マウンテンバイクとは?

●マウンテンバイクの「定義」
(社)日本自転車協会では、「マウンテンバイク等安全基準」を設け、マウンテンバイクの安全性向上をねらい、以下のマウンテンバイクの定義として発表しています。

安全基準におけるマウンテンバイクの定義は、荒野、山岳地帯等での高速走行、急坂登降、段差越えなどを含む広範囲の乗用に対応して、軽量化並びに耐衝撃性、走行性能および乗車姿勢の自由度等の向上を図った構造の自転車で、原則として次の仕様によるものをいいます。
1)悪路・荒地での安定のよいフラットハンドル
2)サドルの調整幅が100mm以上と広く、軽量で衝撃に強い頑丈なフレーム
3)泥づまりしにくく、制動力に優れたカンチレバー形キャリパブレーキ
4)車輪径の呼び24又は26で、幅の呼び1.5以上の太いブロックパターンタイヤ
5)ワイドレンジのチェンジギヤ(一般に18段、21段、24段、27段)

マウンテンバイクはMTBと略されることもあり、また、ATB(All Terrain bicycle 全地形対応型自転車)と呼ばれたこともあります。また、外見はマウンテンバイクに似ていますが、類形車と呼ばれる車種では、一般道以外の悪路、荒れ地走行の乗車を禁じている車種があります。これらは安全上(社)日本自転車協会では識別するステッカーなどがはられています。
●マウンテンバイクの楽しみ方
レジャースポーツとしてマウンテンバイクを楽しむ人口は拡大しており、国内での年間販売数も30〜60万台程度。累計では500万台を越えています。[(社)日本自転車協会・調べ]
マウンテンバイクの楽しみかたに、制限はありません。街でのシティ・ユースから、サイクリングのような小旅行、オフロードでの競技や、果てはマウンテンバイクでのバンジー・ジャンプなども。

●シティユース(街乗り)
市街地での買い物や通勤・通学の足としたり、街中を周遊する楽しみかたです。
もちろん街のなかでもマウンテンバイクの走破性能は発揮され、段差や路面のデコボコなどを気にせずに走ることもできますし、操作性の良さを生かして、安全に走ることができます。

●ファンライド/ツーリング
ゆっくり郊外の空気や景色を楽しむソフトな楽しみ方から、未舗装の林道などを中心に、自然を満喫しながら長距離ライディングを行う楽しみ方もあります。バラエティな地形やオフロードを走破するには、マップリーディングなどの知識も必要です。初心者のかたには、ガイドツアーやクラブのツーリングに参加させてもらいましょう。
長距離や難所を走破した達成感や、すばらしい景色や自然とめぐり会えた幸福感、マウンテンバイクならではで味わえる爽快なスピード感などが待っています。


●レース/コンペティション
草レースから全日本クラスのレースまで、レベルに合ったカテゴリーでスポーツとしての楽しみかたです。代表的なレース形態としてはクロスカントリー、ダウンヒル、デュアルスラロームなどがあります。

●レース/コンペティション

ダウンヒル(坂をくだる)のタイムを競うファンレースの道具として生まれたマウンテンバイク。現在では変速機やハードの発展でレース形態もバラエティに富んでいます。レースも、世界各地を巡って総合ポイントを争う「UCI・ワールドカップ」、年1回世界チャンピオンを決する「UCI・世界選手権大会」など国際的なビッグレースが開催されています。国内でも、年間チャンピオンおよび世界選手権大会への代表メンバーを選考する「全日本選手権大会」と「ジャパン・シリーズ」を筆頭に、各地で年間100レース以上が開催され、大会によっては3000名以上のエントリーがあります。参加カテゴリー分類によって、初級者から上級者までそれぞれのレベルで楽しめること、さらには、緊急医療体制や安全管理が整った環境、人や自動車などとの遭遇リスクがないクローズされた専用コースで行うこと、恵まれた自然環境のなかでレースができること、などの好条件により、近年では気軽にエントリーする人が増えています。(各大会ともビギナー/スポーツ/エキスパート/エリートのようなカテゴリー分けがあります)

●クロスカントリー競技(XC)
アップダウンのあるオフロード・コースで順位を競うレース。国際、国内公認コースは1周6km以上の周回路で、5〜8周程度で、2時間程度の競技とされている。持久力はもとより、マウンテンバイクに求められる技術の総合力が試されるレース。
(オリンピック競技大会、世界選手権大会、ワールドカップ実施種目)

●ダウンヒル競技(DH)
オフロードの下りのみのコースでタイムを競うレース。距離は1.5〜5km。トップレベルの選手では、コースによって最高時速90kmにも達することがある。最上級のマウンテンバイク・コントロール技術が求められるレースである。
(世界選手権大会、ワールドカップ実施種目)

●デュアルスラローム競技(DS)
平行に設定された下りの2コース(100〜400m)を2人同時に下り、 それを交互繰り返した合計タイムを競うレース。いくつもの旗門、ジャンプなどが設けられ、マウンテンバイクの緻密なコントロール技術、相手との駆け引きなど、 ショートコースの中に技術的・精神的な要素が詰まったレースである。

●デュアル競技(DL)
デュアルスラロームと同じような、2名の競技だが、スタート後は1コースとなり、先着を競うという単純なもの。1998年よりワールド・カップ種目となった。

●エンデュランス競技
規定時間内に、一定の周回コースの周回数を競うレース。個人参加のほかにも、数名のチームによる交代乗車が可能な場合が多く、規定時間も1時間から24時間と多彩。より多くの人が参加できる形態、 初心者でも順位にこだわらず交代でライディングを楽しめるなどのメリットを持っている。

●オブザーブド・トライアル競技
走行困難なセクションを地面に足をついたり、コースから外れないで、いかに走りきる、クリアするかを競う競技。競技は減点制で行われる。各セクションは10m程度の短いものが多いが、様々なセクションが用意される。