不動堂遺跡は、富山県朝日町不動堂に所在する繩文時代中期初頭から中葉におよぶ集落遺跡です。
昭和48年には圃場整備事業に伴う発掘調査が行われ、さらに昭和53年、54年にも調査が行われた結果、土器・石器など多数の遺物とともに22棟の竪穴住居跡や土壙などの遺構が発見されています。
特に遺跡の中央部では、長径約17メートル、短径約8メートル、深さ20センチの東西に長い楕円形を呈する大形竪穴遺構があり、当時としては国内最大の竪穴住居跡として注目されています。
床面中央には、4基の石囲い炉が長軸線上に規則正しく配置され、このうち東方の2基は方形、西方の2基は円形です。
また内側の方・円各1基の炉には、その南側に底を抜いた深鉢形土器が埋設されています。
このような大形竪穴遺構は、約130㎡と広大な面積をもつこと、方・円各2基ずつの炉の存在など、通常の竪穴住居とは異なって、集落内で集会場としての機能をもった建物と推測されています。
昭和49年には縄文時代の集落構造や社会生活を探る上で貴重な遺跡として、国史跡として指定されています。
昭和59年には遺跡内に、タイプの異なる3棟の住居跡を原寸大に復元して、縄文時代の生活の知恵を知ることができる公園と
して整備されました。
不動堂遺跡から出土した石器は隣接するなないろKANに展示してあります。
三棟の竪穴住居は、今からおおよそ4,500年~5,000年前の住居を復元したものです。復元のために集められた材料は、一束直径15センチ、長さ1メートルから1.5メートルのカヤ一万束を始め、ナラやカシ、栗などの柱材その他、縄代割りのマンサクやフジづるなどの補足材など、ざっと43立方メートルにもなり、一年がかりで集められました。
竪穴住居の中は、夏は涼しく、冬は炉で火を燃やすと暖かく、寒さがしのげます。また、夜は食べ物の煮炊きや夜の灯りに、そして住居の湿気を取り除くのにも役立ちます。屋根に魚などをつり下げておけば、薫製ができあがり、木の実は乾燥保存ができます。今、復元された住居の中にたたずめば、釘をいっさい使わない住居の作り方とともに、古代人の生活の知恵を伺い知ることができ、長い長い時を越えて私たちをロマンの世界へ誘うのです。
不動堂遺跡に隣接する朝日町歴史公園には、江戸時代の町屋を復元した板葺き石置き屋根の旧川上家があります。
中では民具を展示し、特産のバタバタ茶の試飲もできるので、ここも併せて訪れると良いでしょう。
またやはり隣接する百河豚美術館は、湖上に浮かぶピラミッド型の美術館で、野々村仁清や本阿弥光悦の貴重な作品をはじめ、古今東西の多彩な美術品を展示しています。
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史跡不動堂遺跡 |
不動堂遺跡説明板 |
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第二号住居は日本でも最大級の竪穴住居跡です |
復元された第四号住居 |
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復元された第一号住居 |
第五号住居跡 |
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第一八号住居跡 |
第一七号住居跡 |
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第九号住居跡 |
第二号住居内部 |
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第四号住居内部 |
第一号住居内部 |
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第二号住居跡の石組炉 |
第一号住居跡の石組炉 |
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旧川上家 |
水車小屋 |
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住所 |
富山県下新川郡朝日町不動堂5 |
電話 |
TEL 0765-83-1100 |
開場時間 |
9:00~17:00 |
入館料 |
無料 |
遺構 |
竪穴住居跡19棟、土壙 |
出土品 |
土器・石器 |
存続時期 |
繩文時代中期初頭~中葉 |
施設 |
管理棟(閉鎖中)・駐車場・説明板・なないろKAN |
指定文化財 |
国史跡 |
住所 |
富山県朝日町横水300番地 |
電話 |
TEL 0765-83-3700 |
開場時間 |
9:00~21:00(月曜は~17:00) |
入館料 |
みごたえ館、たくみ館、ふれあい館のみ3館共通600円 |
休館日 |
火曜(祝日の場合は翌日) |
駐車場 |
駐車場あり |
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