大日川駅は、かつて石川県石川郡鳥越村河合(現・白山市河合町)に位置していた、北陸鉄道金名線の駅です。
1987年(昭和62年)4月29日に金名線が廃止されたことにより当駅も廃駅となっています。
単式ホーム1面1線を持つ無人駅です。
当駅のすぐ近くにあった大日川橋梁が、1983年(昭和58年)に破損し金名線廃線のきっかけとなっています。
同橋梁は廃線後もガーター橋が当時の姿をとどめていたが2003年(平成15年)に架け替えられ、現在はその上を白山市道釜清水河合線(通称「てどり桜街道」)と手取キャニオンロードが通っています。
上質の陶石産地である河合鉱山がすぐ近くにあり、当駅から各地へ出荷されています。
現在でも当時の積み出し場が残っています。背後の巨大な木造建造物は鉱山のホッパーですが、この施設は既に稼動していないようです。ただし、鉱山自体は現在でも稼働しています。
跡地は、現在手取キャニオンロードとなっています。県道側にバス停もあります。
河合鉱山は、日本硬質陶器株式会社(現・ニッコー株式会社)への原料供給のため1916年(大正5年)に採掘が始まった鉱山です。当時は同社が直接採掘していましたが、1934年(昭和9年)ごろ不況により採掘から手を引き、地主の出口氏に採掘を任せるようになっています。1950年(昭和25年)に「河合鉱山株式会社」を設立して、採掘を続けています。
その後、陶石の需要が増大し、金名鉄道を利用して名古屋方面へも出荷するようになっています。
第2次世界大戦中はロケット兵器の燃料容器の原料としても利用されています。
戦後はむしろ衛生陶器の原料として大いに利用されており、一時期は国内の衛生陶器原料の60〜70%が河合陶石をふくむ石川県産の陶土であったといわれる。なお、同様に陶土の一大産地であった服部鉱山とは町村の境で接しているが、両社は紳士協定を結んで境界を残して採掘を進めています。 |