平成13年3月
会員作品


障子開け
明るき部屋や
春の月

宮本しづ子

支え杭
して白梅の
香りけり

山本志津

古里の
庭なつかしい
紅椿

山本ノリ子
亡き母へ
見せたい僕の
卒業証

井上定男

長閑さに
一本道の
撓ひたり

出井道好

生まれ家の
庭に一本
雪柳

山本真津子

春風や
ひとり女の
道しるべ

上甲照子

一面に
池上の星や
犬ふぐり

松田真佐惠

梅の蕾
日々膨らめる
シーツ干す

木村真由美

馬子唄の
峠の土筆
摘みにけり

井上修

春ねむし
万象しずかに
動く朝

浅川光春

青空も
色の一つに
初桜

西村さつき

拳ほどの
筍が出て
春祭り

宇都宮石帆

菜の花と
同じ色シャツ
着て若し

浅川道子

夕餉まで
間のあり庭の
椿観る

久保田ケイ子

運転の
目をさましゆく
菜の花や

三好正子

この山の
蝮こつんと
討たれたり

菊地妙
葱坊主
はりさけそうな
日和かな

清家幸子

木々の花
実り待ちつつ
弥生かな

稲垣千代子

うらうらと
花に囲まれ
葱坊主

井上雅代

岩礁の
上の民宿
桜鯛

竹崎恵美

お日切りを
登る石坂
春の山

宮本ミユキ

若葉風
海一望の
大風車

二宮武夫

病みし母
の寂しがる雪
降りにけり

宇都宮喜代

分校へ
四つ子揃って
卒業す

宇都宮伝


  第11回三瓶町俳句大会

兼題の部(雑詠)各選者(特選3句・入選5句) 

【吉野義子選】 

特選

会員は該当無し

入選

余生とは
寂しき自由

二宮武夫

先生を
的に園児の
雪合戦

木村真由美

【乾 燕子選】

特選

会員は該当無し

入選

初凧の
観音像を
拝みけり

 山本真津子

日差し濃き
とき春近き
海の色

久保田ケイ子

紅梅に
何時降り出てし
小雨かな

稲垣千代子

【宇都宮石帆選】

特選

男にも
男の日あり
鰤さばく

浅川光春

入選

起きぬけに
雪の深さを
測りをり 

竹崎恵美

鮟鱇の
せりの声高
指躍る     

井上雅代

【井上 修選】

特選

みんないい
顔で合唱
春めきぬ

神童

蛇穴を
出て餓鬼大将
に出合う

河野ミツエ

入選

男にも男の日あり鰤さばく 

浅川光春

【宇都宮伝選】

特選

啓蟄や
お腹の中で
子が弾む   

神童 

入選

水仙の
海へなだれる
急斜面   

清家幸子

一輪車
ころび春山
ころびけり  

木村真由美


第23回明浜町俳句大会(兼題の部)

各選者(特選一名)

【稲荷霜人選】

会員は該当無し

【乾 燕子選】

春寒し
魚の腹より
魚の出て   

神童

【佐藤比呂志選】

箱開けて
樟脳の香と
雛の息   

河野ミツエ

【宇都宮伝選】

会員は該当無し

【井上論天選】

豆蒔きも
億劫となりし
鬼と棲む

神童

【和気カホル選】

会員は該当無し

【山本まさを選】

会員は該当無し


戻る