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東山円筒分水槽 |
「東山円筒分水槽」は、富山県魚津市東山地区の天神野用水・青柳用水・東山用水の3つの用水に公平に水を分配するための円筒分水槽です。
2020年4月3日に国の登録有形文化財(建造物)に登録されました。また日本一美しい”円筒分水槽”と呼ばれています。
令和2年12月には、魚津市により分水槽とその周辺の美しい景観を望むポケットパークが整備されています。
この東山円筒分水槽は、直径9.12m、高さ2.5mの水槽となっていて中心部分から水が溢れ出し、3方向の農業用水路に流れ出る仕組みになっています。
このような円筒分水槽の利点として、上流からの水量の変化に影響されることなく公平に分配される点です。東山円筒分水漕に導入されている片貝川の水は、北陸電力の水力発電所「片貝第一発電所」の発電用に利用されていて、その放水口から水路トンネルを通り、円筒分水槽に運ばれています。水を無駄なく利用しているわけですね。
この東山円筒分水漕は建設当時は富山県で初めての工法として施工され、50年を経過した現在でも何ら支障なく安定した用水の供給に貢献しています。円筒分水槽は全国にいろんな形のものが存在しますが富山県内には5つ、内2つが魚津(東山円筒分水槽・貝田新円筒分水槽)にあります。
ここの水源となっている片貝川は急流河川として名高く、その流域は豪雨時には水害、夏期には深刻な水不足に悩まされ、水争いが絶えませんでした。 水争いを解決するため、沢山あった取水口を一ヶ所にまとめ、左岸には貝田新円筒分水槽、右岸には東山円筒分水槽を作り、片貝川の川底にヒューム管を埋めて2つの分水槽をつなぎました。
この事業は、昭和13年に黒谷地区に取り入れ口(黒谷頭首工)を設置、戦争により工事は一時中断しましたが、昭和25年に再開し5ヶ年でこれらの農業用水利施設を完成させました。
用水路の改修を目的とし、黒谷地先・片貝第一発電所放水口より受けて黒谷頭首工の取水と合流、発電併用導水路トンネルを経て貝田新地内で左岸及び右岸の各用水へ公平に分水されるようになりました。水争いは全国各地で発生していたようですが、このような円筒分水漕により解決したわけです。
平成25年度の富山県うるおい環境とやま賞では水の賞を受賞しています。
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登録有形文化財 |
各用水路に分水しています |
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東山円筒分水槽は落差が大きいのです |
説明板 |
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こんな大規模な円筒分水槽はなかなかない |
左が東山用水、右が青柳用水 |
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水の賞を受賞しています。 |
天神野用水への取水 |
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天神野用水には十分に水が流れているようです。 |
説明板 |
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落差が大きいのです |
左は東山用水、右は青柳用水に水が流れています |
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住所 |
富山県魚津市東山 |
入場料 |
無料 |
駐車場 |
あり |
公共交通 |
天神ルート:東山公民館にて下車、徒歩数分(約800m位) |
アクセス |
あいの風とやま鉄道魚津駅より 車で約12分 |
文化財 |
国登録有形文化財 |
運営主体 |
魚津市土地改良区 |
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