| 海上自衛隊 護衛艦「じんつう」寄港レポート | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
DE230「じんつう」は、「あぶくま」型護衛艦の2番艦で基準排水量2000t、最大速力27kt、62口径76mm単装速射砲、アスロック、ハープーン、3連装短魚雷発射管2基、CIWS20mm機関砲1基を搭載する護衛艦です。 2000t級護衛艦としてはやけに重装備で、対艦、対潜装備が充実していて、対空ミサイルと対潜ヘリコプターを持っていないことを除けば「はつゆき」型護衛艦と同等の装備です。 ただし、艦型が小さいことから、アスロックが前後に撃てないとか、予備弾がないとか、戦闘指揮所は戦術情報処理装置をもたない在来型であり、搭載武器システムの全能発揮上の制約となっているなどなど、細かいところは劣るところがあるのはやむを得ないでしょう。 日本近海での使用を前提としているため、対空兵装は、前甲板の76ミリ速射砲と後甲板の高性能20mm機関砲（CIWS）のみであり、対空戦闘能力は弱いのはやむを得ません。。 ちょっと変わっているのは、機関がガスタービンとディーゼルの両方を持っているCODOG方式が採用されていることです。 これより小型の「ゆうばり」や「いしかり」も同様の形式なのですが、これらは排水量が小さく、より低速です。このクラスの護衛艦でディーゼル機関というのは、速力よりも燃費の方が重要な問題だったのでしょうか。蒸気タービンは、出力は大きいものの燃費ではディーゼルに劣ります。 主機としては、「いしかり」（52DE）以来のCODOG方式が採用されたものの、52〜55DEでは1組のCODOG機関の出力を減速機を介して両舷2軸に分配する方式であったのに対し、本型においては左右2軸に1組ずつを配する方式とされています。また機種も刷新されており、高速機としては、あさぎり型と同じくロールス・ロイス・川崎 スペイSM1Aガスタービンエンジンが搭載されています。
電源としては、出力1,000 kWのガスタービン主発電機1基、500 kWのディーゼル主発電機2基、300 kWのディーゼル非常発電機1基を搭載しています。ガスタービン主発電機の原動機は、第1世代DDと同じ川崎重工業M1A-02ガスタービンエンジンであり、また発電機の総出力2,300 kWは、DD型護衛艦にも比肩しうる強力なものです。 後部甲板にはヘリコプターの着艦スペースがあるのですが、固有の搭載機はありません。また前部甲板には、RAMのスペースがあるのですが、搭載する予定はないようです。 しかし2000tでここまで盛りだくさんの装備が搭載可能とは、「ゆうばり」や「いしかり」とは違って余裕のある設計になっているということです。DEとしては決定版と言える優秀な艦です。 |
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