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ニホンカモシカ |
富山県砺波市増山にある国史跡増山城跡にて野生のニホンカモシカの撮影に成功しました。
ニホンカモシカは、国の特別天然記念物に指定されています。
九州地方のニホンカモシカは、レッドリストに絶滅のおそれのある地域個体群として記載されています。また富山県の県獣に指定されています。
ニホンカモシカ(日本羚羊、Capricornis crispus)は、哺乳綱ウシ目(偶蹄目)ウシ科カモシカ属に分類される偶蹄類です。単にカモシカとも呼ばれています。
京都府以東の本州、四国、九州に生息する日本の固有種とされています。
カモシカの類は、ニホンカモシカの他にスマトラカモシカ(シーロー)とタイワンカモシカがありますが、いずれもアジアの山岳部を生息域としています。
体長は、105-112cm。尾長が、6-7cm。肩高が、68-75cm。体重30-45kg。全身の毛衣は白や灰色、灰褐色ですが毛衣は個体変異や地域変異が大きくて一定していません。
角は円錐形で二本持っています。角はやや後方に湾曲しています。角長は8-15cmとなります。雄の角は比較的長く先が鋭い。雌の角は太目である。基部に輪があり、年令とともに増加します。輪の節は、毎冬に形成されます。歯はウシ、ヤギ等と同じく32本で、上顎の門歯と犬歯を欠いています。
眼下腺には組織学的に性差と個体差がみられ、分泌物は個体間のコミュニュケーションの役割があるとされています。また、乳房も4乳頭であることもウシと同じです。性比は
1:1。
耳介は幅広く、またやや短いため直立しても耳介の先端と角の先端が同程度の高さにあります。耳長は9-11cm。
四肢は短く、体高は約75cmとなります。
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4頭ものニホンカモシカの群れ |
頭骨の額は隆起します。眼窩はやや小型で、涙骨の窪みは前頭骨に達しません。
第2前臼歯前端から第3臼歯後端までの最大長(臼歯列長)が左右の臼歯の間の幅よりも長くなります。
低山地から亜高山帯にかけてのブナ、ミズナラなどからなる落葉広葉樹林や混交林などに生息していて、木の根元、斜面の岩棚、切り株の上などで休みます。
季節的な移動は行わず、定着性があり、10-50haの縄張りを形成して生活し、地域や環境により変異があるがオスの方が広い縄張りを形成する傾向があります。
眼下腺を木の枝などに擦り付けマーキングすることにより縄張りを主張します。縄張りは異性間では重複しますが同性間では重複せず、同性が縄張りに侵入すると角を突き合わせて争ったり追い出したりします。
単独で生活し、4頭以上の群れを形成することはまれと言われています。ただし、今回の遭遇では左の写真でもわかるようになんと4頭の群れの撮影に成功しています。これは大変貴重な資料と言えましょう。
ニホンカモシカは、ウシ科の特徴である反芻性、草食の動物で、岩場や急傾斜の斜面のある森林に好んで生息しています。
低木の葉、芽、小枝、花、実、それにササや草木を食べます。主に早朝と夕方に採餌し、座り込んで休息しながら反芻していることが多い。人が山の中で仕事をしていると岩角など見晴らしのよい場所に何時間も立ち、じっと見ていることがあります。積雪時には前肢で雪を掘り起こして食物を探します。排泄物は、ロールベアリングを思わせるような長円形で一か所にフンを溜める習性があります。1回分のフンは、200
~ 300粒以上のフン塊です。
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角が後に湾曲しているのがわかります |
カモシカの糞はシカの糞とほぼ同じ形なので、野外においてこの両者を見分けるのは簡単ではありません。一つの目安はシカは糞を少数ずつ散布するが、カモシカは塊を作ることです。盛り上がった糞塊が作られていれば、カモシカの可能性が高いといえます。これは、シカは歩きながら糞をするのに対してカモシカは立ち止まって糞をする傾向があるからです。
発情期は10~12月で、妊娠期間は約7か月、4~6月頃に1仔を産みます。
通常、単独で行動しており、仔は出生の翌年の春まで母親と行動をともにします。2.5 ~3才で性的に成熟します。
生後1年以内の幼獣の死亡率は約50%で、特に積雪が多い年は死亡率が高くなります。
平成24年1月15日に4頭のニホンカモシカを確認していますが、そのうち子どもと思われる個体が2頭います。写真では、雄と雌の子どもと思われますが、そっくりです。
同年3月3日にこの2頭の子どもと思われる個体が確認できたのでこの冬を乗り切ったと思われます。この冬は厳冬だったので生き残れるかどうか懸念されましたが、無事だったようです。
ニホンカモシカの寿命は5年程度ですが、雌雄共に20年以上生きた個体もいます。最高齢の記録は、飼育下のカモシカで推定33才である(立山博物館カモシカ園、クロ、雌、1992年死亡)。
崖地を好み、犬に追われた場合など崖に逃げる傾向が強い。また好奇心が強く、人間を見に来ることもあると言われています。実際にニホンカモシカに遭遇してもあわてて逃げることがなく、こちらの様子を伺っていますので、好奇心が強いことが伺えます。
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ニホンカモシカの反芻 クリックすると開始 |
「アオの寒立ち」としても知られ、冬季などに数時間、身じろぎもせずじっとしている様子が観察されています。理由は定かではありませんが、山中の斜面を生活圏としていることから、反芻(はんすう)をするときに、寝転ぶ場所がないからともいわれています。ニホンカモシカは、昭和9年(1934)にその学術的価値が認められ、当時の「史蹟名勝天然記念物保存法」により天然記念物の指定を受けています。しかし、第2次世界大戦による社会の混乱と良質な肉と皮を目的とした密猟によって、昭和20年代にその分布域の縮小と生息頭数の減少が起こりました。このため密猟の取り締まりを強化する一方、昭和30年(1955)に現行の「文化財保護法」により特別天然記念物に昇格指定され、富山県においても昭和50年(1975)に県獣に指定されて、カモシカ愛護思想の普及を図るなど大切に保護されてきました。これにより最近では、その個体数が増加し、分布域が拡大するなど山麓部周辺や平野部でもカモシカが見られるようになっています。
また、山形県、長野県、岐阜県などでは、カモシカの増加によりその生息地に隣接するヒノキの造林地や農地で、カモシカによる食害が増えており、一部では大きな社会問題になっています。なお、富山県における造林形態は、スギが主体であることから食害の報告は現在のところ極めて少ない状況にあり、さほどの問題とはなっていません。
一方、カモシカが増え人目にふれることが多くなったことで、ケガや病気のカモシカ、幼獣のカモシカが保護される事例が多くなってきています。
国史跡「増山城跡」には、かなりの数のニホンカモシカが生息していることが確認されていますが、本来は高山帯にいるはずのニホンカモシカが標高120m程度の低山に生息しているというのは驚きです。
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子どものニホンカモシカを発見しました |
こちらを振り向きました |
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急斜面を駆け上がりました |
ポーズを取っていますね |
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なかなかにかわいいです |
何を見ているのか |
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森の中で成獣のニホンカモシカを発見 |
こちらをうかがっています |
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角はかなり長いタイプですね |
実は目の前に居るのです |
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かなり接近しているので逃げるつもりか |
実に良い面構えです |
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雪の中でニホンカモシカを発見しました |
雪まみれになっています |
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雪の中でも平気で活動しています |
竹藪の中を進んでいます |
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首回りがヤケに白い毛ですね |
雪の中を行進中です |
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しかし寒くないのだろうか |
後を振り向きました |
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こちらを向いて挨拶かな |
この雪の中でも平気で活動できるのはすごいです |
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草を食べ始めました |
草を食べていましたが、ようやく満足したか |
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また草を食べ始めました |
今度は移動を始めました |
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孫次山砦で二ホンカモシカ発見 |
この個体はかなりのベテランのようです |
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こちらをじっと見つめています |
角も立派です |
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崖っぷちでこちらを伺っています |
何かくたびれた感じが・・・ |
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雪の中で発見しました |
こちらを伺っています |
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実は近くに子どもがいるのです |
移動を始めました |
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子どもが移動し始めたので母親も移動を始めたようです |
草むらからこちらを伺っています |
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雪の中で子ども連れの母親を発見しました |
雪の中でこちらを伺っています |
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母親はじっと動きません。子どもが近くにいるからでしょう |
そう言えば、この母親は以前にも見たことがあります |
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子どもを発見しました |
この個体は、まだ生まれて半年くらいか |
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すごくかわいい子どもです |
母親は、じっとこちらを伺っていて動きません |
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道端に突如出現しました |
角から見ると、かなりのベテランのようです |
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馬の背ゴの土塁の上に出現しました |
何をしているのでしょうか |
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どこか痒かったのでしょうか |
大変立派な角を持っています |
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やっぱり痒いのでしょうか |
かなりのベテランのようです |
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これは親子らしいですが、実はもう一頭近くにいます |
奥の方が母親かと思いますが・・・ |
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こちらを発見したようです |
この2頭は似ているのでやはり親子かな |
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仲の良い親子のようです |
ようやく移動を始めました |
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急勾配をものともしないのです |
こちらはもう一頭の方です |
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これはまだ子どもの方ですね |
3歳くらいでしょうか |
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こちらを伺っています |
移動を始めようとしています |
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しかしこの雪の中でも平気で活動しています |
この子の母親はどうしたのでしょうか |
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眼下腺を木の枝などに擦り付けてマーキングしています |
眼下腺から臭いを出す液を出してマーキングします |
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亀山城付近でカモシカ発見 |
じっとこちらの様子を伺っています |
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林道からカモシカ発見 |
こちらに気づいたようです |
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雪の中に2頭のニホンカモシカがいました |
雪の中でも平気で行動しています |
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カメラ目線のニホンカモシカ2頭 |
立派な体格のニホンカモシカです |
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夫婦でしょうか |
4頭ものニホンカモシカがいます |
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雪の中から顔を見せる |
4頭ものニホンカモシカが勢揃いしました |
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2頭のニホンカモシカ |
ニホンカモシカがこちらを伺っています |
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2本の角が白く目立ちます |
ニホンカモシカは好奇心が強いのです |
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手前は子どものようです |
3頭のニホンカモシカが揃いました |
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土塁のうえでポーズを取る |
まだ子どものようです |
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冬を生き残った子どもたち |
右が雌、左が雄と思われます |
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まだ雪が残っています |
無常の西側の腰曲輪付近にいます |
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一の丸下の腰曲輪「ヘッタリ」にいます |
ヘッタリで草を食べているようです |
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角が後に湾曲しているのがわかります |
何か探しているのか |
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馬洗池のそばの土塁上で発見 |
まだ子どものようです |
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こちらを伺っています |
たいへんかわいいですね |
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草むらの中でカモシカ発見 |
何をしているのでしょうか |
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こちらを伺っています |
まだ子どもでしょう |
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角が細いからオスかな |
あっちへ向かいました |
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ニホンカモシカの親子です |
子どもの方はまだ生まれて間もないようです |
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親の方は立派な体格です |
子どもの角がまだ小さいのがわかります |
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ニホンカモシカを発見しました |
こちらを発見したらしく向きを変えました |
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立派な角の様子がよくわかります |
角が後方に湾曲しているのがよくわかります |
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実は反芻を続けているのです |
草むらにうずくまって反芻しているのです |
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雪の中、ニホンカモシカを発見しました |
雪の中でも平気で活動していますね |
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向うもこちらに気づいています |
この大雪の中、えさを探すのはたいへんでしょう |
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ニホンカモシカの親子3頭が登場しました |
中央の子どもは、半歳くらいでしょう |
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この親子は、以前にも遭遇した2頭です |
こちらは、先週に遭遇した1頭です |
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安室屋敷跡に出現しました |
300mm望遠で撮影しています |
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オスのニホンカモシカと思われます |
長く立派な角を持っています |
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親子3頭の群れです |
手前がオス、その後にメスが子どもを隠しています |
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一の丸にてカモシカ発見 |
カモシカが立ち上がりました |
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こちらを伺っています |
こちらを警戒しているようです |
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ぐっと伸びました |
マーキングしているのです |
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今日はやけにマーキングしていますね |
今日は仲間が見あたりませんね |
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所在地 |
富山県砺波市増山 |
生息地 |
国史跡増山城跡 |
生息数 |
最大4頭の群れを確認 |
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