平成13年3月
一般作品


いしころは
つちのなかから
うまれるの

4歳 ゆうせい

きょうだけな
たましいやどる
ゆきだるま

6歳 恵

うれしいな
ゆきゆきゆきだ
まっしろだ

7歳 春花

南天は
雪のおもみで
ごめんなさい

7歳 ゆうこ

我が頭
たたいてみれば
未知の音

12歳 知照

また雪か
あまえる猫に
声をかけ

13歳 奈々子

謙虚さと
笑顔が重なる
金メダル

13歳 加代子

楽しくて
ドスドス歩いた
雪の道

13歳 かおり

永遠の
カールが自慢の
大仏様

13歳 裕喜

リハビリの
歩行器チューリップの中へ

みどり

突然の
キッス日向の
飴になる

かおる

胃カメラ
人の世写し
春の雨

あや子

金メダル
よりも笑顔が
輝けり

洋一

ハイテクは
ON・OFF以外心なし

政美

春うらら
ひい祖父さんは
セピア色

きよ

十七の
文字つみかさね
日向ぼこ

啓子

ふるさとの
ツバキの花に
あそぶ母

ふみよ

行く春を
二つに分けて
墨田川

哲史

言い分を
丸のみしたる
寒卵

ちえこ

受験前
とんびがタカに
なれという

節子

親ばかを
幸せと訳す
三十路の春

美奈子

ごついけど
ふんわり馴染む
あなたの手

登紀子

久しぶり
スカートはいたら風邪ひいた

友子

寒い日は
口にキムチを
食べにをり

 ベル(フィリピン)

母親の
語る青春
色づいて

美江

新世紀
初の大雪
バレンタイン

高秋

松の枝
落雁のよう
雪降りぬ

高秋

松の枝
ラクガンのよう 雪降りぬ

高秋

生け花を
もらいし桃の
節句かな

くにあき

守ってね
こころに抱(いだ)く
お雛様

しょーすけ

楽しみや
TOTOの予想
当たるかな

セレッソ大阪
ヨシオカ

秘めごとの
ひとつもなくて
妻昼寝

冬人

子の寝顔
天使に見える
ひとときよ

まゆみ

よろしくね
嫁と言う名の
新入生

園美

春雪の
更地小さき
家の跡

満雄

ジョギングの
コース広げて
春の風

幸雄

六十路なほ
見つけて嬉し
ふきのとう

睦子

七桁
郵便番号
二月去る

マツ

鍛治の火に
煮て蜜柑の
やわらかし

充子

らんかんに
水しぶきくる
出ぞめしき

8歳 なるみ

アイススケート
くつがいうこと
ききません

8歳 岳

雪の山
自まんげに
せのひする

8歳 まりあ

ごみひろう
地球をきれいに
したいから

9歳 瑠璃子

持久走
トンビはゆったり飛んでいる

10歳 加恵

カメラには
笑顔ばっかり
つまってる

11歳 このみ

さんぱつの
昼ね終わると
おぼっちゃま

11歳 桂太郎

春雪に
冬用タイヤが
目をさまし

shimuro

山茶花の
紅白競う
庭先に

くに枝

桜貝
波の調べを
秘めてをり

美穂

古里や
父着膨れて
風呂沸かす

美穂

俳句とは
老のよき友
春を待つ

たかの

結納の
話しながら
土筆摘む
恭三
札所寺
クルスの墓に
白椿

俊子

寒風に
耐え咲く水仙
きよらかに

木村慶子

梅ちりて
桜と競う
国の主

みきちゃん

囀や
ポストに落ちし
文の音

芦部友信

あやなせる
春振り分けて
遊蝶花

芦部友信

新天地
ちりゆく桜に
故郷みる

Access

遊戯王
今年の夏には
ブーム去り

ジョーカー

梅の香に
誘われ歌う
うぐいすや

木村慶子

手をたたき
神様おこして
ねがいごと

9歳 恵美

一年生
あさのあいさつ
ピッカピカ

9歳 美穂

童顔の
父にも白髪が
見え隠れ

12歳 里

隠し事
胸にちくちく
針ささる

12歳 温美

お母さん
最近なんだか
つかれてる

12歳 典子

飼い猫と
無言で会話す
お留守番

13歳 のどか

田舎道
わが生き方の
手本なり

13歳 麻代

春風や
辞書を片手に
テレビ見る

14歳 みちる

夜となり
彼を浮かべて
見ていたい

看護婦

待ち合わせ
梅ほんのりと
香る場所

29歳 利恵

愚痴こぼし
酒もこぼして
夢の中

26歳 明子

釣り上げた
魚の瞳に
見つめられ

26歳 ゆかり

ママの手は
たまねぎのにおいと娘言う

30歳 直子

春うらら
主婦専用の
風が吹く

33歳 千賀子

四万十や
稚鮎を招く
チューリップ

79歳 輝吉

ITで
知り合う友の
暖かさ

木村慶子

この歳で
しみじみ想ふ
親の愛

木村慶子

夕ぐれや
幼き頃を
おもいだす

木村慶子

ふきのとう
春一番を
告げる朝

13歳 奈々子

菜の花が
咲き乱れても
華麗かな

13歳 奈々子
目覚ましは
乾布摩擦の
父のこえ

14歳 瑠璃子

タンポポが
首をかしげて
飛ぶ準備

14歳 りさこ

どの顔も
知的に見える
試験の日

15歳 静

追いつくと
去り行く君は
寒雀

14歳 亮太

体重計
壊れているに
違いない

15歳 美紀

球根の
伸びる咲く女の
立ち上がり

21歳 菜の花

髪切った春
君から自由に
なれる気する

21歳 ななえ

あざらしの
夫婦になれり
日向ぼっこ

40歳 栄一

窓際の
五番目の席
卒業す

45歳 和彦

砂に書く
海が消しても
好きと書く

50歳 みつこ

剣山
にこそ美しき
花一重

55歳 寿美子

春立つや
伝い歩きに
夢中の児

60歳 淑子

菜の花を
横目に注射
打たれをり

神童

春一番
病室の窓を
かすめ逝く

しょーすけ

問題集
どっかり積みて
春炬燵

すみれ


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