国史跡小杉丸山遺跡は、射水丘陵の南西部に位置する飛鳥時代後期(7世紀後半)の瓦や須恵器などを製作していたという瓦陶兼業窯跡とそれらを制作していた職人たちの堅穴住居跡、段状遺構が発掘され、窯跡と住居跡がセットで残っていた国内でもまれな遺跡です。北陸最古と言われる飛鳥時代の登り窯、奈良時代の製鉄炉跡も発掘されていて、この一帯が言わば当時の工業地帯であったと思われます。窯・工房・粘土採掘坑・工人の住居など、当時の窯業生産の全貌が伺える遺跡であり、出土した軒丸瓦は飛鳥時代の坂田寺の系統を引くものです。畿内政権と仏教の影響下で成立した北陸での瓦葺き建物造営の始まりと、その歴史的背景を具体的に示す貴重な遺跡です。
遺跡にはガイダンス施設「飛鳥工人の館」が設けられていて、飛鳥時代にこの地で瓦の生産などに活躍した工人の様子を紹介するとともに、遺跡から出土した瓦、須恵器、土師器などを展示し、また県内の各地で生産された焼き物の歴史も紹介しています。
またここには古墳も多数発見されていて、5世紀~6世紀代に造られたものと考えられ、工房が造られるよりやや早い時代のものですが、各種の副葬品も出土していて、当時この周辺で権力を持っていた一族の墓だったと思われます。
遺跡には須恵器と瓦を焼いた登り窯が復元してあります。多少現代風になっていますが実際に焼き物が焼けるように窯が造られています。また製鉄炉跡や住居跡などの遺構の上はコンクリートで固めてありますが、これも復元してほしいところです。
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飛鳥工人の館 |
古墳群 |
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復元された登り窯 |
遺跡跡を示すジオラマ |
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住居跡 |
製鉄炉跡 |
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復元登り窯 |
窯の様子 |
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住所 |
富山県射水市流通センター青井谷1丁目 |
電話 |
TEL 0766-56-4369 |
開場時間 |
午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで) |
休館日 |
毎週火曜日(火曜日が国民の祝日の時はその翌日)
冬期間(12月1日~2月末日) |
入場料 |
無料 |
駐車場 |
会館前に駐車場あり |
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