JR北海道・新函館北斗駅
新函館北斗(しんはこだてほくと)
北海道新幹線   木古内 新函館北斗
函館本線   七飯 仁山
所在地 北海道北斗市市渡1丁目1番1号
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
駅構造  地上駅(橋上駅)
ホーム  2面2線(新幹線)
2面4線(在来線)
乗車人員  654人/日(2019年) 
開業年月日  1902年(明治35年)12月10日
2016年(平成28年)3月26日(新幹線)
所属路線  北海道新幹線
キロ程 148.8km(新青森起点)
所属路線  函館本線(本線)
駅番号 H70
キロ程 17.9km(函館起点)
駅種別  社員配置駅
業務委託駅
みどりの窓口
話せる券売機
新函館北斗駅
新函館北斗駅
新函館北斗駅(しんはこだてほくとえき)は、北海道北斗市市渡(いちのわたり)1丁目にある、北海道旅客鉄道(JR北海道)北海道新幹線・函館本線(本線)の駅である。函館本線の駅番号はH70。電報略号はハテ。事務管コードは▲140106。
開業以来日本最北端の新幹線駅である。
特急「北斗」、快速「はこだてライナー」を含めた当駅経由の全ての旅客列車が停車する。
1902年(明治35年)に当地に鉄道が開通した当初から設置されている駅であるが、2016年(平成28年)3月26日の北海道新幹線開業に伴い、新幹線が経由しない函館駅方面へのアクセス駅、在来線と新幹線の乗換駅としての性格を帯びるようになった。

駅名の由来

当初の駅名の「本郷」は北斗市の前身の村名からであり、1804年(文化元年)に当地の開拓が始まったことを記念して建てられた、庚申塚の付近を「本の郷」と呼んでいたことに由来する。しかし、本郷村への駅設置は住民の反対運動があったとされており、このため駅は本郷村の隣の市渡(いちのわたり)村に作られ、一方で駅名については本郷が使われた。
一方、駅開業2年前の1900年(明治33年)に本郷村や市渡村などが合併して大野村が発足しており、1942年(昭和17年)には駅名も村名に合わせることとなった。このため、すでに常磐線大野駅が存在することから、旧国名の「渡島」を冠して「渡島大野」に改称された。この「大野」は単に大きい野原という意味の和名であるとされている。
現在の名称は、新幹線計画時からの仮称であった「新函館」に、所在地である北斗市の名を加えたもので、決定に至るまでには所在市名を冠する「北斗函館」を主張する北斗市と仮称通りの「新函館」を主張する函館市の間で論争があった。このほか「函館北斗」などの仮称も見られた。
はこだてライナー E5系
はこだてライナー E5系


駅構造
  • 終日社員配置駅。ただし、北海道新幹線における貫通確認・車椅子介助・お忘れ物センター・旅客案内誘導は、北海道ジェイ・アール・サービスネットに業務委託されている。
  • みどりの窓口・指定席券売機・話せる券売機・在来線近距離券売機、自動改札機(在来線・新幹線とも)が設置されている。また、札幌都市圏以外で唯一キヨスクが設置されている駅でもある。
  • 駅舎は壁面が高さ15メートルのガラスで覆われており、2階からガラス越しに函館山を望むことができる。支柱は北斗市三ツ石(渡島当別)にある灯台の聖母トラピスト大修道院前のポプラ並木をイメージした。天井や壁面には地元産の道南スギ材を張り、内装には北斗市茂辺地が道内発祥の地とされる煉瓦も使用されている。南口と北口を結ぶ自由通路の壁面もガラス張りで、2階からは新幹線ホームを見下ろせる。 駅舎の南側は北斗市観光協会が運営する「北斗市観光交流センター」となっており、1階にアンテナショップと交流スペース、2階に観光案内所と飲食店を構える。また、観光交流センター内には、市名に因み漫画「北斗の拳」の登場人物、ケンシロウの銅像が置かれている。
新幹線
  • 相対式ホーム2面2線を持つ橋上駅である。12番線ホームは将来の札幌延伸のために島式で整備されており、反対側に1線増設できる構造となっている。
  • 11・12番線ホームともに階段・エスカレーター・エレベーターが設置されており、橋上駅舎内の出口及び在来線乗り換え改札に通じている。新幹線改札口には、指定席券売機、新幹線自動改札機(新幹線eチケットサービス対応)が設置されている。また、11番線ホームは在来線1・2番線ホームと同一平面上にあることから、こちらにも乗り換え改札が設けられ、行き来が可能である。
  • 両ホームともに260km/hでの本線通過が可能な寸法形状として設計されており、通過列車の風圧対策も建設時点で既にシミュレーション済である。
のりば

番線 路線 行先
11 北海道新幹線   新青森・盛岡・仙台・東京方面
12 (定期列車は降車のみ)

在来線
  • キハ261系  特急「北斗」
    キハ261系  特急「北斗」
    島式(一部単式)ホーム2面4線をもつ。本来は単式ホームである2番線の函館側先端の反対側を一部切り欠いて、函館方面からの行き止まりである1番線が設置されており、函館駅とのシャトル列車「はこだてライナー」専用としている。1・2番線のみ電化されており、島式の3・4番線は非電化である。2・3番線は特急列車対応の長いホームを持つが、4番線は短編成の普通列車の発着を考慮して、3番線の函館側対面のみ使用でき、森側はフェンスで封鎖されている。4番線の外側には、貨物列車用の待避線が1本ある。
  • 多くの乗客が当駅に長く留まらず、新幹線と在来線を乗り継ぐと想定しており、在来線ホームの幅は4 - 6 m 程度とあまり広くはない。待合室なども必要最低限の構造に抑えられている。
  • 在来線改札口および新幹線との乗り継ぎ改札口には、在来線近距離券売機、自動改札機(Kitaca非対応)が設置されている。また、新幹線との乗り継ぎ改札にはマルス端末が1台設置されており、途中の無人駅からの乗客に対する乗車券・新幹線特急券の発券と乗り越し精算が対応可能になっている。
番線 路線 方向 行先 備考 
1 函館本線 上り 函館方面 はこだてライナー 
2  特急 
下り   長万部・東室蘭・苫小牧・千歳・札幌方面  特急・普通 
3  特急 
上り  函館方面 普通  
4 (予備ホーム)  


ホーム計画の推移
  • 当駅は函館市街地にある函館駅から遠く、函館駅へのリレー列車(後のはこだてライナー)の運行が必要であることから、JR北海道は所要時間を短縮するため五稜郭駅 - 当駅間の交流電化を決定、2013年(平成25年)3月に同区間の電化工事を開始した。
  • 当駅でも設計段階から、乗り継ぎ時間を短く抑えるホームの配置が課題となっていた。九州新幹線の新八代駅で行われていた対面乗り換えが理想とされたが、札幌方面への乗り継ぎも考慮する必要があり、単純ではなかった。
  • 2012年(平成24年)2月にホーム配置の案が公表された。在来線側が島式ホーム1面2線および単式ホーム1面1線、さらに単式ホームの反対側に函館駅方面へのリレー列車専用となる切欠きホーム1線を設け、計2面4線となる。新幹線と平面乗り換えができるように、連絡通路・改札で相互のホームを接続するため、在来線ホームも1面は単式である必要があったが、函館・札幌双方の列車と新幹線を接続させるため、函館リレー列車専用のホームを設けた。新幹線側は相対式ホーム2面2線となり、一方が前述の連絡改札で在来線側と接続する。在来線ホームと平面で接続されている新幹線ホームが1つであるため、新幹線下りのほとんどの便で平面乗り換えができない構造となった。
  • 2013年(平成25年)3月に公開されたホーム配置の図では、前年の案に加え、札幌駅延伸までに新幹線ホームの最も外側に1線を整備する予定とし、最終的に2面3線になるとした一方、乗り継ぎ方法や在来線ホームの計画は変更されなかった。新設の「はこだてライナー」専用線は1番線とされ、従来の1番線は2番線に改番された。乗換改札は新幹線11番線ホームと在来線1・2番線ホームの間と、駅舎上の2箇所とした。また、「はこだてライナー」は通常3両編成だが、混雑時には6両編成に増結するため、有効長は6両分となった。

歴史

  • 1902年(明治35年)12月10日:北海道鉄道の函館駅(初代・後の亀田駅) - 当駅間の開通に伴い、同線の本郷駅(ほんごうえき)として開業。一般駅。
  • 1903年(明治36年)6月28日:北海道鉄道の当駅 - 森駅間の開通に伴い、途中駅となる。
  • 1907年(明治40年)7月1日:北海道鉄道が国有化され、帝国鉄道庁の管轄となる。
  • 1909年(明治42年)10月12日:国有鉄道線路名称制定に伴い、函館本線の駅となる。
  • 1942年(昭和17年)4月1日:渡島大野駅に改称。
  • 1949年(昭和24年)6月1日:日本国有鉄道法施行に伴い、公共企業体日本国有鉄道(国鉄)に移管。
  • 1967年(昭和42年):跨線橋設置。
  • 1981年(昭和56年)5月28日:貨物の取り扱いが廃止。
  • 1984年(昭和59年)2月1日:荷物の取り扱いが廃止。
  • 1986年(昭和61年)11月1日:簡易委託駅となり、無人化。
  • 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅となる。
  • 1988年(昭和63年)12月:駅舎改築。
  • 1992年(平成4年)4月1日:簡易委託が廃止され、完全無人化。
  • 1998年(平成10年)5月21日:北海道新幹線 新函館駅(仮称)駅部調査開始。
  • 2005年(平成17年)5月22日:北海道新幹線 新青森駅 - 新函館駅(仮称)間建設工事の起工式挙行。
  • 2006年(平成18年)2月1日:市町村合併に伴い、所在地が北斗市となる。
  • 2007年(平成19年)10月1日:駅番号を設定。
  • 2012年(平成24年)2月:工事のため駅舎解体。仮駅舎に移行。
  • 2013年(平成25年)6月15日:新函館駅(仮称)駅舎建設工事の安全祈願および立柱式挙行。
  • 2014年(平成26年)
    • 6月11日:北海道新幹線開業後の駅名を「新函館北斗駅」に決定。
    • 12月1日:奥津軽いまべつ駅 - 新函館北斗駅間で北海道新幹線の走行試験を開始。当駅に新幹線車両(H5系電車)が初入線し、地元自治体による歓迎セレモニーを開催。
  • 2015年(平成27年)
    • 3月29日:仮駅舎から新駅舎(現駅舎)に移転。新在来線ホームのうち、第1ホームと第2ホームが使用を開始する。
    • 7月31日:別組織扱いで「新函館北斗開業準備駅」(7名配置)を設置。
    • 9月3日:新駅舎が完成。
  • 2016年(平成28年)
    • 3月19日:駅舎内に併設される「北斗市観光交流センター」が先行して営業を開始。
    • 3月26日:北海道新幹線の新青森駅 - 当駅間開業に伴い、新函館北斗駅(しんはこだてほくとえき)に改称。函館本線の五稜郭駅 - 当駅間が電化(交流20,000V・50Hz)。特急「北斗」「スーパー北斗」(当時)も下り列車の経由を藤城支線から本線に切り替え、全列車の停車駅となる。函館駅までのアクセス列車「はこだてライナー」も運行を開始。
  • 2020年(令和2年)3月14日:新幹線eチケットサービス開始。
  • 2021年(令和3年)度:話せる券売機を導入。
  • 2024年(令和6年)春:函館本線・函館方面でICカード「Kitaca」の利用が可能となる(予定)。