海上自衛隊の救難機
●固定翼機
  US−1A 救難飛行艇
スペックデータ
速力 (水平最高)265kt
発動機  GE/石川島播磨重工業 T64-IHI-10J
3,500馬力×4基
機体 33.15x33.46x9.95(m)
(幅×長×高)
空虚重量 25,500kg
運用自重  26,600kg 
離陸重量 45,000kg
乗員 最大12名
航続距離 4,000km以上
実用上昇限度 8,660m
装備   捜索用レーダー (オーシャン・マスター)
波高測定用連続波FM-CWレーダー
US−1A救難飛行艇

対潜哨戒機として開発されたPS-1は、その哨戒能力が時代遅れで、機体も問題が多かったために、大量導入を見送られたが、機体は改修に改修を重ねて世界的に通用するまでになり、これを多用途飛行艇化する計画が持ち上がった。その計画の一環として、海上自衛隊の救難飛行艇として利用することになった。
開発は1972年(昭和47)からはじまり、PS-1の対潜装備の変わりに救難機器を設置し、陸上離着陸能力(ランディングギヤなど)を持たせた。試作機PS-1改が製作され、1974年(昭和49)10月に初飛行、1975年(昭和50)3月5日に1号機が納入され、1976年(昭和51)6月に部隊使用が認められ、救難飛行艇「US-1」と名づけられた。その後、6機のUS-1が製作され、1981年(昭和56)製の7号機からはエンジンを換装して出力を大幅に増加させたUS-1Aとなった。

 US−2 救難飛行艇
スペックデータ
最大速度 315kt
巡航速度  260kt
発動機  ロールスロイス AE2100J ターボプロップ
4,591馬力×4基
機体 33.15x33.25x10.06(m)
(幅×長×高)
離陸重量 47,700kg
離水重量  43,000kg
乗員 最大11名
航続距離  4,700km 
巡航高度  20,000ft以上 
実用上昇限度 30,000ft以上 
装備  自動操縦装置
飛行経路制御 (FPC) オートスロットル
前方監視赤外線 (FLIR) 装置
航空機搭載型波高計 
US−1A救難飛行艇
US-2は、US-1Aの後継機として、2001年(平成13年)7月から組み立てが開始され、2003年(平成15年)4月22日にロールアウト、社内試験を経て12月18日に初飛行に成功した。2004年(平成16年)3月24日に防衛庁へ納入された。
その後、4号機(9904、平成19年度契約)は2010年(平成22年)2月24日に防衛省へ納入された。
US-1Aの減数後もUS-2の就役により救難飛行艇の7機体制が維持されることになっている。 
●回転翼機
UH−60J 救難ヘリ
スペックデータ
速力 (最大)140kt 
発動機  T700-IHI-401C 1,800馬力×2基
機体 16.4x19.8x5.1m (幅×長×高)
離陸重量 9,979kg
乗員 4名
装備 赤外線暗視装置(FLIR)
航法気象レーダー
GPS・慣性航法装置
赤外線排出抑制装置(IRサプレッサー)
ワイヤー・カッター
チャフ・ディスペンサー
IRジャマー
増槽タンク
UH−60j
自衛隊では、海上自衛隊が艦載対潜型としてSH-60BをベースにしたSH-60Jを、航空自衛隊と海上自衛隊が救難型としてUH-60AをベースにしたUH-60Jを、陸上自衛隊が多用途型としてUH-60LをベースにしたUH-60JAを採用しました。
 UH-60Jは、航空自衛隊ではKV-107IIの後継機として1987年に採用されたものです。同じUH-60Jでも空自と海自では装備品に若干の違いがあるものの、どちらも機首には気象レーダーとFLIRを装備して夜間捜索能力を備え、胴体左右には目視捜索用のバブルウィンドウを装備しています。また、航続力確保のため常に増加タンクを装備していますが、これを吊り下げるESSSはHH-60D/Gと同タイプの大きく上半角のついたものになっています