日」とあるのは「十一日」と、同条第三項中「前二項の」とあるのは「第一項の」と、「前二項に」とあるのは「同項に」とする。
3 この条及び次条第二項において「支給単位期間」とは、第一項に規定する休業をした期間を、当該休業を開始した日又は各月においてその日に応当し、かつ、当該休業をした期間内にある日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日。以下この項において「休業開始応当日」という。)から各翌月の休業開始応当日の前日(当該休業を終了した日の属する月にあつては、当該休業を終了した日)までの各期間に区分した場合における当該区分による一の期間をいう。
4 育児休業基本給付金の額は、一支給単位期間について、育児休業基本給付金の支給を受けることができる被保険者を受給資格者と、当該被保険者が当該育児休業基本給付金の支給に係る休業を開始した日の前日を受給資格に係る離職の日とみなして第十七条の規定を適用した場合に算定されることとなる賃金日額に相当する額(以下この款において「休業開始時賃金日額」という。)に三十を乗じて得た額の百分の二十に相当する額とする。この場合における同条の規定の適用については、同条第三項中「困難であるとき」とあるのは「できないとき若しくは困難であるとき」と、同条第四項中「第二号」とあるのは「第二号ハ」とする。
5 前項の規定にかかわらず、第一項に規定する休業をした被保険者に当該被保険者を雇用している事業主から支給単位期間に賃金が支払われた場合において、当該賃金の額に当該支給単位期間における育児休業基本給付金の額を加えて得た額が休業開始時賃金日額に三十を乗じて得た額の百分の八十に相当する額以上であるときは、休業開始時賃金日額に三十を乗じて得た額の百分の八十に相当する額から当該賃金の額を減じて得た額を、当該支給単位期間における育児休業基本給付金の額とする。この場合において、当該賃金の額が休業開始時賃金日額に三十を乗じて得た額の百分の八十に相当する額以上であるときは、同項の規定にかかわらず、当該賃金が支払われた支給単位期間については、育児休業基本給付金は、支給しない。
 
第61条の5(育児休業者職場復帰給付金)
育児休業者職場復帰給付金は、育児休業基本給付金の支給を受けることができる被保険者が、当該支給を受けることができる育児休業基本給付金に係る休業の期間中被保険者として雇用されていた事業主に当該休業を終了した日後引き続いて六箇月以上雇用されているときに、支給する。
2 育児休業者職場復帰給付金の額は、前項の休業をした期間内における支給単位期間(育児休業基本給付金の支給を受けることができるものに限る。)の数に、当該支給単位期間に支給を受けることができる育児休業基本給付金に係る休業開始時賃金日額に三十を乗じて得た額の百分の五に相当する額を乗じて得た額とする。
 
第61条の6(給付制限)
偽りその他不正の行為により育児休業基本給付金の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付金の支給を受け、又は受けようとした日以後、育児休業給付を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、育児休業給付の全部又は一部を支給することができる。
2 前項の規定により育児休業給付の支給を受けることができない者とされたものが、同項に規定する日以後、新たに第六十一条の四第一項に規定する休業を開始し、育児休業基本給付金の支給を受けることができる者となつた場合には、前項の規定にかかわらず、当該休業に係る育児休業給付を支給する。
 
第3款 介護休業給付
第61条の7(介護休業給付金)
介護休業給付金は、被保険者が、労働省令で定めるところにより、対象家族(当該被保険者の配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。以下この項において同じ。)、父母及び子(これらの者に準ずる者として労働省令で定めるものを含む。)並びに配偶者の父母をいう。以下この条において同じ。)を介護するための休業をした場合において、当該休業を開始した日前二年間(当該休業を開始した日前二年間に疾病、負傷その他労働省令で定める理由により引き続き三十日以上賃金の支払を受けることができなかつた被保険者については、当該理由により賃金の支払を受けることができなかつた日数を二年に加算した期間(その期間が四年を超えるときは、四年間))に、みなし被保険者期間が通算して十二箇月以上であつたときに、支給単位期間について支給する。
2 前項のみなし被保険者期間は、同項に規定する休業を開始した日を被保険者でなくなつた日とみなして第十四条(第二項を除く。)の規定を適用した場合に計算されることとなる被保険者期間に相当する期間とする。この場合における同条第一項及び第三項の規定の適用については、同条第一項中「十四日」とあるのは「十一日」と、同条第三項中「前二項の」とあるのは「第一項の」と、「前二項に」とあるのは「同項に」とする。
3 この条において支給単位期間とは、第一項に規定する休業をした期間(当該対象家族を介護するための休業を開始した日から起算して三月を経過する日までの期間に限る。)を、当該休業を開始した日又は各月においてその日に応当し、かつ、当該休業をした期間内にある日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日。以下この項において「休業開始応当日」という。)から各翌月の休業開始応当日の前日(当該休業を終了した日の属する月にあつては、当該休業を終了した日)までの各期間に区分した場合における当該区分による一の期間をいう。
4 介護休業給付金の額は、一支給単位期間について、介護休業給付金の支給を受けることができる被保険者を受給資格者と、当該被保険者が当該介護休業給付金の支給に係る休業を開始した日の前日を受給資格に係る離職の日とみなして第十七条の規定を適用した場合に算定されることとなる賃金日額に相当する額(次項において「休業開始時賃金日額」という。)に三十を乗じて得た額の百分の二十五に相当する額とする。この場合における同条の規定の適用については、同条第三項中「困難であるとき」とあるのは「できないとき若しくは困難であるとき」と、同条第四項中「第二号」とあるのは「第二号ハ」とする。
5 前項の規定にかかわらず、第一項に規定する休業をした被保険者に当該被保険者を雇用している事業主から支給単位期間に賃金が支払われた場合において、当該賃金の額に当該支給単位期間における介護休業給付金の額を加えて得た額が休業開始時賃金日額に三十を乗じて得た額の百分の八十に相当する額以上であるときは、休業開始時賃金日額に三十を乗じて得た額の百分の八十に相当する額から当該賃金の額を減じて得た額を、当該支給単位期間における介護休業給付金の額とする。この場合において、当該賃金の額が休業開始時賃金日額に三十を乗じて得た額の百分の八十に相当する額以上であるときは、同項の規定にかかわらず、当該賃金が支払われた支給単位期間については、介護休業給付金は、支給しない。
6 第一項の規定にかかわらず、被保険者が対象家族を介護するための休業についてこの款の定めるところにより介護休業給付金の支給を受けたことがある場合において、当該被保険者が当該休業を開始した日から起算して三月を経過する日後に当該対象家族を介護するための休業をしたときは、介護休業給付金は、支給しない。
 
第61条の8(給付制限)
偽りその他不正の行為により介護休業給付金の支給を受け、又は受けようとした者には、当該給付金の支給を受け、又は受けようとした日以後、介護休業給付金を支給しない。ただし、やむを得ない理由がある場合には、介護休業給付金の全部又は一部を支給することができる。
2 前項の規定により介護休業給付金の支給を受けることができない者とされたものが、同項に規定する日以後、新たに前条第一項に規定する休業を開始し、介護休業給付金の支給を受けることができる者となつた場合には、前項の規定にかかわらず、当該休業に係る介護休業給付金を支給する。
 
第4章 雇用安定事業等
第62条(雇用安定事業)
政府は、被保険者及び被保険者であつた者(以下この章において「被保険者等」という。)に関し、失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大その他雇用の安定を図るため、雇用安定事業として、次の事業を行うことができる。
一 景気の変動、産業構造の変化その他の経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた場合において、労働者を休業させ、又は労働者に職業に関する教育訓練を受けさせる事業主その他労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講ずる事業主に対して、必要な助成及び援助を行うこと。
二 定年の引上げ、定年に達した者の再雇用等により高年齢者の雇用を延長し、若しくは高年齢退職者に対し再就職の援助を行い、又は高年齢者を雇い入れる事業主その他高年齢者の雇用の安定を図るために必要な措置を講ずる事業主に対して、必要な助成及び援助を行うこと。
三 雇用機会を増大させる必要がある地域への事業所の移転により新たに労働者を雇い入れる事業主、季節的に失業する者が多数居住する地域においてこれらの者を年間を通じて雇用する事業主その他雇用に関する状況を改善する必要がある地域における労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講ずる事業主に対して、必要な助成及び援助を行うこと。
四 前三号に掲げるもののほか、障害者その他就職が特に困難な者の雇入れの促進その他被保険者等の雇用の安定を図るために必要な事業であつて、労働省令で定めるものを行うこと。
2 前項各号に掲げる事業の実施に関して必要な基準は、労働省令で定める。この場合において、同項第一号に掲げる事業の対象となる事業主をその行う事業の属する業種の種別により定めようとするときは、あらかじめ、労働大臣は、当該業種に属する事業を所管する大臣と協議するものとする。
 
第63条(能力開発事業)
政府は、被保険者等に関し、職業生活の全期間を通じて、これらの者の能力を開発し、及び向上させることを促進するため、能力開発事業として、次の事業を行うことができる。
一 職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第十三条に規定する事業主等及び職業訓練の推進のための活動を行う者に対して、同法第十一条に規定する計画に基づく職業訓練、同法第二十四条第三項(同法第二十七条の二第二項において準用する場合を含む。)に規定する認定職業訓練(第五号において「認定職業訓練」という。)その他当該事業主等の行う職業訓練を振興するために必要な助成及び援助を行うこと並びに当該職業訓練を振興するために必要な助成及び援助を行う都道府県に対して、これらに要する経費の全部又は一部の補助を行うこと。
二 公共職業能力開発施設(公共職業能力開発施設の行う職業訓練を受ける者のための宿泊施設を含む。以下この号において同じ。)又は職業能力開発総合大学校(職業能力開発総合大学校の行う指導員訓練又は職業訓練を受ける者のための宿泊施設を含む。)を設置し、又は運営すること、職業能力開発促進法第十五条の六第一項ただし書に規定する職業訓練を行うこと及び公共職業能力開発施設を設置し、又は運営する都道府県に対して、これらに要する経費の全部又は一部の補助を行うこと。
三 求職者及び退職を予定する者に対して、再就職を容易にするために必要な知識及び技能を習得させるための講習(第五号において「職業講習」という。)並びに作業環境に適応させるための訓練を実施すること。
四 職業能力開発促進法第十条の二第二項に規定する有給教育訓練休暇を与える事業主に対して、必要な助成及び援助を行うこと。
五 職業訓練(公共職業能力開発施設又は職業能力開発総合大学校の行うものに限る。)又は職業講習を受ける労働者に対して、当該職業訓練又は職業講習を受けることを容易にし、又は促進するために必要な交付金を支給すること及びその雇用する労働者に職業能力開発促進法第十一条に規定する計画に基づく職業訓練、認定職業訓練その他の職業訓練を受けさせる事業主(当該職業訓練を受ける期間、労働者に対し所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金を支払う事業主に限る。)に対して、必要な助成を行うこと。
六 技能検定の実施に要する経費を負担すること、技能検定を行う法人その他の団体に対して、技能検定を促進するために必要な助成を行うこと及び技能検定を促進するために必要な助成を行う都道府県に対して、これに要する経費の全部又は一部の補助を行うこと。
七 前各号に掲げるもののほか、労働者の能力の開発及び向上のために必要な事業であつて、労働省令で定めるものを行うこと。
2 前項各号に掲げる事業の実施に関して必要な基準については、同項第二号の規定による都道府県に対する経費の補助に係るものにあつては政令で、その他の事業に係るものにあつては労働省令で定める。
3 政府は、雇用・能力開発機構法(平成十一年法律第二十号)及びこれに基づく命令で定めるところにより、第一項各号に掲げる事業の一部を雇用・能力開発機構に行わせるものとする。
 
第64条(雇用福祉事業)
政府は、被保険者等に関し、職業生活上の環境の整備改善、就職の援助その他これらの者の福祉の増進を図るため、雇用福祉事業として、次の事業を行うことができる。
一 就職に伴いその住居を移転する者のための宿舎を設置し、及び運営すること。
二 労働者の就職、雇入れ、配置等についての相談その他の援助を行うこと並びに当該援助のための施設を設置し、及び運営すること。
三 教養、文化、体育又はレクリエーションの施設その他の福祉施設を設置し、及び運営すること。
四 求職者の就職のため、資金の貸付け、身元保証その他必要な援助を行うこと。
五 労働者の職業に対する適応性その他職業の安定に関する調査、研究及び資料の整備を行うこと。
六 前各号に掲げるもののほか、被保険者等の福祉の増進を図るために必要な事業であつて、労働省令で定めるものを行うこと。
2 前条第三項の規定は、前項各号に掲げる事業の全部又は一部の実施について準用する。
 
第65条(事業等の利用)
前三条の規定による事業又は当該事業に係る施設は、被保険者等の利用に支障がなく、かつ、その利益を害しない限り、被保険者等以外の者に利用させることができる。
 
第5章 費用の負担
第66条(国庫の負担)
国庫は、次に掲げる区分によつて、求職者給付(高年齢求職者給付金を除く。第一号において同じ。)及び雇用継続給付に要する費用の一部を負担する。
一 日雇労働求職者給付金以外の求職者給付については、当該求職者給付に要する費用の四分の一
二 日雇労働求職者給付金については、当該日雇労働求職者給付金に要する費用の三分の一
三 雇用継続給付については、当該雇用継続給付に要する費用の八分の一
2 前項第一号に掲げる求職者給付については、国庫は、毎会計年度において、支給した当該求職者給付の総額の四分の三に相当する額が徴収法の規定により徴収した一般保険料の額を超える場合には、同号の規定にかかわらず、当該超過額について、同号の規定による国庫の負担額を加えて国庫の負担が当該会計年度において支給した当該求職者給付の総額の三分の一に相当する額に達する額までを負担する。
3 前項に規定する一般保険料の額は、第一号に掲げる額から第二号及び第三号に掲げる額の合計額を減じた額とする。
一 次に掲げる額の合計額(以下この条及び第六十八条第二項において「一般保険料徴収額」という。)
イ 徴収法の規定により徴収した徴収法第十二条第一項第一号に掲げる事業に係る一般保険料の額のうち雇用保険率(その率が徴収法第十二条第五項又は第七項の規定により変更されたときは、その変更された率。以下この条において同じ。)に応ずる部分の額(徴収法第十一条の二の規定により高年齢労働者を使用する事業の一般保険料の額を同条の規定による額とすることとする場合には、当該一般保険料の額に徴収法第十二条第六項に規定する高年齢者免除額(徴収法第十二条第一項第一号に掲げる事業に係るものに限る。以下この号において同じ。)を加えた額のうち雇用保険率に応ずる部分の額から高年齢者免除額を減じた額)
ロ 徴収法第十二条第一項第三号に掲げる事業に係る一般保険料の額
二 徴収法の規定により徴収した印紙保険料の額に相当する額に労働大臣が大蔵大臣と協議して定める率を乗じて得た額
三 一般保険料徴収額から前号に掲げる額を減じた額に千分の三・五の率(徴収法第十二条第四項第三号に掲げる事業については、千分の四・五の率)を雇用保険率で除して得た率(第五項及び第六十八条第二項において「三事業率」という。)を乗じて得た額
4 徴収法第十二条第七項の規定により雇用保険率が変更されている場合においては、前項第三号中「千分の三・五」とあるのは「千分の三」と、「千分の四・五」とあるのは「千分の四」とする。
5 日雇労働求職者給付金については、国庫は、毎会計年度において第一号に掲げる額が第二号に掲げる額を超える場合には、第一項第二号の規定にかかわらず、同号の規定による国庫の負担額から当該超過額に相当する額を減じた額(その額が当該会計年度において支給した日雇労働求職者給付金の総額の四分の一に相当する額を下回る場合には、その四分の一に相当する額)を負担する。
一 次に掲げる額を合計した額
イ 徴収法の規定により徴収した印紙保険料の額
ロ イの額に相当する額に第三項第二号に掲げる労働大臣が大蔵大臣と協議して定める率を乗じて得た額から、その額に三事業率を乗じて得た額を減じた額
二 支給した日雇労働求職者給付金の総額の三分の二に相当する額
6 国庫は、前各項に規定するもののほか、毎年度、予算の範囲内において、雇用保険事業の事務の執行に要する経費を負担する。
 
第67条
第二十五条第一項の措置が決定された場合には、前条第一項第一号の規定にかかわらず、国庫は、広域延長給付を受ける者に係る求職者給付に要する費用の三分の一を負担する。この場合において、同条第二項中「支給した当該求職者給付の総額」とあるのは「支給した当該求職者給付の総額から広域延長給付を受ける者に係る求職者給付の総額を控除した額」と、「一般保険料の額を超える場合には」とあるのは「一般保険料の額から広域延長給付を受ける者に係る求職者給付の総額の三分の二に相当する額を控除した額を超える場合には」と読み替えるものとする。
 
第68条(保険料)
雇用保険事業に要する費用に充てるため政府が徴収する保険料については、徴収法の定めるところによる。
2 前項の保険料のうち、一般保険料徴収額からその額に三事業率を乗じて得た額を減じた額及び印紙保険料の額に相当する額の合計額は、失業等給付に要する費用に充てるものとし、一般保険料徴収額に三事業率を乗じて得た額は、雇用安定事業、能力開発事業及び雇用福祉事業に要する費用に充てるものとする。
 
第6章 不服申立て及び訴訟
 
第69条(不服申立て)
第九条の規定による確認、失業等給付に関する処分又は第十条の三第一項若しくは第二項の規定による処分に不服のある者は、雇用保険審査官に対して審査請求をし、その決定に不服のある者は、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
2 前項の審査請求をしている者は、審査請求をした日の翌日から起算して三箇月を経過しても審査請求についての決定がないときは、当該審査請求に係る処分について、決定を経ないで、労働保険審査会に対して再審査請求をすることができる。
3 第一項の審査請求及び前二項の再審査請求は、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。
4 第一項の審査請求及び同項又は第二項の再審査請求については、行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)第二章第一節、第二節(第十八条及び第十九条を除く。)及び第五節の規定を適用しない。
 
第70条(不服理由の制限)
第九条の規定による確認に関する処分が確定したときは、当該処分についての不服を当該処分に基づく失業等給付に関する処分についての不服の理由とすることができない。
 
第71条(不服申立てと訴訟との関係)
第六十九条第一項に規定する処分の取消しの訴えは、当該処分についての再審査請求に対する労働保険審査会の裁決を経た後でなければ、提起することができない。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、この限りでない。
 
一 再審査請求がされた日の翌日から起算して三箇月を経過しても裁決がないとき。
二 再審査請求についての裁決を経ることにより生ずる著しい損害を避けるため緊急の必要があるときその他その裁決を経ないことにつき正当な理由があるとき。
 
第7章 雑則
第72条(中央職業安定審議会への諮問)
労働大臣は、第二十三条第一項、第二十五条第一項、第二十七条第一項若しくは第二項若しくは第五十七条第一項の基準又は同項の就職が困難な者を政令で定めようとするとき、第十三条第一項第二号、第二十条第一項若しくは第二項、第二十二条第二項、第三十七条の三第一項第二号、第三十九条第一項第二号、第六十一条の四第一項又は第六十一条の七第一項の理由を労働省令で定めようとするとき、第六条第一号の二の時間数又は第十条の三第一項、第二十二条の二第一項、第二十五条第三項、第二十六条第二項、第二十九条第二項、第三十二条第三項(第三十七条の四第五項及び第四十条第四項において準用する場合を含む。)、第三十三条第二項(第三十七条の四第五項及び第四十条第四項において準用する場合を含む。)、第五十二条第二項(第五十五条第四項において準用する場合を含む。)若しくは第五十六条の二第一項の基準を定めようとするとき、その他この法律の施行に関する重要事項について決定しようとするときは、あらかじめ、中央職業安定審議会の意見を聴かなければならない。
2 中央職業安定審議会は、労働大臣の諮問に応ずるほか、必要に応じ、雇用保険事業の運営に関し、関係行政庁に建議し、又はその報告を求めることができる。
 
第73条(不利益取扱いの禁止)
事業主は、労働者が第八条の規定による確認の請求をしたことを理由として、労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
 
第74条(時効)
失業等給付の支給を受け、又はその返還を受ける権利及び第十条の三第一項又は第二項の規定により納付をすべきことを命ぜられた金額を徴収する権利は、二年を経過したときは、時効によつて消滅する。
 
第75条(戸籍事項の無料証明)
市町村長(特別区及び地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市においては、区長とする。)は、行政庁又は求職者給付又は就職促進給付の支給を受ける者に対して、当該市(特別区を含む。)町村の条例の定めるところにより、求職者給付又は就職促進給付の支給を受ける者の戸籍に関し、無料で証明を行うことができる。
 
第76条(報告等)
行政庁は、労働省令で定めるところにより、被保険者若しくは受給資格者、高年齢受給資格者、特例受給資格者若しくは日雇受給資格者(以下「受給資格者等」という。)若しくは第六十条の二第一項に規定する者(以下「教育訓練給付対象者」という。)を雇用し、若しくは雇用していた事業主又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であつた団体に対して、この法律の施行に関して必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができる。
2 離職した者は、労働省令で定めるところにより、従前の事業主又は当該事業主から徴収法第三十三条第一項の委託を受けて同項に規定する労働保険事務の一部として求職者給付の支給を受けるために必要な証明書の交付に関する事務を処理する労働保険事務組合に対して、求職者給付の支給を受けるために必要な証明書の交付を請求することができる。その請求があつたときは、当該事業主又は労働保険事務組合は、その請求に係る証明書を交付しなければならない。
3 前項の規定は、雇用継続給付の支給を受けるために必要な証明書の交付の請求について準用する。この場合において、同項中「離職した者」とあるのは「被保険者又は被保険者であつた者」と、「従前の事業主」とあるのは「当該被保険者若しくは被保険者であつた者を雇用し、若しくは雇用していた事業主」と読み替えるものとする。
 
第77条
行政庁は、被保険者、受給資格者等、教育訓練給付対象者又は未支給の失業等給付の支給を請求す者に対して、この法律の施行に関して必要な報告、文書の提出又は出頭を命ずることができる。
 
第78条(診断)
行政庁は、求職者給付の支給を行うため必要があると認めるときは、第十五条第四項第一号の規定により同条第二項に規定する失業の認定を受け、若しくは受けようとする者、第二十条第一項の規定による申出をした者又は傷病手当の支給を受け、若しくは受けようとする者に対して、その指定する医師の診断を受けるべきことを命ずることができる。
 
第79条(立入検査)
行政庁は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、当該職員に、被保険者、受給資格者等若しくは教育訓練給付対象者を雇用し、若しくは雇用していた事業主の事業所又は労働保険事務組合若しくは労働保険事務組合であつた団体の事務所に立ち入り、関係者に対して質問させ、又は帳簿書類の検査をさせることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
 
第80条(経過措置の命令への委任)
この法律に基づき政令又は労働省令を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ政令又は労働省令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。この法律に基づき、労働大臣が第十八条第三項の自動変更対象額その他の事項を定め、又はこれを改廃する場合においても、同様とする。
 
第81条(権限の委任)
この法律に定める労働大臣の権限は、労働省令で定めるところにより、その一部を公共職業安定所長に委任することができる。
 
第82条(労働省令への委任)
この法律に規定するもののほか、この法律の実施のため必要な手続その他の事項は、労働省令で定める。
 
第8章 罰則
第83条
事業主が次の各号のいずれかに該当するときは、六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第七条の規定に違反して届出をせず、又は偽りの届出をした場合
二 第七十三条の規定に違反した場合
三 第七十六条第一項の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは偽りの報告をし、又は文書を提出せず、若しくは偽りの記載をした文書を提出した場合
四 第七十六条第二項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して証明書の交付を拒んだ場合
五 第七十九条第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは偽りの陳述をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合
 
第84条
労働保険事務組合が次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした労働保険事務組合の代表者又は代理人、使用人その他の従業者は、六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
一 第七条の規定に違反して届出をせず、又は偽りの届出をした場合
二 第七十六条第一項の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは偽りの報告をし、又は文書を提出せず、若しくは偽りの記載をした文書を提出した場合
三 第七十六条第二項(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定に違反して証明書の交付を拒んだ場合
四 第七十九条第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは偽りの陳述をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合
 
第85条
被保険者、受給資格者等、教育訓練給付対象者又は未支給の失業等給付の支給を請求する者その他の関係者が次の各号のいずれかに該当するときは、六箇月以下の懲役又は二十万円以下の罰金に処する。
一 第四十四条の規定に違反して偽りその他不正の行為によつて日雇労働被保険者手帳の交付を受けた場合
二 第七十七条の規定による命令に違反して報告をせず、若しくは偽りの報告をし、文書を提出せず、若しくは偽りの記載をした文書を提出し、又は出頭しなかつた場合
三 第七十九条第一項の規定による当該職員の質問に対して答弁をせず、若しくは偽りの陳述をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した場合
 
第86条
法人(法人でない労働保険事務組合を含む。以下この項において同じ。)の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。
2 前項の規定により法人でない労働保険事務組合を処罰する場合においては、その代表者又は管理人が訴訟行為につきその労働保険事務組合を代表するほか、法人を被告人とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
 
附 則〔抄〕
(失業保険法の廃止)
第2条 失業保険法(昭和二十二年法律第百四十六号)は、廃止する。
(適用範囲に関する暫定措置)
第3条 次の各号に掲げる事業(国、都道府県、市町村その他これらに準ずるものの事業及び法人である事業主の事業(事務所に限る。)を除く。)であつて、政令で定めるものは、当分の間、第五条第一項の規定にかかわらず、任意適用事業とする。
一 土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業
二 動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他畜産、養蚕又は水産の事業
2 前項に規定する事業の保険関係の成立及び消滅については、徴収法附則の定めるところによるものとし、徴収法附則第二条又は第三条の規定により雇用保険に係る労働保険の保険関係が成立している事業は、第五条第一項に規定する適用事業に含まれるものとする。
(被保険者に関する届出等に関する経過措置)
第4条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に発生した事項につき附則第二条の規定による廃止前の失業保険法(以下「旧法」という。)第八条の規定により届け出なければならないこととされていた事項の届出については、なお従前の例による。
2 旧法第五条に規定する被保険者(以下「旧被保険者」という。)となったこと又は旧被保険者でなくなったことの確認及びその確認の請求については、なお従前の例による。
3 施行日の前日に旧被保険者であった者であって、引き続き同一の事業主に雇用され、施行日に第四条第一項に規定する被保険者(以下「新被保険者」という。)となったもの(以下「継続雇用被保険者」という。)のうち、既に旧法第十条の規定により当該旧被保険者となったことの確認を受けているもの(前項の規定により当該旧被保険者となったことの確認を受けた者を含む。)については、施行日(前項の規定により当該旧被保険者となったことの確認を受けた者については、当該確認を受けた日)に、新被保険者となったことの第九条の規定による確認がされたものとみなす。
(被保険者期間に関する経過措置)
第5条 旧被保険者であった者であって新被保険者となったものに関するこの法律の規定の適用については、旧法の規定による被保険者期間(施行日前に旧法第十五条第一項の規定に該当するに至った場合における離職の日以前の被保険者期間を除く。)は、第十四条第一項の規定による被保険者期間とみなす。
2・3 (略)
第6条 短期雇用特例被保険者が当該短期雇用特例被保険者でなくなった場合(引き続き同一事業主に被保険者として雇用される場合を除く。)における当該短期雇用特例被保険者となった日(以下この条において「資格取得日」という。)から当該短期雇用特例被保険者でなくなった日(以下この条において「資格喪失日」という。)の前日までの間の短期雇用特例被保険者であった期間についての第十四条第一項の規定の適用については、当分の間、当該短期雇用特例被保険者は、資格取得日の属する月の初日から資格喪失日の前日の属する月の末日まで引き続き短期雇用特例被保険者として雇用された後当該短期雇用特例被保険者でなくなったものとみなす。この場合において、同項本文中「十四日」とあるのは、「十一日」とする。
(基本手当の給付日数の延長措置に関する経過措置)
第8条 施行日の前日において旧法第二十条の四第一項の規定による措置が決定された地域について、施行日に第二十五条第一項の規定による措置が決定された場合においては、当該地域に係る旧法第二十条の四第一項の規定による措置及び同項の規定による認定を受けた受給資格者は、それぞれ、第二十五条第一項の規定により決定された措置及び同項の規定により認定を受けた受給資格者とみなして基本手当を支給する。
2 炭鉱労働者等の雇用の安定等に関する臨時措置法(昭和三十四年法律第百九十九号)第三条の規定により労働大臣が他の地域において職業に就くことを促進するための措置として職業紹介活動をすることを命じた場合には、第二十五条の規定の適用については、労働大臣が地域雇用開発等促進法第二十一条に規定する職業紹介活動をすることを命じたものとみなす。
(旧法の規定による日雇労働被保険者等に関する経過措置)
第12条 施行日前に旧法第三十八条の四第一項の認可を受けた者は、施行日に第六条第一号の認可を受けた者とみなす。
2 施行日前に旧法第三十八条の三第一項第一号の規定により労働大臣が指定した区域又は同項第三号の規定により労働大臣が指定した適用事業は、それぞれ第四十三条第一項第一号の規定により労働大臣が指定した区域又は同項第三号の規定により労働大臣が指定した適用事業とみなす。
3 施行日前に旧法第三十八条の五第二項ただし書の認可を受けた者は、施行日に第四十三条第二項の認可を受けた者とみなす。
4 施行日前に旧法第三十八条の三第二項又は第三十八条の四第二項の規定により交付された日雇労働被保険者手帳は、第四十四条の規定により交付された日雇労働被保険者手帳とみなす。
(雇用改善事業等に関する経過措置)
第14条 旧被保険者であった者は、第四章の規定の適用については、新被保険者であった者とみなす。
(任意加入に係る高年齢継続被保険者に関する暫定措置)
第22条 第六条第一号に掲げる者(本条の規定に基づき高年齢求職者給付金の支給を受けたことがある者及びその雇用が短期間である等労働省令で定める理由に該当する者を除く。)は、それらの者の就業及び生活の実態を参酌して政令で定める日までに、労働省令で定めるところにより公共職業安定所長の認可を受けたときは、高年齢継続被保険者となることができる。
2 前項の高年齢継続被保険者が失業した場合に支給する高年齢求職者給付金の額に係る第三十七条の四第一項の規定の適用については、同項中「次の各号に掲げる算定基礎期間の区分に応じ、当該各号に定める日数」とあるのは「五十日」と、「当該各号に定める日数に満たない場合」とあるのは「五十日に満たない場合」とする。
3 前二項に規定するもののほか、第一項の高年齢継続被保険者に関し必要な事項は、労働省令で定める。
(国庫負担に関する暫定措置)
第23条 国庫は、第六十六条第一項及び第六十七条前段の規定による国庫の負担については、当分の間、これらの規定にかかわらず、これらの規定による国庫の負担額の百分の五十六に相当する額を負担する。
2 国庫が前項に規定する額を負担する会計年度については、第六十六条第二項(第六十七条後段において読み替えて適用する場合を含む。)及び第五項の規定は、適用しない。
3 第一項の規定の適用がある場合における第六十六条第六項の規定の適用については、同項中「前各項」とあるのは、「附則第二十三条第一項」とする。
(再就職手当の額に関する特例)
第24条 雇用保険法等の一部を改正する法律(平成六年法律第五十七号)附則第一条第一号に掲げる改正規定の施行の日から雇用及び失業の状況を参酌して政令で定める日までの間に安定した職業に就いた受給資格者に対する第五十六条の二第三項の規定の適用については、同項中「百二十」とあるのは、「百四十」とする。
(その他の経過措置の政令への委任)
第25条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
(罰則に関する経過措置)
第26条 施行日前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされた事項に関する施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
 
附 則〔抄〕(昭和五九年七月一三日・法律第五四号)
(施行期日)
第1条 この法律は、昭和五十九年八月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第一条中雇用保険法第四十八条、第四十九条及び第五十四条の改正規定(中略)昭和五十九年九月一日
二 (略)
(雇用保険の適用除外等に関する経過措置)
第2条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に雇用保険の被保険者となり、かつ、その被保険者となつた日における年齢が六十五歳以上である者であつて、引き続き施行日まで同一の事業主の雇用保険の適用事業に雇用されているものについては、第一条の規定による改正後の雇用保険法(以下「新雇用保険法」という。)第六条第一号の規定は、施行日以降引き続き当該適用事業に雇用されている間は、適用しない。
2 前項の規定により新雇用保険法第六条第一号の規定を適用しないこととされた雇用保険の被保険者のうち、施行日に雇用保険法第第三十八条第一項に規定する短期雇用特例被保険者又は同法第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者(以下この項において「短期雇用特例被保険者等」という。)に該当する者以外の者(以下この項において「一般被保険者」という。)については施行日に、施行日に短期雇用特例被保険者等に該当し、且つ、施行日後前項に規定する期間内に一般被保険者となつた者については当該一般被保険者となつた日に、新雇用保険法第三十七条の二第一項に規定する高年齢継続被保険者となつたものとみなして、新雇用保険法第十条第三項、第三十七条の二及び第三十七条の三の規定を適用する。
(その他の経過措置の政令への委任)
第22条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
 
附 則〔抄〕(平成一年六月二八日・法律第三六号)
(施行期日)
第1条 この法律は、平成元年十月一日から施行する。ただし、第一条中雇用保険法(中略)第一条、第三条及び第六十一条の二第一項の改正規定、同法第六十二条を削り、同法第六十一条の二を同法第六十二条とする改正規定、同法第六十五条、第六十六条第三項第三号及び第五項第一号ロ及びに第六十八条第二項の改正規定(中略)並びに附則(中略)第四条(中略)の規定は、公布の日から施行する。
(短時間労働者に関する経過措置等)
第2条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)前に被保険者となり、かつ、引き続き施行日まで同一の事業主の適用事業に雇用されている者については、第一条の規定による改正後の雇用保険法(以下「新法」という。)第六条第一号の二の規定は、施行日以降引き続き当該適用事業に雇用されている間は、適用しない。
2 次の各号に掲げる被保険者に対する新法十三条第一項、第十四条第二項、第三十七条の三第一項及び第三十九条第一項の規定の適用については、当該各号に規定する短時間労働者であった期間は、新法第十三条第一項第一号に規定する短時間労働被保険者(以下「短時間労働被保険者」という。)以外の被保険者であった期間とみなす。
一 施行日前の被保険者であった期間に新法第六条第一号の二に規定する短時間労働者(以下「短時間労働者」という。)であった期間がある被保険者(次号に該当するものを除く。)
二 施行日前から施行日以降引き続き同一の事業主の適用事業に雇用され、その雇用された期間を通じて新法第三十八条第一項に規定する短期雇用特例被保険者であった被保険者であって、その雇用された期間に短時間労働者であった期間があるもの
3 施行日の前日において短時間労働者であり、かつ、引き続き施行日において同一の事業主の適用事業に短時間労働者として雇用されている被保険者(前項第二号に掲げる被保険者であるものを除く。以下「継続短時間労働被保険者」という。)であったことがある者であって、労働省令で定める日までに公共職業安定所長に申し出たものについては、労働省令で定めるところにより、施行日からその者の希望する日(当該引き続き雇用された期間の末日(当該短時間労働者の一週間の所定労働時間が、施行日以後に、施行日の前日においてその者の一週間の所定労働時間とされていた時間よりも短くなった場合においては、その短くなった日の前日)以前の日に限る。)までの間の短時間労働者であった期間は短時間労働被保険者以外の被保険者であった期間とみなして、新法の規定を適用する。
4 継続短時間労働被保険者(前項に規定する公共職業安定所長に申し出た者であって、同項に規定する希望する日以前に離職したものを除く。)については、施行日(同項に規定する公共職業安定所長に申し出た者にあっては、同項に規定する希望する日の翌日)に新法第三十五条の二第一項第一号又は第三十七条の五第一項第一号に掲げる事由が生じたものとみなして、新法第三十五条の二又は第三十七条の五の規定を適用する。
5 新法第十六条の規定による基本手当日額表は、昭和五十九年八月における新法第十八条第一項に規定する平均定期給与額を基礎として定められたものとみなして、同項の規定を適用する。
(政令への委任)
第4条 前二条の定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第5条 政府は、この法律の施行後適当な時期において、短時間労働被保険者に係る新法の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
 
附 則〔抄〕(平成三年五月二日・法律第五六号)
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日(平成三・八・一−平成三政二四一)から施行する。
(政令への委任)
第7条 (前略)この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
 
附 則〔抄〕(平成四年三月三一日・法律第八号)
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 (前略)第二条中雇用保険法第八十三条から第八十五条までの改正規定(中略)公布の日から起算して一月を経過した日(平成四・四・三〇)
二 第二条中雇用保険法第十七条第三項、第十九条、第三十三条第三項、第三十七条第九項及び第五十六条の二第一項の改正規定並びに附則第四条から第六条までの規定 平成四年十月一日
三 (略)
(検討)
第2条 政府は、この法律の施行後、今後の雇用動向等を勘案しつつ、雇用保険事業における諸給付の在り方、費用負担の在り方等について総合的に検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
(賃金日額等に関する経過措置)
第4条 その受給資格に係る離職の日が平成四年十月一日前である受給資格者(以下「旧受給資格者」という。)に係る雇用保険法第十七条第三項の規定による賃金日額の算定については、なお従前の例による。
2 第二条の規定による改正後の雇用保険法(以下「新雇用保険法」という。)第十九条第一項(新雇用保険法第三十七条第九項において準用する場合を含む。)の規定は、平成四年十月一日以後に行われる失業の認定に係る期間中に自己の労働によって収入を得た場合について適用する。
3 新雇用保険法第十九条第二項の規定は、平成四年度以後の年度において同項に規定する場合に該当することとなった場合における同条第一項に規定する控除額の変更について適用する。
(基本手当の支給の期間に関する経過措置)
第5条 旧受給資格者に係る雇用保険法第三十三条第三項の規定による期間については、なお従前の例による。
(再就職手当の支給に関する経過措置)
第6条 平成四年十月一日前に安定した職業に就いた受給資格者についての雇用保険法第五十六条の二第一項の規定による再就職手当の支給については、なお従前の例による。
2 旧受給資格者が平成四年十月一日以後に安定した職業に就いた場合においては、前条の規定により従前の例によることとされた当該旧受給資格者に係る雇用保険法第三十三条第三項の規定による期間を新雇用保険法第三十三条第三項の規定による期間とみなして、新雇用保険法第五十六条の二第一項の規定を適用する。
(国庫負担に関する経過措置)
第7条 新雇用保険法附則第二十三条第一項の規定は、平成四年度以後の年度に係る国庫の負担額について適用する。この場合において、平成四年度に係る国庫の負担額については、同項中「十分の八」とあるのは、「十分の九」とする。
(その他の経過措置の政令への委任)
第11条 附則第三条から第七条まで(中略)に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
 
附 則〔抄〕(平成六年六月二九日・法律第五七号)
(施行期日)
第1条 この法律は、平成七年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第一条中雇用保険法第五十六条の二第一項の改正規定(「(第三十七条の六の規定により受給資格者とみなされた者を含む。以下この節において同じ。)」を削る部分を除く。)及び同法附則第二十五条を同法附則第二十六条とし、同法附則第二十四条を同法附則第二十五条とし、同法附則第二十三条の次に一条を加える改正規定、〔中略〕附則第十二条、第十八条〔中略〕の規定 この法律の公布の日
二 第一条中雇用保険法第四十五条、第五十条第一項及び第五十三条第一項第一号の改正規定並びに附則第十条の規定 この法律の公布の日の属する月の翌月の初日
三 (略)
四 第一条中雇用保険法第四十八条、第四十九条及び第五十四条の改正規定〔中略〕並びに附則第十一条及び第十三条第一項の規定 平成六年九月一日
(基本手当の日額等に関する経過措置)
第2条 受給資格に係る離職の日がこの法律の施行の日(以下「施行日」という。)前である基本手当の受給資格者(以下「旧受給資格者」という。)であって、当該受給資格に基づく基本手当の支給を受ける初日が平成八年八月一日前であるもの(以下「旧日額対象の旧受給資格者」という。)に係る基本手当の日額、賃金日額及び基本手当の日額の自動的変更については、なお従前の例による。
(平成七年度における基本手当の日額の自動的変更に関する経過措置)
第3条 平成七年度における基本手当の日額の自動的変更については、労働大臣は、第一条の規定による改正後の雇用保険法(以下「新雇用保険法」という。)第十八条第一項の規定にかかわらず、平成六年四月一日から始まる年度の平均給与額が平成三年六月における平均定期給与額(第一条の規定による改正前の雇用保険法(以下「旧雇用保険法」という。)第十八条第一項の規定により基本手当日額表が改正された場合は、当該改正の基礎となった平均定期給与額)を超え、又は下るに至った場合においては、その上昇し、又は低下した比率に応じて、平成七年八月一日以後の新雇用保険法第十八条第三項に規定する自動変更対象額を変更しなければならない。この場合における同項に規定する自動変更対象額の変更は、新雇用保険法第三章の規定の適用については、新雇用保険法第十八条の規定による同条第三項に規定する自動変更対象額の変更とみなす。
2 前項の規定により変更された同項の自動変更対象額に五円未満の端数があるときは、これを切り捨て、五円以上十円未満の端数があるときは、これを十円に切り上げるものとする。
(基本手当の所定給付日数及び個別延長給付に関する経過措置)
第4条 旧受給資格者に係る所定給付日数及び個別延長給付の日数については、なお従前の例による。
2 受給資格に係る離職の日(以下この項において「基準日」という。)が施行日から平成十二年三月三十一日までの間にある受給資格者(施行日において五十五歳以上六十歳未満であるものに限る。)であって、次の各号のいずれにも該当し、かつ、公共職業安定所長が労働省令で定める基準に照らして就職が困難な者であると認めたものについては、新雇用保険法第二十二条の二の規定にかかわらず、雇用保険法第二十条第一項及び第二項の規定による期間内の失業している日について、所定給付日数を超えて、基本手当を支給することができる。この場合において、所定給付日数を超えて基本手当を支給する日数は、六十日を超えない範囲内で労働省令で定める日数を限度とするものとする。
一 新雇用保険法第二十二条の二第一項第一号イからニまでのいずれかに該当する者その他これに準ずるものとして労働省令で定める者
二 次のいずれかに該当する者
イ 基準日において短時間労働被保険者以外の被保険者であった受給資格者であって、その算定基礎期間が十年以上二十年未満である者
ロ 基準日において短時間労働被保険者であった受給資格者であって、その算定基礎期間が一年以上五年未満である者
3 前項の規定に該当する受給資格者については、雇用保険法第二十三条第一項、第二十四条第一項及び第二項、第二十五条第一項並びに第二十七条第一項中「所定給付日数」とあるのは、「所定給付日数に雇用保険法等の一部を改正する法律(平成六年法律第五十七号)附則第四条第二項に規定する労働省令で定める日数を加えた日数」とする。
(基本手当等の給付制限に関する経過措置)
第5条 施行日前に公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等については、新雇用保険法第三十三条第一項ただし書(新雇用保険法第三十七条の四第五項において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
(傷病手当の日額に関する経過措置)
第6条 旧日額対象の旧受給資格者に係る傷病手当の日額については、新雇用保険法第三十七条第三項の規定にかかわらず、附則第二条の規定による基本手当の日額に相当する額とする。
(高年齢求職者給付金の額に関する経過措置)
第7条 高年齢受給資格に係る離職の日が施行日前である高年齢受給資格者(以下「旧高年齢受給資格者」という。)に係る高年齢求職者給付金の額については、なお従前の例による。
(六十五歳の定年等により退職した者に関する経過措置)
第8条 旧雇用保険法第三十七条の六の規定により基本手当の支給を受ける旧高年齢受給資格者に係る求職者給付の支給については、なお従前の例による。ただし、同条の規定により受給資格者とみなされることにより取得した受給資格に基づく基本手当の支給を受ける初日が平成八年八月一日以後である旧高年齢受給資格者に係る基本手当の日額については、新雇用保険法第十六条から第十八条までの規定を適用して算定する。
(特例一時金の額に関する経過措置)
第9条 特例受給資格に係る離職の日が施行日前である特例受給資格者(以下「旧特例受給資格者」という。)に対する新雇用保険法第四十条の規定の適用については、次の各号に定めるところによる。
一 第四十条第一項の規定の適用については、同項中「第十五条第一項に規定する受給資格者」とあるのは「雇用保険法等の一部を改正する法律(平成六年法律第五十七号)附則第二条に規定する旧日額対象の旧受給資格者」と、「第十六条から第十八条まで」とあるのは「同条」とする。
二 第四十条第二項の規定は、適用しない。
(日雇労働求職者給付金の受給資格に関する経過措置)
第10条 附則第一条第二号に掲げる改正規定の施行の日前の日に係る日雇労働求職者給付金の受給資格については、なお従前の例による。
(日雇労働求職者給付金の日額等に関する経過措置)
第11条 平成六年九月一日前の日に係る日雇労働求職者給付金の日額及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律第二十二条第一項に規定する印紙保険料の額の区分に係る賃金の日額(第三項及び第四項において「等級区分日額」という。)については、なお従前の例による。
2 平成六年九月中に支給する日雇労働求職者給付金に関する新雇用保険法第四十八条の規定の適用については、同年七月中の日について第二条の規定による改正前の労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定により納付された印紙保険料は、同条の規定による改正後の労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定により納付された印紙保険料とみなし、旧雇用保険法第四十八条第一号に規定する第一級印紙保険料(以下「旧第一級印紙保険料」という。)のうち同年八月中の日について納付された新雇用保険法第四十八条第一号に規定する第一級印紙保険料(以下「新第一級印紙保険料」という。)の納付日数(その納付日数が同年七月中の日について納付された旧第一級印紙保険料の納付日数を超えるときは、当該旧第一級印紙保険料の納付日数)に相当する納付日数分については当該納付日数分の新第一級印紙保険料と、残余の納付日数分については当該納付日数分の新雇用保険法第四十八条第二号イに規定する第二級印紙保険料と、旧雇用保険法第四十八条第二号イに規定する第二級印紙保険料、旧雇用保険法第四十八条第二号ロに規定する第三級印紙保険料及び旧雇用保険法第四十八条第二号ハに規定する第四級印紙保険料については新雇用保険法第四十八条第二号ロに規定する第三級印紙保険料とみなす。
3 労働大臣は、当分の間、平均定期給与額が平成六年九月の平均定期給与額(新雇用保険法第四十九条第一項の規定により日雇労働求職者給付金の日額等が変更されたときは、直近の当該変更の基礎となった平均定期給与額。次項において同じ。)の百分の百二十を超えるに至ったことにより同項の規定により日雇労働求職者給付金の日額等を変更する場合においては、同項の規定にかかわらず、日雇労働求職者給付金の日額である四千百円については六千二百円に、等級区分日額である八千二百円については一万千三百円に、それぞれ変更するものとする。
4 労働大臣は、当分の間、平均定期給与額が平成六年九月の平均定期給与額の百分の八十三を下るに至つたことにより新雇用保険法第四十九条第一項の規定により日雇労働求職者給付金の日額等を変更する場合においては、同項の規定にかかわらず、日雇労働求職者給付金の日額である六千二百円については四千百円に、等級区分日額である一万千三百円については八千二百円に、それぞれ変更するものとする。
5 第二項の規定は、新雇用保険法第五十三条第一項の規定による申出をした者であって、同項第二号に規定する基礎期間の最後の月(以下この項において「最終月」という。)が次の表の上欄に掲げる月又は平成六年十二月であるものに対して支給する日雇労働求職者給付金に関する新雇用保険法第五十四条第二号の規定について準用する。この場合において、最終月が同欄に掲げる月である者に関しては、第二項中「同年七月中」とあるのは「新雇用保険法第五十三条第一項第二号に規定する基礎期間のうち同年七月三十一日までの期間内」と、「納付日数(その納付日数」とあるのは同表上欄に掲げる最終月の区分に応じ同表下欄に掲げる字句に読み替えるものとする。
平成六年八月 納付日数に五を乗じて得た日数(その日数)
平成六年九月 納付日数に四を乗じて得た日数(その日数)
平成六年十月 納付日数に三を乗じて得た日数(その日数)
平成六年十一月 納付日数に二を乗じて得た日数(その日数)
(雇用保険の再就職手当の支給に関する経過措置)
第12条 附則第一条第一号に掲げる改正規定の施行の日前に安定した職業に就いた受給資格者(旧雇用保険法第三十七条の六の規定により受給資格者とみなされた者を含む。)についての新雇用保険法第五十六条の二第一項の規定による再就職手当の支給については、なお従前の例による。
2 旧日額対象の旧受給資格者(附則第八条の規定により従前の例によることとされた旧高年齢受給資格者を含む。次条において同じ。)が施行日以後に安定した職業に就いた場合においては、附則第二条の規定により従前の例によることとされた基本手当の日額を新雇用保険法第十六条から第十八条までの規定による基本手当の日額と、附則第四条第一項の規定により従前の例によることとされた所定給付日数を新雇用保険法第二十二条に規定する所定給付日数とみなして、新雇用保険法第五十六条の二の規定を適用する。
3 前項の規定は、旧日額対象の旧受給資格者以外の旧受給資格者について準用する。この場合において、同項中「安定した職業に就いた場合においては、附則第二条の規定により従前の例によることとされた基本手当の日額を新雇用保険法第十六条から第十八条までの規定による基本手当の日額と」とあるのは、「安定した職業に就いた場合においては」と読み替えるものとする。
(常用就職支度金の額に関する経過措置)
第13条 附則第十一条の規定による日額の日雇労働求職者給付金の支給を受ける者に対する雇用保険法第五十七条の規定の適用については、同条第三項中「第四十八条又は第五十四条第二号」とあるのは、「雇用保険法等の一部を改正する法律(平成六年法律第五十七号)附則第十一条」とする。
2 旧日額対象の旧受給資格者及び旧特例受給資格者に対する雇用保険法第五十七条の規定の適用については、同条第三項中「第十六条の規定」とあるのは「雇用保険法等の一部を改正する法律(平成六年法律第五十七号)附則第二条の規定」と、「基本手当の受給資格者」とあるのは「同条の規定による旧日額対象の旧受給資格者」と、「第十六条から第十八条まで」とあるのは「同条」とする。
(高年齢雇用継続給付に関する経過措置)
第14条 施行日前に六十歳に達した被保険者に対する新雇用保険法第六十一条の規定の適用については、同条第一項中「当該被保険者が六十歳に達した日」とあるのは「平成七年四月一日」と、「当該被保険者が六十歳に達した日又は当該支給対象月においてその日に応当する日(その日に応当する日がない月においては、その月の末日。)」とあるのは「当該支給対象月の初日」と、同条第二項中「被保険者が六十歳に達した日の属する月から」とあるのは「平成七年四月から被保険者が」とする。
2 新雇用保険法第六十一条の二の規定は、施行日以後に安定した職業に就くことにより被保険者となった者について適用する。ただし、施行日前に安定した職業に就くことにより施行日以後も被保険者であるもの(当該職業に就いた日の前日において新雇用保険法第六十一条の二第一項に規定する受給資格者であって、当該職業に就いた日において六十歳に達しているものに限る。)については、施行日に安定した職業に就いたものとみなして、同条の規定を適用する。この場合において、同条第一項中「当該基本手当の日額の算定の基礎となつた賃金日額」とあるのは「当該被保険者を受給資格者と、平成七年四月一日を受給資格に係る離職の日とみなして第十七条(第三項を除く。)の規定を適用した場合に算定されることとなる賃金日額に相当する額(以下「みなし賃金日額」という。)」と、同条第二項中「就職日の属する月」とあるのは「平成七年四月」と、「当該就職日の翌日」とあるのは「同月二日」と、同条第三項中「次条第一項の賃金日額」とあるのは「次条第一項のみなし賃金日額」と、「次条第一項」」とあるのは「雇用保険法等の一部を改正する法律(平成六年法律第五十七号)附則第十四条第二項の規定により読み替えて適用する次条第一項」」とする。
3 新雇用保険法第六十一条第三項及び第四項の規定は、前項ただし書の被保険者に係る高年齢再就職給付金について準用する。この場合において、同条第三項中「第一項の規定」とあるのは「雇用保険法等の一部を改正する法律(平成六年法律第五十七号)附則第十四条第二項の規定により読み替えて適用する新雇用保険法第六十一条の二第一項の規定」と、「みなし賃金日額」とあるのは「同項のみなし賃金日額(次項において「みなし賃金日額」という。)」と、第四項中「第一項の規定」とあるのは「雇用保険法等の一部を改正する法律(平成六年法律第五十七号)附則第十四条第二項の規定により読み替えて適用する新雇用保険法第六十一条の二第一項の規定」と読み替えるものとする。
4 労働大臣は、施行日前に旧雇用保険法第十八条の規定により基本手当の日額が変更された場合においては施行日から、附則第三条の規定により基本手当の日額が変更された場合においては平成七年八月一日から、これらの変更の比率に応じて、新雇用保険法第六十一条第一項に規定する支給限度額を変更しなければならない。この場合において、同項第二号中「その額が」とあるのは、「その額が雇用保険法等の一部を改正する法律(平成六年法律第五十七号)附則第十四条第四項及び第五項の規定又は」とする。
5 附則第三条第二項の規定は、前項の規定により変更された同項の支給限度額について準用する。
(雇用保険の育児休業給付に関する経過措置)
第15条 新雇用保険法第六十一条の四第一項に規定する育児休業基本給付金及び新雇用保険法第六十一条の五第一項に規定する育児休業者職場復帰給付金は、新雇用保険法第六十一条の四第一項に規定する休業を開始した日又は同条第三項に規定する休業開始応当日が施行日以後である支給単位期間について支給する。
(雇用保険の国庫負担に関する経過措置)
第16条 新雇用保険法第六十六条第一項の規定は、平成七年度以後の年度に係る国庫の負担額について適用する。
(その他の経過措置の政令への委任)
第31条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
 
附 則〔抄〕(平成八年五月二二日・法律第四二号)
(施行期日)
第1条 この法律は、平成八年七月一日から施行する。〔後略〕
(第二条の規定の施行に伴う経過措置)
第3条 施行日前にされた雇用保険法第六十九条第一項の審査請求のうち、施行日の前日において当該審査請求がされた日の翌日から起算して三箇月を経過しており、かつ、施行日の前日までに雇用保険審査官の決定がないもの(次項において「雇用保険に関する未決定の三箇月経過審査請求」という。)に係る処分の取消しの訴えについては、第二条の規定による改正後の雇用保険法(以下「新雇用保険法」という。)第七十一条の規定にかかわらず、その取消しの訴えを提起することができる。ただし、当該処分について、その取消しの訴えを提起する前に、新雇用保険法第六十九条第二項の規定による再審査請求をしたときは、この限りでない。
2 雇用保険に関する未決定の三箇月経過審査請求に係る処分について、その取消しの訴えが施行日前に提起されていたとき又は前項の規定により提起されたときは、当該雇用保険に関する未決定の三箇月経過審査請求については、新雇用保険法第六十九条第二項の規定は適用しない。
 
附 則〔抄〕(平成八年六月一四日・法律第八二号)
(施行期日)
第1条 この法律は、平成九年四月一日から施行する。〔後略〕
(用語の定義)
第3条 (前略)次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一−六 (略)
七 日本たばこ産業共済組合、日本電信電話共済組合又は日本鉄道共済組合、それぞれ改正前国共済法第八条第二項に規定する日本たばこ産業共済組合、日本電信電話共済組合又は日本鉄道共済組合をいう。
八 旧適用法人共済組合員期間 日本たばこ産業共済組合、日本電信電話共済組合及び日本鉄道共済組合(以下「旧適用法人共済組合」という。)の組合員であった者の当該組合員であった期間(他の法令の規定により当該組合員であった期間とみなされた期間及び他の法令の規定により当該組合員であった期間に合算された期間を含む。)をいう。
(雇用保険法の一部改正に伴う経過措置)
第125条 旧適用法人共済組合の組合員に係る施行日前に生じた失業等給付を支給すべき事由に関する失業等給付については、前条の規定による改正前の雇用保険法附則第三条の二の規定は、なおその効力を有する。
 
附 則〔抄〕(平成一〇年三月三一日・法律第一九号)
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第一条中雇用保険法の目次の改正規定(第五節を改める部分に限る。)、同法第一条及び第十条第一項の改正規定、同条第五項を同条第六項とする改正規定、同条第四項の次に一項を加える改正規定、同法第五十七条第二項の改正規定、同法第三章第五節の次に一節を加える改正規定並びに同法第七十六条第一項、第七十七条、第七十九条第一項及び第八十五条の改正規定〔中略〕 平成十年十二月一日
二 第一条中雇用保険法の目次の改正規定(第五節を改める部分を除く。)、同法第十条第五項に一号を加える改正規定、同法第三十七条の四第一項、第六十一条第二項、第六十一条の二第二項及び第六十一条の四第一項の改正規定、同法第三章第六節第二款の次に一款を加える改正規定並びに同法第七十二条第一項の改正規定〔中略〕並びに次条並びに附則第三条及び第五条から第七条までの規定 平成十一年四月一日
(高年齢求職者給付金の額に関する経過措置)
第2条 高年齢受給資格に係る離職の日が平成十一年四月一日前である高年齢受給資格者に係る高年齢求職者給付金の額については、なお従前の例による。
(雇用保険の介護休業給付金に関する経過措置)
第3条 第一条の規定による改正後の雇用保険法(以下「新雇用保険法」という。)第六十一条の七第一項に規定する介護休業給付金は、同項に規定する休業を開始した日又は同条第三項に規定する休業開始応当日が平成十一年四月一日以後である支給単位期間について支給する。
(雇用保険の国庫負担に関する経過措置)
第4条 新雇用保険法第六十六条第一項及び附則第二十三条第一項の規定は、平成十年度以後の年度に係る国庫の負担額について適用する。
(その他の経過措置の政令への委任)
第9条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第10条 政府は、附則第一条第一号に掲げる規定の施行後における新雇用保険法第三章第五節の二の規定及び同条第二号に掲げる規定の施行後における同章第六節の規定(新雇用保険法第十一条及び第十二条の規定のうち同章第五節の二に規定する教育訓練給付及び同章第六節に規定する雇用継続給付に係る部分を含む。)について、当該規定の実施状況、職業に関する教育訓練の受講の状況、高年齢者の雇用の状況、育児休業及び介護休業の取得の状況、当該教育訓練給付及び当該雇用継続給付の支給を受ける者の収入の状況その他社会経済情勢の推移等を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずるものとする。
2  (略)
 
附 則〔抄〕(平成一一年七月一六日・法律第八七号)
(施行期日)
第1条 この法律は、平成十二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 (前略)附則(中略)第百六十条(中略)、第百六十四条(中略)の規定公布の日
二−六 (略)
第159条から第161条まで (地方自治法中同改正附則参照)
(その他の経過措置の政令への委任)
第164条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(中略)は、政令で定める。
2 (略)
(検討)
第251条 (地方自治法中同改正附則参照)
 
附 則〔抄〕(平成一一年一二月二二日・法律第二二五号)
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(民法等の一部改正に伴う経過措置)
第25条 この法律の施行前に和議開始の申立てがあった場合又は当該申立てに基づきこの法律の施行前若しくは施行後に和議開始の決定があった場合においては、当該申立て又は決定に係る次の各号に掲げる法律の規定に定める事項に関する取扱いについては、この法律の附則の規定による改正後のこれらの規定にかかわらず、なお従前の例による。
一−三 (略)
四 雇用保険法第二十二条の二第一項第一号ハ
五−二十 (略)
 
附属及び関係法令
雇用保険法施行令(昭和50.3.10政25 昭和50.4.1施行)
雇用保険法施行規則(昭和50.3.10労3 昭和50.4.1施行)
雇用保険法第六条第一号の二の規定に基づき、労働大臣の定める時間数を定める件(平成6.2.7労告10 平成6.4.1適用)
労働大臣が定める賃金日額の算定の方法を定める件(昭和50.3.20労告8 昭和50.4.1適用)
雇用保険法第二十五条第二項の規定に基づき労働大臣が指定する地域を定める件(昭和53.3.25労告35 昭和53.4.1適用)
雇用保険法の規定に基づき労働大臣が定めるみなし賃金日額の算定の方法を定める件(平成7.3.31労告40 平成7.4.1適用)
労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和44.12.9法84 昭和47.4.1施行)
社会保険労務士法(昭和43.6.3法89 昭和43.12.2施行)
高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46.5.25法68 昭和46.10.1施行)
障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35.7.25法123 昭和35.7.25施行)
中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律(平成3.5.2法57 平成3.8.1施行)
短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5.6.18法76 平成5.12.1施行)
介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成4.5.27法63 平成4.7.1施行)
看護婦等の人材確保の促進に関する法律(平成4.6.26法86 平成4.11.1施行)
地域雇用開発等促進法(昭和62.3.31法23 昭和62.4.1施行)
特定不況業種等関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法(昭和58.5.17法39 昭和58.7.1施行)
港湾労働法(昭和63.5.17法40 昭和64.1.1施行)
建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和51.5.27法33 昭和51.10.1施行)
雇用・能力開発機構法(平成11.3.31法20 平成11.3.31施行)
労働福祉事業団法(昭和32.5.20法126 昭和32.5.20施行)
労働保険審査官及び労働保険審査会法(昭和31.6.4法126 昭和31.8.1施行)
労働保険特別会計法(昭和47.4.28法18 昭和47.4.28施行)
失業ニ関スル条約(大正11.11.23条6 大正11.11.23発効)
船舶の滅失又は沈没の場合における失業の補償に関する条約〔第八号〕(昭和30.8.22条10 昭和30.8.22発効)
社会保障の最低基準に関する条約〔第百二号〕(昭和51.2.24条4 昭和52.2.2発効)