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富山太陽光発電所に設置された太陽光パネル |
富山太陽光発電所は、北陸電力が所有する太陽光発電所であり、富山県内初のメガソーラー施設として平成23年4月20日に運転を開始しました。
北陸電力は、この富山太陽光発電所を含めて4箇所の太陽光発電所を運転あるいは建設中です。
平成23年11月25日には発電所と隣接するPR館の完工式が開催されています。PR館は、太陽光発電の仕組みや自然エネルギーの可能性をわかりやすく紹介する目的で建てたもので、目玉は小さな太陽光パネルでライトレールの模型を走らせる展示です。
太陽に模した電球が朝、昼、夕の順番に点灯し、ライトレールの走行速度が変化するところを見ることができます。
ただし、PR館は通常は無人ですので、見学するには2日前までに予約が必要となります。
この富山太陽光発電所は、最大出力1000kwと太陽光発電所としてはメガソーラーと呼ばれる大出力のものです。
パネルは4815枚あり、一般家庭250軒の年間使用電力に相当する年間100万kwhを発電し、年間300tの二酸化炭素削減を見込んでいます。
私がここを訪れた際には、897.9kwの発電出力となっていて、もう冬なのに空が晴れていればけっこう出力があることが確認できました。
太陽光発電は、太陽パネル電池を利用し、太陽光のエネルギーを直接的に電力に変換する発電方式です。ソーラー発電とも呼ばれていて、再生可能エネルギーの一種であり、太陽エネルギー利用の一形態といえます。
太陽光発電装置は一般に導入時の初期コストが高額となる欠点が従来から指摘されていますが、メーカー間の競争によって性能向上と低価格化や施工技術の普及も進み、運用と保守の経費は安価であるため、世界的に需要が拡大しています。
昼間の電力需要ピークを緩和し、温室効果ガス排出量を削減できるなどの特長を有し、低炭素社会の成長産業として世界的に期待されています。
太陽光発電の利点としては、次のような事柄があります。
- 発電部(セル)は原理的に可動部分が無く、磨耗等による機械的な故障が起きない
- 規模に関わらず発電効率が一定であるため、小規模・分散運用に向いている
- 発電時に廃棄物・温排水・排気・騒音・振動などの発生がなく、クリーンである
- 出力ピークが昼間電力需要ピークと重なり、需要ピーク電力の削減に効果がある
- 需要地に近接して設置できるため、送電のコストや損失を最小化できる
- 他の発電方式と比較して設置の制限条件が少ない。
- 建築物の屋根や壁面にも設置できるため、土地を占有せずに設置することが可能
- 稼働に化石燃料を必要としないのでエネルギー安全保障上有利になる
- 発電時に温室効果ガスを排出せず、設備製造等での排出も比較的少ない
逆に太陽光発電の欠点としては次のような事柄が挙げられます。
- 単純な発電電力量当たりのコストが他の発電方法に比べて割高な場合が多い
- 夜間は発電せず、昼間でも天候等により発電量が大きく変動する
- 配電系統へ連系する場合、設備量の増加に伴って系統インフラの改造が必要
- 設置面積当たりの発電量が集中型の発電方式に比べて低い
- 設置規模を大きくしても発電効率が向上しない
- 高温時に出力が落ちる
- 影、汚れ、火山灰・降雪等で遮蔽されると、その分出力が落ちる
日本はオイルショックを経験した1970年代から太陽電池の開発と普及に力を入れており、生産量や導入量で長らく世界一を誇っていました。2000年ごろまでは、欧州全体より日本の方が発電量が多かったのですが、近年は他国に冠を奪われてしまっています。2004年頃には日本で世界の約半分の太陽電池を生産していましたが、2010年の生産世界シェアは9%まで落ち込んでいます。これは日本の生産量が伸び悩んでいる一方、中国・台湾の生産量の伸びが飛躍的に増大したことが原因です。
太陽光発電は、原子力発電所が新規建設を今後見込めない現状では、最も伸びが期待できる発電方法と考えられます。
現状では、日本は欧州諸国に比べ再生可能エネルギー発電で遅れを取っていて、原子力発電に依存してきた面が否めないので、脱原発依存に向けて太陽光発電所の建設が急がれるところです。
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太陽光パネル |
PR館 |
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所在地 |
富山県婦中町上轡田 他 |
発電出力 |
1000kw |
太陽光パネル |
多結晶シリコン(出力:208.4W、重量:18.5kg、総パネル数:4,815枚) |
想定発電電力量 |
約100万kWh/年 (一般家庭約250軒分の年間使用電力量に相当) |
CO2削減量 |
約300t-CO2/年 |
着工 |
平成22年10月25日 |
運転開始 |
平成23年4月20日 |
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