二本榎遺跡
概 要
二本榎遺跡全景
二本榎遺跡全景
二本榎遺跡は、富山県富山市婦中町小長沢地内に存在する古墳遺跡です。当遺跡は、呉羽丘陵の南西部、標高59~61mに位置しています。
周溝と横穴式石室が検出され、周溝を含めた全貌が分かる横穴式石室古墳としては県内で初めて発掘調査が実施されました。
平成23年度の確認調査(遺跡の性格を把握する調査)で、古墳時代後期(1400年前)の直径14mの円墳が発見されました。
墳丘は後世の耕作により残念ながら石室の上部まで失われていました。しかし発見された石室は、棺を収めた横穴式石室左片袖式で、下から2段までの石組みが確認されています。
玄室(棺を安置する部屋)の長さ3.8m、幅1.2m、羨道(玄室と外との通路)の長さ2.0m、幅0.7mです。
古墳の周りを廻る周溝は、幅1.2~2.4m、深さ0.2~0.4mで、葬儀で供えた甕・高杯などの須恵器を割り、周溝に廃棄した状態で見つかりました。
また後世の耕作の際、石室の位置から完全な形の提瓶が4点見つかり、うち3点が現存します。
横穴式石室をもつ古墳は、県内ではこれまで6基見つかっています。部分的な調査にとどまっており、今回のように古墳の全貌がわかったのは県内では初めてです。
平成26年度は、古墳の石室を全て解体し、その構造や石の積み方、石の材質などを詳細に記録しました。その際に、羨道と呼ばれる石室へ向かう通路付近から士製の丸玉が見つかり、石室内から新たに青色・黄色・黒色のガラス小玉などが出士しました。
これらの小玉の科学的分析(蛍光X線分析)を行ったところ・黒色の小玉は泥岩製、青色のガラス小玉は銅やコバルトによる着色、黄色のガラス小玉はスズ酸鉛を着色顔料としていることが分かりました。スズ酸鉛で着色されたガラス小玉は県内で初めての出士です。
石室を含む遺跡は、県道工事のため、そっくり移設されているが、移設しての一般公開などはまだ目処が立っていない。

二本榎遺跡遠景 石室の発掘状況
二本榎遺跡遠景 石室の発掘状況
発掘チームと石室 石室の内部の様子
発掘チームと石室 石室の内部の様子
石室石材 出土した提瓶
石室石材 出土した提瓶
出土したガラス小玉、泥岩製小玉、土製小玉 出土した高坏
出土したガラス小玉、泥岩製小玉、土製小玉 出土した高坏
出土した提瓶 出土した坏
出土した提瓶 出土した坏
二本榎遺跡の模型 出土した土器
二本榎遺跡の模型 出土した土器
二本榎遺跡
住所 富山県富山市婦中町小長沢地内
電話 076-465-2116(婦中総合行政センター農林商工課)
公開日 非公開
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二本榎遺跡マップ
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