「中部山岳国立公園 栂池自然園」
栂池自然園の概要
長野県小谷村にある栂池自然園は、中部山岳国立公園内にあり第一種特別保護地域に指定されています。
ここへは、マイカーなどの乗り入れはできず、栂池高原スキー場のゴンドラリフト「イブ」、と栂池ロープウエイを乗り継いでのアクセスとなります。
この栂池自然園は春の訪れとともに高山植物が咲き誇る、別天地です。ひときわ鮮やかな彩りの花を咲かせます。そこには小さくても、厳しい環境を生き抜くための秘密があります。

栂池自然園は、標高1900Mに位置する日本有数の高層湿原です。高層湿原とはミズコケ類が数千年から数万年増積して出来た湿原です。ここでは、分解されず堆積した泥炭や枯れた植物が周囲より高くなったため、地下水の供給を受けず、雨水のみで維持されるようになっています。その堆積の速さは1年間に0.1mm程度、1m堆積するには1万年の歳月を必要とします。
この栂池自然園では雪解けの始まる6月中旬から7月上旬に群生する水ばしょう、7月~8月にかけてはワタスゲ、ニッコウキスゲなどの可憐な高山植物が咲 き乱れます。その種類は数百種にも及びます。
自然園の総面積100ヘクタール、一周は約5.5Km、所要時間は約3時間30分を要します。園内の遊歩道の80%は木道が整備されていますので比較的歩きやすくなっています。また、自然保護を目的にボランティアが木道の整備、啓蒙活動に努力しています。園内の高山植物の知識も豊富ですのでお気軽に声をかけるといいでしょう。いろいろと教えてくれるはずです。

栂池自然園の玄関口である栂池高原駅 ゴンドライブは6人乗りです
栂池自然園の玄関口である高原駅 ゴンドライブは6人乗りです
ゴンドライブの終点、栂の森駅 栂池ロープウェイの始発、栂大門駅
ゴンドライブの終点、栂の森駅 栂池ロープウェイの始発、栂大門駅
栂池ロープウェイの終点、自然園駅 栂池自然園の入口、ビジターセンター
栂池ロープウェイの終点、自然園駅 栂池自然園の入口、ビジターセンター
開園期間・料金表 
開園期間  5月中旬~11月上旬
栂池自然園
入園料
大  人 子ども  
一  般 300円 250円 子どもは
小学生
団  体 250円 200円 団体は15名様以上
パノラマウェイ
利用料金
大  人 子ども  
往  復 3,000円 1,500円 子どもは
小学生
片  道 1,720円 850円  
パノラマチケット
(シーズン券)
20,000円 営業期間中
乗り放題
 


 栂池自然園への散策レポート
平成25年8月15日、栂池自然園に遠征しました。
ミヤマキンポウゲ
ミヤマキンポウゲ
栂池高原スキー場のゴンドラ・イブの始点である高原駅からゴンドラに乗車しました。このゴンドラは、全長4120mと長距離ですし、乗車時間はなんと20分にもなります。スキー場としての営業でもこのゴンドラを利用します。
スキー場として営業しているときには幾度となくお世話になったゴンドラですが、今は雪のない時での乗車です。
栂の森駅に到着すると、ここからさらに栂池ロープウェイの栂大門駅まで徒歩で移動します。栂大門駅からは栂池ロープウェイのり71人乗りロープウェイに乗車し、自然園駅に5分で到着します。春になるとここへヘリで飛んできてロングコースを滑走できるのですが、今はロープウェイで移動です。
冬にもこのロープウェイでスキー場としての営業ができればおもしろいと思うのですが、さすがに無理なのでしょうか。やってやれないことはないようにも思うのですが。
自然園駅からさらに徒歩で栂池自然園ビジターセンターへと向かいます。この途中には、トリカブトが自生していて、あちこちに見受けられます。栂池フュッテで一休みして野いちごソフトクリームを頂きました。
そしていよいよ自然園に突入します。ここは、遊歩道が木道となっていて必ずこの上を歩いてください。
ビジターセンターからの周回歩道はバリアフリーとなっていますが、このあたりはミズバショウ湿原となっていて標高1860mほどとなります。ここから西側へと移動します。
アサギマダラチョウとイブキトラノオ
アサギマダラチョウとイブキトラノオ
このあたりにはミヤマシシウドが多数自生しています。タテヤマアザミ、ヤチトリカブトもあります。このあたりはヤケに高山植物の種類が多いですね。そしてみずばしょう湿原から風穴を通過します。この風穴の中にはまだ雪が残っていて風も冷たく中の気温は5℃と寒いのです。ちなみに外は結構暑いのですね。
そしてわたすげ湿原に入ります。このあたりの標高は1870mとやや登りになっています。ここには、ワタスゲ、イワショウブ、チングルマ、キヌガサソウ、ニッコウキスゲなど多数が確認できました。アキアカネも手に止まったので撮影できました。
そして迂回路と合流してから急勾配を登り、突然川が出現します。この川が楠川と呼ばれていてたくさんの人が水浴びしていたりします。この上の橋を渡り、しばらくするとトイレがあります。この先にはトイレがないので注意してください。
さらに先を進みますが、このあたりはかなりの急勾配が続き、結構体力的にはきついものがあります。
しかしここが踏ん張りどころで登り坂を登り切るとそこが浮島湿原です。ここには浮島池があり、その回りを周回するコースがあります。ここは標高1920mと先ほどより50mも上っています。この周りにはニッコウキスゲが咲き乱れていましたし、アサギマダラチョウの撮影にも成功しました。
さらにその先の展望湿原も行きたいところですが、さすがにここで体力が尽きてしまったのでここで撤収です。やっぱり歳ですね。
後は一気に引き揚げに入りましたが、この栂池自然園は高山植物や高山帯に特有の動物が観察できる貴重な公園です。この自然を保護していくことは私たちの義務であろうと思います。

オニシオガマ ヤチトリカブト
オニシオガマ ヤチトリカブト
ミヤマコウゾリナ クロトウヒレン
ミヤマコウゾリナ クロトウヒレン
ミヤマセンキュウ ヤマハハコ
ミヤマセンキュウ ヤマハハコ
案内図 栂池フュッテ記念館
案内図 栂池フュッテ記念館
みずばしょう湿原 ミヤマシシウドの群生
みずばしょう湿原 ミヤマシシウドの群生
タテヤマアザミ オニシモツケ
タテヤマアザミ オニシモツケ
コバイケイソウ ヒオウギアヤメ
コバイケイソウ ヒオウギアヤメ
サラシナショウマ ミヤマキンポウゲ
サラシナショウマ ミヤマキンポウゲ
アキアカネ オタカラコウ
アキアカネ オタカラコウ
ミヤマアキノキリンソウ サンカヨウの実
ミヤマアキノキリンソウ サンカヨウの実
オヤマリンドウ みずばしょう
オヤマリンドウ みずばしょう
シモツケソウ モミジカラマツ
シモツケソウ モミジカラマツ
シナノキンバイ 風穴
シナノキンバイ 風穴
キヌガサソウ イワショウブ
キヌガサソウ イワショウブ
モウセンゴケ アキアカネ
モウセンゴケ アキアカネ
ワタスゲ ワタスゲ湿原
ワタスゲ ワタスゲ湿原
チングルマの実 楠川渡河点
チングルマの実 楠川渡河点
楠川を渡ります ハクサンフウロ
楠川を渡ります ハクサンフウロ
イブキトラノオ ニッコウキスゲ
イブキトラノオ ニッコウキスゲ
浮島湿原 浮島池
浮島湿原 浮島池
浮島湿原に咲き乱れるニッコウキスゲ ニッコウキスゲ
浮島湿原に咲き乱れるニッコウキスゲ ニッコウキスゲ
クルマユリ ワタスゲ湿原
クルマユリ ワタスゲ湿原
ワタスゲとヒオウギアヤメ ワタスゲ湿原
ワタスゲとヒオウギアヤメ ワタスゲ湿原
キヌガサソウ チングルマの花
キヌガサソウ チングルマの花
シラネアオイ みずばしょう
シラネアオイ みずばしょう

 栂池自然園の高山植物
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栂池自然園マップ
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