
平成13年1月分 |
新年句会(神童選)
| 作 品 |
作 者 |
| おしゃれして同窓会や古希の春 |
浅川光春 |
| 峰近しころばぬように心して |
宇都宮政子 |
| 品書に今日より加えふぐ料理 |
浅川道子 |
| 帰るべきふるさとはあり初音 |
宮本しづ子 |
| 小鳥来てちらちら遊ぶお元旦 |
松田真佐恵 |
| そこそこの幸せあり去年今年 |
菊地芳子 |
| 淑として七十三歳の初明かり |
上甲照子 |
| 十二月八日の記憶鮮やかに |
宇都宮石帆 |
| 歳などはどうでもよろしお正月 |
竹崎恵美 |
| 夢多き俳譜いだき明けの春 |
山本志津 |
| 大筋目小筋目愛す明けの春 |
出井道好 |
| 餅丸め昔話に盛り上がる |
|
| 老の身に定年は無く年新た |
|
| 良き年を告げるが如し初日の出 |
木村真由美 |
| ただ一つ願う健康初詣 |
二宮武夫 |
| 初日の出金色となる地のあわひ |
宇都宮澄男 |
| 口紅を淡く引いたる初詣 |
西村さつき |
| 忘却の友より朗報賀状あり |
菊地妙 |
| 寝正月して肥るぞと無精たれ |
大塚チヤ子 |
| 初詣で神の願いの人の山 |
稲垣千代子 |
| 三世代揃ひてめでたし眉蘇祝う |
山本真津子 |
| 雲間より光り輝く春の海 |
久保田ケイ子 |
| 生かされて仰ぐ御空や梅香る |
井上定男 |
| 世紀初輝く初日拝みけり |
三好正子 |
| 初日の出今年今年と七十路すぎ |
河野ミツエ |
| まだ学ぶ事のみ多く去年今年 |
富吉秋窓 |
| 山始め空気に味があるといふ |
三好雪 |
| 寄せ鍋の兄弟それぞれ職持ちて |
井上明子 |
| 福袋下げて娘らたち初参り |
井上修 |
| 新世紀はじまる夜明けつつがなし |
山本ノリ子 |
| 天と地を結ぶ糸みぬ凧 |
那須陽子 |
| 凧揚げる五指を巧みに操りて |
清家幸子 |
| 筆始め万感込める誠の文字 |
井上雅代 |
| 初観音岬の眩しき四海波 |
宮本ミユキ |
| おはようと夫に挨拶去年今年 |
三好千栄子 |
| 初詣神酒いただきて氏子たり |
宇都宮伝 |
新年題詠成績表(着膨れ・大根)
| 評 点 |
作 品 |
作 者 |
| 八点 |
大根飯貧しき時代を子に語る |
真佐恵 |
| 五点 |
大根を漬けて生涯この村に |
芳子 |
| 干大根軒の古さになじみけり |
伝 |
| 四点 |
着膨れて姿気にせぬ齢となり |
真佐恵 |
| 沢庵の重石となりて妻古ぶ |
幸子 |
| 結び目に母の癖あり干大根 |
神童 |
| 三点 |
煮大根甘しからしと暮らしをり |
伝 |
| 着膨れて肩凝らぬかと気づかはる |
恵美 |
| 着膨れて網つくろひを日暮れまで |
光春 |
| 二点 |
背戸川に大根洗う縄たわし |
さつき |
| 着膨れて身だし整ふガラス窓 |
照子 |
| 昨日今日寒さが増して着膨れて |
政子 |
| 一点 |
手術待つ人等廊下に着膨れて |
芳子 |
| 遠くから父が観ている煮大根 |
神童 |
| 大根引き穴を残して急ぎ去る |
武夫 |
| 大根も同じ手をかけ出来不出来 |
ケイ子 |

| 投 句 |
作 者 |
| 三が日 静かに過ぎて また独り |
美恵子 |
| 久方の 兄は白髪 屠蘇の味 |
美恵子 |
| 万両や屋根雪落ちて響きけり |
くにあき |
| 人知れず 大雪積もる 福島市 |
人参スキー |
| 春を待つ風吹き荒れてボウリング |
くにあき |
| 今一度 聞いてみたいよ 妻の声 |
中井詩室 |
| 大声を 聞いたその後 夢が覚め |
中井詩室 |
| 殺風景夜空も見えず星も無し |
望月慎也 |
| 掘りこたつ垂れし足より眠くなり |
金一 |
| 旅人としてふるさとの雪を見る |
草雨 |
| アルバムの中でも私は成長してる |
12歳 彩香 |
| 五時起きの母のべんとう残すまい |
13歳 知央 |
| この世からはみ出しそうに年忘れ |
16歳 奈緒 |
| 横書きの清少納言雪の朝 |
18歳 秋弘 |
| 受験前母の母校の門くぐる |
17歳 知子 |
| 新雪に足を踏み入れ引き返す |
18歳 まどか |
| 真向いに誰か居る冬の水族館 |
清子 |
| ラーメンが脳みそに見えるほどねむい |
18歳 秀 |
| 雪が降り森の中に海がある |
13歳 文子 |
| 水のめば水が話しをしてくれる |
10歳 真里 |
| 雪だるま星をかぞえてねむります |
9歳 真紀 |
| かまくらのあなが入れと口ひらく |
9歳 憲 |
| 初詣先頭走る大男 |
望月慎也 |
| 故障かな 鳴らぬ電話に 首かしげ |
中井詩室 |
| 冬しずか鳴らぬ電話に故障かな |
神童 |
| 何故鳴らぬ 無言電話に 罪をきせ |
中井詩室 |
| 雪の夜無言電話の罪きせり |
神童 |
| 耳鳴りも 嵐の雨も 同じ音 |
中井詩室 |
| 耳鳴りや風雪の音も皆同じ |
神童 |
| 臨時ニュース 口だけぱくぱく 解説者 |
中井詩室 |
| 解説者口ぱくぱくで冬ぬくし |
神童 |
| カラオケの 絵を見るだけで 満足し |
中井詩室 |
| カラオケの雪景色絵ににっこりとし |
神童 |
| テレドラの 絵とにらめっこ 推理する |
中井詩室 |
| 風花やテレビドラマに推理する |
神童 |
| 見てみたい夜空の見える星空を |
望月慎也 |
| 知っていたら不意な投稿隠すとこ |
望月慎也 |
| 貝柱取れないときは取るなよ |
望月慎也 |
| ドラマでも奇妙な出来事起きている |
望月慎也 |
| 松川や光を受けし雪桜 |
くにあき |
| 赤き手に 息をふきかけ 冬の朝 |
みずほ |
| 頬ぬれて 天を仰げば 白き粉 |
みずほ |
| 一人旅天涯孤独一生涯 |
望月慎也 |
| 大雪の寒い玄関一人旅 |
望月慎也 |
| 青春が忘れたときは初日の出 |
望月慎也 |
| 良き年の参りに行けば初詣 |
望月慎也 |
| 悲しみは無くも笑うも横風に |
望月慎也 |
| 豪雪に 黙してスコップ 動きけり |
美恵子 |
| 八日ぶり 青空に冴え 冬木立 |
美恵子 |
| 粉雪の溶ける姿のせつなさや |
くにあき |
| 途中下車して風花に再会す |
神童 |
| 富士山に清き一票の札を上げる |
慎也 |
| 尾根に観る 水仙のうえ パラも浮く |
みきちゃん |
| たんほぽを踏まずに登る仏道 |
美穂 |
| 押戻す河口の波や水温む |
美穂 |
| 走り去る ダンプのあとに 雪が舞い |
中井しむろ |
| 流れ星ふたつ見たからひとつやる |
三瓶高校 優子 |
| あの日から風もふしぎ雪もふしぎ |
三瓶高校 恵子 |
| 積雪や祖母ブロックとケンカする |
三瓶高校 里美 |
| 来季こそ 口に入らぬ とらふぐを |
高秋 |
| スッポンの ナベにゼラチン 欲望よ |
高秋 |
| 性欲も 食なくしては グロッキー |
高秋 |