護衛艦「いせ」「みょうこう」「せとぎり」来港 平成28年7月23日 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
護衛艦「いせ」DDH-182は、海上自衛隊のひゅうが型護衛艦の2番艦で、第4護衛隊群第4護衛隊に所属し、定系港は呉となっています。 基準排水量は、13,950トンと護衛艦としては「いずも」型に次ぐ大きさで、事実上はヘリコプター母艦といえます。 武装は、Mk41VLS 16セル、Mk15高性能20mm機関砲2基、HOS-303 3連装短魚雷発射管 2基、12.7ミリ単装機関銃 7丁となります。 護衛艦としては、初めて艦砲を装備していないのですが、VLSには、ESSM 短SAMとVLA SUMを搭載していて、強力な対空、対潜攻撃能力を持っています。この点が最低限の自衛用の近接防空ミサイルや高性能20mm機関砲のみを搭載し、ヘリコプター運用に特化したいずも型DDHと大きく異なることの一つであるといえます。 「ひゅうが」型護衛艦は、広大な全通甲板と大きな船体容積によって、多数のヘリコプターを同時運用する能力を備えています。これにより、従来のヘリコプター搭載護衛艦よりも優れたゾーン対潜戦能力を実現するとともに、輸送ヘリコプターや救難ヘリコプターにも対応できることから、災害派遣や国際平和活動など戦争以外の軍事作戦、水陸両用作戦の支援など多彩な任務に対応することが可能となります。 前任のはるな型(43/45DDH)からヘリコプター運用能力、護衛隊群旗艦能力の発展、向上が要求されたことから、基準排水量は歴代自衛艦として当時最大の13,950トンとなった。満載排水量は推定で19,000トンとされ、イタリア海軍の「ジュゼッペ・ガリバルディ」や、スペイン海軍の「プリンシペ・デ・アストゥリアス」、タイ王国海軍の「チャクリ・ナルエベト」などの軽空母と同等か上回っており、イギリス海軍のヘリコプター揚陸艦「オーシャン」よりは小さいといえる。
艦体や上部構造物はステルス性を考慮して側面に傾斜がつけられ、表面は平滑に整形されています。 主船体は7層、艦橋構造物は5層の甲板から構成されている。 艦橋構造物は右舷に寄せられ、長さは70メートル、幅9メートルのいわゆるアイランド方式となっています。 艦橋はアイランドの4層目(03甲板)に位置しており、同レベルの後部には航空管制室が設けられています。このアイランド部を除いて、第1甲板(上甲板)は艦首から艦尾まで平坦な全通甲板構造となっており、全域が飛行甲板とされています。 これにより、艦体の後方3分の1程度が平らなヘリコプター甲板だった従来のヘリコプター搭載護衛艦や、最初に発表された予想図のような艦形では不可能だったヘリコプター複数機の同時発着艦運用を実現し、艦橋が視界を遮ったり気流を乱す事も少なくなり、ヘリコプターの着艦作業も容易になった。ヘリコプター運用の妨げになることから、欧州のSTOVL空母が設置しているようなスキージャンプ勾配は設置していません。水線から飛行甲板までの高さは15メートルに及ぶ。飛行甲板の左舷側にはキャットウォークが設けられています。 艦内には、旗艦としての運用に備えて司令公室、幕僚事務室、司令部要員の居住スペースを備えるほか、緊急の災害対策本部としての使用も可能なように多目的室などの設備もあります。
搭載艇としては11メートル作業艇と7.9メートル型内火艇を各1隻備えています。これらの格納スペースは第3甲板レベル両舷にレセス状に設けられており、開口部はレーダー波を透過しないRCSスクリーンで覆うこととされています。 主機関は、おおむねこんごう型(63DDG)の構成を踏襲するゼネラル・エレクトリック LM2500ガスタービンエンジン4基を2基ずつ2軸に配したCOGAG方式となっており、出力も同じ100,000馬力となっています。 こんごう型は基準排水量7,250トンと、本型よりひとまわり小型であることから、これと同出力の主機で速力30ノットを確保するため、船体設計にはかなりの配慮を必要としたものと考えられている・・・とのことですが、満載排水量19000トンの状態で全力航行しても30ノットが出せるのかは正直疑問ですが・・・。 原動機が設置される機械室は第5甲板から艦底までを通じて設けられています。従来のタービン推進艦と同様に機械室はシフト配置を採用しており、前方の第1機械室が左舷軸、補機室を挟んで後方の第2機械室が右舷軸を駆動します。 煙突はアイランドに組み込まれており、一方の吸気室は船体内の第2甲板両舷に配置されています。 排気路・吸気路は、第2-4甲板のエレベーター・格納庫を迂回するかたちで機械室に導かれています。 発電機としては4基のガスタービン発電機を備えており、容量は各2,400キロワット。非常発電機は備えておらず、主発電機の運転区分により対応することとなっています。
艦番号は当初DDH-146、建造番号2406号が与えられていたが、その後艦番号DDH-182、建造番号も2320号に変更された。 2011年(平成23年)3月16日に就役。第4護衛隊群第4護衛隊に編入された。定係港は呉、就役後は同基地を拠点として就役訓練が実施された。艦名板は伊勢神宮大宮司:鷹司尚武の揮毫によるもので、木材は宇治橋に使用されていた欅が使用された。 2013年11月8日、フィリピンを襲った台風30号による被害の救援のため、フィリピン国際緊急援助隊が編成され、輸送艦「おおすみ」、補給艦「とわだ」と共に派遣された(「サンカイ(現地語で友達)作戦」)。 11月18日に呉を出港、11月22日にレイテ湾に到着、救援物資輸送や医療、防疫活動を実施し、12月20日に帰国した。 2014年6月7日、米国派遣訓練及び環太平洋合同演習(RIMPAC 2014)に参加するため護衛艦「きりしま」とともに呉を出港、各種戦術訓練及びHA/DR(人道支援・災害救済)訓練等を実施し、8月21日呉に帰港した。 2016年4月12日、インドネシア海軍国際観艦式に参加し、その後4月16日までインドネシア共和国パダン周辺海空域で実施されるインドネシア海軍主催多国間共同訓練「コモド2016」に参加、17日から19日までは、パダンからボルネオ島西部に至る海空域において米豪海軍とともに日米豪共同海外巡航訓練を実施した 。 4月26日にはフィリピンのスービック港に寄港し、29日までフィリピン軍と通信訓練を実施する。 5月1日から5月12日まで、ブルネイからシンガポールに至る海空域でADMMプラス海洋安全保障実動訓練に参加する。
こんごう型護衛艦は、海自初のイージスシステム(AWS)搭載護衛艦にして、アメリカ海軍以外が初めて保有したイージス艦でもあります。 中期防衛力整備計画に基づく平成3年度計画7200トン型護衛艦2315号艦として、三菱重工業長崎造船所で1993年4月8日に起工され、1994年10月5日に進水、1996年3月14日に就役し、第3護衛隊群第63護衛隊に編入され舞鶴に配備されています。 就役後、リンク16のアンテナを追加装備しています。 1996年10月25日から翌年2月21日の間、イージスシステムの装備認定試験(SQT)のためハワイに派遣。 1998年8月31日、北朝鮮より発射された大陸間弾道弾「テポドン1号」の軌跡をフェイズド・アレイレーダーにて探知し、米軍に重要な判断情報を提供しています。 同年10月13日、韓国釜山で実施された韓国建国50周年記念国際観艦式に護衛艦「はるな」、「せとぎり」とともに参加しています。 1999年3月22日から24日にかけて発生した能登半島沖不審船事件に「はるな」、「あぶくま」とともに出動した。この事件では、初の「海上における警備行動」が発令されています。 この際に当時の航海長伊藤祐靖を指揮官とする臨検部署を発動し、不審船を追跡していますた。
2004年1月23日、テロ対策特別措置法に基づきインド洋に派遣。同年5月まで任務に従事し6月29日に帰国しています。 2005年5月18日から8月20日の間、護衛艦「まきなみ」、「あけぼの」とともに米国派遣訓練に参加。 2008年3月26日、護衛隊改編により第3護衛隊群第7護衛隊に編入されました。 2009年8月24日から11月18日の間、BMD機能付加に伴う装備認定試験のためハワイに派遣され、10月27日、RIM-161スタンダード・ミサイル3 (SM-3)ブロックIAの発射試験(JFTM-3)をハワイ・カウアイ島沖で行い、予め時刻を知らされない条件下で太平洋ミサイル試射場から発射された模擬弾道ミサイルの迎撃に成功しています。 2012年には護衛艦「しらね」、掃海母艦「ぶんご」と共にリムパックに参加。同年12月6日、朝鮮民主主義人民共和国が「人工衛星」と自称する弾道ミサイルの発射に備え、護衛艦「こんごう」、「ちょうかい」と共に佐世保から出航し、アメリカ合衆国海軍と連携して迎撃態勢を整えています。 同月12日、ミサイルは発射されるも領土内に落着する恐れがなくなったため、破壊措置命令の解除を受けて順次撤収しています。
なお、艦艇名としては旧海軍通して初の命名です。 「せとぎり」は、中期業務見積りに基づく昭和60年度計画3,500トン型護衛艦2227号艦として、住友重機械追浜造船所浦賀工場で1987年3月9日に起工され、1988年9月12日に進水、1990年2月14日に就役し、第1護衛隊群第48護衛隊に編入され横須賀に配備されています。 1991年6月27日から9月7日の間、護衛艦「くらま」、「あさかぜ」及びP-3C 5機とともに米国派遣訓練に参加。 1996年、環太平洋合同演習(RIMPAC)に参加。 1997年3月24日、第48護衛隊が第4護衛隊群に編入され、定係港が大湊へ転籍。また、隊番号の改正により第48護衛隊が第8護衛隊に改称。 1998年3月20日、第3護衛隊群第7護衛隊に編入。 同年、10月13日、韓国釜山で実施された韓国建国50周年記念国際観艦式に護衛艦「はるな」、「みょうこう」とともに参加。 2002年6月8日、テロ対策特別措置法に基づき、補給艦「はまな」と共にインド洋に派遣。同年7月まで任務に従事し、8月20日に帰国した。 2003年5月16日から、護衛艦「くらま」、「しまかぜ」とともに米国派遣訓練に参加、本艦のみ途中分離し7月17日から20日まで米東岸のニューポートで行われた「ニューポート黒船祭り」に参加し、9月10日に帰国。 2008年3月26日、護衛隊改編により第3護衛隊群第3護衛隊に編入。 2008年、環太平洋合同演習(RIMPAC)に参加。 2010年8月23日、海賊対処法に基づき第6次派遣海賊対処行動水上部隊としてソマリア沖・アデン湾に向けて出航する。僚艦の護衛艦「まきなみ」とは途中で合流し、同年9月20日から12月22日までの間計28回の船団護衛を実施し、2011年1月21日に大湊に帰港。 2011年8月1日、編成替えにより第7護衛隊に編入、定係港は変わらず。 2013年7月26日に第16次派遣海賊対処行動水上部隊として護衛艦「ありあけ」と共にソマリア沖へ向けて出航した。同年12月まで任務に従事し、2014年1月17日に大湊に帰港。 2016年3月19日から4月27日までの間、護衛艦「ありあけ」、練習潜水艦「おやしお」とともに外洋練習航海(飛行)に参加、4月12日には「ありあけ」と共に海上自衛隊の艦船として初めてベトナム中南部にある要衝カムラン湾に寄港している。 現在は、第3護衛隊群第7護衛隊に所属し定係港は大湊である。 |
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