平成15年6月27日、参議院で労働基準法の一部改正が可決されました。
改正内容は、次の通りです。
一 有期労働契約の見直し
 1 有期労働契約の契約期間の上限を一年から三年に延長する。なお、高度な専門的知識等を有する労働者又は満六十歳以上の労働者との間に締結される労働契約については、契約期間の上限を三年から五年に延長する。
 2 厚生労働大臣は、有期労働契約の期間満了時等における労使紛争を未然に防止するため、使用者が行う労働契約の期間満了に係る通知に関する事項等についての基準を定めることができるものとする。
二 解雇に係る規定の整備
 1 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
 2 就業規則の必要記載事項に、解雇の事由を含めることとする。
三 裁量労働制の見直し
 1 専門業務型裁量労働制の導入に当たって、労使協定で定めなければならない事項として、対象労働者の健康・福祉確保のための措置及び苦情処理に関する措置を追加する。
 2 企画業務型裁量労働制について、対象となる事業場の範囲の拡大を行うほか、制度の導入に当たって必要とされる労使委員会が行う決議の要件等を緩和する。
四 有期労働契約の特例等
 1 契約期間の上限が三年とされる労働者は、一年を超える有期労働契約を締結した場合、次項の措置が講じられるまでの間、契約期間の初日から一年を経過した日以後、いつでも退職することができるもの  とする。
 2 政府は、本法施行後三年を経過した場合において、契約期間等を定めている第十四条の規定について、施行状況を勘案しつつ検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 
五 施行期日
  この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

問題点
 今回の改正でもっとも問題になったのは18条2に該当する解雇ルールでした。
原案では解雇自由の原則がうたってあり、野党がそれに反発して最終的には解雇自由の原則は削除されたことで一応の歯止めがかかったわけです。
 しかしもともといわゆる整理解雇四要件は訴訟上も絶対的な判例とは言えず、それから逸脱した判決も見受けられるわけで、今回の改正が整理解雇四要件をなし崩し的にぶちこわす事になってはたいへんゆゆしき事です。
そもそも今の時期にもし解雇自由の原則などを盛り込もうというのは、あまりにも現実を考えていない暴挙であると言わざるを得ません。解雇自由になりリストラが横行すれば失業率が低下し、購買力も低下する上に雇用保険も破綻する虞が出てきます。結局は購買力が低下する事で企業の業績も低下し企業は自分のクビをしめる事になるのは明白です。
 我々労組は今後とも裁判所の動向には注視していかなければならないでしょう。