平成13年10月分会員作品

 
今月の内容
平成十三年十月例会 修選 
十月の寸評      石帆選
神童君の勉強会
 
十月例会 修選 作品
秋の蚊に刺されし後のかゆさかな
秋風が疲れ果てたる身を癒す
ひよの群れ早起きせよと鳴きわたる
落日や尾びれ染めゆく鰯雲
ふるさとのひとりは淋しまんじゅしゃげ
敬老日健康の賞今年また
夜もすがら聞く秋雨に老いおもふ
迷いたる森を抜け出て花野あり
予期せざる露の深さを行く山道
初月夜孫の運転荒らけれど
戦争の足音虫の音を聞きながら
虫の声波に消される草の闇
流れきしものにも跳ねてあめんぼう
絵日記の中にこぼるる秋桜
せせらぎの音澄みとほる花オクラ
電子レンジ煙も出さず秋刀魚焼く
糸つけて飛ばせしとんぼ今日も飛ぶ
コスモスの中より笑顔覗きけり
午後になり届く新聞山の秋
いたずらっ子逃げ足速き赤とんぼ
絵皿描くアリンに残暑見舞いかな
ちちろ鳴くあすは欠けるか峰の月
見え隠れする名月を見てあきず
満月を胸いっぱいにシャッター切り
月にゆれ風になびくや薄かな
秋の夜は人恋しくて長電話
針を持つことも久しき夜なべかな
食卓が机となりし秋灯火
歩を止めて昔を語る豆の柿
庭の萩またながながと立ち話
   10月の寸評   石帆 
 
作 品 作 者 寸 評
秋の蚊に刺されし後からかゆさかな 竹崎恵美 春の蚊も同じであろう。
庭の柿熟れ初めけり子規思ふ 宇都宮政子 子規と柿の関係は深い。
コスモスの中より笑顔覗きけり 河野ミツエ 平凡な句。どちらも秋らしい
午後になり届く新聞山の秋 松田真佐恵
中天の月に喝采して拝む 岡本シナコ 名月は拝みたくなる。
秋の夜は人恋しくて長電話 清家幸子 未亡人のさびしさがよくわかる。
外国を来てウシオニの足となる 菊地妙 意味不明。
砥部焼きの厚きぐい呑み月見酒 井上明子 月見酒には砥部焼きがいい。
 
神童君の勉強会
村中でにぎあう過疎の運動会
  過疎は動きで 過疎地にしてみては
老ひー老い
いたずらーいたづら
ゆうー 結うのことで いふと書いて ゆうといい
舞うー舞ふ
くるうーくるふ
現代仮名遣いでは正しいのですが、
にするとです。
国語辞典を見てみましょう。